マスコミ

2017年8月30日 (水)

ミサイル発射と各紙社説

北朝鮮の日本上空越え発射に対する8月30日付社説のタイトルは次のようになっている。朝日、読売、日経は圧力強化の方向で、読売が「敵基地攻撃能力保有の検討」に言及、東京は話し合い解決優先だが、トランプだのみで独自の方策が見あたらない。

ミサイル発射 日米韓の結束強化を 朝日
○北ミサイル発射 日本通過は許されない暴挙だ 読売
○列島越えた北朝鮮ミサイル 日本主導で5カ国協議を 毎日
○危険極まる北の挑発に強力な制裁圧力を 日経
○北ミサイル、「善意」は独裁者に通用しない 首相は積極防衛に転換を 産経
北朝鮮ミサイル 日本を実験場にするな 東京

産経は、独自の主戦論だ。専守防衛を捨てて「積極防衛」転換を政府に要求、敵基地攻撃能力を導入したうえ敵地攻撃力へと進化させるという右翼好みの勇ましいものだ。

毎日の「日本主導で5カ国協議を」が目新しい。本塾の昨日の提案と同様な趣旨だが、協議の内容にまで踏み込むのは、想像・予測が入るので時期尚早ということだろう。

 

 

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2017年7月 3日 (月)

忖度時代に幕

  都議選結果をどう見るか。大きな変化が目の前に迫っているはずだが、世の中には流れというものがある。その流れが緩慢で気がつかないように自然に変わるのか、急カーブを切るのかはわからない。

 自民 57↓23 -34 惨敗

 公明 22↑23 +1  堅実

共産 17↑19 +2  健闘

民進  7↓5  -2  泡沫

都民フ 6↑55 +49 虚像

  これからどうなるのかの確たる予測は、マスコミでもしかねているようだ。内閣改造とか臨時国会、自民党の総裁選、改憲日程などを淡々と述べるだけで都議選がもたらした流れの変化を予測するものはほとんどない、といっていい。

 前回、都議選で惨敗するようなら、内閣改造は首相の入れ替えが一番。と書いたが、それは、内閣総辞職を意味し、今のままではありそうもない。では、流れはどう変わるのか。すでに流れの変化は出ていた。

 マスコミである。以前はネットウヨの喜びそうな見出しをつけていれば売れていた雑誌系週刊誌が、今は「文春砲」などと言われるようなスクープ合戦が権力に巣くう右派に向けられるようになった。

 読売の御用紙ぶりは相変わらず。加計学園関連文書の存在を明かした元文科省事務次官の発表と、日を合わすように当人のスキャンダル・ゴシップを取り上げたことで、読者からの批判もあったようだ。 

産経も政府系と並び称されることが多かったが、売れる記事であれば発信元の如何を問わず積極的に取り上げるという傾向が強くなり、読売のように都合の悪い記事は避けて通る、という態度はなくなっているように見える。

NHKでも一時噂された政府の牽制にもかかわらず、番組によっては、公正を武器に「エッ」と思うようなことも放映するようになった。これらは、緩やかな流れの変化であろう。

東京・公明党の自民党離や維新の東京進出に関心なし、も傾向のひとつになろう。この先、確実にありそうなことは、役人にとって権力にかげりが出てくれば、人事権も永久不滅のものではないということである。「忖度」も限定的になり、秘密を死守するようなことはなくなるだろう。

フリーハンドを持つということ、それは外交であろうと国家であろうと、また、個人であろうと「一強」よりはるかに強いことを知るべきだ。さきの戦争への過程で、大手マスコミ各社が戦争記事は売れるからという理由に甘んじ、フリーハンドを持たなかったことにもよる。

社会にとって、「忖度」は百害あって一利なしである。

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2017年6月 1日 (木)

首相呼び捨て猛批判

 今朝パソコンでネットに入ったら、表題のようなニュース見出しが目に付いた。産経マークがついている。これだけでは意味が分からないのでクリックしてみた。内容は、

かつて自民党総裁を務めた河野洋平元衆院議長が31日、都内で講演し、安倍晋三首相(党総裁)が9条への自衛隊の存在明記などの憲法改正に意欲を示したことに関し、「安倍という不思議な政権」と呼び捨てにし、「理解のしようもない」と首相を猛批判した

 ということ。

 産経では政権や内閣をいうときどういう敬称を付けるのだろうか不思議になった。当塾では揶揄するとき以外に敬称は付けない。国民が公僕に対して敬称をつける義務はない。まして元国会議長、首相とは同格である。

 どうやら、慰安婦問題で「河野談話」をまとめた同氏に対して、ネットウヨレベルの「河野・国賊」評価を下敷きにしているからだろう。くだらないことでも読売と違って時々スクープを参考にする同紙だが、事実関係の報道より「河野憎し」が先に立つようでは、マスメディアやジャーナリズムに列することができない。

 韓国の慰安婦矛盾撞着にはあきれかえる塾頭だが、ネットウヨやヘイトスピーチ応援団では、これから食っていけなくなることを心配する塾頭だ。

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2017年5月27日 (土)

一強安倍政権の正念場

加計学園の認可問題、前川元文部事務次官の爆弾発言というより原爆発言というべきだろう。史上類を見ない内部告発は、このところ連続して書いている。内閣か元・官僚トップのどちらかが大嘘をついているからである。

野党は、前川氏を国会に証人喚問し真実を明らかにするよう要求しているが、竹下自民党国対委員長は「(証言は)面白いが、政治の本質に何の関係もない」といってこれを拒否する構えである。

「政治の本質」とは何を言うのか分からないが、森友学園関連で安倍首相夫人が100万円の寄付をしたかしなかったという問題同様、それ自体は国政を左右するテーマではない。

だが、首相や内閣・行政が国民に対して公然と嘘をつくとなれば、大本営発表で日本の終戦の時期を失したのと同じ過ちを繰り返すことになる。

マスコミ報道を見ていると、どう見ても元・官僚の発言、そして政府側の官房長官などのコメントを比べて、「勝負あった」と言わざるを得ない。政府側主張を懸命にバックアップしようと努力したのが読売新聞である。

週刊誌で発表される当日、「出会い系バー通い」など、元官僚の信頼性をそこねるような記事を1面に掲載した。これは、官邸筋からのリークによる証言妨害工作という噂も流れている。

国民は、真実を知りたいのである。特にマスコミがそれを放棄するようでは存在価値がなくなる。しかし、いくら「反戦塾」であっても、朝日、毎日、赤旗だけに頼っていたのでは真実はつかめない。

読売は購読していないので、ネットや日本テレビを頼りにしている。テレビは他社系にくらべて政治ニュースの時間や掘り下げが少ないので、見る機会が少なくなるが、今回は新聞の番組表を見て関連の項目が載っていたので放送時間にスイッチを入れた。

ところが一向に出てこない。そこへ夕刊が配達されたので同じ番組を念のため確かめたら、朝刊にはあったその項目だけが削除されている。やはり~という気持ちになったが、もっと遅い時間のトーク番組では取りあげていた。

そして今日、同社は<加計学園問題 「特区指定」の説明を丁寧に>という題で社説にした。なんと昨夜の同社コメンテーターの発言そのものである。

はっきりした表現ではないが「与党は、野党による前川氏の証人喚問要求を拒んでいる。政府は文書の存在を否定し、文科省の再調査も必要ないとしているが、その主張はやや強引ではないか。」としており、国民の納得が得られないなら証人喚問もやむを得ないともとれる書き方だ。

拒否し続けると「やっぱり政府の言い分が嘘だから」と国民にとられる。この日曜日にどこかで世論調査があるかも知れない。真相を知りたい派が過半数以上になるだろう。

読売にまで見切られるようでは、一強安倍政権にとうとう正念場がやってきた、と言えるかも知れない。

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2017年5月25日 (木)

『文春』対『新潮』バトル

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  文春と新潮の週刊誌バトルが大変なことになった。すでに新聞テレビなどで詳報されている。両誌は発売日が同じで新聞広告に隣同士となることは珍しくない。

これまでは、ネットウヨが喜びそうな記事を競い合っていた。最近はそれでは部数をのばせないと見たのか、安倍政権がらみ特ダネ競争に目を向けている。森友では首相夫人付きの女性秘書を隠すことで沈静化できると見ていた官邸だが、加計学園では急に追いつめられてきた。

 菅官房長官が「怪文書」の類と称した文書の存在が事実であり、官邸の横車を示す中身は本当だとする前川・前文部科学事務次官の証言が、今日発売の週刊文春に載ることになったのだ。

事務次官は官僚のトップであり、政治も軍事も法律もレベル以下しかない急ごしらえ大臣などよりずっと重みがある。安倍首相は、その「官僚のプライド」を頭からなめてかかっていたつけが回ってきた。それが坊ちゃん宰相の限界だった。

アメリカにも似たような現象があるが、司法や機関の独立性は日本にないものがある。さらにマスメディアに対する露骨な攻撃も、日本はアメリカに似てきた。これもアメリカの方が抵抗力を持っていそうだ。

日本の場合は、憲法に対する首相の私的な所信を読売だけに書かせた。また、前川・前文部科学事務次官が出会い系バー通いをしているという、役人への牽制と見られる記事も同紙1面に踊る。

しかし前川氏は、天下り人事の斡旋をしたかどで追放された身だ。バー通いを指摘されても「その通り。別に法は犯していない」、と平然としている。官僚の「忖度」より「矜持」を優先させただけのことで事実が覆るわけではない。

首相は最大発行部数を誇る読売を押さえたことでマスコミをコントロールできると踏んでいるのであろうか。前述の2誌は、雑誌系である。週刊誌だけではない。東洋経済などの経済誌の活躍も目立つ。

自民党の中に、広告収入で締め上げればなどと発言したものがいるようだが、その広告料金は読者数で決まってくる。さらに広告がネット利用で多様化し電通に支配されるような状態でもなくなった。

写真の広告の中に、新潮が「文春砲」と呼ばれた特ダネが、実は新潮の中吊り広告の試し刷りの段階で盗んだものという、両誌の泥仕合を暴露したものもある。

中央一般紙は、購読料休刊日など横並びになっているが、同じ日に広告の出る両誌は週間文春の方が税込みで20円高いのである。定価に差をつける以上に読者数を競わなければならない。取材にも生き残りをかけた競争があって妥協は許されないと言う現実がある。

日本のために、こういう競争はなくさないでほしい。

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2017年4月19日 (水)

米空母急派はなかった?

また、毎日新聞がとんでもない記事を載せている。全くのガセとも思えないが、本当だとすると米海軍の情報操作だ。他紙には見られず同紙の扱いも大きいとは言えないが、追求し続けることはマスコミの義務だ。

 

【ワシントン会川晴之】米海軍は17日までに、原子力空母「カール・ビンソン」がインドネシア近海を15日に航行している写真を公表した。トランプ米大統領は12日放映の米テレビで「大艦隊を派遣した」と述べるなど、核・ミサイル開発を加速する北朝鮮をけん制するため、朝鮮半島近海に派遣中と見られていた。だが現実には、平壌で故金日成(キムイルソン)主席の生誕記念日「太陽節」の式典があった15日には、はるか南方を航行していたことになる。

 写真は、空母がインドネシアのスマトラ島とジャワ島の間にあるスンダ海峡を航行中のもの。米軍は「カール・ビンソン」を中心とする空母打撃群は8日にシンガポールを出航、当初のオーストラリアでの演習を取りやめ、朝鮮半島を含む西太平洋海域に展開中と発表していた。

 米軍事専門紙「ディフェンス・ニューズ(電子版)」は17日、空母は15日時点で「朝鮮半島から5600キロ離れている」と伝えた。同紙によると米海軍は、25日の朝鮮人民軍創建記念日前後には、朝鮮半島近海に展開する可能性を否定しなかった。

 マティス米国防長官は12日の記者会見で、空母が朝鮮半島周辺に向かっている目的を問われた際に「その地域に展開することが最も賢明な措置だと思ったからだ」と説明していた。米軍は通常、作戦中の艦船の展開先を公表しない。今後、朝鮮半島周辺に展開しない可能性もある。



ニュースサイトで読む: https://mainichi.jp/articles/20170419/ddm/007/030/067000c#csidx90f5e5e96512ebeadf411b8c6f21480                              
Copyright
毎日新聞

 

現に、同紙の4月12日付社説の冒頭では、<トランプ米政権が原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に派遣した。>と書いている。また、テレビ解説の中には、艦隊の空撮映像とともに、現在展開中の米海軍の想定位置と地図にして示すところもあった。

 

上記記事で日付を丹念に追ってみてほしい。オーストラリアにしろ東シナ海にしろ、往復に1週間はかかる。海上自衛隊と共同訓練などあり得ない話だ。報道が本当なら世界中が米海軍に適当に踊らされていたことになる。踊ったのはマスコミにも責任があるが、戦争の危機さえはらむ内容を、いいかげんにして見過ごすことはできない。

 

ここ何度か書いているが、アメリカにはニセ情報を覆すだけの土壌がある。日本にそれを求めるのは、「木によりて魚を求める」などと言われないようにしてほしい。

 

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2017年4月15日 (土)

お粗末ニュース

電子版にないようなので全文引用させてもらう(毎日新聞4/15・東京朝刊)

自動運転機能を搭載した日産の試乗車を運転した客が、販売員の指示でブレーキをかけずに走行して追突する事故があり、警察庁などは、14日、店員の誤った認識が原因だったとして自動車業界の各団体に対し、機能の限界と注意点を正しく理解した上でユーザーに説明するよう要請した。

事故は昨年11月、千葉県八千代市で発生。日産の「セレナ」に試乗した男性(38)に、販売店員(28)が「本来はここでブレーキですが踏むのを我慢して」と指示、そのまま停車中の車に追突して2人が軽傷を負った。

 警察庁などによると、現場は当時、薄暮の小雨でワイパーが作動していた。停車中の車のカラーも黒で自動制御センサーが認識しにくい状況だったことから「衝突被害軽減ブレーキ」が作動しなかったという。警察庁担当者は「あらゆる環境で作動するとの誤った認識で技術を過信した」と指摘している。

 千葉県警は14日、業務上過失傷害容疑などで販売店員や店長(46)ら3人を書類送検した。

 

見出しは「自動運転ブレーキを踏まず事故」となっている。このごろは、毎日のように「完全自動運転」とか、高度な人工頭脳関連のニュースがある。そして、オリンピック開催時までには完全自動運転車が町を走るようになる、とはやしている。

 

時流に水をさす記事かなと思って読んだら、事故はなんと去年の11月のこと、ニュースではない。現場の千葉県警ではなく、送検の報告を受けた警察庁からの取材によるものである。

 

お粗末なのは、まずこの点。そして、雪道、大吹雪などならともかく、薄暮で黒い車で小雨程度、人間の視覚で認識できるようなことがセンサーではできない。そんなお粗末な自動運転車は、買う人がいないかではないかというのが第2点。

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2017年3月 5日 (日)

米国版「人権報告書」

 「よく言うよ!」。昔はなかった表現だが、これがぴったり。下記新聞記事の見出しは、「安倍政権が報道圧力」「電波停止」「秘密保護法」米国務省指摘、である。それに違いないのだが、米国務省(外務省にあたる)からは言われたくないね。

 

 3本前の「マスコミとマスメディア」に、国際NGO「国境なき記者団」が発表した2016年の「報道の自由度ランキング」を書いている。日本は、安倍内閣のもとで対象180カ国・地域のうち10年の11位から、去年は72位に惨落。先進国の面目丸つぶれとなった。アメリカは41位で、まだ上位にある。

 

特定国民の入国を禁止したり、大統領が特定記者を会見から閉め出しマスコミを嘘つき呼ばわりする国について、米国務省は本年版にどう書くのだろうか、昨年版の報告書は、多分オバマ政権時代にできていたものなのだろう。

 

国境なき記者団のランキングとともに興味津々だ。日本の役所が米国務省に教えてあげればいい。

 

「一昨年の記録は保管期限が過ぎたので破棄、確認ができません」、「国内問題については所管事項でありません」とね。

 【ワシントン共同】米国務省は3日、2016年版の人権報告書を発表した。高市早苗総務相が昨年2月、放送法の定める「政治的公平」への違反を重ねる放送局に電波停止を命じる可能性に言及した点に触れ、安倍政権によるメディアへの圧力強化に懸念が強まったと指摘した。報告書は、特定秘密保護法の成立も報道機関への圧力を高めたと例示し、日本の記者クラブ制度が排他的で「自己検閲を助長している」と批判する声も紹介した。

 広告大手、電通の新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)が長時間労働の末に自殺した問題に触れ「karoshi(過労死)がもたらす深刻な結果に改めて関心を集めることになった」と指摘した。報告書の対象は米国を除く199カ国・地域。(後略・毎日新聞3/5東京朝刊

 


 

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2017年2月27日 (月)

マスコミとマスメディア

 この二つの言葉、どこかひっかかるものの、あまり区別せずに使っていた。今朝、NHKニュースを聞いていると、自局も含めて「メディア」といっている。

 

「メディア」を塾頭が最初に聞いたのは広告代理店の人からだった。「広告媒体」の意味で、新聞・雑誌・テレビ・ラジオを指し、NHKは「メディア」に入っていなかった。

 

マスコミ(マスコミュニヶーションズ=大衆伝達機関)とは、そもそもの意味が違う。それが渾然一体となって、今では「メディア」の方が断然優勢になった。これはなぜだろう。

 

ひと言でいえばマスコミがマスメディアに「堕落」したからである。新聞然り、テレビ然りである。番組(記事)だと思って見ていたらそれがコマーシャルだったり、広告だと思ってたら番組(記事)だったりする。

 

このブログでさえそうだ。記事に関係ありそうな広告が間髪を入れず入ってくる。かつては広告に倫理規定があったかどうかは知らないが、ジャーナリズムの権威が見境のない宣伝で侵されることはなかった。

 

トランプさんは、CNNやニューヨーク・タイムスまで「嘘つきだ」といって会見を閉め出し発言を封じようとする。どっちが嘘つきか――調査ではトランプに軍配をあげる人が結構いる。

 

国際NGO「国境なき記者団」が発表した2016年の「報道の自由度ランキング」では、対象の180カ国・地域のうちアメリカは41位だった。来年はトランピズムでどう変わるか。

 

ちなみに、日本は10年には11位だったが、年々順位を下げ、1459位、15年は61位、そして去年は72位とワースト記録を更新した。政治とマスコミ双方に責任あり、としなければならない。

 

「マスコミの堕落」と書いたが、どうやら世の中がそのような構造変化をきたしているのかも知れない。企業は「爆売れ」しないと名門企業でさえ没落する、誠実さや理念より「お金を持ってくる」社員の方が優遇され、いい地位につく。

 

これを「当たり前」だと感ずる人が多くなったせいかも知れない。

「いやな世の中になった」では済まされないと思うのだが……

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2017年1月 7日 (土)

超楽観年頭所感

 活字離れというが、塾頭は毎朝新聞を見るのを楽しみにしている。正月休み中は、今年の予測、抱負とか希望的観測といった「おめでたい」記事が通例となる。ところが今年は違う。まず「トランプ」の名が大津波のように紙面を覆う。

 同時にヨーロッパ、アジアでも何十年来経験したことの無い「大変化」がありそうだと不安をあおり、お屠蘇気分もすっ飛んでしまう勢いだ。

 その原因は、世界を覆う「反・グローバリズム=孤立主義」「ポピュリズム=衆愚政治、大衆迎合主義」「右傾化」などであり、それを動かしているのはマスコミを凌駕したSNSなど、無責任な過激情報だとする。

 これは、マスコミ媒体の「敗北宣言」である。そういった意味で、当初ブログに殺到した匿名、無責任、過激発言を旨とする「ネット・ウヨ」は、同じネット論陣でもブログから離れてしまったようだ。それを嘆くべきか喜ぶべきかは別として、一条の希望の光がないわけではない。

 戦後、民主主義・議会主義・自由主義、言論・討議の在り方を勉強する中で、中庸とコモン・センスが重要な位置を占めることを知った。「コモン・センス」は和製英語っぽいが、「コモン・ディーセンシー(市民の良識)の勝利」と呼ばれている状況が去年の暮れにあったのだ。

 それは、オーストリアの大統領選である。難民の排斥を訴えた極右政党の候補が46%、EUを堅持し、従来続けてきた安定への努力を訴えたファン・デア・ベレン氏の得票率は53%(いずれも出口調査)で、ヨーロッパにおける右翼大躍進の流れを僅差で破ったのだ。

 これから、フランスの大統領選があるが、極右である国民戦線のマリーヌ・ル・ペンが女性候補として浮上してきた。仮に彼女が当選すればEU瓦解に拍車をかけることになる。大戦後、ヨーロッパに恒久平和をもたらすため、叡智を集めてスタートしたのが欧州共同体だ。

 これが、国家本位のトランプ流に傾けば、これまでの努力が水泡に帰すことになる。オーストリアは小国ながら、欧州での戦争と平和に大きく影響してきた国だ。同国のコモン・ディーセンシーは、共同体の発起人であるフランスはもとより、その他の国々に波及するはずだ。安倍首相のいう「戦後レジームの脱却」などとは比較にならない重みがある。

 もちろん、トランプのように大方の予想が覆るということはあり得る。しかし、トランプ自身、大統領就任後は、コモン・ディーセンシーから大きく離れた政策はとり得ないだろう。それがなければ、与党や議会の混乱はもとより、暴動を警戒しなければならなくなる。

 そうすると、混迷を極める東アジア情勢も、ナショナリズム依存体質から脱却し、軌道修正を迫られるのではないか。塾頭の超楽観年頭所感である。

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