マスコミ

2020年1月16日 (木)

三白眼

 昔は、殺人や強盗犯など、「やはり人相が悪い」というのが相場だった。ところが現在、メディアに映し出される凶悪犯人は、美男美女といってもいいほどの者が少なくない。

 なぜだろう。昔は、後ろ手に縛られた犯人が警察の所定の場所・所定のカメラの前に立たされ、正面を向くように指示される。

 そこで、目玉だけ上げるいわゆる「三白眼」に写ってしまい、その写真が公表されるからだ、などとされてきた。

 今の人は、日ごろ写真に向かう回数が多く、撮られ方も上手だ。また写すカメラの数が多く、それを意識することもないのだろう。

 昔の常識は通らなくなった。

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2019年12月23日 (月)

新聞が公器なら――

 今日の毎日新聞の1面トップは、障害者施設が住民の反対で建設できなくなったり、建設予定地の変更を余儀なくされたりしたケースを全国調査した結果を報ずる。

 47都道府県と、道府県庁所在地、政令市、中核市、東京23区の計106自治体に今年9月、2014年10月~19年9月の5年間に起きた反対運動などについて尋ねる調査票をメールで送り回答を得たものである。

 グループホーム(GH)などの障害者施設が住民の反対で建設できなくなったり、建設予定地の変更を余儀なくされたりしたケースが、過去5年間で少なくと調査した106件中計68件起きていた。建設予定地の変更を余儀なくされたりしたケースである。

 障害の種類別では、知的障害者や精神障害者の施設への反対が全体の7割を占めた。反対する理由を複数回答で尋ねると、障害者を危険視▽住環境の悪化▽説明が不十分――などが多かった。

 ところが、「(反対運動が)ない」と答えたのは71の道県と市区。一方、46の府県と市区が「把握していない」と回答しているため、実際には68件よりさらに多くの反対運動が起きているとみられると分析するが、問題になっている方が少ないという結果だ。

 ちょっと、トップ記事にするには迫力のない企画記事だと思う。実は、塾頭宅から徒歩5分前後のところに、こういった施設が3か所もある。そのうちの一つは、公職選挙の投票所に起用されている。

 いずれも、国分寺が寺域としていたところに入り、それに関係があるのだろうか。ここに移り住んで40年以上になるが、住民とのトラブルなど一度も聞いたことがない。

 地元の催しに手作りのグッズを安く販売したり、道で会ってもマナーがよく、挨拶に返事しても和やかな笑顔を返してくれるなど、地域社会に溶け込んだ存在だ。

 新聞企画としては、そういった実態も調査・披露して、困っている自治体に協力する内容も盛り込んでほしかった。

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2019年11月26日 (火)

〇〇虐待死

 日課となっている朝刊のページをめくる。

 地方面まで進んだら、大きなゴシック活字で「野田虐待死」。さらに総合社会面まで行くと、同じ事件をここでは「千葉虐待死」の大見出し。

 昨今、どこの自治体も、ユルキャラなどを作って地域振興・イメージアップに大童だ。その足を取ってひっくり返すような仕打ちをマスメディアが繰り返している。

 野田といえば、野田醤油で有名なちょっとした観光地だ。また、野田さんという姓の方も多いだろう。もちろん虐待死とは何の関係もない。

 メディアの、こうした扱い方は迷惑に違いない。だからと言って抗議したり訴えたりすれば、表現の自由などと反撃される。

 どうして、こういう表現になるか。昨今こういう事件が頻発しすぎ、区別するためにはこれしかない、ということなのか。

 それにしても、もうひと工夫あってしかるべきだと思うのだが。

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2019年11月18日 (月)

安倍支持急落の兆し

 いつもは、内閣支持率を取り上げることをしないが、今日発表された読売新聞の結果は注目せざるを得ない。

 11月15~17日に実施した全国世論調査で、安倍内閣の支持率は49%となり、前回(10月18~20日)の55%から6ポイント低下した。

 これは、その直前の時事通信が8~11日に実施した11月の世論調査で、安倍内閣の支持率は前月比4.3ポイント増の48.5%とは反対に、逆転の始まりと見ていい。時事の調査は「桜を見る会」報道を反映していない。やはりこれが命取りになりそうだ。

 さらに控えるのが、今月24日投開票の高知県知事選である。自公が推す候補と、野党統一の共産系無所属候補による一騎打ちになる。

 「桜を見る会」は、共産党のスクープで表面化した。知事選には、公明党流の全国党員参加の意気込みで臨むだろう。

 安住淳立民党国会対策委員長は、国会での追及が思いに任せなかったとしても、野党統一候補支援では、その要に位置する。彼の活動履歴からしても、成功に全力投球するに違いない。

 このところ、与党は地方の選挙で星を落とすことが多い。首相は最後を飾るどころか、みじめな結果で終わりそうだ。

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2019年11月 6日 (水)

文春砲、森田千葉県知事直撃

 本塾が10月8日に記事にした件、遂に11月7日発売の『週刊文春』による「文春砲」の直撃を受けることになった。

 その問題部分を本塾でこう記している。

 新聞の報ずる知事の行動とは次のようなものである。

・台風が通過した9月9日、当時の気象状況が基準に達していたにもかかわらず「災害警戒体制」に入らず、災害対策本部設置の前段階の「応急対策本部」も設置しなかった。

・台風15号通過時に一度も登庁せず、10日午前にようやく災害対策本部を設置した。

・当初、知事の初の被災地視察は14日とされていたが、県議会で10日の知事公用車の走行距離が109㌔に上ることを立憲民主党が指摘、県秘書課は、「知事は(10日に同県)富里市方面の被害地を回っていた」と説明を変更したが、途中で私用車に乗り換えるなど不自然な行動。

 文春砲はそれを徹底追跡、冨里や隣接する森田氏の別荘がある芝山町の町議・地元市民への取材で、知事や知事秘書室のウソを丹念に暴いたもの。さらに17年の県知事選における1100万円の使途不明金などの問題を5ページにわたって特集しているようだ。

 知事については、これまで2期目につなげてこれたことが不思議といっていいほどだった。

 議会もこんなことを見逃せるはずがない。かつての人気タレント候補も、不信任決議・辞職の途をたどることになるだろう。

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2019年10月14日 (月)

公器・新聞の危機

 明日から新聞週間が始まる。それなのに今日が休刊日なので、明日の朝刊は配達されない。毎日新聞とか日日新聞などの社名が示すように、かつては休刊するのは、年に2日とか多くとも数日以内であった。

 休刊日は毎月あり、祝日など公休日がやたら増えたので夕刊のない日もふえた。それなのに値上げの声がちらほらする。

 消費税の上乗せのないのがせめてもの救いだが、皮肉の一つも言いたくなる。

 新聞週間は、戦後まもなくGHQの指示で創設されたものだ。民主主義と自由を定着させるため、新聞が果たす役割を高める啓蒙活動である。今年も、その線からの議論や分析が行われるものと思う。

 一方で、情報源は映像やネットという新メディアに押され、若者を中心に購読戸数減少からくる経営難も噂される。まさか、政府の助成を受けるわけにはいかないだろう。新聞には他のメディアでは果たせない機能と任務がある。

 新聞週間の行方が気になるところである。

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2019年10月 9日 (水)

米軍シリア撤退反対社説(毎日)

 日本のオピニオンリーダーとしては、なんとも不可解な社説である。多くの情報を整理・分析してその中からより正確な真相に迫り、読者にアピールするのが社説の役割だ。

 毎日の今日の第一社説のタイトルは、「米軍のシリア撤収方針 地域の危険招く無責任さ」である。

 要旨は、アメリカのIS掃討作戦でシリアのクルド族が地上軍として加わり、壊滅状態に追い込んだのに、米軍が撤退すると、国内にクルド族をかかえ、その独立志向(または自治権拡大)になやむトルコから越境攻撃され、米国の盟友が危機に陥る、というものである。

 さらに、IS戦闘員が復活したり、米軍の後ろ盾を失ったクルド人勢力が、ロシアやイランの支援があるアサド政権に接近、反米勢力を拡大させることになりかねない、という理由を挙げる。

 同じ新聞の国際面トップに、ワシントン特派員から送られた、米軍撤収、共和からも批判 シリア北部「クルドへの裏切り」、と題する記事がある。

 米国民や野党が、トランプ大統領の人気取りのために、これまで払った犠牲や戦費を台無しにしかねないような撤退に反対するのはわかる。

 撤退には、周到な環境整備や関係各国との合意を作っておくことも当然なことで、アメリカ国民が、傀儡政権のためにシリアやアフガン、イランからの早期撤退に反対しているわけではない。むしろ逆であろう。

 毎日社説は、ワシントン発の記事をもとに作ったのではないと思うが、「仮にこうなればこう」という話をつけたしただけ。

 クルド族が住む地域は、イラン・シリア・イラク・トルコ等にまたがっており、独立国を持たない最大の民族とされてきた。差別・貧困・弾圧などから解放されるため、自治権拡大への念願が強く所属国との抗争が続いていた。

 中東問題は、かつてはイギリス・フランスが手を汚し、そして現代はアメリカが取って代わっている。複雑化している中東諸情勢の中で、問題解決のカギを握るイラン・トルコは、日本は歴史的に友好関係にある。

 中東和平構築のために何ができるか、日本政府がアメリカのポチから脱却できる最大のチャンスであるというような社説であってほしかった。

 

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2019年9月21日 (土)

予見可能性、NHKが追及

 他のマスコミが報道しない事実の追及をNHKがしている。通常のテレビ報道番組では出てこないが、デジタル1番でNHKに合わせ、リモコンのdボタンを押すと地元の天気予報などが出てくる。ここでリモコンの青ボタンを押すと、見出し項目一覧が現れる。それを上下ボタンで選べば、内容の文字が読める。また、ネットでも見ることができる。

 分量が多いので、肝心なところを要約する。取材は「東京電力刑事裁判 取材班」が行っている。37回におよんだ公判からは、これまで知られてなかった”新事実”が次々に明らかになったということである。

⓵茨城県にある日本原子力発電東海第二原発では、東日本大震災が起きる3年前には、巨大津波への対策を進めていた。

⓶東京電力の現場担当者たちは、巨大津波への対策を進める考えで原子力設備をもつ他の4社との会議でその旨を表明していた。

⓷東電の最高意思決定は、いわゆる「ご前会議」で決まる。2008年2月の御前会議で津波の予測と対策案を提出したが、出席していた上司からは、「特に異論はなかった」と報告されていた。ただし経営幹部は、記憶にない、とする。

⓸その後被害を防ぐための予算と完成時期を提出するが、だれがどの場で意思決定するのか、社内で現場と幹部の意思がずれたまま、津波対策の具体化は進まなかった。

⑤日本原電は、国に対して、政府がかかわっていた地震調査会議の出した「長期評価」に基づいてとっていた対策を、他社(東電)との横並び意識から外部に漏れないようにしていた。理由は自治体などからの追及を避けるとか、経産省の意向を無視して独走できないということらしい。

 ここでも「忖度」万能だ。

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2019年8月28日 (水)

危機に立つ「コモンセンス」

 このブログをはじめて10数年になるが「コモンセンス」をサイト内で検索すると過去4、5回ほど使っている。今では「常識」と邦訳されてあまり注目を浴びる言葉ではなくなった。

 占領時代を知る世代にとっては、将来を予測するための良識、といった重い意味があった。

 この言葉は中学・高校の先生からたびたび聞かされた。戦後の軽薄な文化(安酒を意味する「かすとり」文化といった)や過激思想を批判する意味あいで使われた。

 長い歴史や文明が築き上げてきた知識に裏打ちされた平衡感覚のある、いわゆる「良識」である。もともとは、米独立戦争の頃に生まれた言葉で、米英語として定着したものらしい。

 日本に普及したのは、占領政策の一環だったせいかも知れない。「コモンセンス」を得るうえでよい手引きとされたのが、翻訳を主にした『リーダースダイジェスト』誌、後に国産の『知性』という題名の雑誌も生まれた。

 今回、なぜ、この題名を取り上げたかというと、現今の内外政治情勢である。トランプや文在寅の言動を見ていると、安倍首相の方がまだましに見えるほどのコモンセンス軽視だ。

 SNS言論も、目を覆うようなものだけに支配されているという。

 言論の自由を標榜するマスメディアも、どこまで「コモンセンス」を守り切れるか。まさに、祈るような気持ちになる。

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2019年8月10日 (土)

戦前の右翼メディア

 昨日のNHKニュースが伝えたことだが、大正末に発行され、戦前、最大の右派メディアとも呼ばれた日刊紙、「日本新聞」の紙面、およそ10年間分が元総理大臣、平沼騏一郎が設立した団体の、資料の収蔵庫に保管されていたことがわかった。

 この新聞はおよそ1万6000部発行され、決して多くはないが初期の数年分については発見できなかったものである。

 大正デモクラシーのあと、第1次大戦、朝鮮の3・1独立運動、中国の排日抗議運動、関東大震災などが続き、1924年(大正13)には、中国から孫文が来日、神戸で大アジア主義演説を行い、西洋に対するアジアの連帯を呼び掛けた。

 それが昭和初期になって、ロンドン海軍軍縮条約を問題視した右翼団体の統帥権干犯運動から、相次ぐ要人に向けたテロ事件、満州事変、連盟脱退など急速に軍国化への道をたどるのだ。

 同志の名簿には、後に総理大臣となる近衛文麿、右翼の源流と言われる頭山満などの実力者が名を連ねているが、頭山は、のちに清国を排し中華民国の基を作った孫文と親交があり、孫文亡命中の住居は総理となった犬養毅が提供していた。

 近衛は、日中事変が始まると「今後蒋介石を相手にせず」として戦線を拡大したり、太平洋戦争末期には、東条首相抹殺に動いたり、戦後、戦犯指名が明らかになると服毒自殺するなど、思想の遍歴が不明な点がすくなくない。

 名前のあがった戦前右翼は、現在のネットウヨ言論のようなワンパターン、単細胞的発想では成り立たない。力をつけてきた共産主義思想とどう立ち向かうか。それに必要な知見と教養が必要だ。

 そのあたり、発見された新聞が歴史資料としてどう役立つのか、今後の分析結果とその発表が待たれるところである。

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