マスコミ

2021年2月28日 (日)

ワクチン担当相の仕事は?

 26日に政府が主導する新型コロナウイルスワクチンの「確保」について、河野太郎ワクチン担当相と加藤勝信官房長官がそれぞれ記者会見をした。

 ところがこの二人、「確保」の定義が違う。

 加藤官房長官は、「『確保』とは、契約を締結した上で、具体的なスケジュールなどを含め、ワクチン供給の目途が立つことを念頭に置いているものだ」と述べ、片や河野太郎ワクチン担当相は「『確保』というのは契約ということだ」と答えている。(以上毎日新聞所載)

 河野大臣は、外務大臣・防衛大臣をはじめこれまでいくつもの要職をこなし、今度は特命大臣として行政改革担当大臣、国家公務員制度担当大臣、新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、規制改革)を務める。

彼ならでの雑多な役柄を与えられ剛腕な政治力が期待された。その彼の方が長ったらしい名前とは裏腹に国民の関心に沿った具体的な返事になっていない。

 国民の関心は「いつになったら私にワクチン投与がしてもらえるの?」ということで契約とか確保などの手続きはどうでもいいのだ。そんな大臣ならなくてもよかったのでは?。

(追記)この記事を出した直後に、限りあるワクチンの有効利用法を次々に発表、大いに期待される方策が示された。(拍手)

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2021年2月19日 (金)

コロナ禍「混迷の時代」

 同じ内容を同じ字数で伝える記事のタイトルである。

【読売新聞】2021/02/18 15:20

都内で新たに445人感染、7日ぶり400人超…重症者は84人

【時事通信】2021/02/18 16:04

東京、新たに445人感染=12日連続500人未満新型コロナ―

  感染者数は、他のメディアでも読者のニーズに沿って、毎日欠かせないテーマになっている。詳しいデータは、天気予報のように定位置に別枠をを設けている社がほとんどだが、その内容の評価は記事のタイトルと記事で判断しなければならない。

 そこで2社を取り上げてタイトルを比べてみた。

 「7日ぶり400人超…」と「12日連続500人未満―」同じ数字を扱いながら表現が違う。

 その違いどう判断するかは読者次第ということになり、メディアは立ち入らない。しかし読者が受ける感覚は大いに変わってくる。

 読売のは「減る一方とは限らない。これからの増勢に警戒を」と読めるし、時事のは「もう大丈夫なのでは――」という感じになる。

 政治家・実業家・商店・アスリートさらに個人は、自分に都合のいい方の判断を採用するか、情勢判断を先延ばしするか。

 いずれにしても「混迷の時期」ということで、両社のタイトルのとり方には疑問が残る。

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2021年2月12日 (金)

五輪計画中止しかない

 昨日、東京五輪の大会組織委員会の森喜朗会長(83)が辞意を固めたことが明らかになった。今月3日の女性蔑視発言に非難が集中し、日々辞任要求の声が高まる一方、味方の造反もでてくる始末。四面楚歌の中での撤退だ。

 森氏の言動や心境に変化があったわけでない。五輪を取り巻く社会の現状認識がそのまま現れただけと見る。

 すなわち、共同通信など主な調査によると約8割の人がオリンピック開催に反対している。そんな中で森さんが会長を続けるということは、アスリートとしての体験、誘致までの努力そして政治家のトップを極めた立場・能力から、コロナ禍という難問をおしても開催へ持込めるのは森喜朗しかない、という判断が自他ともにあったからだ。

 その立場は、開催に消極的な国民の意向と一致しない。新会長が選ばれて、「専門家の意見などから選手・観客のリスクが避けられない、という判断ができる人ならいいのだが」という意見は、ここまでマスコミに現れてこない。

 今日になって、森氏が後継者として推挙していた、日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏(84)が一転、会長職を受諾しない考えを示していることがわかった(日テレ)。

 

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2021年2月 9日 (火)

速報の功罪

 今朝配達された朝刊を取ってきて、ブログ・ネタがないか見出しを一瞥した。1面左肩に大きな見出しではないが、海上自衛隊の潜水艦が民間の商船に衝突したという記事がある。

 読んでみると、潜水艦が一部破損したが相手船に連絡をとったところ、衝撃を感じておらず、被害も認められないという返事があつたという内容だ。

 つけっぱなしにしていたテレビは、衝突現場を地図上で赤く×印で示し航路も書いてある。衝突を受けた「中国船」などというナレーションも聞こえる。

 自衛艦側には3人の負傷者も出ており、「これは大事件だ」と思ったが、民間船と云うだけで、船名も船籍、積み荷など一切書いてなく、海上保安庁が事故原因を調べている、とあるだけだった。

 これでは「記事」といえない。情報源が政府官庁に限られ、「口止め」でもあるのか、とまず疑った。

 そこで、ネットを各紙で当たってみた。すると次のことがわかった。

 事故の発生は8日午前11時頃である。衝突した場所にあった潜水艦の通信機器の損傷により、司令部への報告は事故発生から約4時間後の8日午後2時20分ごろとなり、岸信夫防衛相への連絡は同50分だった。加藤氏は自身と菅義偉首相への報告も岸氏とほぼ同時刻だったということである。

 ここからやっと原因調査が始まった。今朝の朝刊に間に合う情報は最小限度のものしかなかったのだ。

 その後、ネット上で香港船籍とか積み荷は鉄鉱石などと断片的に出てくるものが報道されるようになる。

 最初の報道には、「続報が途切れている、事情は調査中」など、その時点のわかる範囲のことはすべて明記する必要がある。そうしないと、読者があらぬ誤解をすることにもなりかねない。

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2021年1月19日 (火)

菅首相の新課題

 今日の毎日新聞1面は、

「コロナ一日も早く収束」
 首相、対応陳謝も
    施政方針演説

と、

文大統領「現金化」望まず
日本企業資産 解決策を模索
      元徴用工訴訟

の2題が最上段に並んだ。いずれも特に目立つ扱いではない。

 これが半年前ならば、読者にもっとアッピールする大ニュースになっただろう。それが今ではなんとなく寝ぼけた感じになってしまうのだ。

 コロナは、緊急事態宣言への気勢が上がらないまま、内閣支持率だけが下降し続ける原因を追究しきれていないところに問題がある。

 もうひとつ、徴用工問題でこれまでになかった一歩引いた文大統領の発言だ。これはこれまで日本側の対応に問題がなかったことを示す。

 アメリカの大統領変更が影響しているのかどうかまだわからない。菅首相にとって初めての外交手腕が問われることになる。安倍前首相と異なる立場を示せるのかどうか。慰安婦問題も併せて独自の姿勢がなければいたずらに足元を見られるだけになるだろう。

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2020年12月25日 (金)

検察不信

・安倍前首相不起訴
 会見で謝罪「預金から補填」
        「桜」不記載 

  秘書は略式起訴 特捜部
         菅首相も陳謝

・吉川元農相収賄容疑で追及
                   便宜供与裏付けへ

・黒川元検事長「起訴相当」
     検察審査会 賭博容疑再捜査へ

 以上は12/25付け毎日新聞・東京朝刊1面の見出しの全部を書き写したもので、すべて検察官僚が関連している。

 他のページでも解説がトップ扱いで掲載されているが、それぞれ、どうしてそう判断されるのか、「秘書」とか「政治資金」など共通点があるもの、起訴、不起訴の判断はばらばらだ。

 秘書から聞いていなかったという「桜を見る会」の疑点も、起訴があり、有罪判決が出なければ「連座制」の適用を受ける恐れはない。その入り口にいる検察の腰が定まっていないということは、「法の正義」を掲げる検察の役割を放棄したことと同じである。

 庶民の近づきがたい法解釈を羅列したところで、庶民感覚とかけ離れた結論に甘んじていているようでは、責任を果たしたことにならない。

 ここにも「民主主義の危機」がある。

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2020年12月23日 (水)

指先文化

 読売新聞はデジタル教科書の使用に関するアンケート調査実施し、その結果を12/23に発表した。

 公立小中学校を所管する計74市区のうち、9割超の69市区がデジタル教科書の使用に不安や懸念を抱いていることがわかった。望ましい教科書の形は、62市区(83.8%)が「紙とデジタルの併用」としている。

 指先だけで済ませるなら、ノートや鉛筆など筆記用具も不要、ランドセルも鞄もいらなくなる。

 端末も見ながら通うのは危険だからというので持たせなければ、今のコロナ禍対策と同じ遠隔授業で済むということになる。

 考えただけで恐ろしくなる。本塾は、教科書を含む印刷媒体と電波媒体を比較し、新聞を含む印刷媒体が果たす知識・教養・文化への効用をかねがね主張してきた。

 さらにいえば、読んだり書いたり考えたりまとめたりするための労力は、民主主義を支える上で、身につけておかなければならない必須要件である。

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2020年12月22日 (火)

ウソ800ウソ118

 安倍晋三前首相による「桜を見る会」前夜祭に関する疑惑を巡り、衆院調査局は21日、安倍氏が2019年11月~20年3月に事実と異なる国会答弁を118回していたと明らかにした。(毎日新聞・東京朝刊12/22)

 ウソ800よりすくない118だから、まあ「いいや」などとしゃれていられる場合じゃない。

 安倍氏が自在に操ってきたと思っている官僚による調査だ。頼りにしてきた法務当局、検察・裁判官などの忖度はない。地下水脈は動いているのだ。

 河井案里参議院議員の夫の秘書に責任転嫁しようとする作戦に下された断罪は、そのまま元首相にも降りかかるだろう。

 日本の国民、官僚、選良などには、前々回に書いた「フェイクニュース亡国」を阻止するだけの健全さを残している。

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2020年12月21日 (月)

豪雪

 新型コロナの間を縫って、各メディアに豪雪被害が特記されているように感ずる人が多いのではないか。

 報道に出てくる地区の隣町にかつて住んだことがあるので、命がけの豪雪がどんなものか書いてみる。

 冬型の気圧配置が続いたため、東北の日本海側や北陸などを中心に、20日は大雪に見舞われた。午後4時現在の積雪量は青森市酸ヶ湯246cm、新潟県津南町204 cmなどである。

 天保年間に発刊した鈴木牧之の名著『北越雪譜』がある。山間部の集落では「一昼夜に積所六七尺より一丈に至る時もあり」とあり、「雪を観て楽む人の繁花の暖地に生たる天幸を羨ざらんや」としている。

 積雪量2mから2m半、3.3mに至る時もあるというから現在とそう変わらない。そんなときは中学へ通った電車も止まるので暴風雪の吹きさらしを約1里半歩いて通った。雪道は積雪をかき分けて、と思いがちだがそれは違う。人が歩くところだけ雪が固まり、まわりの雪は吹き飛ばされるので馬の背のようになる。

 学校にある低鉄棒の高さの倍以上の積雪になると、鉄棒の下の雪が先に溶けて空間ができるためか、ぐにゃっと曲がる。

 家に帰ると軒先から垂れ下がった雪が危険なため、物干しざおなどを突っ込んでまず落とす。それから屋根にのぼって雪落としが始まる。

 そうしないと、雪の重みで木造家屋はミシミシと音がし、戸障子が動かなくなる。毎年そういう大雪とは限らないが、昨今のニュースにあるような立ち往生や落雪による犠牲者の話は、当時もあったが今の方が多いような気がする。

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2020年12月20日 (日)

フェイクニュース亡国

 本当にウソがまかり通る世 の中になってなってしまったのだろうか。

 それを確かめるために必要なことは「知識」である。その知識は、信頼できる人を通じて教えられ、伝えられて社会の「良識」を形成した。

 知識を媒介するのが教科書であり、新聞・雑誌・図書であった。それにラジオが加わり、戦時中は、大本営発表というニセの情報で敗戦を誘導した。その後テレビの普及で、映像と民主主義は真実を伝えるのに役立ったように見える。

 ところが、最近は「ウソ」が市民権を得るようになった。

 その原因は、SNS(ソシアル ネットワーク サービス)の盛行がもたらしたのかも知れない。個人の情報発信が簡単になり、多くのネットユーザーの目に触れることが可能になった。

 不道徳表現は別として、その内容が真実であるかどうかのチェックはない。そこでフェイクニュース(虚偽報道)が大手を振ってまかり通り、それに同感するような反応が殺到すると、それが真実であるかのようにとられる。

 アメリカのトランプ大統領もSNSを多用し、アメリカ人の多くを支持陣営に取り込むことに成功した。

 アメリカだけではない。日本の安倍前首相の周辺にもウソが山積しているが、これを糾弾する機運が高いとは言いきれない。

 「ウソも方便」がまかり通る世の中、「大本営発表」復活を許容する国に将来はない。

 

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