地球温暖化ガス排出ゼロ、核汚染ゼロの水素エネルギー開発は、将来無限に使い続けられるエネルギーとして、最重点の国策とされなくてはならない。これを本塾はかねがね主張してきた。
水素は水を電気分解すればできる。その電気には太陽光発電を用い、不足があれば海洋資源を使う。発生した水素は容器に保管できる。これを燃料電池といい、動力、熱、照明、コンピュータ用など必要に応じて電気に戻して使うことができる。
中国政府は、水素で走る燃料電池車(FCV)市場の拡大を突破口として、自然環境の改善や経済発展の起爆剤とすることに乗り出した。以下は毎日新聞(02/03)電子版[中国、政府主導でFCV普及急ぐ 「水素の街」アピール]を参考にした。
中国政府は、水素で走る燃料電池車(FCV)市場の拡大を急いでいる。電気自動車(EV)は、ヨーロッパが先行しているが、FCVを次世代環境車と位置づけており、各地で補助金をテコにインフラ整備や産業集積を目指す動きが加速している。
累計販売台数は昨年末で約7200台と既に日本の1・5倍以上に達した。燃料電池開発で先行してきた日本は、その実用化にも後れを取っている。
中国での先行モデル都市は広東省仏山市である。水色の車体に水素や酸素、水の化学式などがデザインされたFCVのバスが、市政府や金融街、繁華街などを結ぶ複数路線で通常運行している。運転手は「ディーゼル車に比べてスピードを上げやすい。燃料補給も2日に1回程度で済む」と歓迎している。
郊外では、燃料電池を動力源とする路面電車も2019年末から運行。全長6・5キロを30分弱かけてゆっくり走行する。乗客は「揺れが少なく空調もよく利いて快適。バスより本数が多くて便利だ」と歓迎している。
電気自動車(EV)は1回の充電に時間がかかり走行距離も短い。FCVの燃料である水素の補給時間はガソリン車並みに短く、走行距離も長い。ただ普及には1カ所4億~5億円とされる水素ステーションの整備も課題となる。
これも、上海市が29年末までに100か所の計画を立てているほか、北京市などでも建設を進めるようだ。
FCV車製造などにも当局の助成があり、新時代の自動車切り替え競争が中国を世界の経済指標の先頭に立たせることに貢献するだろう。
技術的に先行している日本のトヨタFCV車「ミライ」も、その後塵を拝する破目になることは確実だ。
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