石油・エネルギー

石油・エネルギー・原発

2020年8月12日 (水)

地球温暖化対策・本気度

【毎日新聞論点7/15より抜粋】

パリ協定 産業革命前からの世界の平均気温上昇を2度、できれば1・5度に抑えるという目標。それが達成できないと熱波に見舞われる世界の人口の割合は1・5度だと14%だが、2度なら37%に増える。サンゴの生息域の減少は1・5度上昇で70~90%だが、2度なら99%に。0・5度の差で被害が大きく違うことがわかり、欧州を中心に、1・5度に抑えなければいけないという方向。そのためには、30年までに10年と比較して温室効果ガスを45%減らさなければならない。

日本 5年ごとに国連へ提出する温室効果ガス削減目標(「13年度比で26%削減」)の据え置き。旧式の石炭火力発電所は休廃止する方針

ドイツ 石炭火力、2038年までに全廃

発電コスト エネルギー事業を取り巻く環境がここ数年で急速かつ大きく変化した。新設の電源では、2014年は大半の国で石炭火力が最も安かったが、19年には世界の約3分の2の国で再生可能エネルギーが石炭より安い電源になっている。

 日本でも20年代には自然エネルギーの発電コストの方が化石燃料より安くなると言われており、経済的合理性もある。

 新設の電源では、2014年は大半の国で石炭火力が最も安かったが、19年には世界の約3分の2の国で再生可能エネルギーが石炭より安い電源になっている。

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2020年8月 3日 (月)

投資は「太陽熱」へ

 政府は、石炭火力温存には熱心だが、日本は国土が狭いとか、原発再開が電力コスト安と称して、新エネルギーや再生可能エネルギー開発に本腰を入れようとしない。そして勝手にエネルギーには恵まれない国にしている。

 新エネルギーで真っ先にとりあげられるのが太陽光発電だ。しかし「国土が狭い」「曇りや夜は発電できない」などと熱心ではない。海洋エネルギーの賦存は、世界のトップクラスにありながら、ほとんど取り上げられていない。

 コロナ禍による国家財政危機への対策として、EUが温暖化原因ガス対策や原発ゼロに向けた投資を活発化しようとしている時、日本はGoToキャンペーンだ。

 太陽光でさえもう古くなりつつある。今すぐにも始められるのが「太陽熱発電」の開発と普及である。

 太陽熱発電とは、太陽光を鏡・レンズなど太陽炉で集光して、汽力発電やスターリングエンジンの熱源として利用する発電方法である。様々な発電方式が存在するものの、いずれも太陽のエネルギーを熱として利用しており、光電効果を利用している太陽光発電とは原理が全く異なる。

 太陽熱発電は、太陽の寿命までエネルギー源枯渇の心配が無く、さらに太陽光発電よりも導入費用が安い。その上、太陽熱発電の場合は、蓄熱すれば24時間の発電が可能であるなど、エネルギー密度の低い太陽光のエネルギーを利用するにもかかわらず、施設の大規模化などによって欠点をある程度克服することが可能である。

 既に、スペインやインドなどでは実用化の研究が進んでおり、日本は遅れをとっている。様々な方式あり民間がより参加しやすい方法である。

 周辺機器も安価で開発・供給ができる。今後は、代替エネルギーとして太陽熱発電が主流を占めるようになるだろう。

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2020年7月 3日 (金)

エネルギー政策転換の時期

 地球温暖化原因ガスの排出は、コロナの前でかすっかり影が薄くなった。その中にあって、政府が二酸化炭素(co)を多く排出する非効率な石炭火力発電所を2030年度まで段階的に休廃止する方向で調整に入ったことが2日、分かった。

 石炭火力では、世界でトップクラスの技術がある日本に電力不足を補う国からの引き合いがあり、休止中の原発をカバーして電力の採算改善にあてたいためか、政府は石炭火力を温存するエネルギー政策転換をためらっていた。

 石炭火力114基のうち100基程度が対象となる見通しとなっている。

 子供の頃、尼崎に住み、海岸近くにある火力発電所の煙突が黒い煙を吐き出す姿を見て育った。

 大阪も「煙の都」と称され、工業発展のシンボルとして、観光都市・京都と対比された。東京は、千住の4本煙突が「おばけ煙突」として有名で、下町の風物詩として小説・ドラマなどにもたびたび登場した。

 戦後は、ぜんそく誘発の元凶になってしまい、石油やガス火力に移る。しかし、炭水化物である点はかわらず、量が少なくても二酸化炭素ガスは出る。

 原発は、それがない原理だが、核汚染物質が手におえないのは温暖化ガスの比ではなく、原爆の原料になるプルトニウムはたまる一方で、再処理による二次使用計画は失敗、これからの廃炉費用も考えれば、原発の再開にこだわる政府の真意は一体どこにあるのだろう。

 太陽光発電など、自然エネルギーを取り込むのが一番なのだが、前述したとおり政府はあまり熱心ではなかった。

 自然エネルギー取り込みの不安定さや、送電線不備などを理由に挙げるが、日本には各種電池の開発や利用技術があって実用化されているものも多い。また、燃料電池、揚水発電、電化された鉄道網の利用など、工夫できる余地はまだまだ多いはずだ。

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2020年4月21日 (火)

原油を買うとお金がつく

 週明け20日の米ニューヨーク商業取引所で、原油価格の指標となる米国産WTI原油の先物価格(5月物)が1バレル=マイナス37.63ドルと、史上初めてマイナス価格で取引を終えた。(朝日新聞04/21)

 「石油・エネルギー」というカテゴリを設けている本塾だが、こんな話はかつて聞いたことがない。

 それを買った人がそのまま5月まで持っていると、5月にはその原油が届けられ、おまけにバレル(159リットル)当たり37.63ドルのお金が付いてくる。もしその時点でコロナに解決の目途がつき、景気回復が見込めるとなれば原油価格先物は急騰し、そこで原油を売りに出せば大儲けができる。

 10日付けで、OPECがアメリカなどを含む拡大会議を開き、日量1000バレルの生産調整により原油価格維持を目論む、という記事を書いた。サウジ皇太子の期待通りにはならず、手痛い失敗を被るだろうというのが内容だ。

 しかし、ただより安くなるとは考えていなかった。

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2020年4月10日 (金)

OPECの実力

【ロンドン時事】石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は9日、テレビ会議で緊急会合を開き、過去最大となる日量1000万バレルの減産で合意した。新型コロナウイルスの影響で原油需要が急減する中、供給量を大幅に減らして原油価格の押し上げを図る。欧米メディアが報じた。

 減産期間は5月1日から2カ月間。7月から年末までは800万バレル、2021年1月からは600万バレルの減産とする。経済制裁などに直面するイランとベネズエラ、リビアの3カ国は協調減産を免除される。(後略)

 本塾開設当初から日をおく暇もなく活躍したカテゴリは、「中近東」と「石油・エネルギー」であった。このところは、コロナに押されて全く出番がない。ここに掲げた話題も、結局は「コロナ」関連になる。

 原油生産量が世界一多いのは、シェールオイル開発に伴って躍り出たアメリカ (米エネルギー情報局・EIAの報告書)である。

 戦前までは日本もアメリカ原油に頼っていたが、アメリカは生産量だけではなく消費量もトップのため割高となり、戦後は中東産原油がそれに代わっていた。

 アメリカの生産量は、ロシア・サウジに抜かれていたが2018年に45年ぶりに世界首位になり、余剰分の輸出をねらっている。

 アメリカは、OPECに正式加盟をしていないため、前述のテレビ会議もオブザーバーで拘束は受けない。敵対関係にあるイランやベネズエラなどの制裁緩和にならないようにすることの方を優先させたいとなれば、トランプが何を言い出すがわからない。

 生産調整をしても日本には3か月分ほどの備蓄があり、コロナの影響で消費量が減ればそれがさらに増えることになる。

 サウジ王子による現政権が、王族コントロールのためオイルショック再来を期待しているとしても、どこか及び腰のこの減産計画。到底コロナの威力には勝てない。

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2020年3月17日 (火)

原発ゼロへの第一歩

 九州電力は16日、原子力規制委員会が設置を義務付けたテロ対策施設の完成が期限に間に合わないため、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県)の稼働を停止した。同施設の未完成を理由に原発が停止するのはこれが初めてで、今後は他の原発でも相次ぐ。業績悪化に加え、必要な安全対策費も膨らんでおり、電力会社にとって原発事業の経営は厳しさを増している。

 1号機の停止は施設が完成する12月まで続き、九電は2020年末の再稼働を目指す。他に同様の理由で今年停止を予定する原発は、川内2号機(5月)、関西電力高浜3号機(8月)、同4号機(10月)。現在稼働できる状態の9基のうち4基が止まることになる。他の四国電力伊方原発なども対策が追いつかず、21年以降に停止する可能性がある。

 テロ対策施設は、東京電力福島第1原発事故後の13年に規制委が新たな規制基準を導入する際、設置を義務化した。工事計画の認可から設置まで5年を期限としたが、過去に設置例がないため審査が長期化している。(後略・毎日新聞、03/17)

 仮に再稼働が認められても、柏崎原発のように地元の同意がなければ無条件再稼働に至らないということもある。

 いずれにしても、電力各社に降りかかるコストアップは累積する一方である。かといって、料金値上げによる消費者転嫁をするわけにはいかない。電力自由化で新電力との価格競争があるからだ。

 電力各社は、増大する廃棄物処理や廃炉のための費用もこれから増大する。

 これが、世界で先細り傾向にある原発を見限り、原発ゼロへ方向転換するきっかけになるのであれば朗報である。

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2020年3月11日 (水)

中国の奥深さ

 コロナ禍に悩む中国に、日本からマスクなどに添えて送った漢詩や漢字の激励メッセージが中国人の感動を呼び、両国間の友好や感謝の念が、これまでになく多く寄せられているという。

 日本が中国と韓国に向けたコロナウイルスの水際対策も、韓国が猛反発しているのに対し、中国は共感の意を示している。

 中国から見た日本は、韓国が示すように、あらゆるできごとの前に「反日」を持ってくるのとは違う。

 中国の文献で最初に現れるのは、後漢書で西暦57年に相当する年、委奴国(福岡市近辺?)国王の使節が朝貢して「漢委奴国王」の5文字を刻んだ金印を賜った、とする記事である。

 この金印と見られるものが、発掘で志賀島から発見され、国宝になっている。それに次ぐのが、有名な「魏志倭人伝」となる。

 5世紀には、遣隋使・遣唐使などを含め、公私にわたる交流が盛んになるにつけ、民族としての垣根が取り払われてきたと思う。

 その後、歴代の正史に「日本伝」の掲載があるが、中国人の「日本感」にことさらの変化はない。

 長い歴史の中で、戦争とか侵略などの軋轢は存在するものの、大国としての優越感に自信があり、奥深さも感じられる。

 日韓の差が、漢字を捨てた国と、かたくなに守り続けて文化に取り入れた国の違いとして現れたのだろうか。

 代表的な中国正史として「旧唐書倭国日本伝」から採録しておこう(『新訂・旧唐書倭国日本伝・宋史日本伝・元史日本伝』岩波文庫)

日本国は、倭国の別種である。その国は日の出るところに近いので、故に日本をもって名としている。あるいはいう。倭国がみずからその名の雅(みやび)やかでないのをにくみ、改めて日本としたのである、と。あるいはいう。日本はもと小国だったが、倭国の地を併せたのだ、と。

その国の入朝する者は、多くみずから矜大(ほこる)で、実をもって対(こた)えない。故に、中国はこれを疑っている。またいうには「その国の界は、東西南北、おのおの数千里あり、西界・南界はみな大海に至り、東界・北界は大山があって限りをなし、山外はすなわち毛人(蝦夷・アイヌ)の国である」と。(以下略)

 

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2019年12月11日 (水)

地球温暖化対策データ

国別温暖化対策        先進国の石炭
ランキング         火力発電廃止
独シンクタンク        政策
ジャーマンウオッチ等   シンクタンク
カッコ内は昨年の順位   クライメート
            アナリティクス等
  ――――――        ――――――
1~3
位 該当なし 
                       
ベルギー2016
4(4)
スウェーデン    フランス2021
(15)デンマーク    英国  2025
(5)モロッコ      イタリア2025
(8)英国        オランダ2030
(6)リトアニア     デンマーク2030
(11)インド      ドイツ 2038
10(13)
フィンランド  日本廃止年限無設定
……………
51(49)
日本
52(52)
ロシア
53(51)
マレーシア
54(53)
カザフスタン
55(54)カナダ
56(55)
オーストラリア
57(58)
イラン
58(57)
韓国
59(56)
台湾
60(60)
サウジアラビア
61(59)
米国

――――――――――

日本のエネルギー別依存度

    2017年度       2030年度計画  

原子力       3%   20~22%

石炭火力     33      26%
液化天然ガス火力  40%    27%

石油火力      9         3%

再生可能エネルギー 16     20~24%

(出所・毎日新聞12/11) 

 

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2019年12月10日 (火)

鉄腕アトムの段階

 鉄腕アトム、手塚治虫原作の動画では、原子力を備え、足の先から火炎を噴射するロケットとして描かれる。

 何十年か前、韓国旅行中に突然この動画がテレビ放映されたので驚いたことがある。

 ロケットマンといえばトランプ大統領が名指す金正恩委員長だ。ロケット開発に趣味があり、核開発にも余念がない。

 彼が幼児のころどこにいたか知らないが、ヨーロッパでは戦中にドイツが元祖といわれるミサイル・V1による英本土渡洋攻撃は有名だし、鉄腕アトムのことも知っていただろう。

 先日亡くなった中曽根氏が当初総理大臣になったころ、火力発電を「赤い火」、原発を「青い火」と称して希望の新エネルギーに位置づけていた。

 一部の学者がその危険性について警鐘を鳴らし続けていたことも知っているが、事故が起きるまでなおざりにされていたのが実態だ。

 日本政府は、まだその段階から踏み出していない。

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2019年12月 8日 (日)

石炭火力の時代遅れ

 今月(12215日)ポーランドで、COP24はじめ気候変動に関する一連の会合が開催されている。問題は気球温暖化で、その原因となる2酸化炭素排出量増加を抑えないと、風水害等自然災害の激増、海洋水位の上昇、生態系への影響など地球の未来に対する悪循環が断ち切れなくなるという共通認識のもとに成り立っている。

 排出ガス削減に向けたパリ協定成立は、不十分とはいえ地球の将来に希望をつなぐよりどころとなっていた。これを真正面からぶち壊す仕業に出たのが、米トランプ大統領である。

 トランプほど派手ではないか、排出量増加ゼロを宣言する多くの国の中で、石炭火力新設で批判を浴びているのが日本である。

 その理由を考えてみた。原子力に代わる発電設備として資源が豊富で低コストで建設できる。発展途上国の需要が多く輸出で有利な立場に立てるなどであろう。

 確かに、日本は水力と並んで石炭火力は戦前から多くの技術蓄積があり、脱硫技術やNOXなど排出ガスの無公害化では先端を行っている。

 西欧諸国では、国策として再生可能エネルギー利用を最優先させている。海洋エネルギー、風力、太陽光などの蓄電技術やバイオマスなど、日本はそういった技術開発をするうえで好条件を備えており、発展途上国も、石炭がより好ましいとは考えていないだろう。

 COP24の先頭に立って温暖化排出ガスゼロを売り込む条件は備えているのだ。環境保護でトランプのあとを追うポチのような姿は見たくない。

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