中近東

2009年1月20日 (火)

ビンラディンは自首せよ

 20日、日本時間では21日、アメリカ・オバマ大統領が世界の耳目を集めて就任式を行う。史上最大の盛り上がりを見せるだろうと言われている。

 サウジアラビア人・ウサマビンラディンに告ぐ。あなたはどうやら死んでいないようなので、この際自首して世にでてくるようお勧めする。人気最低のブッシュ大統領は引退する。あなたは、誰が見ても勝ったのだ。この機会を逃してはならない。

 あなたが9.11の同時多発テロを指揮し、金も出したのかどうか、証拠もないだろうから自首という言葉があたるかどうかは知らない。しかし、多くのテロリストを養成し激励し、その戦いの中で多くの市民が犠牲になったことは確かだ。

 あなたが自首すれば、アメリカがタリバンと戦争を続ける理由がなくなり、アメリカ兵がアフガンに増派されても話し合いを公約したオバマとなら話がつけやすくなるだろう。ついでに、ガザでハマスも勝ったといっているのだから、パレスチナ和平支持宣言もしたらどうだ。

 その上、誰かに捕まって裁判を受けるのだ。国際司法裁判所なら、筋違いのイラクで人を殺したブッシュの方はおとがめなしでは不公平という声が出るに違いない。それに、裁判を承認しない国のアメリカから出てくるはずはない。

 法廷はどこでもいい。茶番であってもなくいも判決は「死刑」。聖戦を戦って神に死を捧げるのは、あなたが身をもって手本を示すことになり、いとわないはずだ。ことにアメリカの法廷が最善だろう。アメリカが中東でやってきたさまざまな裏面工作を明らかにし、アメリカが再び同じ過ちを犯さないよう機能させれば、「凶悪なテロリストの首魁」の最後として最もふさわしのではないか。

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2008年9月20日 (土)

イスラエル関係メモ

 イラクにしろアフガニスタンにしろ、また9.11のテロにしろ、その遠因にパレスチナ問題があることを疑わない人はいない。ユダヤ人はパレスチナ人を排除してイスラエルを建国した。そこに始まる戦争や抗争に、西欧人、中でもアメリカはイスラエルに肩入れしていると見られていた。

 イスラム教徒がこれに強い反感を抱いたのは当然である。「文明の衝突」には出口がない。アメリカの政治をネオコンが籠絡し、ここに武力を用いて地域の覇権を確立しようとしたブッシュのもくろみがもろくも失敗した。彼の任期はあといくらも残っていない。

 パレスチナ問題はどこに行くのか、最近まがりなりにも和平に向いた動きがではじめている。こけれがアメリカ一国支配の退潮に起因していることは確かのようだ。ブッシュは言うだろう。アメリカは動乱の続いた中東に平和と自由をもたらすことに遂に成功した――と。

 おめでたいアメリカ人気質で彼が何を言おうと勝手だ。平和の到来はともかく喜ばしいことに違いない。しかし何千人ものアメリカ兵が死に、その10倍を超える現地人が意味もなく殺されたことを歴史からぬぐい去ることはできない。

 パレスチナ問題は、最近の動向がやや見にくくなっている。そこで以下のようにメモしてみた。複雑になるのを避けるため、イスラエルから見た対外関係ということにしておいた。

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☆対ハマス(ガザ地区支配勢力)
・2007/6、ファタハを武力で追放。イスラエルとは砲撃戦発生
・2008/6/19、エジプトの仲介で停戦。これにアルカイダ系、ファタハ系、イラン系武力組織などの妨害あり

☆対ファタハ(パレスチナ自治政府アッバス議長)
・ヨルダン川西岸地区の返還および東エルサレム所属交渉進まず
・最近はファタハ支配地区での統制力が弱く、ハマス系の方が当事者能力を持つと見ているふしがある また、オルメルト首相の汚職・辞任などで膠着状態がまだ続きそう

☆対ヒズボラ(レバノン国内の武装勢力)
・08/7/16、ドイツの仲介で捕虜交換

☆対シリア
・2007/9/6、北朝鮮支援の核施設空爆
・2008/5/21、オルメルト首相和平交渉開始を発表、焦点はゴラン高原返還
・2008/7/13、パリの地中海サミットで両首脳の接近

☆対レバノン
・依然内戦状態から脱しておらず、有力な勢力であるヒズボラやシリアを相手にしなければならない状態が続いている

☆対イラン
・2008/春、核兵器開発阻止のためイスラエルのミサイル攻撃による実力行使説高まる
・2008/7、イランにアメリカが代表部を置く計画など緊張緩和の兆し

☆対イラク
・1981年6月7日、原子炉を破壊

☆対エジプト
・ガザとの関係で仲介あり

☆対トルコ
・シリアとの間の仲介あり

☆対アメリカ
・2008/1/9、ブッシュ大統領がパレスチナを含め歴訪、年内和平合意を目指すが実現は疑問

【参考】「中東関係粗年表

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2008年9月12日 (金)

パキスタン軍反発

 前回の記事「パキスタンとアフガン」で、米軍がアフガンからのパキスタン西部地区へのミサイル攻撃から、ヘリを使った地上作戦にまでエスカレートしていることについて、「アメリカはザルダリ氏(大統領)を棚に上げ、陸軍参謀長との関係強化をはかっている模様」という観測を書いた。

 ところが本日の報道(毎日新聞)によると、下記のように軍が一転して米軍越境に反対声明をだした。これでパキスタンは、大統領から与野党、国民世論すべてがアメリカのパキスタン侵攻にノーの姿勢を明確にしたことになる。昨日、8年目を迎えることになった9.11でテロとの戦いに決意を新たにしたアメリカだが、今度はパキスタンを敵にしてアルカイダ殲滅に乗りだす決意がアメリカにあるだろうか。

【ニューデリー栗田慎一】米軍のマレン統合参謀本部議長が10日、国際テロ組織アルカイダの拠点を掃討するため、アフガニスタン、パキスタン国境地帯に照準を合わせた軍事作戦を強化すると発表したことについて、パキスタンのキヤニ陸軍参謀長は同日、「どの国の軍隊も領内への侵入を絶対認めない」との緊急声明を出した。参謀長自身が米側に真っ向から反発するのは異例。対テロ戦の同盟関係に深刻な亀裂が生まれる恐れがある。

 ブッシュ政権末期になって起きたグルジア紛争は、冷戦後はじめてロシアと正面から対峙する難問題を生んだ。もはやイランや北朝鮮の核の問題などどこかへ吹っ飛んだ感じだ。ライス国務長官が何人いても足りそうにもない。こんな時、渋谷で自民総裁候補が5人うち揃ってマンガ調の茶番をやっている。

 カルザイ・アフガン大統領も「民間人の犠牲を減らすのではなく、完全になくさなければならない」と米軍の空爆を非難している(同紙)。「日本は平和だなあ」と、よろこんでいるだけでいいのだろうか。

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2008年9月11日 (木)

パキスタンとアフガン

パキスタン
☆9月6日投票された大統領選で、下院第1党「パキスタン人民党」のアシフ・ザルダリ氏が当選。ザルダリ氏の妻は07/12/27にテロリストに暗殺されたブット元首相。辞職に追いつめられたムシャラフ大統領同様アメリカから協力を要求されているが、軍を背景にしたクーデターで権力を奪取した前大統領と違って民選大統領のため、対テロ戦には及び腰にならざるを得ない。

☆政治指導者には「3つのA」の支援が不可欠と言われる。軍(アーミー)、神(アッラー)、米国(アメリカ)である。神は国民の9割以上を占めるイスラム教徒の世論だ。野党は、アメリカによるアフガンからの越境攻撃を「主権侵害」だと反発を強めており、アメリカはザルダリ氏を棚に上げ、陸軍参謀長との関係強化をはかっている模様。

☆以上のような米・パ関係の構図は以前からあったが、軍とのヤミ取引は軍出身のムシャラフでは無理。一方、建国の原因でもあるインドとの宿命的な対立に、このところ核保有問題でアメリカがインドに肩入れする政策を採るなど、中立的立場を捨てるような行為がパキスタン国民の反感をより高める(タリバン支持)結果を生みそうだ。

アフガン
☆ブッシュ米大統領は08/9/9に11月から来年1月の退任までに、計4500人の米軍をアフガンに増派する意向を表明した。8月のイラク米兵の死者数22人に対しアフガンの米兵を含む多国籍軍の死者数は43人で過去最悪。

☆これまで、イラク治安維持を理由にNATOの国際治安支援部隊(ISAF)がアフガンでの主軸をになってきたが、アメリカはしぶしぶ増派に応じている欧州各国に見切りをつけたのか。「テロリスト」の出撃基地がパキスタン領内であれば、戦争が目的でないNATO軍では対応できない。

☆カルザイ政権は国土の大半を統治できず、タリバンの勢力拡大は、米軍等の誤爆?等による住民の被害増大をきっかけに勢いを増している。警察組織は極端な人員不足で機能不全状態。何カ月も給料が払われないため、汚職や犯罪の温床になっている。この傀儡政権は、末期の南ベトナム政権以上のひどい状況のようだ。

(以上は08/9/7、08/9/11毎日新聞その他を参考にしました) 
 
  

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2008年9月 1日 (月)

アフガン妄想

 9.11からあと10日で7年、犯人の首魁とされたビンラディンはいま、どこで何をしているのだろうか。犯人を引き渡さないとして最新兵器を繰り出し、アフガンに攻め込んだ米英。いまだに捕まるどころか死んだとも聞かない。

 最初の頃は、潜伏しているといわれる山岳地帯の洞窟をしらみつぶしに捜索している占領軍の姿が、連日のように茶の間のテレビに写し出された。最近はそんな映像がでてこない。いつの間にかビンラディン逮捕から、テロリストにされたタリバンや武装勢力の掃討に変わった。

 ビンラディンは、もうアフガンにいないのだ。7年もかけてまだ発見できないということは、首謀者と断定し攻撃を開始したアメリカの負けということになる。アメリカ人は負けず嫌いである。「マケイン」という候補者を立ててブッシュの跡継ぎにしたい気持ちはわかるが、ベトナムと同じだ。負けても「勝った」といいはる。空しい。

 タリバンは9.11に関係ない。ビンラディンをかくまったとされる時、アフガンの政権を担っていただけだ。厳しい戒律に忠実だったが腐敗はなく国民の支持を受けていた。宗教指導者オマル師が熟慮のすえアメリカにNOと言ったのだ。

 壊滅させられたはずのタリバンがこのところ復活している。ただし伊藤さん殺害事件のように、どこからどこまでがタリバンなのかは、はっきりしていない。アメリカが探す指名手配者は、パキスタンにいる可能性が強く、苦労して作ったカルザイ政権を支えるためにだけアフガンに軍隊を置く。

 本当ならパキスタンに猛攻を加え、しらみつぶしに洞窟を調べたいところだが、開戦当時にやっとムシャラフ軍事政権の支持を取り付けたパキスタンには、その手が使えない。アフガンにしろパキスタンにしろ民衆は、イスラム第一で協力が得られない。それを理解しない外国軍隊にはいて欲しくないのだ。

 この八方ふさがりの迷路に、集団的自衛権で出動したNATO諸国を含め強気な発言を繰り返す首脳はいるが、本心は一刻も早く手を引きたがっているのではないか。そこへわざわざ新しい「恒久法」をつくって、自衛隊をノコノコ出かけさせよういう日本の政治家がいる。

 オマル師の死亡説が飛んでいるようだ。そのうちにきっとビンラディンの戦闘による死亡説がでてくる。それをくつがえすビデオがあっても、替え玉説やねつ造説をばらまけばいい。アメリカは「目的終了」宣言をしてアフガン撤退に踏み切る。これが、わが塾頭の「妄想」である。

 以上で本題は終わるが「妄想」という言葉について。
 
大辞林 第二版より

〔古くは「もうぞう」とも〕
(1)〔仏〕 精神が対象の形態にとらわれて行う誤った思惟・判断。妄想分別。
(2)根拠のない誤った判断に基づいて作られた主観的な信念。分裂病・進行麻痺などで特徴的に見られ、その内容があり得ないものであっても経験や他人の説得によっては容易に訂正されない。
「被害―」「誇大―」「あらぬことを―する」「―にふける」

  かつて、故人となった義母が方言で笑いながらよく言った。「いやだねー、モーゾなったんかやあ~」。「モーゾ」、今は死語になりかかっている「耄碌」のこととは理解はしていた。これと「妄想=もうそう」が同義とは今回辞書を引くまで知らなかった。

 それが官の介入で、新聞も電波もすべて「認知症」一色。言葉としてのこなれもなければ、受ける印象も最悪だ。『徒然草』にも使われた美しい的を射た言葉「もうぞう」は、残していくべきではありませんか、皆さん。

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2008年8月28日 (木)

美しい誤解に安住するな

 アフガニスタンでNGO「ペシャワール会」のスタッフの伊藤和也さんが拉致殺害された。美しく高い志がこのような結末を生んだことは、まことに心が痛む。衷心よりお悔やみを申し上げたい。「美しい誤解」、以前何回か取り上げたことがあるが、もう一度この事について考えてみたい。

 そこで強調したいのは日本の役割です。これまでアフガニスタンの「治安分野改革」で成功したのは、日本の武装解除だけです。なぜか。現場の私たちは「美しい誤解」という言葉を使いました。アフガン人はテロ特措法など知りません。日本は軍事行動をしていないという「美しい誤解」が、疑心暗鬼の武将たちに信頼醸成させた。

 これは、アフガニスタンで武装解除日本政府特別代表を務めた、伊勢崎賢治氏の発言である。私はこれにも「美しい誤解」があると思う。アフガン人は善意の第三者なら誰でも喜んで受け容れると考える「美しい誤解」である。

 これは、現地をよく知る伊勢崎氏だからこそ言える言葉であって、人道支援とか貧困解消、あるいは国際貢献といった美名のもとでおこなう活動なら必ず誠意が通ずる、というある種の“お人好し”信念とは意味が違うということである。

 犯人の組織や目的はわからない。そこにいわゆるイスラム原理主義というものが存在するとすれば、神はひとつ、ユダヤ教徒やキリスト教徒はその共通の神をいただく「経典の民」で、条件次第で融和や結婚も許されるが、その他の宗教は「異教徒」で戦争をする相手である。現地の言葉を話すだけでは駄目でなのである。

 タリバンが復活、優勢となるなかで大麻栽培が盛んになり、それがゲリラ活動の資金源になっているという。現地の人が喜んでいるにしろ、農地に稲やサツマイモの栽培を普及、定着させることは、タリバンにとって、カルザイ政権やアメリカなど駐留外国軍を支援することにつながる。

 ムスリムは客人をよろこんでもてなす。しかし、女性が肌を見せることに平気な欧米や、異教徒にながく居座ってもらいたくないないのだ。これはサウジアラビアでもイラクでも、厳格なイスラム信仰を保とうとする国なら当然なことだ。

 イスラム教国に限らない。ロシアがグルジアの国境を越えて、戦車を繰り込み軍艦で小国を脅迫する。ロシアの言う「民族自決」「治安維持」「邦人保護」「独裁排除」それに「自衛」、これまでの歴史でさんざん使われてきた戦争合法化の口実である。

 日本の大陸侵攻はすべてこの伝であった。そして、それらの国民は、日本の善意を理解しようとせず反抗ばかりする、と言って、早く親日政権を作り安定させようとする。それが失敗を許されない大国意識で、占領を長引かせる。今、イラクで、アフガンで、そしてグルジアでも繰り返されようとしている。これを「侵略」という。

 国、あるいは国連という組織が現存する限り、軍隊に国境を越えさせなくてはならないという事態はありうるだろう。かりにそうだとしても、その国を他国の影響下や支配下に置こうとして居座ることは許されないし、問題解決を遠のかせ、はるかに多くの犠牲者を生むだけだ。

 あとに問題を残しても、内戦が起きても仕方がない。国連では解決しないからといって他国が介入すれば、紛争は世界にひろがる。軍隊を緊急避難的に入れることがあっても、何年にもわたってはならない。NGOは性格が違うが、一応の目的を果たしたらあとは現地にまかせて引きあげるよう心がけるべきだろう。

 

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2008年7月 9日 (水)

アフガンへは丸腰で

 福田首相は、サミットで自衛隊のアフガン派遣を他の首脳からせっつかれていることはないか。大いに気になるのは、ねじれ現象緩和のためこれを小沢民主党代表との話の糸口にしかねないからだ。欧米各国が「日本だけアフガンへの貢献をしていない」とせっつく理由ははっきりしている。

 ビンラディンは何年たっても逮捕できない、イラクも手が離せない、そこでアフガンをNATO軍に肩代わりしてもらいたいというのがこれまでの経緯だ。ところが、治安回復の目途もなく戦死者が増える一方で、欧州各国内でもさすがに評判が悪い。できるだけ治安のいい場所、本音をいえば早く引き上げたいのだ。

 アフガンのカルザイ政権も外国軍がいなければ持ちそうもないし、いたらいたで、タリバンなど武装勢力の攻撃をかわすことができない。隣国パキスタンとの国境の無政府状態は、パキスタンの政情不安定で改善の目途が立たっていない。

 欧米は生き血を吸う最後のババを日本につかませたいのだ。この前、高裁判決がでたイラク以上の「交戦地域」である。福田首相は、恒久法検討などで時間稼ぎをしてお茶をにごすしかない。その間に、「新憲法制定促進議員連盟」などが息を吹き返すチャンスとばかり暗躍するのだろう。

 それ以前に、イラクやテロ特措法の延長問題がある。これも3分の2採決で時間稼ぎするつもりか。どうしてもアフガンへ自衛隊を行かせたかったら、攻撃兵器を一切もたず迷彩服やミリタリールックもやめて、丸腰の平和構築、民政安定活動に専念すべきだ。それで犠牲者がでたとしても、それはあらかじめ覚悟した上ということになる。

 そういったことで、NGO「ペシャワール会」の中村哲医師がいう「自衛隊が来れば活動を一時中止して引き上げざるを得ない」という状況を回避できるのかどうか、はなはだむつかしいと言わざるを得ないだろう。要はアフガン人から見て、たとえそれが国連組織であれ「軍」という暴力装置を国内に持ち込んでほしくない、ということにつきる。それが必ず抗争中の一方を利することなり解決を遅らせるからだ。

 日本の過去の戦争は、すべて邦人保護とか権益保護、あるいは暴徒鎮圧などの名目で外国に派遣した軍隊がきっかけを作っている。大量虐殺、テロリスト逮捕、独裁政権排除、理由はなんであれ現地から望まれないことには手出しすべきではない。現地のことはまず現地で、どうしても緊急なことがあれば周辺国連合、さらに国連という手順を踏むべきだ。日本に直接関係のない国に、日米同盟とか集団的自衛権を利かせようというのは、どう見ても時代遅れといえよう。

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2008年7月 3日 (木)

中東和平と日本

 昨日2日、都内の外務省飯倉公館である会合が開かれた。集まったのはイスラエル、ヨルダン、パレスチナ自治政府の閣僚級要人である。新聞の扱いは地味で、アサヒ・コムでは探してみたが見つからなかった。

 これは、ヨルダン川西岸の開発プロジェクト「平和と繁栄の回廊」構想の具体化に向けた3回目の打ち合わせである。2年前、小泉首相が中東歴訪した際に提案したもので、いわば小泉政権からの置きみやげである。

 置きみやげにもいろいろあり評判の悪いものも少なくないが、この外交プロジェクトは中東和平へのささやかなステップとして是非成功させるよう願っている。計画の概要は、ヨルダン川西岸を中心に農業用水や道路、そして物流基地などのインフラ整備を行い、関係3国の経済協力を通じて、和平プロセスを実現させていこうというものである。

 EUのスタートが、争いの絶えなかったフランスとドイツの間に始まった石炭と鉄鋼の共同事業化であったことはよく知られている。双方の利益を追求しながら次第に壁を取り除いていく手法は、日中間の戦略的互恵関係でも考慮されている。

 意義があるのは、アメリカでもEUでもなく、キリスト教国でもイスラム教国でもない、手のきれいな「平和憲法」を持つ国が仲介するということである。もっとも、これまで日本の外交姿勢は、「対米関係の文脈から離れた日本の中東政策はあり得ない(外務省幹部)」というものであった。

 また、左翼陣営の中には、日本工営という会社が参画することなどをとりあげ、植民地主義的進出だとか、帝国主義荷担だとかと批判する人がいる。これには理論の飛躍があり、ためにする議論としか見えない。あるいは過激派ハマスの立場を代弁したいというのだろうか。

 そのハマスは、イスラエルとの間で結んだ停戦協定が先月19日に発効、現在実行されている。相互不信はそのままで、解決への道のりはまだ遠い。かつてハマス幹部は、日本の記者に「日本は、対話の一歩を踏み出したい重要国だ」と語っており、大衆の憎悪の対象になったことのないことをあげていた。

 これから、何らかの形でハマスを日本主導のプロジェクトに参加させることはできないものだろうか。今は、アメリカ一辺倒の小泉・安倍外交から福田外交に変わったのだ。もしそういうことが可能になり、世界でどこもできなかったことが、日本の手でできたらどんなにすばらしいことだろう。

 それには、日本国民やマスコミがもっと中東に目を向け、日本の平和外交に大きな声援を送る必要がある。

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2008年4月29日 (火)

戦争犯罪者ブッシュ

 これまでの報道で断片的には知らされてきたが、イラク戦争開始に関するブッシュ政権の犯罪性について、これほど明白な証言を聞くのは始めてである。それは、毎日新聞の小倉孝保記者が、元NCI情報官ポール・ピラー(Paul R Pillar)氏と元米中東軍司令官アンソニー・ジニー(Anthony Zinni)氏に対しておこなったインタビュー記事(08/4/29)によるものである。

 結論を先に言うと、ブッシュ大統領や開戦時のチェニー副大統領、ラムズフェルド国防長官などは、極東裁判で裁かれた日本の東条英機などよりはるかに重い「平和に対する罪」や「戦争犯罪」の容疑者にあたるのではないか、と言うことである。

 アメリカ軍人の戦死者4000人の遺族は、彼らの戦争犯罪をだまって見過ごし沈黙してしまうのだろうか。また結果的にだまされて協力した日本、その費用だけでなく、戦死者をかかえる他の有志国も、「おとがめなし」の不正義をこのまま見逃すことになるのだろうか。かりにそうなっても、世界の歴史は、最悪の大統領としてブッシュを断罪することになるだろう。

 インタビュー内容の詳細は、同紙で見ていただくこととして、ポール氏は次のように言う。 米情報機関が大量破壊兵器などの情報を間違った理由は、「質の悪い情報」に頼ったせいだが、その情報を得る前すでに開戦を決定していた。また、政権幹部は「開戦の理由になる情報はないか」と繰り返し、開戦に都合のいい情報だけを求めていた。

 また、同氏は「誤った異常な戦争」と断言し、情報当局者の多くは戦争に反対していたほか、現在見られるイラクの混乱も開戦時から予想していたという。そして、こういった意見を言うのは「我々の仕事ではなかった」と証言する。

 このブログでは以前から何度も「石油メジャーズなどては世界一の中東情報を持っているはずなのに、なぜそれを活用しないのか」と疑問を投げかけていた。大統領にさからえないアメリカ、情報を操作するアメリカ、これでは他国に自由と民主主義をおしつける資格はない。まさに、どこかが狂っている。

 アンソニー氏は、フセインならびにイラク軍は開戦時何ら脅威ではなかったという。そしてアメリカが戦争に突き進んだ理由をこのように語る。(「 」引用部分)

「ブッシュ大統領は米多発テロ(01年9月11日)後、とても劇的なことをしなければならないと考えたのではないか。その彼を、ネオコン(新保守主義派)が利用した。ネオコンは、フセイン政権を倒せば、中東の状況をダイナミックに変えられると考えた。ばかげた理論だった」

 官僚の意見や慎重論をことさら無視し、レベルの低い材料でマスコミ受けだけを優先させる危険な風潮は、日本にも蔓延しはじめている。政治のトップは多彩な知識と経験をそなえ、毅然とした判断をくだせる人でなければならないことを痛感する。

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2008年3月27日 (木)

恒久法を持ち出す愚

 26日に報じられたところによると、福田首相は、自衛隊を海外派遣させる一般要件を定めておく「恒久法」を今国会で成立させるよう、山崎副総裁等に指示したという。なんで今頃、と思うのだが、ガソリン税や日銀総裁人事のことなどで、民主党と協議が断絶している中、話し合いの呼び水にする意味がある、という。

 福田首相については、冷静で洞察力があるかも知れないと、当初かすかな期待を抱いていたが、最近の言動から見るとすっかりなまってしまっているようだ。法案の性格上、どうしても憲法解釈や国連決議の評価、日米同盟との関連、集団的自衛権などが議論の対象になってくる。

 こんな国の将来を左右しかねないような重要法案を、「呼び水」扱いにするというのが第一わからない。しかも、民主党も小沢代表の何十年も前の古証文を焼き直して原則論を言ってみただけで、具体化について党内が一本化しているとは思えない。そうやすやすとは乗ってくるとは思えないのだが。

 今、イラクとアフガンが同じような状況に陥っている。すなわち、①イラクではアメリカ、アフガンではNATO軍が中心になって治安回復に当たっているが、効果が上がっているのは力が及ぶ地域・範囲に限られている。②現地政府に治安維持任務を移行しようと試みるが、管理能力のある旧政権のテクノクラートなどを追放してしまったため管理能力に乏しく、また募集で集まる要員の質が低く寝返りの心配もある。③駐留外国軍に対する住民の不信感は根強く、明らかに「いてほしくない」存在になっている。といったことだ。

 アメリカはイラクで手いっぱいのため、NATO諸国にアフガンへの増派を要請している。NATOはISAF(アイザフ=国際治安支援部隊)として派兵に協力しているが、タリバンの攻勢で危険が日々増大している。これに対してドイツは増派拒否の姿勢だ。

 「選民意識と和解」にも書いたが、ドイツのメルケル首相はイスラエルまでいって同国への連帯を誓いイランの脅威を強調するなど、ブッシュが取ってきた路線そのままにすり寄った発言をしている。また、フランスは1000人の増派を決定、ブッシュを喜ばせたが、わずか1000人では実効が疑わしいといわれている。

 このように、ブッシュの顔をたてることに一所懸命ながら、各国はアメリカの泥船にできるだけ乗らないよう、ギリギリのところで国益最優先で駆け引きをしているのだ。武力行使をともなわず、治安維持と復興支援なら自衛隊を派遣します、などという恒久法をこの時期に作ったら早速アメリカから言ってくるだろう。

 「心配してくれてありがとう。それではアフガンのテロとの戦い、さっそくよろしくお願いします」と。それを断れる政治が果たして日本にいるだろうか。恒久法の前提には、これまでないがしろにしてきた自衛隊と憲法解釈の厳正な再検討が必要であるということを、既エントリー「憲法改正と恒久法」でも主張した。小泉路線以後、各党から日本の進路を示す言葉が一向に聞こえてこない。

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2008年3月20日 (木)

イラク開戦5周年

 2003年の3月20日、米軍24万人、英軍26000人による イラクへの軍事侵攻(イラクの自由作戦)が開始された。カテゴリ「データ・年表」にある「中東関係粗年表」の一環として、5年目の現状をアトランダムに記録しておく。

☆米軍の死者約4000人に(08/3/23AP通信)。イラク人難民申請、昨年4万5000人(前年の倍、世界トップ。これにはヨルダンやシリアなど周辺国への国境越えは含まれていない)

☆イラクのタリク・ハシミ副大統領が18日、バグダッドで毎日新聞と単独会見し「米軍のイラク進攻は間違いだった」と米政府を批判した。イラクの治安や経済状態が「全体として悪化」しているとの見方を示し、混乱の原因としてイラク戦争を挙げた。ただ、米軍の即時撤退には慎重な考えを示した。【この項、毎日新聞3/20】

 朝日新聞も単独会見記事を載せているが、米軍進攻がまちがい、などの批判発言は掲載していない。同副大統領はスンニ派「イラク・イスラム党」指導者で、同党は連立が離脱したが閣内に残りスンニ派の利益代表的立場にいる。

☆チェニー米副大統領は17日にバグダッドを訪問し、マリキイラク大統領との声明発表で「治安情勢は劇的に改善されている」との共同声明を発表した。昨年6月に実施した米軍3万人増派作戦が成功した、とする立場を強調するものだ。ブッシュ米大統領も19日、作戦の成功と、開戦が「正しい決定」であったと演説した。

 シーア派反米強硬派サドル師傘下の民兵組織マフディ軍が昨年8月に停戦宣言したこと、バグダッドの中心部、官庁、ホテル、外交機関などが多い地区を頑丈なコンクリート擁壁で囲むグリーンゾーンを設け、外部の侵入を防いでいることなどで、犠牲者が減っている。

 しかし、米軍にたいする民衆の不信感は高く、とって変わるべきイラク政府の組織する治安維持部隊には、過激派民兵であった者が紛れ込んでいたり、訓練や規律確保に不向きな者もいて効果が期待できない。また、武器の横流し、周辺諸国からの流入もあとを絶たない。

 戦前にはなかったイスラム宗派の対立が、アメリカ主導の選挙でできたシーア派中心の新政権では統率できず、抜き差しならぬところまで発展してしまった。さらにスンニ派に多いかつての官僚・技術者などが難民として国外に去っているので復興基盤の整備などが麻痺している。

 「治安回復の遅れから国民の間には旧政権へのノスタルジーが広がり、一部にはバース党支持の芽も生まれている」(毎日新聞3/20、バース党は戦前故・フセイン大統領が率いていた世俗政党)。やはり、治安状態は一発触発、累卵の危機にあると言った方がよさそうだ。

☆米大統領候補の公約
・共和党
 マケイン候補=ブッシュ路線継承。長期駐留。
・民主党
 オバマ候補=16カ月以内の撤退完了。
 クリントン候補=就任後6週間以内の撤退開始。

☆アメリカが敵視するイランの大統領のイラク訪問(3月2日)、親米国である湾岸6カ国にイランがオブザーバー招待されたことなど、イスラム圏内でのアメリカパッシング状態が見え始めている。

 ☆同時多発テロのあと、アフガニスタンなどで展開したアメリカ軍の経費や新たな兵器の調達費など「テロとの戦い」の戦費は、これまでに7520億ドル、日本円にしておよそ75兆円に上る。このうち、イラクでの開戦に踏み切った2003年3月以降は、陸軍の費用が一貫して伸びている。来年度2009年度についても、イラクとアフガニスタンに展開するアメリカ軍の駐留経費などに、700億ドルの予算を議会に要求しており、当面、戦費の拠出が続くと予想されている。一方で、アメリカの景気低迷に伴って税収が伸び悩むとみられ、来年度の財政赤字は、4000億ドルを突破して過去最大の水準に迫る見通しで、戦費の拡大はアメリカ経済の重荷となりそうだ。(NHKニュースより)

 日本は、思いやり予算などの軽減をねらっているが、むしろ高額の戦費、駐留費肩代わりを迫られるのではないか。

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2008年1月 7日 (月)

米、パキスタンで戦争?

 北朝鮮との和解に熱意を入れ、イラクとアフガンは、手なづけた政権からも冷たくされて進退きわまり、せっかくあおり立てたイランとの核をめぐる対立も、CIAの「兵器開発は取りやめている」という報告で腰砕けのブッシュ政権。

 オサマビンラディンは、相変わらず落ち着いた声でどこからかのビデオ出演。こうなれば、潜伏が疑われている国内大混乱のパキスタンに武力介入を強行するしかない。私は、どなたかのコメント欄でこう予告した。

 ところが、こんな素人のアテズッポーが、ニュースとして新聞に載っているではないか。今日の「毎日」7面のベタ記事である。ベタ記事であるわけは、ニューヨーク・タイムズの記事紹介で、しかも共同通信扱いのため、と察した。

 ちなみに、気位の高い「朝日」「読売」は、予想どおりネットで探す限り出てこない。こんな国民が知っておくべきニュースが新聞社の沽券で左右されては困る。反面、外電を共同に多く依存する地方紙にはでてくる。その代表として、1日早く記事にした「河北新報」版を紹介しておく。

     【ニューヨーク6日共同】米紙ニューヨ
    ーク・タイムズ(電子版)は6日、米ブッ
    シュ政権が、国際テロ組織アルカイダ
    の勢力拡大が指摘されるパキスタン
    部族地域で、拠点攻撃などの秘密作
    戦実施を検討していると報じた。複数
    の政権高官の話として伝えた。
    米政府はブット元首相暗殺後の治安
    悪化に乗じ、アルカイダがテロ攻撃な
    どでムシャラフ政権の弱体化を図るこ
    とを懸念しており、先手を打つ方針と
    みられる。
    作戦は米中央情報局(CIA)が主体
    で、軍部隊も支援。米国はパキスタン
    に50人の軍部隊を駐留させている
    が、特殊部隊の参加が見込まれると
    いう。
    同紙によると、チェイニー副大統領、
    ライス国務長官ら国家安全保障担当
    の政権高官が4日、ホワイトハウスで
    作戦案を討議したが、現段階では何
    の決定もされておらず、ムシャラフ政
    権への通告もないという。

 このニュースは、まだ未確定要素が多いが、米国民の反応を見る観測気球かもしれない。しかし日本国民もこのアドバルーンを見る権利がある。また、反応の遅い日本の政治家にも見せておく必要がある。毎日新聞の同じ面のコラムに、イランの反米主義の空洞化についての記事もあった。

 インド洋の洋上給油再開に、3分の2条項で強行採決など、「おとといこい」の話なのである。巨大媒体の奮起をうながしたい。

注)「読売」は08/1/7/11:26に配信

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2008年1月 6日 (日)

アフガンはこれでいこう

 今日は、書評からの引用である。こんなことははじめてだが、書評そのものより、その内容がニュースだと思ったからだ。その本の著者は医師が本業で、モンシロチョウの起源があるといわれるアフガンに興味があってでかけたのだという。

 現地で100万人といわれる旱魃難民を目のあたりにし、なんとか救済したいと思った。そこで用水路を引くことを考え、寄付を集めて故郷の九州で堰などを調査研究した結果、江戸時代の技術が参考になることがわかった。

 著者は、自らもブルドーザーを運転するなど、現地で献身的な努力を重ね、ついに数千町歩の畑に水が供給できる用水路を完成させた。同じ「蝶」が趣味でも、テロリストと友達の友達がいるどこかの法務大臣とは違う。以下が書評に現れた現地の実体で、そのまま引用する。  

・養老孟司評
・<中村哲著『医者、用水路を拓く―アフガンの大地から世界の虚構に挑む』石風社>
・毎日新聞(1/6)所載

     (前略)外務省は危険地域として、アフガ
     ンへの渡航を控えるようにという。著者は
     アフガンに行きませんか、と私を誘う。危
     険どころじゃない、現地の人が守ってくれ
     ますよ。そりゃあそうだろうと思う。唯一の
     危険は、用水路現場を米軍機が機銃掃射
     することである。アフガンでの戦費はすで
     に300億ドルに達する。その費用を民生用
     に当てたら、アフガンにはとうに平和が戻
     っている。米国に擁立されているカルザイ
     大統領ですら、そう述べた。著者はそう書
     く。(以下略) 
 

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2007年12月31日 (月)

中東関係粗年表

 旧「反戦老年委員会」に収録したイラン関係年表を当塾に移転し、カテゴリ「データ・年表」に置いて適宜修正を加えながら考察の糧とする。

1990/08/03 イラク軍クウェート侵入、全土制圧。
1990/08/30 日本、多国籍軍の後方支援に10億ドル支出を決定。
1990/11/29 国連安保理決議678。【コメント】クウェートに軍事侵攻したイラクに対し多国籍軍が武力行使することを授権した。その撤退期限が切れた1991/01/17、多国籍軍による戦闘を開始。
1991/04/03 国連安保理決議687。【コメント】イラクが大量破壊兵器を廃棄し国連の査察に応ずることを義務づけた。
1991/04/06 湾岸戦争終結(国連安保理確認)。

1991/12/30 ソ連解体 
1993/01/01 EC発足
1994/04/10 ボスニア紛争でNATO軍が空爆
1998/08/07 ケニア、ナイロビの米大使館付近で爆発。274人死亡。
1998/08/20 米、アフガニスタン、スーダンの「テロ関係施設」を報復攻撃。
1998/08/31 北朝鮮「テポドン1号」発射、三陸沖に落下。 
1998/12/17  米英軍、査察妨害等を理由に20日までに97ヶ所に対し「湾岸戦争」時を上回る巡航ミサイル数でイラク攻撃、「砂漠のキツネ作戦」。日本政府は攻撃支持を表明。【コメント】イラク攻撃はこのころからの既定方針か。
2001/09/11 米国同時多発テロ。国防総省、世界貿易センター等で3000人近くが死亡。

2001/09/12 国連安保理決議1368。【コメント】9.11の翌日ななされたもの。テロの非難と「テロリズムと闘うため必要な手順をとる用意がある」という内容で、特定の武力行使をさしたものではない。
2001/10/07 米・英の率いる連合軍がアフガニスタンに軍事介入(不朽の自由作戦=OEF)。
2001/10/26 米議会、国民の自由を制限する「パトリオット(愛国者)法」を可決。
2001/10/29 日本で「テロ対策特措法」成立。安保理決議1368を根拠にしている。
2001/11/  アフガン、タリバン政権崩壊。
2001/12/  海上自衛隊、米艦船等への洋上給油開始。
1001/12/20 国連安保理決議1386(アフガンの治安維持活動等を承認)【コメント】当初は有志国によるものであったがNATO軍統括に変更。
  
2002/01/29 ブッシュ大統領がイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び対抗策を確約。
2002/06/  アフガン、カルザイ大統領就任。
2002/10/11 米議会、イラクに対する武力使用を承認。
2002/11/08 国連安保理決議1441。
【コメント】イラクが安保理決議違反を繰り返しているとして、大量破壊兵器対する査察再開の受け入れと、査察妨害など重大な義務違反をしないよう命じたもの。重大な義務違反があった場合「安保理は直ちに招集され、事態を検討する」とのべており、自動的な武力行使を避ける趣旨を含んでいる。大量破壊兵器へのでっち上げは前回の年表を参照。

2003/03/20 イラクへの軍事侵攻(イラクの自由作戦)、米軍24万人、英軍26000人。
【コメント】国連決議のない戦争突入として、自衛権行使、先制攻撃、人道的介入、体制変更そのいずれも合法性が認められない。そこで直前の国連決議1441に、湾岸戦争当時の国連決議687、678を結びつけ3つの決議をセットにして合法性があるという主張をアメリカも日本もしている。7年前の青信号は黄色から赤に変わり、また青になるに決まっているから無視して当然、というしろうと考えでも無茶な話なのである。湾岸戦争は一旦終わっているのだ。

2003/05/01 ブッシュ大統領、イラク大規模戦闘終結宣言
2003/07/26 アメリカの圧力のもと、日本のイラク特措法成立。【コメント】目的は人道復興支援活動と安全確保支援活動で陸自のサマワ派遣部隊は撤退したが、航空機による物資、人員の輸送活動はいまだに続けている。
 
2003/05/01 ブッシュ大統領、戦争終結宣言。
2003/12/13 フセイン元イラク大統領、米軍により国内で拘束。
2004/03/11 スペインで列車に対するテロ事件。死者191人。
2004/03~04 米兵によるイラク人捕虜に対する虐待写真流出、公開される。
2004/09/30 CIAダルファー報告(上記の「大量破壊兵器の隠匿と実戦配備の即応性」を否定)。

2005/12/  NATOがISAFの南部展開と増派計画を決定。
2006/1   パレスチナ評議会(国会に相当)選挙でハマス圧勝、3月に単独内閣が発足。
2006/05/20 イラク、マリキ首相政府発足
2006/12/30 イラク元大統領フセイン死刑執行
2007/3  サウジの仲介でハマス、ファタハ連立の統一政府樹立。
2007/6  ハマスがガザ地区を武力制圧。統一政府が崩壊して自治区も分裂。
2007/07/  タリバン武装勢力が韓国人23人を誘拐し、うち2人を殺害。
2007/07/11 参院選で自民党大敗、2007/09/12安倍首相辞任。
2007/08/  自衛隊による海上給油、01年11月から8月までの間、船舶用燃料777回、約48万㌔㍑、約220億円、航空機用燃料、65回、約960㌔㍑、約5630万円、計11カ国向け。無償。(文藝春秋編・日本の論点)
2007/09/  上旬までにアフガンISAF所属の戦死者、アメリカ440人、イギリス78人、カナダ70人、ドイツ26人(ロイター)

2008/3/20 米英イラク開戦5周年。現状のまとめはこちら
2008/3  イスラエル軍がガザ地区を攻撃。住民100人以上死亡。
2008/6  エジプトの仲介で6か月のガザ地区停戦。
2008/12 ガザ地区停戦期限切れ。イスラエル領にロケット弾、ガザ地区空爆。

2009/1 イスラエル、ガザに地上軍侵攻。
2009/1/8 国連安保理、イスラエル・ハマスに停戦決議。アメリカ棄権
2009/1/21 米国オバマ大統領就任。ガザ、自主停戦、イスラエル撤兵
2009/02/27 オバマ10年8月までに戦闘部隊撤退を発表

2009/03/16 イラク民間人死者、開戦以来当日まで99692人
2009/03/17 イラク多国籍軍兵士死者、開戦→当日4577人(以上2件ロイター)

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2007年12月 8日 (土)

イランの脅威、宙に浮く

 12/4に「世界やぶにらみ」という記事を書いた。その書き出しを「このところ海外の動きがあわただしい。それがゆるやかな世界の地殻変動なのか、局地的な現象が偶然重なったのか私にはわからない」とした。

 その例として、オーストラリアで労働党のラッド首相率いる新内閣が3日に発足し、日本と肩を並べていたアメリカ追随から距離を置く政策に変わったことや、アメリカとの友好関係でイラン革命政権からの圧力回避をはかった湾岸6カ国会議に、イランの大統領が招かれたことなどを上げた。

 しかし、そこにアメリカ自体のことが抜けているのでつけ加えたい。やはり3日に、マコネル米国家情報長官がイラン核開発に関する機密報告書「国家情報評価(NIE)」の一部を公表した。それによると、イランは核開発計画を進めていたが、03年秋に中断してその後再開されていない、ということが明記されており、これまでのアメリカのイラン政策に問題を投げかけることになった。

 この報道は、ありもしない大量破壊兵器のニセ情報で、ブッシュ政権がイラク侵攻を開始したことと重ね合わせになる。ブッシュ大統領にとっては、残された1年にどう花道を築くかが課題になっている。これまで、テロとの戦いに「悪の枢軸国」を登場させ、正義と自由を旗じるしに世界の盟主となる道を示すことが、アメリカ国民を引きつけていく道具となっていた。

 イランの核開発に神経質になるイスラエルとアメリカは、ピンポイント攻撃までちらつかせ、イラン革命防衛隊をテロ支援組織に指定して、一部で戦端開始は時間の問題とまで言われるような緊張状態を作った。その一方で北朝鮮のテロ支援国家指定取り消しをスケジュール化し、米国内で中東和平会議を開催して平和に向けたポーズを演出するなど、最後の実績づくりに懸命のようだ。

 それにしても感心するのは、日本で言えば情報大臣と言うべき人が、総理が立ち往生してしまいそうな秘密情報をさらっと言ってのけるスピリットである。もちろん隠された情報も操作された情報も山ほどあるのだろうが、日本のような陰湿さを感じさせないのだ。

 ブッシュは、あきらかに困惑している。記者会見で「(報告は)警告信号だ。なぜなら、彼らは計画を再開できるからだ」(12/5「毎日新聞」)と、強気の姿勢を崩していない。しかし、国連をはじめ国際世論がブッシュの考えに味方することはないだろう。

 米国内でも、民主党の大統領候補の中で、唯一イラン革命防衛隊をテロ集団とする上院決議に賛成したヒラリー・クリントンに対し、オバマ氏をはじめ対立候補から集中攻撃を受け、このところ支持率低下を招いているようだ。こうなると、ブッシュもこれまで通りの戦意高揚演説も効き目がなくなり、日本をはじめ各国に対するプレッシャーも力を失うだろう。

 日本も「テロとの戦い」御幣担ぎをそろそろ卒業し、給油新法案の見直しを考えてもいいのではないか。
 

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2007年12月 5日 (水)

対案はいらない

 毎日新聞が、新テロ法案について「民主党の対案はどこにいった」という社説(12/5)を掲げた。同紙の報道や論評が、やや乱雑な感はあるものの、的を射たものが多くなったように感じていたが、この社説はいただけない。

 まず、「国際社会が協力して取り組んでいる『テロとの戦い』に、日本はどのような形で関与すべきなのか」という問題提起である。このブログでもたびたび取り上げているが、ブッシュ大統領の常套語「テロとの戦い」の「テロ」とは何をさすのかに、与・野党そして新聞も答えていない。

 また「国際社会」とは何か、アメリカの中東政策に批判的な国、またはアメリカ軍に協力する少数の「有志国」以外は国際社会ではないのか。産経新聞ならともかく、同紙のほかの記事を通読しているだけでも、上の前提は、使い古され、賞味期限の切れた殺し文句に過ぎないではないか。

 民主党の外務防衛部門会議が「テロ防止のためのアフガン復興支援特別措置法案」の要項なるものを作った。これを法案化して参院に対案として出さないことを、審議が進まない理由としてこの社説は非難する。

 それは的はずれだ。憲法9条を守るといっている小沢理論で、現状のアフガン情勢で自衛隊を使おうという無理、矛盾がある限り、法案などできっこない。そういう同党の論理の混乱を突くというのならわかる。その法案をださないから審議が進まないというのは、政府与党の責任転嫁に組みするものでしかない。

 国会も新聞も、テロとアメリカと自衛隊の3題話から足を踏み出してほしい。テロとはビンラディンのことか、パキスタンとの国境地帯にまだいるのか。戒厳令状態で自国の選挙ですら合意が得られないムシャラフ政権下では、アメリカが逮捕を期待しても無理だろう。

 それでは、アフガンのタリバン勢力のことか。タリバンを放逐して成立したカルザイ政権ですら、治安回復の為にはタリバンの力を借りざるを得ない、という現状のようだ。アメリカはイラクの治安回復優先のためアフガンが手薄になり、それをNATO軍が埋めて犠牲者をふやしている。

 また、中東各地で起こる自爆テロを指すのか。最近はパレスチナ問題や、イランも含めた湾岸各国の平和への模索が続いている。気のせいか自爆テロも減少の方向に向かっているようにも見える。イラクにしろアフガンにしろ、目的はどうあれ、外国軍隊がいることが治安悪化につながるという、意識が現地にあることはたしかだ。

 「悪の枢軸」を必要とする国なら別だが、テロとの戦いはすでに後処理の方向に進んでいる。自衛隊の給油活動も事後処理の一環として、継続することに反対ではない。しかし、一旦中断したものを数か月あとに復活することに、どれだけの意義と効果があるのだろうか。そのあたりを真剣に討議してもらう方が国民とって理解されやすく、国益にかなうのではないか。

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2007年10月 3日 (水)

新語大賞候補

オイル・ロンダリング」、これはどうでしょう。

 アメリカは、北朝鮮のブラック・マネーがマカオの銀行で「マネー・ロンダリング」されているとして金融制裁をしていたのを、アッサリ解除しました。「変だなあ?」と思っていたことがやっとわかりました。

 アメリカも、アラビア海で似たようなことをしていたのです。これでは、北朝鮮を悪く言うわけにはいかない。日本の海上自衛隊から受けたアメリカ軍向けの艦船燃料のうち、6割強が補給艦だったそうです(朝日、毎日等各紙)。

 補給艦、つまりマカオの銀行と同じ感じですね。ここを通れば、その先どう使われようと転売しようと知ったことではない。アメリカも公表する気はないでしょう。お人好しの日本なら押し切れるという魂胆のように見えます。

 ブッシュさんとジョンイルさんの合唱が聞こえてきます。
 ♪マネー・ロンダリング、オイル・ロンダリング

  ダブル・スタンダードはいけません たがいに
  すんだことをほじくるのは やめましょう
  このさき、よければそれでみんなしあわせ

 民主党・小沢さん。惑わされてはいけません。国連教狂信者のようなチョット気になるところはあるけど、目をつぶりましょう。「憲法違反だ!!」でがんばってください。応援してます。

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2007年9月23日 (日)

テロ特措法は爆弾

本ブログはテスト判として、当分の間「反戦老年委員会」と同文を掲載します。 

  テロ対策特措法の延長がいかに危険であるか、わが委員会では再三訴えてきたが、本日(9/23)のTBSサンデーモーニングで、私の知る限りはじめて金子勝慶大教授がこの点に触れた。それはアメリカのイラン空爆説が、このところのイギリスやフランスからの報道とか、アメリカから漏れてくるタカ派の意見でが高まっていることに関連する。

 いろいろ報道されている通り、海上給油を受けた軍艦がどこへ行っているのか(今朝のサンデープロジェクトで麻生前外相もつかんでいないと言っている)、目的外の任務につくことを阻止できるのかは、依然としてあいまいなままになっている。

 政府はアメリカや有志国を信頼して、というだろうが、そういうのを「平和ボケ」という。イラン空爆が始まればイランは公然と自衛権を発動する。即、本格的な戦争である。アメリカ第5艦隊は当然緊急配置につく。「この船は日本から給油を受けてますから例外です」なんてあり得ない。

 イランの沖合、といってもいいような場所も補給地点の一つだ。イランにとっては格好の攻撃目標で、日本の給油艦は当然敵になる。海自は途中で給油をうち切って逃げて帰らなければ憲法違反だ。そんなみっともないことになりたくないなら、民主党の反対をいいことに、ここでうち切ることだ。

 9.11を機に、世界に「テロとの戦い」大合唱がわき起こった。コンダクター・アメリカのタクトにみんな従った。日本は指揮者から「ショウ・ザ・フラッグ!」と名指しされ、「アメリカの自衛戦争に参加しましょう」とひときわ大声をはりあげることになった。

 戦争の相手は、ビン・ラディンを引き渡さないアフガンのタリバン政権という国家である。しかし戦争は2カ月ほどで終わり、その後はアメリカに協力するカルザイ大統領の国になった。しかしビン・ラディンはつかまらず、どこにいるのかもわからない。

 それ以来アメリカは、「テロ」という国か団体か人か、なにか実体のつかめないものを敵に戦争を続けることになった。証拠もないのにイラクをテロ支援国家に指定して国を滅ぼした。しかし「テロ」は減るどころか確実に増殖し続ける。焦るブッシュが次の標的をイランにする可能性は否定できない。

 日本政府も盛んに「テロとの戦い」を口にし、いくつもの国内法を作った。「テロとの戦い」は国際法も国連憲章も適用外だ。こんな危なっかしい「戦争」からは、一刻も早く縁を切って「世界に誇れる国」にしてほしい。なお、テロ特措法は、自民党総裁に決まった福田(当時幹事長)が苦心の末つくりあげたことも記憶しておこう。

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