安保

2020年6月29日 (月)

転換期の安保

 今日の毎日新聞で特別編集委員・山田孝男氏が担当するコラム「風知草」は、「転換期の安保」と題して次のように書きだす。

ボルトン前米大統領補佐官による暴露が真実だとすれば、トランプ政権は駐留米軍経費負担の4倍増を要求、日本政府が聞き流していることになる。

迎撃ミサイルシステムの陸上配備計画停止も、内外の関心をかきたてた。

とかくアメリカの言いなりの――少なくとも内外でそう見られがちな――日本政府が、別の歩みを始めたようにも見える。何が起きているのだろう。

 ところが昨日の同紙社説は、ボルトン氏が駐留経費の日本側の負担を大幅に増やすよう大統領の意向を日本側に説明したことに関連して「ドイツの米軍はロシアに対する抑止力となり、日本の米軍は中国をけん制する役割を担う。米国にとって重要な拠点である。」とアメリカ側をけん制している。

 この二つは明らかに二律背反しており、日本の「虫のよさ」をアメリカ側に露呈したものととられても仕方ない。

 ことに「抑止力」という前世紀の遺物のような用語を、今の日本にあてはめようとする癖について、政治だけでなくオピニオンリーダー内にも残っていることを危惧する。

 本塾も繰り返し述べているが、安保条約は日米講和条約で戦後の米軍占領の名目がなくなり、後の空白を防ぐ目的もあって急遽成立したものだ。

 それを、岸信介首相が10年の有効期限を設けるなど改訂したものが、いまだに手を付けることなく残されている。

 その当時、60年安保闘争から70年安保闘争の中での過激な学生運動や一部労組の中には、ソ連が推進した「革命の輸出」に同調したり、マルクス・レーニン主義に心酔し、資本や生産財を労働者に取り戻すといった風潮もあった。

 「この秋には」などという噂が、日本だけでなくアメリカにさえ散見された時代だ。その中で、朝鮮戦争やベトナム戦争が勃発し、ヨーロッパでもアメリカと組んで侵略を阻止しようというのが「抑止力」として機能していたということだ。

 抑止力はロシア・中国に向けた言葉だろう。中国はアメリカが貿易相手国として最大限の期待を持った国だ。また中国もアメリカの経済や技術に依存する面が多い。

 ただ、中国が太平洋や一帯一路としているインド洋から地中海に向けた勢力拡張や軍事力増強、これを脅威として抑止するといっても、アメリカもこれまでしてきたことなのでアメリカに抑止を期待するといっても無理がある。

 尖閣問題を絡めたい向きがあるだろうが、これは全く別問題。アメリカの抑止力があるから中国が攻めてこないわけではなく、台湾との関係もあり、あくまでも日中間の交渉で解決するしかない。

 ロシアも共産国ではなくなった。中国と同様な要素が存在する。日本にとって何を抑止するのかが見えない。ここには北方領土問題があるが第三国の抑止力が機能するところはない。

 日本に必要があるとすれば、領土・領海の自衛力充実である。在日米軍維持よりその方が信頼できる。

 頭記の「転換期の安保」が有力紙のタイトルに使われようになったことは、遅きに失したとはいえ、刮目すべきことだ。

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2020年6月23日 (火)

置き去りの地位協定

 1960年に改定された日米安全保障条約と、これに基づき在日米軍の法的地位や基地の管理・運用を定めた日米地位協定は、23日で発効から60年を迎えた。毎日新聞が47都道府県の知事に地位協定見直しの要否を尋ねたところ、8割を超える39人が「見直す必要がある」と回答した。(中略)

全員から返答があり、「見直す必要がない」と答えた知事はいなかった。8人は「外交・防衛に関する問題は国の専管事項」「国が責任を持って対応すべきだ」などと説明して無回答だった。

 占領当時から、そのまま残っている治外法権同様の、米軍基地関係者は日本国内で犯罪を犯しても日本の法律が適用されないという協定だ。米軍基地のあるNATO諸国にもそんな例はない。

 また米軍の活動範囲にも及んでおり、配属地の変更という口実でどこへでも出撃できることになっている。つまり安保条約に地位協定を付属させ、一人前の文明国家扱いに抜け道をつくっているのという構図になっている。

 このような、全知事が一様に抱いている不安を、自民以外の各政党はどう政策の中で取り上げているのか、ネット公約集の掲げるところを見た。

【公明党】

 〔外交・防衛〕日朝国交正常化を実現▽ロシアと領土問題を解決し平和条約を締結▽在日米軍の再編や訓練の県外分散移転の着実な実施などで沖縄の負担軽減を実現。

【社民党】

 〔外交・防衛〕集団的自衛権行使を容認した閣議決定を撤回▽日米安保条約は経済や文化面での協力を中心にした平和友好条約へ転換▽辺野古新基地建設に反対▽日米2国間の新たな貿易協定を阻止し、TPP11と日欧EPAから離脱。

【日本維新の会】

 〔外交・防衛〕集団的自衛権行使の要件を日本周辺の米軍防護に限定▽普天間基地の負担を軽減、日米地位協定を見直し▽防衛費のGDP1%枠の撤廃▽弾道ミサイル、サイバー・宇宙空間防衛体制を強化。

【共産党】

 〔外交・防衛〕F35など米国製兵器の「爆買い」など大軍拡をやめ、軍縮へ転換▽イージス・アショアの配備を撤回▽辺野古新基地建設を中止し、普天間基地の無条件撤去を要求▽日米地位協定を抜本改正▽日米安保条約をなくし、対等・平等の立場に立った日米友好条約を結ぶ。

【立憲民主党】

 〔外交・防衛〕米軍普天間飛行場の辺野古移設工事を中止、普天間返還交渉を実施▽在日米軍基地負担の軽減と日米地位協定の改定を提起▽安全保障法制を廃止▽専守防衛の範囲を超えない抑制的かつ効果的な防衛力を整備▽北朝鮮の核・ミサイル開発と拉致問題解決に向け交渉に着手▽北方四島の帰属問題を解決▽貧困、気候変動問題などグローバルな問題解決に貢献

【国民民主党】

 〔外交・防衛〕安全保障法制などの廃止法案、周辺事態法改正案、領域警備法案などを成立▽日米地位協定の改定・辺野古新基地建設を見直し。

 項目として挙げてはいるが具体的なものはない。本気度が伝わってこないのだ。ここは、各党、知事と改定内容をまとめ上げ、一本化したものを政府に突きつけるようでなくては、いつまでたっても空念仏で終わってしまうだろう。

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2020年4月28日 (火)

軍事費ランキング

 ストックホルム国際平和研究所・SIPRIが27日に発表したランキング。(毎日新聞・ロンドン共同)

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 冷戦時代の常識で見ると様変わりしている。

 米国のダントツ1位は不動なものの、ロシアは第4位、アメリカの10分の1以下にすぎない。中国の躍進は、想像できたものの、国連常任理事国5か国中フランスは第6位、英国は第8位。ちなみに、日本は国連分担金でアメリカに次ぐ第2位。

 軍事費で中国に次ぐ第3位がインド、そしてサウジアラビアは5位につける。どうして軍事費に大枚をはたくのか理由がわからない。インドはカシミール問題でパキスタンと原爆まで隠し持って張り合う間柄だが、やはりイスラム国に囲まれている保険金だろうか。

 そして、イスラム・スンニ派の盟主といわれたサウジ。イスラエルと国境を接する大国・エジプトの方が多いのかと思ったら違った。国土の広さから見て国民の数は少ない。陸上兵力増強のためには雇い兵しかない。使い道がわからない。イスラエルはランキングに入ってこない。

 なお、国内総生産(GDP)に占める軍事費の割合は、日本が0.9%で最小、最も大きかったのがサウジの8%だった。

 そして、日本の第9位、韓国の第10位というのも北朝鮮がらみで気になる位置だ。

 

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2020年4月22日 (水)

日米同盟と自衛隊の関連

 安倍首相とほぼ同年配人が書いた本があった。自衛隊を論述する中で、その核心は日米同盟の存在で、占領時代GHQが指針を示した日本国憲法同様、双方に矛盾を来たさないよう運用すべきというという肯定論だ。

 19日の「敗戦こぼれ話」でも書いたが、「敗戦」というようなエポックメーキングな出来事があると、その前奏曲となるべきエピソードがあってもかき消され、真の姿が見えてこないことが多い。

 安倍首相は、学齢に達する前、祖父の岸信介首相の前で「あんぽ反対、あんぽ反対」とはしゃぎ、「あんぽ賛成と言いなさい」とたしなめられたという話がある。

 全学連の連日にわたる蛇行デモ、電車も郵便も止まるゼネスト、いわゆる60年安保闘争は、幼児の心にも深く刻まれただろう。この時、「あんぽ」はすでに存在し、岸は条約の有効期限を定めたり、経済条項を加えるなどの改訂を企図していただけで、195198日の講和条約締結とともに日米間で締結されていたものである。

 講和条約が締結されれば、対日米占領軍存在の法的根拠はなくなる。その準備態勢は、占領開始3年後にはすでに立てられていた。年表で示すと次のようなものになる。

1948-5-1(昭和23) 海上保安庁設置(英・ソ・中反対、米が強行)
・   0-7 米国安全保障会議、「アメリカの対日政策についての勧告」決定。占領政策を転換、冷戦体制へ日本を組み込む。
1950-6-25 朝鮮戦争勃発
    6-29 北(朝鮮)が半島南端まで攻め込み、日本に迫る勢い。小倉・八幡・門司市に警戒警報発令、灯火管制実施
    7-8 マッカーサーの指示で10日に警察予備隊令公布(75000)

1951-1-25 ダレス米講和特使来日、吉田首相と3次にわたり会談、日本の再軍備を要求。日本、新しく5万人の保安部隊計画を示す。米軍の日本駐留と日本の再軍備の方向性固まる。

 ここで見るように、この段階は冷戦というより、共産圏の民族解放運動や共産主義革命の伝播がどの国でおきても不思議でなかった。日本も同然で、米駐留軍は外部からの侵略を防御するが内部の武装革命などの内乱は日本の組織が対応すべき、という米側要請が警察予備隊のスタートとなる。

 しかし、当時の日本共産党は国際派・民族派などに分裂しており、全学連赤軍派などにも国民の支持はなく、うちからの脅威はそれほど感じなかった。それより、上述の朝鮮情勢から警戒警報など、戦中に引き戻されたようなせっぱづまった用語に一驚、米占領軍は当分存続してほしい、という気分の方が勝っていた。

 自衛戦力を持つにしても、徴兵制復活には反対、という署名運動を始めたぐらいだ。しかしマッカーサーは朝鮮情勢次第で日本占領の成果が失われるという見地から朝鮮に兵力をつぎ込み、北の勢力を中国国境まで押し返す。

1951-7-10 朝鮮戦争の最後は、中国の義勇軍を含む北が38度線までを確保、そこで停戦となって現在に至っている。
1951-9-8 対日講和条約調印(ソ連・チェコ・ポーランド・インド・ビルマ・中華民国は不参加)・日米安保条約調印

 日本は、1952年(昭和27年)1015日に警察予備隊を改編して保安隊と名を変え、さらに、

・1954年(昭和29年)69日、防衛庁設置法公布と共に陸・海・空の自衛隊という今の姿に発展、外国からは軍隊視されるようになる。

 このように、自衛隊のスタートは警察予備隊から始まっており、生まれたのは安保条約締結より前である。そういった経緯からすると、自衛隊と日米同盟が密接不可分のように見るのは、塾頭にある当時の知見からしても無理がある。

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2020年4月16日 (木)

北朝鮮の異常

【北京共同】北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、朝鮮労働党幹部らが故金日成主席の生誕記念日「太陽節」を迎えた15日、金日成氏の遺体が安置されている平壌の錦ス山太陽宮殿を訪問したと伝えた。金正恩氏の訪問は伝えておらず、日米韓は動向を注視している。

金正恩氏が名実ともに最高指導者となった2012年以降、北朝鮮メディアは毎年、太陽節かその翌日に金正恩氏の太陽宮殿訪問を伝えており、報道がないのは異例。16日付の労働新聞が掲載した幹部らの宮殿訪問時の写真にも金正恩氏の姿はなかった。

 異常は、先月の毎週のように打ち上げるミサイル発射である。今月は14日に低空飛行で精密攻撃が可能な地対艦巡航ミサイルを数発発射した。毎日新聞は、それまでの発射を一覧表にしている。

 19年8月6日 ロシア製に類似。変則軌道
   10月2日 潜水艦発射型
 20年3月2日 連射型
     9日 連射型
     21日 米国製に類似。変則軌道
     29日 分析中

 安倍首相周辺は、これを「日本国民の脅威」にしたがるが、コロナウイルス感染の影響を指摘する声もあることから、河野防衛相は「頻繁なミサイル発射に体制引き締めの狙いも否定できない」と指摘するにとどまる。

 発射の形態を見ると連射や潜水艦発射など、簡単に迎撃できないもの、目標に対して精度の高いものを狙いとしているようにとれる。

 米韓共同演習けん制や在韓米軍基地向けという感じがある。在日米軍基地から、海兵隊や陸戦隊が直接発進するようなことがあれば、当然その基地が攻撃目標となる。

 アメリカとの直接対立は、国力・戦力に格段の差があり、北が自滅の危険を冒すようなことはあり得ない。また、アメリカがそれを望んでいるわけでもない。

 

 

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2020年4月12日 (日)

戦争をしない戦闘機

 自衛隊は、日本国憲法のもとで戦争ができないので、車のことを「特車」といい変えた。今の安倍政権は誰はばかることなく闘機といい、莫大な費用をかけて輸入したり製造したりする。

 専守防衛の枠を取り外し、いつの間にか戦争ができる自衛隊にしたい安倍首相の下心が見えてくる。(共同通信4/11)

 

 政府と自民党が航空自衛隊F2戦闘機の後継となる次期戦闘機の海外輸出案を3月から議論し始めたことが11日、分かった。複数の関係者が明らかにした。総開発費が2兆円を超えると見込まれるため、生産数を増やしてコスト削減を図る狙いがある。だが、浮上した輸出案は、憲法の平和主義や武器輸出を規制する「防衛装備移転三原則」に抵触する恐れがあり、実現は見通せない。

 政府は次期戦闘機の「日本主導の開発」を掲げ、米軍や米軍事産業への過度な依存から脱却することを目指している。空自は最大でも100機程度の導入を想定。1200億円以上になる可能性がありコスト削減は重要課題となる。

 

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2020年2月19日 (水)

焦点はフィリピンに

 フィリピンが国内での米兵の法的地位を定めた「訪問軍地位協定」の破棄を11日に米国側に通告し、両国の同盟関係が大きく揺らいでいる。このままだと8月に失効する見通しで、米軍との合同軍事演習もなくなる可能性がある。この地域で米軍の存在感が弱まれば、中国との領有権問題を抱える南シナ海の周辺国などにも影響が及ぶだろう。【ジャカルタ武内彩】(毎日新聞02/19)

 他のテーマを考えていたが、上の記事を見て変更した。ずーと長い間ウオッチする外電は中東だったが、フィリピンは、より日本に近くアジア全体に重大な影響をもたらすことになりそうだからだ。原因は麻薬取締の行き過ぎのようだがくわしいことはわからない。

 戦後、中学校で先生から聞いた話は、「3S政策」についてだった。

 スペイン戦争でフィリピンを奪取したアメリカが住民に施した政策は、3S、スポーツ・セックス・スクリーンでフィリピン人を洗脳し弱体化することで、アメリカ占領軍もきっとこの方針で日本に臨む、という内容だ。

 戦争中、日本軍は米軍をフィリピンから追い出した。守備を任されていたマッカーサーは「ここに必ず戻って来る」と言い残しその通りになった。

 そして、バターン死の行進、日本兵の悲惨な死、マルコス・アキノなど個性的な大統領、ミンダナオ島のイスラム勢力跳梁など様々な変転はあったが、南シナ海を挟んで中国と対峙、台湾の現状を維持するうえで、アメリカにとっては最前線基地だったのだ。

 本塾は、日米安保の地位協定改定に手をつけるよう主張しているが、フィリピンが一挙に破棄にまで進み、トランプが「気にしない、節約になる」などというようでは、安倍首相も慌てざるを得ないだろう。

 これからは、最優先でウォッチしなければならない問題だ。

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2020年2月12日 (水)

自衛隊の力

 改憲論者の中に「自衛隊は憲法違反とする学者が多いから、憲法に明記すべきだ」という理由をあげる者が多くなった。

 ちょっと前まで「命がけでことに当たる仕事をしているのに明記してない」とする意見が主だったが、本塾は、警官や消防士でも命がけで仕事に当たっているのに、どこが違うのか、と書いたものだ。

 最近は、912項をそのままにして、3項で安保法制を強行採決した時の論理にそうような条文を加えるという、安倍私案が跳梁している。

 本塾は、もともと自衛隊を憲法違反とは思っていない。設備などは、ミサイル防御システムのイージス体制、監視システム、短距離用の戦闘機、へり空母などの装備、或いは最近の島嶼不法占拠対処に備えた海兵隊のような組織など、予算から見ても軍隊といわれて反論しにくい規模だ。

 それをさらに複雑化しているのが「日米安保」である。講和後、アメリカ占領軍が撤収せず、冷戦激化の機運を受けて駐留を続けることになった。

 ただし、日本国内における革命勢力の破壊活動防止など、日本の治安維持のため「警察予備隊」を自前で持つように要請され、それが「保安隊」に名を変え、さらに「自衛隊」へと改組された。保守政権にとって将来軍隊の母体となる野望が当時からあったとしても不思議はない。

 しかし、岸首相が改定した新・安保条約は、日米両国が互いに両国憲法尊重の義務を課しているので、それに反することはできないことになっている。

 だから、安倍内閣が作った安保法制により、自衛隊が、日米安保条約を理由に米軍と共同行動をとった場合、9条などにとらわれない米軍と行動を別にしなければならない事態が生ずる。

 日本はアメリカに守ってもらっている。だから協力しなければならない。そこで思考停止するので、沖縄をはじめとする基地問題解決が遠のいてしまう。

 繰り返すが、日米安保では憲法遵守を前提に置いている。そこで、条約の様々な矛盾を法的に合理化させるための道具が「地位協定」など2国間協定で、できてしまうと条約と同じ効果を発揮し、どうかすると憲法の上をいく。

 そういった事態を回避するため、従来は、我が国に集団的自衛権は存在するが行使できないという政府の見解を、安倍内閣は法制局長官の首をすげ変えて「行使しうる」に変えてしまった。

 そうすると、自衛隊が憲法違反行為に巻き込まれる可能性が限りなく増大する。

 つまり、自衛隊員は非常に不安定な状況に立たされていることになる。言葉は悪いが、いつもの安倍首相のズルイ手口だ。こうしておいて、一挙に法改正に持ち込まれるのだ。

 この際、野党は、自衛隊の存在を認め、装備は、航空母艦はダメ、長距離爆撃機はダメ、ICBMはダメ、活動範囲は、領土・領海をこえない、国連の認めない公海での活動はダメ、国連が取り上げる核・生物・化学兵器、地雷などの禁止賛成といった、自衛隊活動制限規範を作って自民に対抗すべきではないか。

 本来なら、軍事機密に属することだが、集団的自衛権を解除し、軍隊でないのであれば隠しておくことに意味がない。

 集団的自衛権に頼らなくても、日本の自衛を担保するために、他国攻撃戦力のない現在の自衛隊規模や、平和憲法さえあれば、自衛には十分だ。

 

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2019年11月17日 (日)

在日米軍は雇兵?

 米外交誌フォーリン・ポリシーは15日、複数の米政府関係者の話として、トランプ政権が日本政府に対し、在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)を約4倍の約80億ドル(約8700億円)に増やすよう要求していると報じた。7月に当時のボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らが訪日した際、要望を伝えた。

 以上は毎日新聞(11/17)による。

 日米安保条約は、双方の国の憲法を尊重するという前提で成り立っており、条文の中でもそううたわれている。

 トランプは、アメリカが日本を守る義務を負っているのに、日本には、アメリカを守る義務がないのは不公平だから駐留経費をもっと負担させろ、という論理だ。

 沖縄県は米軍基地を辺野古に拡張することを拒否している。基地は海兵隊の訓練に使われる。海兵隊は敵前上陸をして、敵国内を制圧する目的を持つ軍隊だ。ベトナムもイラクもここから出て行ったし、韓国防衛目的の海兵隊も沖縄から移駐している。日本を守るためではないのだ。

 横須賀に遠距離爆撃にも使えるアメリカの原子力空母を常駐させるのも、日本領海と島嶼を守る目的で自衛隊が戦闘機の発着ができる母艦を備えたので必要性が薄らいだ。

 米占領軍が、冷戦の激化にともない、日本に駐留基地を維持するために受け継いだのが旧安保条約だ。

 別段、日本が頼んだわけではない。トランプの勝手な思い込みを真に受けることはない。断ろう。断ろう。

 安保条約を破棄する必要はないが、駐留費用が大変なら、遠慮なく撤兵してもらおうじゃないか。穴は、平和憲法下の自衛隊が埋める。

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2019年6月26日 (水)

トランプ、日米安保破棄発言

(朝日新聞デジタル06/26)

米ブルームバーグ通信は24日、トランプ大統領が最近、親しい人物との私的な会話のなかで、日米同盟の基盤となる日米安全保障条約は不平等として、破棄する可能性について言及したと報じた。日本が他国から攻撃を受けると米国が防衛の義務を負うのに、日本には米国を防衛する必要がないことを「一方的」などと批判したという。(中略)

 このニュースは、メディアにより扱いがまちまちである。塾頭が購読している毎日新聞では、ベタ記事の隣に一段見出しの見落としそうな記事であった。私的な会話を1通信社が伝えただけのものとして軽視したのかも知れない。

 しかし、日々発せられる「とんでも発言」に世界が振り回されている。彼の本音と情報操作ねらいを読みとるためには、いろいろな分析の中から、アメリカの政治が赴く方向を見極めなくてはならない。

 むしろ、メディアを意識せずになされた私的な会話の中に本音の部分があるかも知れない。前記引用記事の最後は、こうなっている。

同通信によると、トランプ氏は日米両政府が進める沖縄の米軍基地の一部返還について、「土地の収奪」として金銭補償を日本側に求める考えも示したという。特に、2022年度以降の返還で安倍政権とオバマ前政権が合意した米軍普天間飛行場(宜野湾市)の土地は、約100億ドル(約1兆700億円)もの価値があると発言したという。

 3回前の22日「戦争と武力行使の差」で、トランプ発言は、まるで不動産屋のようだ、と書いた。今回の発言は、そのままズバリ。そもそも普天間基地の土地を収奪したのは米軍で、現在でも敷地の約92%は現地農民などの私有地になっており、60億円台の借地料が政府から支払われている。

 トランプは、土地を返すのなら100億ドル払え、と、まるで自分の土地であるかのような言い分だ。もつとも彼にすれば、70年もわが土地のように使ってきたのだから、「占有権」の存在を主張するつもりだろうか。

 日米安保条約破棄は、本当は日本の方から言い出さなければならない。それを言うと友好関係にひびが入る、というのが日本の一貫した外交姿勢で、口が裂けても言えないことだった。

 それをトランプの方から言い始めたのだ。もちろん、日米の友好関係はかけがえのないものである。日米安保維持の価値判断、費用負担の妥当性、他国に例を見ない外国軍隊基地の常駐と安全保障、自衛隊と自主防衛の在り方など、これまで避けてきたことが「不動産屋」から見ると不思議な現象に写るのだろう。

 アメリカ国民の支持が続いているのは、この無法者のような物言いが、庶民に目新しきを感じさせているせいかもしれない。

 そういった点は、参院選を前にした最大野党の立憲民主党幹部が利用すべきだ。米軍基地を前提とした現行安保の廃棄など公約として掲げるほどの器量がなければ、世間の注目を集めることができない。

 

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