東アジア共同体

2018年10月15日 (月)

尖閣を考える

尖閣諸島問題で日中間の対立が最も先鋭化したのは、なぜか鳩山内閣から野田内閣の民主党政権下である。2010年の体当たり漁船逮捕、身柄拘束に始まり、最後は、石原都知事が民間から買い上げようとしていた魚釣島などを政府が国有化したことに中国が反発した。

その後も、挑発行動などは続いているが、このところ、かつてのような先鋭化を避けているように見える。

その背景にあるのは、米中の対立(覇権争い)で、互いに関係各国の支持を取り付けようという水面下の競争が働いているのだろう。15日付けの毎日新聞(東京・3面)では、中国が日本との第三国協力に転じた背景には、習金平国家主席が提唱する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に吹き付ける逆風があるとしている。

つまり、中国の鉄道計画や港湾開発などインフラ整備のため沿線各国への多額な融資をすることにより、債務超過が憂慮されたり、沿線の不動産開発先行で中国支配の懸念が警戒されるため、日本との連携により計画を再構築する必要があるという。

急がば回れということである。東シナ海や南シナ海が緊張するようでは計画がとん挫しかねない。もう一つ、習金平は毛沢東以来という独裁体制を得て軍部への支配力を不動のものにしたた。もはや無人島の実効支配などにこだわる必要を感じなくなったのだろう。

中国の最大の眼目は、アメリカとの経済戦争に打ち勝つこにある。安倍外交はそれをうまく利用しているという面では効果をあげている。

さらに言えば、こういった機会に尖閣問題を交渉で解決の道を探るような機転が働かないものか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月13日 (土)

韓国の稚気

今月6日付けで「慰安婦・旭日旗」という記事を書いた。それから1週間の今日、昨日開かれた韓国の国際観艦式で「自国旗と韓国旗以外は掲揚しない」という原則を各国に通知していたにもかかわらず、国旗と軍艦旗が同じ米国などを除く7カ国が軍艦旗を掲げた。韓国の旗艦は16世紀末に豊臣秀吉の朝鮮出兵軍を破った李舜臣(イ・スンシン)将軍の旗も掲揚したことが報じられている。

前回の記事は、反日の稚気を国際問題とする韓国の恥ずかしさを問題にしたものだが、以上の措置をとったことに文大統領も説明のつけようがないだろう。日本政府は早速抗議を申し入れたが、各国もあきれているのではないか。

北朝鮮との融和が最大関心事の文大統領の心の底には、南北2国が融和・共存する時代になると両国のバランスを、「反日」で競う時代が来ると内心踏んでいるのかもしれない。

両国と、米中ロの5か国が戦争終結に向けて連絡・調整をとりあう中、安倍首相の反対発言もあって旧・6か国協議からはずされている。「おいてけぼり」がはっきりしてきたことは、マスコミの論調でも指摘している。文大統領もそんなところを見こしての行動だろう。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 8日 (月)

スラウェシ?

 「スラウェシ島」で津波の被害?……あッ、セレベスのことか。ボルネオの東、F字型の大きな島だ。「ボルネオ」ではない、カリマンタン?。東南アジアはタイなどの王国を除いて、戦前まで英・仏・蘭などが植民地とし区域も一定しなかったので呼称もまちまちになる。

 戦時中、仏印と蘭印という言葉はあったが、島はボルネオ・セレベス・スマトラ・ジャワなどと呼びならわすのが常だった。シンガポールは日本の占領で「昭南島」に変え、地図を赤色にする。

 旧称ビルマのミャンマーは今、イスラム教徒との住み分けで内戦状態となっているが他の諸国でも同じような悩みを抱える。この先、第2の中東にならないよう日本は何ができるのか。

 災害救援もいいが、価値ある外交とはそういったことも考えておくことだ。

 

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 6日 (土)

慰安婦・旭日旗

 お気づきのように、本塾には韓国・北朝鮮関連の記事が多い。中国を含め、東アジア共同体というカテゴリーに入れている。自著に『周辺国に向き合う日本人の歴史』があるので、自然、そうなる。

 だから、好意的に見ているという評価もあるだろう。しかし、どうしても解せないのが慰安婦問題と旭日旗問題だ。慰安婦問題は、強制連行があったかどうか、性奴隷的な扱いがあったかどうかが問題で、特定個人の事案であり当時の慣習や制度をあげつらうのは的外れというしかない。

最近クローズアップされているのが旭日旗問題。日本の軍国主義を象徴しているというなら、旧陸軍の連隊旗が同じ旭日旗でその方を言うべきだ。連隊旗はたしかに日露戦争や日清戦争で使われた。

特に日露戦争では、激戦の先頭に掲げて突撃するので、旗の生地は抜け落ち、周りの縁取りの房だけになったものを連隊の名誉の象徴として大事にされた。連隊旗は天皇陛下から下賜される貴重な旗で再発行はされない。

朝鮮人に向けて使用されたことはないものの、戦後の陸上自衛隊はそのデザインを採用しなかった。軍艦旗も旭日デザインで似ているが、天皇からの下賜ではなく、海軍所属艦船の標識として、連隊旗同様、明治のはじめから伝統的に使われている。海上自衛隊はそれを継承した。

韓国紙も過剰反応に気が付いているせいか、アメリカなど他国にそういう例がなく、デザインが似ている朝日新聞の社旗にも触れている。

朝日新聞主催の野球とかマラソンには応援用に一般に配られているが、軍国主義とは無縁だ。日本にもヘイトスピーチという無分別行為はあるが、国を挙げてということはない。

ふたつの問題は、朝鮮民族の名誉のため、早く収束させてほしい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 4日 (木)

安倍首相の幼児性

 安倍晋三首相は、訪朝直前に来日するポンペオ米国務長官と6日に会談し、北朝鮮の非核化に向けた日米の方針を改めてすり合わせる考えだ。菅義偉官房長官は3日の記者会見で「北朝鮮問題で緊密に連携し、拉致問題を含めて対応できる体制を整えたい」と語った。首相はポンペオ氏に、北朝鮮が求める朝鮮戦争の終戦宣言などの条件を安易に受け入れないよう念押しするとみられる。【光田宗義】(毎日新聞・10/04、東京)

何度も読み返した。「エッ?本当」という内容。最後が「とみられる」で終わっているから観測記事といえばそれまでだが、ことは重大だ。南北朝鮮政府もウオッチしている。もし、官邸が記事を否定をしなければ本当ということになるので全文を引用した。

世界中に終戦宣言を歓迎しない国や人々がいるだろうか。「おいてけぼり」は意に介さないという暴言に聞こえるだろう。

終戦宣言は、「両国間の戦争は終わった」と確認しあうことだ。塾頭は、北朝鮮のねらうところをこう見る。

金正恩が第一に掲げる国是は、南北朝鮮の統一を目標に掲げることである。これは、体制は併存させたままで、できるところから融和を図るということになるだろう。

アメリカとの戦争状態がなくなれば、アメリカに向けた核兵器もミサイルも不要になる。同時に韓国に米軍が駐留している理由も失う、という趣旨だ。

日本の敗戦と同時に朝鮮人が考えたことは統一国家の独立であり、南北の別など考えなかった。それが米ソで分割占領するという話になるのだが、そんなことは朝鮮人の意識の中にない。だが占領軍の意向を受けて北には金日成政権、南には李承晩政権ができる。

北は、計画経済が順調に推移し安定していたのに対し、南は李承晩の強権や腐敗が目立ち貧困から抜け出せなかった。金日成が軍を南に向け釜山まで進撃する。

南の人民を救うためという名目である。日本はまだ占領下にあり、在日米軍が反撃して激戦となるが、結果的には38度線で停戦協定を結ぶ。しかし、戦争状態は68年間もそのまま続いていることになっている。

北にとって韓国人が敵という意識はなく、あくまでもアメリカとの戦いだった。日本は、占領軍が海上保安庁に出動を命じ戦死者も出しているので敵国と見なした可能性はある。日本に工作員を潜入させたり拉致という行為に出たのは、その下地があったからかも知れない。

そこへもってきて冒頭の安倍首相のぶちこわし発言があったとすれば、トランプにあやかった安倍、金首脳会談など実現するはずがない。金正恩主席が1兆円とされる日本の援助が欲しくて終戦宣言を妨害する安倍首相と会談すると本当に思っているのだろうか。

その幼児性は思っただけでもぞッとする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月30日 (日)

マレーシア、日本国憲法が手本

27日に「首脳人事払底」と題し、トランプをはじめ国連演説を聞いても世界をリードするような各国首脳が見当たらないと慨嘆した。

かつてはアセアン諸国が国際和平の軸として期待したこともあったが、タイでは不安定な軍事政権が続いており、ミャンマーもアウンサンスーチーさんに期待したころとは違い精彩を欠く。

その中で、高齢ながら頼もしい人が出てきた。マレーシアのマハティール首相である。安倍首相でないのがなんとも残念。単なる思いつきでないことを示すため、全文を引用させていただく。

【ニューヨーク時事】マレーシアのマハティール首相(93)は28日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、地域機構が弱体化して未解決の問題もそのままになっていると指摘し「世界は国連創設時よりも結束できていないように見える」と危機感を表明した。5月の総選挙で首相に返り咲いたばかりのマハティール氏は、前回首相を務めていた最後の年である2003年以来の国連総会出席となった。

マハティール氏は、中東の紛争が広く拡散し、パレスチナ問題もいまだ解決しない現状に触れ「国連創設時は戦争予防について多く(の国)が考えていたが(今の)世界は本当の方向性を持っていないように見える」と苦言を述べた。国連が発足した1945年、マハティール氏は20歳だった。

また、国連安保理などによる制裁を、罪のない人まで巻き込む「現代の包囲攻撃」と表現。米国による対イラン制裁を念頭に「マレーシアがイランと問題がなくても、イランと貿易できない」と批判した。一方で「われわれが大国に制裁をかけたくてもそれは不可能だ」と語り、大国と小国の間に横たわる不平等を訴えた。

一方、日本の憲法9条について「(侵略)戦争を認めない日本の憲法にならうことを検討している」と述べ、マレーシアの憲法改正に意欲を示した。 【時事通信社

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月30日 (木)

売国奴

中国や韓国では、福島産はもとよりわが千葉産海産物まで禁輸にしているという。われわれ日本人は厳重な放射能チェックのもと、すでにほとんど人体に影響しないという科学的な根拠を信用し、気にすることなしに食卓にあげている。

まったくいわれのない対日バッシングに、腹立たしい思いがつのるが相手にそう思わせる責任がわれわれにないとは言えない、と思うようになってきた。

東京電力福島第1原発で増え続ける放射性トリチウムを含んだ処理水の処分方法をめぐり、経済産業省の有識者小委員会は30、31の両日、福島県と東京都で市民を対象にした初の公聴会を開く。同省や東電は「保管が限界に近づいている」と処理水の海洋放出を念頭に年内に決着したい意向だが、試験操業を重ねてきた福島の漁業者らは「築いた安全への信頼が崩れかねない」とかつてない危機感を強めている。【乾達、岩間理紀】(毎日新聞08/30

上の記事で、市民や漁業者は東電や経産省を依然として信用しきれていないことがわかる。それに本塾やマスコミは連日のように「政府・官僚のウソ」を言い立てている。・

これでは中国・韓国に信用せよと言う方が無理だ。つまり塾頭などは売国奴ということになる。やはり石破さんのいう「正直」な政治は一日も早く実現してもらって「売国奴」にならないようにしてもらわなければならない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月14日 (火)

慰安婦記念日

 日本では15日が「終戦記念日」、韓国では「解放記念日」であるがその前日の14日は、従軍慰安婦問題を国内外に広く知らせ、被害者を記憶するため多様な行事と広報を行う日と法で定めた。今年がその第1回となる。

 なぜ、14日かというと、金学順さんが最初に名乗り出た日が1991年8月14日だったからだとする。その証言は、最初妓生(キーセン)になるため身売りされ、日本軍慰安婦となったのはそのあとで、強制連行を証拠立てるものもなく、あいまいもことした証言だ。

 強制連行した事実があれば、当時の日本国内法でも違法行為でありもっと早い時期1950年代にでも告訴すべきだったと思う。現に、オランダ人を拉致したインドネシアでは責任者が戦犯で処刑されている。

 これを記念日として毎年行事を行い宣伝するというのは、銅像設置同様日韓関係を阻害する要因なり、韓国にとっても長い目で見てマイナスになるのではないか。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018年6月14日 (木)

拉致問題前進は?

  北朝鮮はこれまで日本政府に対し、拉致被害者12人の消息について「8人死亡、4人は入国していない」と主張し、「拉致は解決済み」との立場を取ってきた。萩生田自民党幹事長代行は「金委員長から『解決済み』という反応がなかったことは大きな前進だ」と言い、日朝の直接交渉による問題解決に期待を示した。

 下げ止まりとは言え、内閣支持率維持は風前のともしび。このさきは拉致問題解決にすがるしかない。しかし、米朝と違って奇跡を呼ぶ要素は皆無と言いたい。これについて北朝鮮の対応ををいくつか予測してみよう。

 解決済みとする人数と内容を一切変えない。

 これまでの発表を訂正し、死亡日時、原因だけを変更する。

 米軍戦死者同様、死亡者の遺骨送還努力だけを続ける。

 死亡人数の変更や新たな調査で帰還可能者があれば公表する。

 日本の調査団を受け入れる。

 核放棄や経済援助の行方を見極め④の帰還を実現させる。

 国交回復をもって問題解消をはかる。

①、②では安倍首相による日朝交渉不成立。③と⑦は党内がなっとくしないだろう。④が即時にできれば前進だが、問題先送りになりかねない。

⑤は核放棄の査察と全く性格が別である。金政権を全く信用しないということにつながり、北朝鮮の受け入れられることではない。

結局、④⑥⑦の組み合わせがぎりぎりの妥協点ということになるが、中味はトランプ・金会談に遠く及ばない。8月に予定するといっても、小泉・金正日会談再現にはほど遠いのが現状で、実現すら危うい。

事前協議が進む客観情勢がなく、安倍首相は焦っていると思われるが、残念ながらやはり「置いてけぼり」の結果しかなさそうである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月12日 (火)

米朝会談と年の差

シンガポール米朝首脳会談の当日だがまだ終わってない。戦争終結宣言が出せるかどうかということだが、戦争が始まったのが1950年、休戦会議は翌51年から始まり、53年に板門店で協定を結んだ。

金正恩の生年は伏されており、1984年頃とされる。そうすると生まれる30数年も前のできごとだ。対話の相手のトランプは45歳の頃。この二人は現在30数歳と72歳、親子ほども年が離れている。

文在寅、安倍晋三も5354年生まれだからその時代は知らない。そういった目で見ると、戦争当時からこれまでの時代の推移は、それほど大きな障害にならないと言うことか。

【追記】会談が終わって共同声明やトランプの記者会見があったが、これまで報じられているようなこと以上の具体的進展は出てこなかった。前宣伝が大きかっただけにやらない方がよかったという感じ。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

より以前の記事一覧