東アジア共同体

2021年3月 7日 (日)

中国の民族差別

 毎日新聞03/07によると、中国の習近平国家主席は5日、全国人民代表大会(全人代=国会)の内モンゴル自治区の分科会に出席し、標準中国語(漢語)の普及など「中華民族」の一体化を推進するよう指示した。

 同自治区では昨秋、モンゴル語教育の縮小に対して、民族文化を抑圧する「同化」政策だと反発する抗議活動が起きていた。

 新疆ウイグル自治区のウイグル族への人権弾圧についても、欧米諸国の批判が強まる中、習氏は自らの民族政策を正当化している。

 中国には自治区がチベット、広西チワン族自治区を含め4つある。中国はかねてより自治区の健全な発展を期して保護育成政策をとってきたはずだ。

 漢民族以外に、北朝鮮の外側に多く住む朝鮮族を異民族扱いし、双方の仲が良くないことはかねてからの常識になっつている。

 習主席の上記のような政策は、必ず失敗し、中国の将来に禍根を残すことになるのではないか。

 東南アジア、ASEAN10か国+日中韓3か国の共存共栄を提唱した時代から、インド・中国と太平洋に面した各国に台湾・香港を含めたAPEC(エイペック)で「全ての人々と未来の世代の繁栄のために、 2040年までに開かれたダイナミックで強靱かつ平和なアジア太平洋共同体とすること」を目指すとした雄大な構想に前向きだった時代があったことも忘れている。

 習指示はそれとは真反対で、偏狭な政策の押し付けとなる。

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2021年3月 4日 (木)

台湾産パイナップルの禁輸

 中国が対日・対米政策でことさら強硬姿勢を見せるのは、香港対策もあるが、その先にある台湾の独立を政策として掲げる民主進歩党(民進党)が、現在の政権の与党となっていることがある。

 中国主権を脅かす存在として、台湾に交易上の利益をもたらす国へのにらみを利かす意味が大きい。

 中国は害虫検出を理由にこの1日から台湾産パイナップルの輸入を停止した。

 朝日新聞・03/03によると、台湾人が対抗措置としてパインの「爆買い」を続けており、中国の禁輸発表から4日間で昨年1年間の対中輸出量に迫る約4万トン余りの注文が殺到。台北の日本台湾交流協会(大使館に相当)なども2日、SNSにパインの写真を投稿し、台湾支援の姿勢を示している。

 海外を含めたこれまでの購入見込み総量は4万1687トンに上るという。昨年の対中輸出量4万トン余りに匹敵する量だ。東日本大震災でカンパを受けたことを忘れてはいけない、という個人・団体の友情購入も加わっており、さらに増加の勢いだ。

 日本の店頭に並ぶパインは、圧倒的に輸入物のパイナップルが多い。販売している主な産地はフィリピンが約9割以上、他には台湾、タイ等東南アジアや南米物が中心になっている。国産の沖縄・鹿児島産も4%ほどだが存在する。

 世界で生産量が1位はコスタリカ、2位ブラジル続いてフィリピン、タイ、インドネシアなどが続く。

 つまり、中国のパイナップル禁輸措置は、台湾貿易の死命を左右するといった問題から遠いようだ。

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2021年2月17日 (水)

韓国と国際法

 前々回の題が「中国にしか通用しない海警法」である。この中国の国内法が「国際法」に反しているということで、国際法の解説をしたつもりだった。それが今度は韓国に飛び火、慰安婦問題で国際法にスポットが当たる様相を呈してきた。

 韓国の元慰安婦がソウルで記者会見し、慰安婦問題を国際司法裁判所(ICJ)に付託するよう文在寅大統領に要求したというニュースである。

 別の慰安婦が原告となった裁判では、ソウル中央地裁が1月に日本政府に賠償を命じる判決を下し、判決は確定した。しかし、日本政府は国内の裁判所は外国国家に対する訴訟について裁判権を持たない、とする国際慣習法上の主権免除を理由に、ノータッチで推移している。

 文大統領は、徴用工保障問題同様、それまでの合意撤回の主張に触れず、1月の判決について「困惑した」と述べた。さらに2015年の日韓合意を「政府間の公式合意だ」と確認している、など対日緩和姿勢が目立つ。

 日本の国際法尊重を軽く見ていたようだ。日本はアメリカの軍艦外交に抵抗し、蘭・仏・ロなどとも国際法に則った対応をした。イギリスが日清戦争に前後して日本と双務的な国交を結び、第一次大戦を経て先進国入りできたのも国際法尊重を国是としていたからだ。

 慰安婦問題も「慰安婦は金になる」という支援者団体に不正があり、欧米などからの寄付を目あてとしていた、という観測もあった。

 そんな時に起きたのが「森喜朗発言だ」。慰安婦問題をICJに付託するよう文在寅大統領に要求したというタイミングが合い過ぎている。

 森発言問題は、海外でも大きく扱われたが、オリンピックを目前に実力者を日を置かず排除したことと、韓国でも国際法でICJに持ち込んでも勝ち目はない、むしろ日本を利することになるということが、ようやく韓国でもわかって来たようだ。

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2021年2月15日 (月)

中国にしか通用しない海警法

 かいけいほう、我が家のパソコンでは漢字転換しても「海警法」は出てこない。このところニュースの頻度が高いのになぜだろう。

 マスコミでは、中国が作ったこの法律が「国際法違反」だ、というニュースであふれている。

 「国際法」という「法律」はない。ただし、2か国語以上にわたる正式な取り決めは「条約」とも云われる国際法である。

 さらに、国連で採択された憲章、協定、合意文書などのほか、古来守られ続けてきた航海ルールや外交慣習・礼儀なども「国際法」に加わる。

 「海警法」は、自国の領海やその周辺海域で定められた線引きを越え、国際法を無視して他国の領域に踏み込んだ権限をうたう点で、国際法無視の暴挙とされるのである。

 こんなことが続けば、香港や台湾に対する中国の主張に理解がなくなり、国際社会のはじかれものとなる覚悟が必要だ。

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2021年2月13日 (土)

実効支配

 時事通信によると、11日付の韓国有力紙・東亜日報は、日本のイージス艦や潜水艦、F15戦闘機を使った竹島上陸作戦への対処方針を記した内部文書を韓国軍が作成し、昨年末に国会に報告したと報じている。

 これに対し、岸信夫防衛相は12日の記者会見で、「(計画が)事実だとすれば全く受け入れられるものではない」と述べ、その上で、11日に在京韓国大使館の駐在武官に事務レベルで説明を求め、強く抗議したことを明らかにした。

 韓国軍が根も葉もないことを事実めかしく報告書に仕立て上げ、緊張感を煽ろうとしている。

 昔の情報不足の時代なら偽情報で軍隊が戦争の危機をあおり、予算を増やそうとするのは常套手段であった。

 これが末端の小競り合いを呼び、大戦争を招いてきたという史実に韓国は疎いようだ。とんでもない言いがかりが通用するとでも思っているのだろうか。

 日本は、日露戦争当時の1905年に現在の竹島を正式に島根県へ編入した。それまでは日本・朝鮮の双方に幾多の文献があり、決定的な所属を証明するものはない。

 竹島は、サンフランシスコ条約が発効する直前の1952年1月、アメリカが発効まで一時的に日本の施政権範囲を設定していたマッカーサー・ラインに倣い、一方的に李承晩ラインを設定し竹島を韓国側水域に含めた。

 李承晩は、朝鮮独立運動をきっかけとして中国内に作った亡命政権の大統領を名乗っていたがその後アメリカに移動、大戦後南北朝鮮の分裂抗争激化を受け、韓国初代大統領にアメリカの肝いりもあって迎えられた。

 李承晩ラインは、アメリカの占領区域にそって他の島嶼と同様な線引きをしたものである。それ以来、韓国は大統領を上陸させるなど折に触れて実効支配を強調する。

 塾頭の基本的考えは、尖閣にしろ竹島にしろ、ここ数十年紛争もなく実効支配している島嶼に領有権を与え、漁業などについては入会権を設けるなど、双方の利益を合致させるような線で妥協を図る交渉がどうしてできないのか不審に思う。

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2021年1月30日 (土)

韓国が北朝鮮に原発を

朝鮮日報日本語版(01/30)からである。

【社説】今度は「北に原発建設」…文大統領が推進する脱原発の終わりを知らぬ脱線と混乱と損失

  韓国産業通商資源部(省に相当。産業部)が2018年の4・27南北首脳会談直後、北朝鮮に原発を建ててやる案を検討した文書が多数確認された。これらの文書は、監査院の月城原発1号機監査の直前、産業部の公務員が違法に削除したファイル530件の中に入っていた。(以下略)

 2018年というと、北朝鮮が1993年以来NPT(核拡散防止条約)脱退を表明し、2006年から繰り返し核実験を実施していた時期である。

 2018年の勧告の提案は、頑強な北朝鮮を国際的な核施設の監視網に何とか組み込むための突破口にしたいという下心があったのかも知れない。

 北朝鮮に核関連施設の原発を作る技術がないわけではないだろう。かといって食糧支援では北朝鮮のプライドを傷つけることになる。韓国の既存技術と機材を使えば時間と費用を節約できる、そんなことで北朝鮮の関心を引きつけようとしたのではないか。

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2021年1月16日 (土)

ミサイルは張子の虎

 北朝鮮おなじみの軍事パレード。恒例によりトレーラーに積んだ弾道ミサイルが登場した。今度のはICBM(大陸間弾道ミサイル)と言われた従来のものより短いが太さはある。写真では4基見えたが、弾頭部分は放射状と碁盤目模様の塗装がしてある。

 潜水艦発射用というが、これとそっくりのものがアメリカにある。すっぽり艦内に縦に積むので、潜水艦の経は巨大なものとなる。

 攻撃地の近くまで潜水したまま浮上せずに運航できる原子力潜水艦が使われる。常時運用可能とするため、点検・補修・補給などの期間を考え、最低4隻が必要とされている。

 北朝鮮の写真には4基の弾頭が映っていた。ミサイルの開発は、これまで、北極星1号から5号と命名したものがあるという。アメリカならできるけど膨大な費用が必要になる。

 北はさまざまな経済制裁を受け、コロナによる国境封鎖、食料不足の危機のさ中にある。普通ならできるはずがない。

 しかしパレードは何にも優先して成功させなくてはならない。ここだけの話だが、実はあれは朝鮮名物・パレード用「張り子の虎ではないか」。今まで発射実験がされたことはないとされる。

 本物は、どこか奥深くに隠しておくのではないか。韓国にも字は違うが「トラ」はいる。文在寅大統領は北の出身だ。トランプ大統領は変わるので的が変わる。

 加藤清正が退治する虎、柴又の寅さん、朝鮮料理トラジ、以上いずれも張り子の虎には関係ない。

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2021年1月 7日 (木)

韓国と日本のトップ任期の違い

 大韓民国憲法憲法 第七〇条[任期] 大統領の任期は、五年とし、重任することはできない。

 というのが韓国。来年の5月10日にその日が来るが、それまでは続かないという説もある。

 日本の首相は、憲法上定められた任期は存在しない。ただし衆議院議員には4年という任期がある。

 そのため、途中の解散を含め、衆議院議員に再選されて、新議員による首相指名選挙に勝てば、辞任とか死亡がない限りいつまでも続けること可能、ということになる。

 安倍前首相がその気を起こせば、韓国に対して圧倒的優位な立場になる。

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2020年12月17日 (木)

中国の海洋制覇

 前回の「台湾・マカオ・尖閣」に続くニュースとして採録した。

地図OpenStreetMapより

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 【ジャカルタ=一言剛之】太平洋のパプアニューギニアで、中国が大型の「多機能漁港」を整備する計画が持ち上がり、隣国のオーストラリアが神経をとがらせている。周辺に大きな漁場はないため、中国側の真意を疑う声もある。

 豪公共放送ABCなどによると、中国企業「福建中鴻漁業」は11月、パプアニューギニア南部のダル島に2億豪ドル(約160億円)を投じて漁港を整備する覚書を政府と交わした。

 ダル島は、豪本土から約200キロ・メートル北に位置し、豪州にとって重要なシーレーン(海上交通路)であるトレス海峡に面する。漁港を隠れみのにした中国民兵などの活動拠点になりかねないとの懸念も出ている。(後略、読売新聞オンライン)

 

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2020年12月16日 (水)

パラオ・台湾・尖閣

 太平洋の小国、パラオ共和国はフィリピン・ミンダナオ島の東とニューギニア島の北を結ぶ線上にある。

 塾頭が現役の頃、近くの席にパラオから引き揚げてきた若い女子社員がいた。あだ名は「パラオ」、明るく気さくで誰からも愛された。多分、父親が当時日本の委任統治領であったパラオで公職についていたのだろう。

 この地域に散在する小さな島々は、スペインなど西欧諸国が植民地化を競い、最後はドイツが支配する。第一次大戦で日本が戦勝国になったので梯形の線で囲ったこれらの島々が日本の委任統治領になった。

 それまでのドイツは、原住民は植民地搾取の対象であっても民生に配慮する事はなかった。かわって入ってきた日本は、子供の教育、衛生、生業などの指導に当たり、歌も教えた。適当な歌詞がなく、♪見よ東海の空開けて……が流行歌になったとか。

 いずれにしても、島民は日本を解放者として迎え、現在なお親日的な風土は変わらないという。当時は日本だった台湾からも多くの人々が住みつき、戦後いち早く台湾を独立国として承認し国交を結んでいる。

 台湾と外交関係のある国は世界で15か国、人口約1万8000人のパラオはその一つとなっている。

 台湾を自国の領土とみなす中国は以前から、パラオが台湾と国交を結んでいることに不快感を示し、中国に切り替えるよう働き続けている。2018年には非公式にパラオ観光のボイコットを呼びかけるに至った。

 しかし、台湾も国交がある国があるかぎり、国交関係を一方的に打ち切ることは、中国と対等な交渉を維持する大きなキーポイントを捨てることになる。双方にとって国威をかけた争点として譲れないポイントになってしまうのだ。

 そこへ入ってきたニュースだ。

【AFP=時事】太平洋の小国、パラオの海上保安当局(DMLE)は14日、違法操業をしていた中国漁船を拿捕(だほ)し、乗組員28人を拘束したと明らかにした。パラオは台湾と外交関係があり、外交問題に発展する可能性がある。

 中国人乗組員と巡視船の乗組員19人は、新型コロナウイルス対策としてパラオ国内で14日間の隔離措置が取られているという。パラオは世界でも数少ない、新型コロナの感染が確認されていない国の一つである。

 大中国が、国交のない島国から漁民の自由を奪われる、などと考えたこともないだろう。中国海軍を漁場近海に出撃させるという話さえ出てくる。

 そうなると、浮かんでくるのが尖閣諸島だ。尖閣も歴史的に台湾との絡みがある。パラオと事情は違うが、ここは日本とは無関係と言えない点で共通している。台湾が中国にとっていかに重要か、香港のことも絡んで腰の据わった多国間協議を模索するしか解決の方法はないのではないか。

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