東アジア共同体

2019年10月22日 (火)

自衛隊・中国海軍の共同訓練

 NHKや毎日新聞によると、海上自衛隊が中国海軍と16日、関東南方沖で共同訓練を実施したとということが、昨日の海上自衛隊発表でわかった。

 中国海軍との共同訓練は2011年12月以来8年ぶり3回目で、日本近海側では初めて。海上自衛隊の観艦式の接待に応じたものの台風で中止になつたため、即応の対処だったらしい。

 反戦塾にとっては大ニュースだが、ほとんど目につかない扱いになっている。8年ぶりといえば、尖閣列島を日本政府が民間地権者から買い上げ、国有化したにの中国が猛反発し、解決できない領土問題の様相を呈して以来、ということになる。

 この機を逃してはならない。中国監視船の侵犯などが続いているものの、中国は、歴史上の先取特権と事実上の占有を暗に認めたともとれるのである。

 日本側も、台湾漁民が出漁していたことや、かつて中国と大陸棚開発で話し合った事実を踏まえ、同島嶼の非軍事化や漁業権、鉱業権などについて、友好的な話し合いの道を開くべきだ。

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2019年10月 6日 (日)

中国特有の漢字文化

 香港のデモは終息の気配が見えないが、中国が「香港政府のマスク禁止条項を、『断固』支持するという声明を出したという報道があった。

 『断固』。中国政権関連の報道には、外交問題などで常套句のように出てくる言葉だ。

 しかし、市民のマスク着用などに『断固』は大げさだ。日本語にもこの2字は存在するが、こんなところに使うことはない。

 こういった違和感は、同じ漢字を使う文化であっても、この場合の『断固』は中国語なのだと気が付いた。「熱烈歓迎」もよく使われるが、『熱烈』も、トランプ来日で日本が使ったという例を聞かない。

 その最たるものが中国の「核心的利益」だ。日本の辞書にも載っていないし、意味がよくわからない。やはり、中国でしか通用しない言葉であろう。

 「白髪三千丈」の国である。

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2019年10月 5日 (土)

首相、共産党=勉強不足

 先月末、「反日種族主義」と題したエントリーに始まり3回前の「韓国は植民地だったのか」につなげたが、今日も3たび日韓関係改善の阻害要因になりかねないニュースが現れ、本題になってしまった。

 結論も全く同じになる。「両国内の学者・研究者が互いに歴史の発掘につとめ、史実を明らかにするとともに、「歴史に学ぶ」という方向に進まなければならない」ということである。

 以下毎日新聞記事(10/05・東京朝刊)からた全文をお借りする。

 共産党の志位和夫委員長は4日の記者会見で、戦前の日本による提案が国際人権規約につながったとした安倍晋三首相の所信表明演説について「これほど厚顔無恥な世界史の歪曲(わいきょく)はない。歴史への無反省が表れた」と批判した。

 首相は演説で、日本が1919年の第一次世界大戦に関するパリ講和会議で「人種平等」を提案したことに言及。「欧米の植民地が広がっていた当時、日本の提案は強い反対にさらされた」と紹介した後、「日本の大いなる理想は国際人権規約をはじめ国際社会の基本原則になった」と続けた。

 志位氏は「国際人権規約の基本理念は『民族自決権』だ。それを踏みにじって(朝鮮半島の)植民地支配をしていたのが戦前の日本だ」と指摘。「(首相の)歴史への無知と無反省が表れた。こういう姿勢だから日韓問題もより悪くなる」とこき下ろした。【小山由宇】

 まず、第一次世界大戦に関するパリ講和会議で日本が「人種平等」を提案したのが、人権に対する世界の基本理念につながったが、当時この提案は強い反対にあったとする首相演説について。

 パリの講和会議で国際平和路線に強い意欲を持ち、それまでの帝国主義・植民地拡張競争への反省を促したのは当時のウイルソン米大統領で、国際連盟創設や以後の軍縮に貢献した。

 以後、公然とした帝国主義・植民地拡張競争が消え、国際共産主義のソ連圏拡張を「帝国主義」ににぞらぇる程度になった。

 日本が人種問題を持ち出したのは、アメリカなどにひろがるアジア系移民への差別を意識したもので、性格が全く違う。大戦がヨーロッパ中心に行われたので、日本が議論の外に置かれないよう提議したものだ。強い反対にあったなどということも、聞いたことがない。

 次に志位氏であるが、「国際人権規約の基本理念は『民族自決権』だ。それを踏みにじって(朝鮮半島の)植民地支配をしていた」という点。

 民族自決は、明治維新があって、砲艦外交ではあったが、朝鮮に強く求め続けた日本の態度だ。

 李氏朝鮮が王族内部の利権争いが絶えず、帝国主義的侵略をいつ受けてもおかしくない状態だった。諸外国に対して安定した開国を果たし、東亜の安定をはかる、という路線は、アメリカなども賛成していたのだ。

 しかし、李王朝の混乱には手の施しようがなく、伊藤博文暗殺なども誘因となって、合法的手続きで韓国(その直前、朝鮮国を大韓帝国に変更)政権と条約を交わして併合したものだ。

 首相、志位氏ともに、時代を区切ることからはじめて、その背景を考えた上、歴史を分析したとは思えない。

 そうでなければいいが、お二方とも、背後にいる御用歴史家・専門家といわれる人の話を部分的に採用したのではないか。

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2019年10月 2日 (水)

韓国は植民地だったのか

 3回前に『反日種族主義』というタイトルで、日韓の衝突は、両国内の学者・研究者が互いに歴史の発掘につとめ、史実を明らかにするとともに、「歴史に学ぶ」という方向に進まなければならないと主張した。

 最初に指摘しておきたいことは、明治維新と李氏朝鮮の時代、日韓併合から3・1独立運動までの時代、日本の同化促進政策と大戦の時代、戦後の南北独立時代など、それぞれの歴史背景が大きく異なるので画一の評価でくくることなく、区別が必要だということである。

 そのひとつに、日本の戦後教育で、日韓併合で日本が朝鮮半島を「植民地」として支配が続いた、としていることである。

 塾頭と多くの点で見解を異にする渡部昇一(上智大名誉教授)であるが、次のように言っている。

 英語の文献では、日韓合邦のことを「アネクセイション」(annexation)と表現しています。これは「植民地化」を意味する「コロナイゼーション」(colonization)とはイメージがまったく違う。歴史を公平に客観的に見るには、言葉が当時どのように使われていたかを知ることも重要です。

 これまでも幾度か書いてきたように、当時の政権には、アジア諸国に対する西欧やロシアからの植民地化を防がなければ日本も危ない、という考えが強かったように思う。

 反対に、明治初頭に盛んになった征韓論など、日本軍の進出を期待する意見も少なくはなかったが、植民地化などミイラ取りがミイラになるような愚策は取らないというのが、「併合」という形になったのではないか。

 関東大震災当時の朝鮮人殺害という民族蔑視や差別が、現在でも存続していることは確かである。しかし、過去の長い歴史を振り返って、両民族が永遠に克服できないほどの問題とも思えない。

 まず、各段階を通じて「植民地化はなかった」という立証ができるかどうか、である。

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2019年9月29日 (日)

『反日種族主義』

 韓国では、今『反日種族主義-大韓民国の危機の根源』なる本が10万部超のベストセラーズだといういう。共著者は「大韓民国の物語」を書いた落星台経済研究所理事長で李承晩学堂会長の李栄薫(イ・ソンフン)ソウル大教授、同研究所理事の金洛年(キム・ナクヨン)東国大教授、そして先ごろ国連で徴用工に関する「事実」を発言した同研究所の李宇衍(イ・ウヨン)氏など6名の研究者。

 ネット上の解説によると、同書は、竹島問題、慰安婦問題、徴用工問題などを取り上げ、韓国で支配的な反日見解に多くのウソが含まれていることを指摘している。また、「歴史問題に関する嘘や無知、誤解に基づく韓国の『反日』は、未発達な精神文化の表れであり、これを克服しなければ韓国社会の発展はない」という解説にまで踏み込む。

 日頃、歴史研究に最重点を置き、「歴史に学ぶ」という観点に軸足を置く本塾と意見が似てくるように思う。実際に同書を手にしてみなければわからないが、仮に日韓双方でこういった傾向が定着すれば素晴らしいことだ。

 韓国では一部政府系マスコミが猛反発しているようだが、他(日本語版)は内容を取り上げるなど、概して客観報道につとめ、判断は国民にゆだねるといった姿勢を感じる。こういった面での日本側のまとまった分析、論調は、塾頭の目から見ると明らかに不十分である。

 その点で韓国に先を越されるかもしれない。そうならないよう、史料の精査、生存者等への聞き取りなど、特に若手学者の奮起を期待したい。

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2019年9月10日 (火)

韓民族の特性?

 「一衣帯水」と「不即不離」は、歴史以前から深い関係にある韓国のためにあるよう文字な4文字熟語である。

 ところが、最近の両国関係や昨日発表された在寅大統領の曺国(チョ・グク)ソウル大学教授(54歳)の法務長官(法相)に任命が、日本にどういう影響をもたらすのか、想像もつかない国になってしまった。

 韓国内で、「玉ねぎ男」(むいてもむいても新たな疑惑が噴出する男)と綽名された人だ。これによって韓国は、「青瓦台」(韓国大統領府)vs検察のガチンコ対決という、まるで内戦のような様相を呈してきたと、韓国を知る専門家もいうようになった。

 徴用工問題に関する韓国政府の一連の対応を見ると「これが権威ある国家の言うことか」と思ってしまう。知っているようで知らない、世界の常識に通用しない韓国の常識があるのではないか。

 例えばこんなことである。

 妻が犯罪を犯しても、夫は無関係という。妻は夫一家とは違う「本貫」から嫁に来た女性で、夫の本貫で責任を負う必要はない。

 妻は妻で、夫の本貫で子を設けたら、徹底的に夫の地位・財産・名誉を我がもののように利用しなければならない。それが妻の本貫を利することになり、しゅうとは全力をあげ、これを助けなければならないという慣習である。

 日韓併合前の、李氏朝鮮で起きていたいろいろな事件、権力闘争を見ていると、そんな気がしてくるのだ。

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2019年9月 5日 (木)

香港、中国人の器量次第

 前々回「香港の首長は弱気」を書いたのだが、ややその方向に動きだした。

 逃亡犯条例改正案に端を発した抗議活動から約3カ月。香港政府トップの林鄭月娥行政長官が条例案の完全撤回を表明した。

 報道によると、デモ主催メンバーは、なお独立調査委員会設置など5項目の完全実施を求めて妥協の気配を見せていないという。

 最初、「独立委員会」というのは、香港が中国から独立するという意味か?、と目を疑ったが、どうやら警察の行き過ぎ警備の処罰等の調査委員のことらしい。

 しかし、メディアによる強気な個人取材などの発言を聞いていると、完全に中国と手を切らない限り運動は続いていく、と聞こえる。

 今が、デモを中止し、行政側と話し合いに入る絶好のタイミングだ。香港は、100年にわたる英国の租借地であったが、日本の占領時期をのぞいて他国領土になった時期はない。

 中国が独立を認める訳がないし、この状態では国連をはじめ、国際的な支援は得られない。

 独立戦争は、アメリカを始め数え切れないほど多い。最近は、中東など強大国の介入といった例もあるが、ほとんどの場合、犠牲者や難民の数をふやすだけで、失敗である。

 せっかくここまできた人類の知恵・「一国二制度」である。

 悠遠の歴史を誇り、同じ民族で文字・言語・風習を持つ同士として振る舞えるかどうか、香港は、中国人の器量が問われているのだ。

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2019年9月 3日 (火)

香港の首長は弱気

 ロイター通信は、香港政府トップ、林鄭月娥行政長官が非公開の会合で発言したとする音声を公開しました。この中で林鄭長官は、「もし選択肢があるなら、まず辞めて香港の問題は米中関係の緊張の中、国家の主権や安全保障のレベルに格上げされてしまった」と指摘したうえで、「行政長官は中国政府と香港市民という2人の主人に仕える身でできることは非常に限られている」と述べ、抗議活動で要求されているみずからの辞任も含め、重要な決定ができないことをにじませました。

 今後の見通しについて、林鄭長官は「中国政府も香港政府も10月1日の建国記念日より前に現状を解決できるとは期待していない」として、混乱の収束には時間がかかると/示唆したほか、「中国は人民解放軍を送り込む計画は持っていないと思う」とも述べており、中国政府が武力で介入する可能性は低いという見方を示しました。(NHKニュース・9/3)

 林鄭長官は、抗議デモに賛成なのだ。ただ、中国の建国記念日までに中国共産党相手に、問題となっている犯人引き渡し協定に一定の条件を付けるなどの交渉を成立させるのは困難だし、交渉もすべきではないと思っているのかもしれない。

 長官が訴えているのは、「反対運動をこれ以上過激化させないで」と必死に訴えているように見える。いずれにしても職を賭して、中国と話し合う機会を作ってほしい。

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2019年9月 2日 (月)

神功皇后の侵略

 ここに大后(神功皇后)神を帰(よ)せたまひて、言教へ覚し詔りたまひしく、「西の方に国有り。金銀を本として、日の炎燿く種種(くさぐさ)の珍しき宝、多(さわ)にその国にあり。吾今その国を帰せたまはむ」(『古事記』岩波文庫・準拠)

 今のうちあやまっておいた方がいい。

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2019年9月 1日 (日)

文大統領をかつぐのは

 「一度反省の言葉を述べたから、反省は終わったとか、一度合意したからと言って、過去を過ぎ去ったものとして終わらせることはできない」

 文韓国大統領が日本政府に投げかけた言葉である。文学的表現ではなく、これが国家の命運を背負っている元首の公式発言である。

 一時は、これが韓国国民特有の常識なのかと疑ってみた。しかしどうやら違うようだ。マスコミはどうしても穏当より不穏当をニュースにしがちである。そこからだけの判断には警戒が必要だ。

 国家間、あるいは国民の間で共有できる文化・あるいは道徳を持つとてあことは非常に大切だ。これは、「パブリック・ディプロマシー」といって、文化・言語の海外普及などから、相手国の世論や知識層に直接、間接的にアプローチする諜報・工作活動のようなものまでが含まれる。

 日本は、欧米に比べてやや出遅れたものの政策実現のため、パブリック・ディプロマシーを担当する在外機関や組織を設けている。

 韓国もオリンピック誘致などへの貢献を目指した活動をしてきた。その中での各国が憂慮するような危険な対立である。

 それ以前から『人文額研究所報NO52』(2014.8)は、国際的地位の高まった韓国は、対日プライオリティーが低下した、韓国社会における日本との関係が希薄になったと考えるのは早計であり、日本はすでに「日常化」していると考えた方がいいと指摘していた。

 さらにマスコミは、歴史問題など日韓で対立している問題のない限り、多くの場合、日本は韓国よりも優れた、あるいは進んだ社会として紹介されてきたという。

 市中で日本語そのままの看板を見ることがほとんどなかったが、若者が集う街を中心に日本語がそのまま使われた看板をあちこちに見るようになった。

 背景には「おしゃれ」であったり「かわいい」または高級感を感じられるといった韓国社会での感性の変化があった、と想像している。

 この感覚は、日本の戦後、米軍の占領が始まり、観念的には反発があったものの、米国文化に触れたとき抱いた感情と似ている。

 若者が、文大統領の反日政策にそのまま同調する必然性はすくなさそうだ。一方、戦時を知る高齢者の感覚として、卑屈に過ぎる大統領の言説にはそのまま乗れないだろう。

 文氏のかつぎ手が限られ、彼の出番はますます狭くなる一方だという予感がする。

 

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