東アジア共同体

2019年7月12日 (金)

日韓関係改善の糸口

 韓国3大紙日本語版から拾った。

(中央日報コラム)

昔も今も我々は日本をよく分かっていない。そして大きな声ばかり出している。

(朝鮮日報社説)

このところ流行のように繰り広げられている左派教育監の「親日」レッテル貼りだが、これに待ったをかける動きがあるという。忠北教育庁が先月開いた討論会で生徒・保護者らが反対し、道教育庁が「親日のイブキの木」切り倒しや校歌変更の推進を事実上撤回する方向へ変わったという。時代錯誤な行いは国民が防ぐしかない。

(東亜日報コラム)

朴正熙(パク・チョンヒ)は反民主的独裁をした。しかし、執権期間に国民が絶対貧困から抜け出し、今日の経済基盤を構築する業績を残した。私たちよりも国際的な評価が高かった。私は教育界の何人かの先輩が親日派の名簿に載っているといううわさを聞いた。しかし、当時、彼らの情熱的な教育活動がなかったなら、自主独立の底力を育成できたか疑わしい。

 これで見ると、騒ぎを大きくしているのは、両国の政権である。いまや、取り付く島もないような状況に立ち至っているが、両国の良心的なオピニオンリーダーの活動で前向きな解決を目指すことが、不可能ではないような気がしてきた。

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2019年7月 8日 (月)

外交に無縁な選挙戦

 参院選の各党の議論や政策を見ていて気付くことは、外交問題に一切触れていないことである。他の各国の例から見ても、やや不思議な感がする。

 憲法の話は、自衛隊明記の自民党案がでてくるが、日米安保や近隣諸国との外交、安全保障問題など、野党も含め対外関係は全くゼロで、故意に避けているかのようにも見える。

 参議院には、外交防衛委員会という常設組織があり、そこでどういう主張がなされるのか、国民が知らなくていいはずはない。

 韓国・北朝鮮・中国・ロシア・イラン、そして同盟国アメリカをはじめ太平洋、インド洋など関係の深い諸国との付き合いは、安倍首相にまかせておけばいいという感じになっている。

 徴用工問題などの解決が遠のくことについて、韓国側に「相手が安倍首相でなければ」という声が一部にあるという。「余計なお世話」だが、国民の外交無関心がそういった事態を招いているとすれば、等閑視できない問題だ。

 本塾は、「東アジア共同体」というカテゴリーを立てている。欧州共同体発足以来の経緯を見て東アジアでもそれに習えないか、という願望を込めたものだ。ヨーロッパにできたことがアジアでできないはずはない。

 当初は日本からは言い出しにくいかな、と思っていた。今も同様な要素はあるが、言い出せる客観情勢も出てきた。北朝鮮、アメリカ、韓国の和解機運である。

 その障害になっているのが、北朝鮮の円滑な核廃棄と政権維持の保証である。それを示現させる方法として、朝鮮両国と日本が加わる「非核地帯宣言条約」を結び、この条約にかつて非核化にかかわったことのある6カ国協議のメンバー、アメリカ・ロシア・中国が調印することである。

 日本は、既に「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」の非核3原則の国是があり、これが守られてる。北朝鮮も上記宣言のもと、核開発を凍結することに関係各国は反対する理由がない。日本や韓国も核の傘がなくてもいいことになる。

 それを機に、日本の核禁止条約加盟、北朝鮮の核拡散防止条約復帰すればよい。ただし冷戦思考から抜けきれない人は反対するだろう。それと同時に、現行憲法9条変更を考えている政府のもとでは、各国が乗りにくくなる。

 それを打開しょうと政策提言をする野党もない。「日米安保を見直そう」などと米大統領が発言する時代だ。難しい年金の制度の応酬だけで、選挙に国民の目が向かないのは無理もない。

 

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2019年7月 4日 (木)

日韓、経済制裁より歴史を

 韓国の徴用工裁判に関連して、日本政府は、半導体などの製造に必要な材料3品目の輸出制限で韓国に対抗する方針を出した。輸出規制強化でこれらが入手できなくなった場合、半導体大手のサムスン電子やSKハイニックスなどが確保している在庫は約1カ月分でその先の操業が困難になるという。

 韓国側の理不尽は、本塾もたびたび指摘し、国際的に通用しない韓国としても恥ずかしい話だ、としてきた。

 それに対抗するため、いきなり「経済制裁だ」というのは、いかにもトランプ流をまねした安倍政権らしい発想だ。さきの大戦をはじめ、経済制裁が戦争の引き金になった例は枚挙にいとまない。

 北朝鮮の例でも見られるように、それで音を上げて、折れてくるようなお国柄ではない。国際機関に判断を任すという当初の方針が正しいのはいうまでもないが、相手がそれに応じないのであれば、当該企業の撤退やそれに伴う損害賠償訴訟などを考えるべきだ。

 そのまえに、韓国の裁判が示した、強制連行の証拠を追求するとか、韓国憲法核心をなす、日韓併合を不法とする判決理由が、客観的史実を無視した感情的判断を、個別案件に適用したと見られることなど、世界の良識に訴える努力がなされたとは思えない。

 歴史といってもわずか百余年前からのことである。日本政府の見方、考え方を、内外の歴史家の協力を得た上で、検証できるように提供すること。それが国際世論を味方につける一番の方法ではではないか。

 

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2019年6月23日 (日)

強制労働裁判、今度は北朝鮮相手

 韓国の有力な新聞、東亜日報(日本語版)6/22は、脱北韓国人2人が北朝鮮で強制労働を強いられたとして金正恩朝鮮労働党委員長に対して損害賠償請求訴訟を起こし、21日に初公判が開かれた、と報じた。

 2人は南北交戦中の捕虜で、33ヶ月にわたり炭坑で労働に従事、その後送還されないまま2000年まで北朝鮮で生活していた。今回の裁判開始は、日本企業に向けた強制労働判決勝訴判決が大きく影響していると想像される。

 日本の大手企業に対する最高裁判決に韓国政府は沈黙し、日本政府は抗議を繰り返している。その判決理由は、3・11独立運動を韓国憲法が建国の基礎に置いていることから、日韓併合そのものが憲法に反し不法であった――、としているのだ。

 韓国内でしか通用しない相当無理な論理だとは思うが、その点相手が北朝鮮ならどういう判決を下すのか、興味本位で悪いが、日本の新聞も追ってみてほしい。

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2019年6月20日 (木)

日韓と国際法

 韓国の旧・徴用工に対する賠償金差し押さえ判決をめぐって韓国政府は黙視、日本政府は「国際法」に準拠した解決を、という平行線から一歩もはずれず、「打つ手なし」の状態になっている。

 このまま、韓国で日本企業の資産差し押さえを現金化するようなことがあれば、「経済戦争」にもなりかねない。日本政府の主張に、韓国側の「国際法無視」という文言がある。

 国際法とはなんぞや、ということでwikiを繰ってみても正直なところピンとこない。一口でいえば「慣習法」ということになり、人々がならい親しんでいるルールということ、別の言葉で言えば「不文律」とも言える。

 それならば、成文化されていないかというと違う。条約、国連憲章、多国間協定などもすべて国際法である。ただ、トランプ大統領が、大統領のサインひとつで簡単に温暖化防止の協定から抜けるなど、国内の憲法・法律より軽視されることが多い。

 慣習法とされるのは、時代や背景の変化で価値観や解釈などが流動的な面に対応しやすいようにするためである。

 外交ルール、たとえば「国賓」の扱い方などを「国際法」として扱い、それらを集大成した解説書も存在する。

 国際司法裁判所という、国連関連組織がオランダのハグーにあり、国際法に基づき権威ある決定をするが、当事国の一方が参加しなければ取り上げられない。韓国が日本の提訴に応ずるかどうか、疑問が残る。

 この点、日本は明治維新から韓国併合に至るまで、世界に例を見ないほど、国際法を重視し、これに反しないよう気を使った政治をしてきた。

 戊辰戦争最後の戦いで幕軍の指揮官榎本武揚は、五稜郭明け渡しを前に、オランダで入手した『海律全書』が戦火で失われるようなことがあれば、国家の損失であるとし、攻撃側の黒田清隆に届けさせた。

 捕らわれた榎本が東京へ護送され、死刑は免れないとされていた榎本を釈放させ、ついには新政府の高官として活躍するようになったのは、黒田が剃髪し助命運動に奔走した結果であるとされる。(拙著『浪士石油を掘る』所載)

 明治時代は、まず西欧文明の取り込みが第一、そして、日英同盟改定で、アメリカをはじめ諸国間との治外法権など不平等条約を解消するため、国際法に忠実な姿を示す必要があった。

 このため、日韓併合は、韓国の近代化と極東安定のために各国とも賛成しており、むしろ国内に韓国の莫大な対外債務を肩代わりしなければならないとの反対意見もあった。

 この、日本と韓国の認識の差は、国際法という観点からも到底埋めることはできない。両国の生い立ちの差ともいうべきで、安倍・文会談では到底解決しないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2019年6月 4日 (火)

日韓関係のウソ摘発

 安倍外交は、日米の大手マスコミからは、トランプ大統領のはちゃめちゃぶりと合わせ、追従・おべっか外交と揶揄され実質中身が何もないという、低い評価を受けている。

 安倍首相の訪問国・地域の数の多さは破格だ。第2次政権以降79に上るが、それがどう国民生活に結びつくのか、取り上げるほどの効果は見えてこない。

 にも関わらず、「よくやっている」という評価に結びついているようだ。それが、内閣支持率を着実に伸ばしつづけ、野党の出る幕をなくしている。

 一番近い国、韓国との関係など、1ミリも動いていないし、改善の兆しも見えてこない。その他の国との友好促進に励むのは、「お仲間」を増やしたい一心からなのかと邪推したくもなる。

 室町幕府以前の最古の外交資料集には、『善隣国宝記』という題がついている。朝鮮・中国との関係記録が主な内容だが、隣国との関係を国宝に比すという位置づけをしている。

 今の外交方針が間違っているとは言わないが、日韓関係の歴史認識が史実を軽視または歪曲した主張が幅を利かし、そのうちそれが「歴史」として定説化するするおそれがでてきた。

NEWSポストセブン」を見て知ったのだが、『韓国「反日フェイク」の病理学』の著書がある韓国人ノンフィクションライターの崔碩栄氏は、そうしたイメージとは正反対の「証言」が残されているということを示した。

 韓国で2001年に出版された『私の経験した解放と分断』(趙文紀・著 韓国精神文化研究院、図書出版先人)には、次のようなやり取りが収録されている。

(インタビュアー)この話からお願いします、1942年度でしたか? 徴用で行かれたんですよね?

──徴用ではないです。ほとんどの記録が徴用でしょっぴかれたかのように書かれているものが多いですけど、徴用ではなく、徴用という話がなぜ出たかというと、行くときには軍需工場に行ったんです。募集があって行ったんですよ。会社から(募集が)あって、この国の就業紹介所で。ソウルで募集がありました。応募したら合格しました。(倍率は)12対1だったか、ものすごく厳しかったよ。

実は、私は資格という面で見たら、そこに応募する資格もなかったんですよ。年齢もそうだし、学歴もそうだし、上手く誤魔化して、その募集官という人の前で芝居をして何とか入れてもらったんですが、そこに行って、現地で行った翌年に戦争が激しくなって、軍需工場だから、そこの全従業員を、日本の人だろうが韓国人だろうが、そこはその時、韓国人が何千人もいました。

みんなが現員徴用(一般募集により配置され働いていた人の身分だけを徴用者に転換する制度)だといって、それで現地で働いている、その状態のまま徴用ということになってしまったんです。徴用でしょっぴかれたのではなく、従業員たちは、日本が定めた法によって、まあ、身分が一日にして徴用者に変わってしまったということです。記録上、それで徴用でしょっぴかれたみたいになっているんだよ

 別の例では、住友炭鉱で働きだして五年経ったころ、日本が戦争に負けた。「戦争が早く終わったんで、本当は悔しかった。住友が大事にしてくれたから」という証言もある。 

 これらの老人の証言によると、徴用が始まる前に学力や年齢などを偽ってまで労働者の募集に応募し、高い競争率を乗り越えて日本へ行き、仕事をしてきたのだという。また、同誌には次のような引用もある。

日韓両国の教育とメディアが伝える朝鮮人労働者の姿は飢えと重労働に苦しむ奴隷そのものだ。しかし、朝鮮人労働者の中には大金を貯めて帰国した人もいたし、無一文で渡日し工場労働者を経て会社を設立し社長の座まで上り詰めた成功者も、日本での生活に満足して日本に残った人もいた。ただ、残念なことにこのような話は過去の記録と、ほとんど知られていない個人史の記録でしか出会うことができない。

このような偏った記憶は、常に「被害性」を強調しながら歴史を語る韓国側にも責任があるが、朝鮮人労働者を常に「弱者」そして「同情の対象」としてしか語らない日本のメディア、研究者たちにも一部の責任はあると思う。

私が見つけた資料と確認した記録を見る限り、私の先祖たちはそんなに弱い人たちではなかった。彼らは自分の権利と利益を守るため抗議する時は徹底的に抗議をし、上司や監督と揉める時も怯むことはなかった。殴られたら殴り返すくらいの根性もあった。何より経済的な利益に敏感で、少しでも賃金と待遇がいい職場を探して転職や引越しをし、時には脱走も辞さなかった。日韓の教育とメディアが表現する朝鮮人の姿、つまり給料も貰えず、飢えや暴行に苦しみながらも黙っているような臆病で、無気力な人ではなかったのだ。

 こういった証言が韓国内で出ていることに、塾頭はやや安心した。塾頭の体験した小学生時代の常識と合うのである。

 もう一つ、「韓国側に、朝鮮人労働者を常に『弱者』そして『同情の対象』としてしか語らない日本のメディア、研究者たちにも一部の責任」という指摘がされたことである。

 戦争を知らない世代のための証言者が減る一方である。同時に、日韓関係に関する正しい歴史認識が、消滅の危機に瀕していることを韓国側から喝破してもらった。

 同感であるとともに敬意を表したい。日本のメディア・学会が無関心であることに憤りを感ずると共に、戦後の歴史学をリードした進歩的文化人や学者の主張が、真実を無視したプロパガンダに走った責任が、いまだに清算されていないことに目を向けなければならない。

 塾頭は阪神工業地帯に住んでいたが、近所にほとんど朝鮮人が住んでいる長屋があった。農作業をする老人、大手工場勤務の夫、川にで棒でたたく朝鮮式の洗濯をする主婦、そして学友には、強制されたはずの姓氏改名ではなく、金君・李君・朴君達とも机を並べた。

 そんな家族のいる朝鮮人たちが、強引に拉致されて来たはずがない。学校では、すべて天皇陛下の赤子、差別は絶対に許されなかった。いじめ?、喧嘩もあったが強いのは朝鮮人の方。習字はいつも張り出される達筆の子もいた。

 また戦後、韓国太田の小学校校長だった日本人の子が、引き上げてきて同級生になったが、向こうの様子を聞くと、内地と特に変わったことはないと言っていた。

 徴用工も従軍慰安婦もそうだが、特定個人の証言だけが独り歩きし、あたかもそれが全体で、歴史であるかのような扱われ方が定着するのは、歴史への冒涜になる。今、手を付けないととり返しの付かないことになる。

 

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2019年5月23日 (木)

日本山妙法寺

 スリランカの同時爆破テロから1か月以上たった。日本人1人を含む250人以上が犠牲となるような予想がつく場所ではなかった。スリランカで連想したのは「日本山妙法寺」である。

 本山ではないが近所にそのお寺があった。そして、黄色の法衣をまとい「南無妙法蓮華経」と唱えながら町を通る姿があったが、最近はそれを見かけなくなった。

 近所の知り合いのお婆さんもその信者だった。海外へ行かれると聞き、その行き先はスリランカだという。しかし、その理由が何かまでは聞かなかった。

 国内でも反戦、護憲などの集会には行進の先頭で、題目にあわせてうちわ太鼓をたたく姿を映像で見た人は少なくないはずだ。

 その要となる人が故・藤井日達師だった。藤井師は、ガンジーやインドのネール首相とも知見があったとされる。いずれも平和を真っ先に掲げる指導者で、世界でそれなりの影響力を持ち、複雑な宗教上の対立を克服する理想を実現しようとしていたことを思い出す。

 

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2019年5月13日 (月)

親日作家の校歌パージ

朝鮮日報5/12

(前略)光州市教育庁の関係者は「市内の中学・高校13校と大学4校が、親日人名事典に登載されている音楽家4人の作った校歌を採用しているが、このうち15校で校歌変更の議論が進んでいる」と話した。また、韓国にある17の市・道教育庁のうち仁川・全羅北道・忠清北道・慶尚南道など10の教育庁が親日校歌の洗い出しを進めている。ソウル市や京畿道などでも全国教職員労働組合(全教組)が「親日校歌を変更せよ」と圧力をかけている状況だ。ソウルのある高校の校長は「親日人名事典は左派団体が作った資料なのに、それを根拠に特定の音楽家に親日のレッテルを貼り、校歌を変更するとは、あきれるばかりだ」と疑問を呈した。

 日本の戦時中でもこんなことはなかった。

 戦前から童謡や校歌などを数多く手掛けている

♪青い目をしたお人形は 

アメリカ生まれのセルロイド……

の野口雨情をはじめ、山田耕筰、北原白秋、中山晋平など有名な作詞・作曲家が軒並み「親米作家」になってしまう。

 しかし、戦時中も誰ばばかれずに歌っていたし、通っていた中学の校歌の作者がそうだからといって、廃止されるようなこともなかった。

 名曲は名曲の扱いをする矜持と文化はあった。

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2019年5月 8日 (水)

怪・北との首相対話

 安倍首相が拉致問題について大転換を図ろうとしている。菅官房長官や河野外相は正面からそれにふれず政策に変わりはないように装っている。というより、そうせざるを得ないということだろう。

 そもそも拉致問題は、改憲と並んで、首相を際立てるキャッチフレーズであったはずだ。その方法は「対話と圧力」が口癖だった。経済制裁強化も、3月に国連人権理事会で11年間続けてきた非難決議の共同提出見送り後に言わなくなった。

 トランプ大統領の対・金正恩会話戦略進展から、右往左往が始まった。それが8日の毎日新聞によると6日のトランプ大統領との電話会談を経て、対話は、「拉致問題の解決に資するものにしなければならない」から「条件を付けずに向き合う」に変わった。

 解説を含めた新聞記事の中は、「手詰まり」「方針転換」「模索」「焦り」「前のめり」「置き去り」「賭け」「リスク」などの単語であふれている。

 北朝鮮は14年、再調査委員会の調査として、帰国した5人の被害者のほかに日本側が被害者として認定した12人について、「8人死亡」「4人未入国」と主張している。それを日本側が受け入れないので、調査委員会は解体されたままになっている。

 安倍首相が対談しても、「実は居ました」などという新事実を明らかにすることなどないだろう。北の肩を持つ気は毛頭ないが、北の調査に根拠がないとする証拠は、交流がないので不十分なままである。

 そして、いまさら「違ってました」などというはずがない。そんなことをすれば、国際的信用が一挙に崩壊する。

 拉致を続ける理由として、いまだに「北の最高秘密がばれるら」とか「対日・対韓工作に支障が出る」などという人がいる。長年にわたって人質外交を続ける理由も、成り立たない。

 つまり、費用を使って長期間拉致被害者を監禁していても、何の利益にもならないということである。安倍首相が拉致問題にこだわるのには理由がある。日本会議によるキャンペーンとの関連だろう。

 北朝鮮との対話に舵をきり、それが内閣支持率に貢献すると考えているのだろうか。だとすると浅はかな考えで、結果が命取りになりかねないと思う。

 それでも乗り切れるという「思い上がり」があるとすれば、上記の新聞にあふれた「単語」に、もひとつこれを付け加えておこう。

 

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2019年5月 3日 (金)

憲法を使う心

 憲法記念日とは変な日だ。祝日法によると、憲法記念日は、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。」ためとなっている。

 しかるに、今日新聞に載った各党の談話を見ると、自民は改憲一色、公明が評価・礼賛と加憲。立憲が危機的状況の強調だけ。共産・社民は、それに護憲を加える。国民民主は、政府を非難するものの国民投票法にもふれる。維新の会、希望の党は独自の改定案。

 「お祝いの日」からは遠ざかってしまったようだ。

 日本は、憲政始まって以来130年、敗戦で現憲法に全面改定した以外は、一度も中身を変えていない。

 これに比べて韓国は、70年間に6回の大改定を含め9次にわたる憲法改正をしている。現大統領が12代目だから、その都度変更しているようにも見える。日本と違って、改定しやすい条文なのかと思ったが、発議や国民投票など条件は、日本とほぼ同じであった。

 改定は、大統領独裁を制限する中身が多かったようだが、前大統領が罪人になったり自殺したりする頻度も高く、大統領の地位低下は座視できないところまで来ているのではないか。その分だけ議会の権力が目立つようになり、政党間の権力競争も激しくなる。

 行政・立法・司法の三権分立も憲法上他の先進国と同じだ。しかし、こうころころ憲法が変わると、どうしても憲法の重みが軽くなり、立法が強くなる。その分、司法・行政に立法への「忖度」が働くのではないか。文大統領を見ているとそんな気がする。

 議会が力を持つことは、一見民主主義が進むように見える。ところが、選挙民が人の吟味をおこたり、慣習化した投票行動をくり返すようになると弊害が表面化する。

 最近の、韓国政府の日本に対する理不尽な態度も、そんなところからきているような気がする。

 

 

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