戦争とは

2020年7月 7日 (火)

国のトップは交渉下手

 昔と違って、戦後処理や領土問題などを平和処理できる「大物政治家」が払底し、末永い友好関係に目を据えた戦後処理や国境処理交渉ができるトップがいなくなった、という趣旨の記事をこのところ続けている。

 そういえば、昔は第一線を受け持つ軍人トップがそんな役割を果たしていた。日本でいえば、戊辰戦争の最終局面である箱館戦争停戦の幕軍・榎本武揚と官軍・黒田清隆である。

 両者手打式を前にして、榎本が手に入れていた「海律全書(国際法全書)」が戦火で失われるようでは、日本の損失になる、といって黒田に託し、黒田はその返礼として解散の祝宴用にといって酒を贈った。また、榎本や大鳥圭介など幹部を処刑から守り、明治政府の高官として迎えている。

 また、旅順要塞を陥落させた後の明治38年(1905年)15日、乃木は要塞司令官ステッセリと会見した。この「水師営の会見」は教科書にものっていた。

 乃木は、ステッセリに対し、極めて紳士的に接した。すなわち、通常、降伏する際に帯剣することは許されないにもかかわらず、乃木はステッセリに帯剣を許し、酒を酌み交わして打ち解けた雰囲気の中でおこなわれた。

 最後の例として、太平洋戦争緒戦で英軍がマレー半島で日本に降伏、シンガポールで山下奉文大将と英・陸軍中将パーシバルが会見した模様が広く伝えられたことである。

 この時、「イエスかノーか」と強圧的に降伏交渉を行ったと言われるが、実際は「降伏する意思があるかどうかをまず伝えて欲しい」という趣旨を、菱刈隆文の通訳が分からないことに苛立って放った言葉であり、これが新聞等で脚色されたといわれている。

 話が一人歩きしていることに対し山下本人は気にしていたようで、「敗戦の将を恫喝するようなことができるか」と否定したという。また、同席していた関係者も、全員この威圧を否定している。

 このところの、朝鮮停戦交渉など、トランプなど国のトップが何度もあっても、話が一歩も進まないのとは、相当様相を異にする。

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2020年6月20日 (土)

中国西域2題

 今日の毎日新聞(東京版)6面と8面のいずれもトップ見出しである。

・米「ウイグル法」成立

     中国の民族弾圧に制裁

・インド、広がる反中

     国境衝突膨らむ愛国心

 本塾で「中国」というと通常カテゴリ「東アジア共同体」に入れるのだが、この場合当てはまらない。

 それはさておき、前の記事は、米議会が可決した「ウイグル人権法案」にトランプ大統領が一部をのぞいて署名、発効したというもので、中身は、米政府が180日以内に弾圧に関与した中国の当局者や個人のリストを作成し、議会に報告するよう求めており、対象者にはビザの発給停止や米国内資産の凍結などの制裁を科すよう要請する。

 中国の歴史を見ると、イスラム教徒であるウイグル人は「回族」として漢民族と共存してきた。建前として信仰の自由はあるのだが、イスラムの指導者は、唯一の神の言葉を伝えるモハメッド以外になく、それを否定して「党」だとされても困るだろう。

 また、新疆ウイグル自治区に、大量の漢民族を移住させる政策もとっており、米中関係にとって香港問題と似た軋轢の要因となる。

 もう一つは、インドとの関係である。

 インドは、ガンジー、ネールの時代から、第三勢力として平和の使途としての顔があった。ただし、「ヒンズー至上主義」と衝突するとそれが国境紛争となり、戦争状態にもなる。パキスタンとの間がそうだ。

 今回は、珍しく中国と国境を接する部分で起きた。死者がでたのは1975年以来だという。インド側に20人、中国側にもあるようだ。

 二つの紛争に共通するのは、いずれも宗教がらみだということである。ご承知のように、チベット仏教の指導者ダライラマは、弾圧を受け中国チベット自治区を逃れてインドに亡命政権を立てている。

 中国からすると、インドに反乱分子が保護されているということになる。かつてAA諸国と呼ばれた両国の歴史はこれで断絶したと見ていい。

 砂漠や山岳が多いが、チベット自治区は、新疆ウイグル自治区に次いで2番目の広さがある。漢民族にとって西の要衝であり、文化導入の玄関口としての古い歴史があることも共通している。

 記事にあるような対立は、習近平の唱える「一帯一路」政策の一環を受け、インド洋に進出する海軍の実態を目の前にして、インド政権がこれまでにない警戒心を強め、現政権がナショナリズムをかき立てるような方向を容認しているということであろう。

コロナ禍の裏側で、もう一つの危機がアジアを襲いかねないことに目を向けなければならない。

 

 

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2020年6月13日 (土)

暴論化する香港

 香港では12日、中国による「国家安全法制」の導入が迫る中、中国政府や香港政府に反発する市民が各地で抗議活動を行い、これまでに30人以上が警察に逮捕されました。

 香港では12日、中国政府が導入を決めた香港での反政府的な動きを取り締まる「国家安全法制」に反対しようと各地で抗議活動が行われ、夕方から中心部の商業施設や郊外の住宅街周辺に市民数百人が集まり、「香港の独立を」とか、「悪法を撤回せよ」などと声を上げました。(NHKオンライン・06/13、以下略)

 香港市民の抗議活動はやや下火になったようだが続いており、「独立」という極論がでてきた。本塾では、香港問題について、5月29、30日と6月30日に記事を書いた。

 イギリスおよび同帝国連邦のもとにあるオーストラリア・カナダとアメリカの4か国が市民の要求に沿う共同声明を作成、日本政府も参加を打診されていたが、拒否していたという内容である。

 香港エリアの旧宗主国であったイギリスは、中国へ返還するにあたって協定を結んでおり、その解釈について発言する権利があっても、その他の国が共同して発言すると内政干渉ととられかねないとして、日本政府のとった措置は妥当であると見ていた。

 そこへ、冒頭の報道である。市民の要求に「独立」が入っている。これはヤバい。中国に公然と逮捕、厳罰する口実を与えることになる。

 アメリカは、1775年から8年半にわたってイギリスとの間で「独立戦争」で戦い、勝利して建国を果たした。暴論を承知で言うと、アメリカが香港市民の肩を持ちたくなる理由にはなる。

 暴論・極論が戦争の引き金となった前例は幾多もある。日本は、よほどしっかりしていないと巻き込まれる恐れがある。局外に立つだけではすまされない。安倍政権に、それを避ける手立てや心構えはあるのか。

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2020年6月 5日 (金)

父よあなたは強かった

 前回に続いて記憶に残る歌詞から戦時歌謡をひとつ。

 歌いだしは ♪ 父よあなたは強かった――である。

 続けて、炎熱のもと、敵の屍(かばね)とともに寝て、泥水をすすり草を食べながらいく千里もの行軍に堪えた父をたたえる。

 戦後米軍がこれを聞いて、「反戦歌か」聞きただしたといわれるほどの悲惨さだ。日中戦争開始後まもなく、新聞社の懸賞募集に当選した歌詞である。

 この強行作戦は軍内でも評判が悪く、兵士の不満が南京事件につなかったという説もある。

 新聞社も荷担した「総力戦」。この先再び起きないという保証はない。

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2020年1月13日 (月)

決戦戦争と持久戦争

 石原莞爾の『最終戦争論』という本がある。その冒頭に「決戦戦争と持久戦争」という対比を掲げている。この最初の論文は19409月に発表されており、ちょうど近衛文麿による新体制運動が推進され、日独伊三国同盟へと進んだ時期に当たる。

 この右翼論客は、この時点で日米決戦を必至のものとして予言していた。決戦戦争と持久戦争の違いは日本の古代史のうえでも歴然としており、戦士の構成、戦法・戦略など根本的な違いがあることを指摘している。

 決戦戦争の前提には、国民皆兵、徴兵制度、国家総動員といった体制が必要で、持久戦争が多くは雇い兵による守備が主となり、集団的総攻撃には機関銃が有力な武器であるとする。

 石原は続けて「(前略)戦争がなくなり人類の前史が終えるまで、即ち最終戦争の時代は二十年見当(1960年とすれば岸信介による新安保条約可決の年)であろう」とする。

 石原の預言は、原爆投下や、冷戦まで見越すことができなかった。その後もいくつか戦争があったが、決戦戦争と持久戦争に区別すると、ほとんどは持久戦争に当たるのではないか。

 今にも戦争になるのではないか、とされている国は、イランとアメリカ、北朝鮮とアメリカである。

 それぞれの国のトップは、「戦争を望まない」と繰り返している。アメリカの徴兵制度は撤廃されており、中東へ派兵し続ける論拠も弱くなっている。

 イランの反政府デモを見ると、戦争を控えている国には見えず、どこに対立軸があるのかあいまいになってきた。

 持久戦争が続くとしても、決戦戦争、つまり第2次大戦後75年、決戦戦争が消滅したとしてもいいような気がする。

 持久戦争だからいいとは言えない。特にアメリカは、紛争介入を口実に、どれだけの人命を損ない、国を分裂させ、避難民や生活困窮者を生んできたかを、深刻に反省すべき時だ。

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2020年1月 2日 (木)

戦争から学ぶこと

 戦争もまた経済行為であるとは、主としてマルクス主義系統の人の主張であった。そしてそれが正しいなら、ソビエトのアフガン侵攻もまた経済行為であったはずである。

 では、その決算書は発表されるであろうか。おそらく否であろうが、莫大な損失以外、なにも得ることができなかったこと、そしてGNPの十七パーセントを投じた軍備は、アフガン戦争には全く役に立たなかったことは、少なくとも党と政府の首脳はそのことを知っていると考えてよいであろう

 前述したように、私は、人間はそれほど利口な動物とは思わないが、多くの動物と同様、手痛い体験からは学ぶであろうと思う。アメリカはベトナムで、ソビエトはアフガンで、何かを学んだであろう。そしてこれは、共に、一つの曲がり角になるのでないかと私は思う。

 新年早々の長い引用で恐縮だが、暮れから読み始めた本に山本七平『「常識」の落とし穴』がある。

 この本は、1994710日、26年前、平成6年に初刊された。

 古本といっていいかどうか、迷うところではあるが、引用の最後にいう作者の「歴史の曲がり角」は、見事な「外れ」である。

 アフガンでソ連放逐のためタリバンを援助したアメリカは、同時多発テロの首謀者ビンラディンを匿ったとしてタリバンを目標に軍事介入したのが200110月、それより前、199812月には「砂漠のキツネ作戦」と称してイラク侵攻を開始している。

 2002年から03年にかけて米議会の承認を得て「イラクの自由作戦」と名を変え、米軍24万人、英軍20600人を投入した本格的戦争になった。

その動機となったのがCIAの偽情報だったことが後になってわかったことでも知られている。

 その両国から何の成果もないまま米軍を撤退させることが、トランプ大統領の政治目標となっているが、いまだに順調に進めないでいる。

 前掲書は、このあと民主主義に懐疑的な目を向け、知性の勝利を期待する条件も整っていないという観察もしている。

 いつの時代いつの戦争でも引き金となる直接動機は至って簡単である。

 権力維持のためには手段を選ばぬという政治家を放逐できないでいることと、国のためならいつでも命をささげるという訓練をしたり、敵とみなせばだれでも殺せるという、軍隊・軍人を育てて顧みないことである。

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2019年11月 2日 (土)

敵性人形

青い眼をした お人形は
アメリカ生まれの セルロイド
アメリカ生まれの セルロイド

日本の港へ ついたとき
いっぱい涙を うかべてた

わたしは言葉が わからない
迷子になったら なんとしょう

やさしい日本の 嬢ちゃんよ
仲よく遊んで やっとくれ
仲よく遊んで やっとくれ

 野口雨情作詞・本居長世作曲の戦前の童謡である。昨日のことを忘れても、この歌詞だけはしっかり覚えている。尋常小学唱歌に採用されてないので、多分幼稚園か母親から教わったのだろう。

 この人形のエピソードが昨日11/1付の毎日・夕刊のコラム「憂楽帳」に載っていた。

 下北半島の付け根に位置する青森県野辺地町。町立野辺地小学校の正面玄関で、青い目をした女の子の人形が児童たちを出迎えている。

 米国で日系移民排斥の動きが強まり、日米関係が悪化し始めた1926年。米国の宣教師が民間レベルで友好を図ろうと、人形を日本の小学校などに贈る活動を始めた。今年4月、現在の野辺地小に贈られた1体が当時の教員宅で保管されていたことが判明。町内での公開などを経て9月に小学校に戻ってきた。

 日米戦争が始まった当時、青い目の人形は「敵性人形」として大半が廃棄された。しかし1人の教員が「人形に罪はない」とひそかに火中から拾い上げ、保管していた。人形は新元号にちなみ「レイワ」と名付けられ、野辺地小の5,6年生が授業でこの人形の歴史を学んだ。(以下略)

 最近、先の戦争突入を大部分の国民(軍人や官僚を含む)が熱狂的に支持していたかどうか、ということが取り上げられるようになった。

 小学生だった塾頭の周辺、狭い範囲だが両親・隣人・先生・友達、いずれも人形を憎悪・処刑するようなことがあれば、多分、前記の教員と同じような行動をとったに違いない。

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2019年10月24日 (木)

北方領土

 前々回まで領土問題を2回続けてきたが残るのが北方領土になる。安倍首相は、最初エリツィン大統領との交渉を楽観視していたようなそぶりを見せていたが最近は沙汰やみの気配である。

 尖閣・竹島と違って大勢の人が住み、国際問題や歴史が複雑に絡んでいることから、トップの思い付きで解決できるとは思えず、たして2で割るような妥協は危険である。

 その詳細を書くいとまはないが、米英中との戦争の末期に、ソ連が日ソ友好条約を一方手に破棄し、言葉は悪いがヤルタ会談による千島分与という闇取引があって、火事場泥棒的に参戦した経緯がある。

 これは、第一次大戦以後の国際規範に背く不法なもので、ロシアの内部にもその点を突く意見があるという。ソ連は、8月15日を過ぎてから4島を軍事支配し、9月2日の降伏文書調印にも参加しなかった。

 こういった原点をあいまいにしたり、歴史的事実を隠蔽した妥協は、両国にとって百害あって一利ない。その点、韓国の徴用工問題で原理原則をゆるがせにしてはならないことと、相通ずる。

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2019年10月16日 (水)

戦争と米国民の意識

 ネットを手繰っていたら、『アメリカはなぜ戦争に負け続けたのか』と題する図書(中央公論新社・刊)の紹介が目についた。著者は、米戦略国際問題研究所シニアアドバイザーで元軍人のハーラン・ウルマン氏である。

 本書では、歴代大統領の資質不足をその原因としており、「ケネディ、レーガンにも十分な資質があったとはいいがたいが、カーターにはそれがほとんどなかった。そしてさらに深刻なのは、1992年当選のクリントン以降の4人の大統領である」と訳者の中本義彦氏が解説する。

 気になるのはトランプ大統領だが、著者が「常識」の持ち主と評価するマティス国防長官とマクマスター国家安全保障補佐官はすでに事実上解任されている。本書の米国での刊行予定が、トランプ大統領の就任から間もなかったこともあり、十分な記述はないが、最近の4人の中でも「トランプほど政治経験の乏しい大統領はいない」とシビアだ。

 それで、我が本棚に、油井大三郎『好戦の共和国アメリカ』岩波新書、というのがあるのを思い出した。

 この方は、対先住民戦争にはじまり、植民地戦争、独立戦争からイギリス、メキシコとの戦争、南北戦争など内戦から2度の大戦を経て、冷戦とパクス・アメリカーナ、対テロ戦争とほとんど切れ目なく続いており、いつも「デモクラシーを守る」という口実が戦争の口実として使われてきたことを説明する。

 その一方でアメリカには、クエーカーのように戦争を原理的に否定し、徴兵を拒否する反戦派や、防衛戦争などは肯定しつつも、戦争は「最後の手段」として自制しようとする「状況的非戦派」が多数存在する。

 好戦国であったがために、同国で最も多いのがこの層であるというのが油井氏の結論で、軍隊の組織・編成や指揮命令系統、戦意の有無から、対戦相手との装備・戦力比較に至るまで、専門的知識のレベルは想像以上に高いという。

 そこが大戦前の日本との大きな違いで、アメリカ国民が議員選出や大統領にだれを選ぶかにかかってくる。

 前掲書は、そういった選択を豊かにするための参考類書リストに大きなスペースを割いて、負ける戦争再発に歯止めをかけようとする意図を明確にしている。

 安倍政権が強行採決した安保法制のように、アメリカについていればいい、というのとアメリカ国民のレベルには雲泥の差があるようだ。

 防衛大臣、外務大臣にはお友達でなく、すくなくともアメリカ国民並の見識を持つ人材を配してほしい。

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2019年9月24日 (火)

サウジ攻撃はイラン?

 ニュースチェックは日課である。今日は、下記の「時事ドットコム」全文を拝借して、見出しのつけ方によって意味が大きく違ってくることと、国際問題や戦争にもかかわってくる問題になることを指摘しておきたい。

【時事ドットコム】
■見出し
英仏独首脳「イランに責任」=サウジ石油施設攻撃で声明
■本文
【ニューヨーク時事】ジョンソン英首相とマクロン仏大統領、メルケル独首相は23日、共同声明を発表し、サウジアラビアの石油関連施設への攻撃に関し「イランが責任を負うのは明白だ。他に妥当な説明はない」と主張した。また、対話に応じ、挑発行為は控えるようイランに求めた。

声明は攻撃を「最も強い言葉」で非難し、イランに核合意を再び完全履行するよう促した。また「ミサイル計画などを含む地域の安全保障問題や核計画の長期的な枠組みに関する交渉をイランが受け入れる時が来た」と述べ、交渉に応じるよう呼び掛けた。

 この前半の「」内の声明文の主張は各マスコミで一致している。その点、時事の見出しや、本文全体も客観性があり、正鵠を得ていると思われる。

 これに対してAFPは、「サウジ攻撃はイランが実施 仏独英首脳が一致、対話呼び掛け」という見出しだ。国内のマスコミも、見出しのつけ方では双方に分かれている。

 「実施」と「責任」では全く違った意味になる。「イランが攻撃を実施」ならば、即、開戦の口実となり、米国人の犠牲者でも出れば、米国会による宣戦布告決議もあり得る。

 しかし、犯行宣言を繰り返しているイエメンのフーシー派が仮に噛んでいるとすれば、背後で支援をしているイランにも「責任がある」という表現となり、イランも特にそれに反対する理由がない。

 つまり、英・独・仏の声明はアメリカの肩を持つことではなく、国連総会を前に話し合い解決へ持ち込むため、目を見張るような仕掛け花火を打ち上げたということである。

 各紙の見出しにとらわれないよう、注意が必要だ。

 

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