「真間山弘法寺」、マイナーとはいえこの地では名刹である。開基は平安時代というが、寺運が隆盛に向かったのは、鎌倉時代に日蓮宗に改宗してからであろう。
右の写真は無縁仏の山、「享保十乙巳十一月」とある。もっと古い石造物もごろごろしているのだが、半跏像が可愛いのでこれにした。アメリカの独立宣言より50年以上前のものである。
さて、次の写真は祖師堂工事、日蓮宗以外では金堂にあたる寺の中心をなすお堂の改築現場である。看板には「浄財勧募中」とあった。このお寺は、日頃文化講演会や町のイベント起こしその他の活動にも積極的である。
隣には、すでに改築が終わった鉄筋コンクリートの立派な寺務所が、辺りを払うように建っている。なまじっか国宝や重文でないので、祖師堂も鉄筋コンクリートになるのかも知れない。まあ、これも平成文化なのだから文句をいう筋合いではない。
さて、この原資はどこから生まれるのだろうか。次の組み写真が物語る積極的なスクラップ・アンド・ビルド。これこそ近代経営に欠かせないモチベーションである。しかし、それだけではスウッと頭に入ってこない。
やはり、相当高額な喜捨がなくてはならない。そこに、いきなり不逞な連想が飛び込んでしまった。統一教会系の霊感商法の手口である。先祖の供養にといって、庶民なら一生かかっても容易に作れないような貯金を女性からまきあげ、印鑑を買わせたというあの事件である。
このお寺では、定期的な宗教講話や講座なども以前から続けて、正しい信仰を身につける努力を払っている。したがってそれなりの浄財を集めることができたのだと思う。しかし、縁なき衆生。まだ不思議に思うことがある。
寺院に限らず、家の近所にあるお地蔵さんが最近どんどん新しいものに代わっていることは、以前書いた覚えがある。どうやら私より若い人の発願らしい。すこし前のことで手元にないが、心霊や死後の世界などの存在について、世代間に差があるという研究結果を新聞で見た。
私は、その中の「戦争世代」に入るのか「戦後第1世代」に入るのか知らないが、そういったことを真っ向から否定し、科学的であることに最高の価値を見いだす人種である。つまり、「鉄腕アトム」の「科学の子」だ。
これは、皇国史観、神話教育の反動かも知れない。昭和天皇と同じ「日本は科学でアメリカに負けたんだ」という発想に通ずる。ところが、世代間では、団塊の世代からあと、心霊・来世肯定派がぐんと増えて、その傾向はより若い人まで続くのだそうだ。
そういえばテレビの番組にそのようなものが増えたり、オウム真理教に高学歴、しかも理系の信者がいることを不思議に思ったりした。宗教と奇跡と心霊、はからずもそういったことに思いをいたす今日の散歩になってしまった。
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