エッセイ

2020年3月27日 (金)

聖火を授かったのは首相でない

 福島県在住の玉井人ひろたさんのブログにこんな記事があった。

それにしても、安倍総理の「聖火は福島においてあげなさい」の言葉、カチンときましたね。

なんとも福島県民を‘見下した’言い方なのでしょうかね。

 一般にあまり報道されていない発言だが、福島県人でなくてもカチンとくる。首相は全くそれに気が付いていないだろう。むしろ褒められていいと思っているに違いない。

 震災の被害が今なお残る同地が、オリンピック聖火の国内スタート地点となって復興再生を世界にアピールしたいという地元の意気込みはよくわかる。

 大会一年延期でそれをどうするか、は首相の決めることではなくその権限もない。もちろん、聖火は首相の持ち物でもない。

 それを恩着せがましくあたかも自分の配慮のように言う。

 県民や国民がそれをどう感じようが受け止めようが、すべてマイペースでことが進むと思っている。

 周辺にそれを注意する側近もいない。幼児性ここに至れりである。

 

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2020年3月15日 (日)

重ね言葉と異常現象

 昨夕、気温の低下で雨が雪に変わった。当地では初雪である。

 ♪雪は、コンコン……の歌があるが、そんな音はしない。「チラチラ」も同様である。雨の場合は、まず音からくる。「パラパラ」や「ザーザー」は、降り始めが家の中にいてもわかる。

 「コンコン」は、水がわき出るときにも使い、「チラチラ」は人の目配りにも使う。雪は「シンシン」と積もるが、それも音ではない。豪雪地帯なら、木造家屋で家が「ミシミシ」と音を立てるということはある。

 昨夕の雪ぼたん雪だったが、起きてみるとやはり積雪ゼロだった。

 その一方、東京都はソメイヨシノの開花宣言を昨日行った。これは、観測開始以来最も早い観測日になるという。

 こんな異常な体験ははじめてである。地球温暖化にしろ、コロナウイルス世界席捲にしろ、日々を観察して表現する適当な重ね言葉が見当たらない。

「タダタダ」驚いているだけなのである。

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2020年3月12日 (木)

煙草の銘柄にコロナ

 明けても暮れてもコロナ、コロナ――。うんざりするが、もともとは悪い名でなかった。

 思い出したのがタバコの銘柄に「コロナ」があったことだ。

 戦後、カタカナ名による命名が解禁され、高級タバコに「ピース」と「コロナ」という名がついた。

 戦前、圧倒的シェア―を保ち続けた大衆的巻煙草は、「ゴールデンバット」である。戦時中に敵性語追放で「金鵄」と名を変えたように思うが、戦後は復活した。

 「朝日」は吸い口付きのやや上品な感じがあり、来客用として父用の「バット」と共に使い走りで買ったのを覚えている。

 「朝日」が和歌からとった命名に由来するせいか、「敷島」とか「チェリー」という銘柄もあったような気がする。(本稿はすべてネットなどで調べたものでなく、おぼろな記憶によるものであり、間違いがあったらをお許し乞う)

 「光」もやや辛口で長続きした銘柄だ。「ピース」は長続きしたが「コロナ」は短命だったような気がする。ウイルスもそうあってほしいものだ。

 占領軍が入ってきて、米国製の「ラッキーストライク」など、独特な甘い香料が魅力で、誰かが手に入れたものを1本ずつに分けて吸ったものだ。

 塾頭は「ホープ」と「ハイライト」を愛用したが、煙草をやめて何十年もたつので、今の流行や売れ筋などは知らない。

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2020年3月 7日 (土)

神頼み日本

 世界遺産・厳島神社のある宮島(広島県廿日市市)に現れる白いタヌキが「神様のお使いでは」と話題になり、地元ホテルが目撃情報を募るキャンペーンを始めた。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で観光客が減少。白タヌキもなかなか姿を現さず、目撃情報は、キャンペーン開始から4カ月たった今もゼロのまま。関係者からは「厄払いのためにも出てきて」との声が上がる。(毎日新聞03/06)

 稲荷神社では、白狐が主役で祭られている。800万(やおろず)の神が存在する日本である。神様のお使いが狸であってもおかしくない。

 動物では、神に近い存在として鹿、馬、犬などがすぐに浮かぶ。古典では、恐れられ忌み嫌われた狼さえも大かみ(大神)と称される。

 調べてみると、虎、猿、牛など十二支にある動物はそのほとんどが神として祀る神社があり、蛇や竜などのほか鳥類ではカラス・トビ・ワシもあって勲章にも使われる。ムカデ・蝶・トンボも無視されてはいない。

 「疫病神」という言葉もある。コロナウイルスも神として祀るのが日本流である。




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2020年2月24日 (月)

黄犬忌

 今日24日は、20日の記事「日記の書き方」に書いたドナルド・キーン氏が亡くなって、ちょうど1年目にあたる。

 ということで、今日を「黄犬忌」としようという新聞記事があった。

 黄犬は、ドナルド・キーンが日本語でサインする際に使っていた。黄犬、つまりキイ・イヌを我が名にあてたものだ。

 だけど、「キーンキ」と読んだのでは、なんとなく締まらない。

 ここは、日本文化・日本人・日本語をこよなく愛したキーン氏の感覚からすれば、「オウケンキ」と音読した方が、故人の意にかなうのではないか。

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聖火ランナーと年齢

 福岡市の老人ホームで暮らす117歳で世界最高齢の田中カ子さんが、東京五輪の聖火ランナーの候補に内定したことが22日、関係者への取材で分かった。車いすの使用を検討している。(共同通信)

 『古事記』で見ると、下記例のように神武天皇から10代ほどの間は、天皇の方が勤められた年より、カ子さんの方がまだお若い。

 がんばってください!

神武天皇127

孝安天皇122

崇神天皇120

垂仁天皇140

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2020年2月10日 (月)

ハイタッチは消毒してから

バスケットボール男子Bリーグの千葉ジェッツふなばしは8日、千葉ポートアリーナで行われたリーグ戦で、新型コロナウイルスの感染予防策として、選手とファンの双方の手にアルコール消毒をしてから試合後恒例のハイタッチを行った。

千葉ジェッツ関係者は「自粛も考えたがハイタッチは選手とファンが触れ合える数少ない機会。消毒を徹底した上で実施を決めた」と話した。(中略)9日の試合も同様に対応する。

県内では、サッカーJリーグの柏レイソルとジェフユナイテッド市原・千葉が、ファンサービス対応を当面の間、中止としている。

 以上、千葉日報の報道だが、「アルコール消毒をしてハイタッチ」というのは、ファンを感染者扱いする過激な反応だ。

 ファンに「さあ、手を出して。消毒します」。終わった人から「ハイタッチ OK。これからすぐ実行してください」と指示されてするものだろうか。

 ここまで準備されては、交流の感動が湧いて出る場面にならない。

 その点、後半に書かれているサッカーの「ファンサービス対応を当面の間、中止」とアナウンスした方が当を得ており適切だ。選手はハイタッチ以外に感謝の意をいくらでも表現できる。ハイタッチ自制は選手の自発的意思、とした方がファンも納得しやすい。

  

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2020年2月 9日 (日)

春と雪

新古今和歌集より

・春立つこころをよみ侍りける
          摂政太政大臣

みよし野は山もかすみて白雪の
ふりにし里に春は来にけり

・百種歌たてまつりし時、春の歌
           式子内親王

山ふかみ春とも知らぬ松の戸に
たえだえかかる雪の玉水

・五十首歌たてまつりし時
           宮 内 卿

かきくらし猶ふる里の雪のうちに
跡こそ見えね春は来にけり

・         よみ人知らず

風まぜに雪は降りつつしかすがに
霞たなびき春は来にけり

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2020年2月 4日 (火)

立春と天気予報

 きょう24日は「立春」。暦の上ではきょうから春となる。だが、冬であったこれまで、当地は気温が氷点下になったことがなく、氷や積雪にもお目にかかれなかった。過去30年記録にない暖冬だという。

 もともと二十四節季という区別は、太陰暦に基づく中国伝来のもので、春夏秋冬を定義したり気象条件をあてはめたりするものではない。

 しかし、季節の移り変わりに敏感な日本人は、詩歌や挨拶分などで慣れ親しんできた。

 日本気象協会は立春を機に、明日からの天気についてこう解説する。

最高気温は、きのうより低い所が多いでしょう。

北海道は真冬日の所がほとんどで、平年より低い気温で経過するでしょう。東北はきのうより5度ほど低い所が多く、日中も寒さが続きそうです。

北陸や関東は、きのうより低いものの、3月並みの予想です。関東の最高気温は12度前後で、日差しの温もりを感じられるでしょう。

東海から九州、沖縄は、きのうと同じくらいか低い見込みです。日の当たらない所では寒く感じられますが、四国や九州南部では15度くらいまで上がり、ぽかぽか陽気の所もありそうです。

 とても、季節の変化を示す予報にはなっていない。むしろ日本全体が季節の変化に関係がなく、どんなルールも当てはまらないよ、と言っているようだ。

 テレビやネットを通じたお天気情報は非常に豊富になった。中には洗濯の乾かし方や傘の準備、着るものについてまで節介を焼く。

 しかし、かつてラジオしかなかった時代にくらべ、観測網は格段に発達したはずなのに、的中率は下がったように感じる。

 気のせいだろうか。晴れの予報ににわか雨にあったり、雨の予報が快晴だったりすることはよくある。

 気候温暖化のせいにしたくなるが、都道府県単位の予報を電磁情報などをもとに、市町村単位にしてしまうなど媒体間競争のフライングもあるのではないか。

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2020年1月14日 (火)

小正月&小春日和

 明日は小正月である。今日は日差しが暖かく、淡い雲がわずかに浮かぶ「小春日和」といった感じの天気である。

 これを小春日和というと、日本語では間違いで、晩秋から初冬の日和をいうのが正解だ。

 そんなことは、だれが決めるのだろうか。文化庁広報誌「ぶんかる」にこう書いてある。

晩秋から初冬の頃の,穏やかで暖かな天気のことです。「春」という言葉が使われていますが,春の天候ではありません。

 続けて、平成26年度の「国語に関する世論調査」で,「小春日和」の意味を尋ねた結果が載っている。

〔全体〕

(ア)初冬の頃の,穏やかで暖かな天気・・ 51.7

(イ)春先の頃の,穏やかで暖かな天気・・ 41.7

(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・   3.1

(ア)や(イ)とは全く別の意味・・・・   1.8

分からない・・・・・・・・・・・・・・   1.8

 安倍内閣の支持率ではないが、結構せっている。

 年齢別に見ると,30代以上では,本来の意味である(ア)を選択した人の方が多く,特に50代と60代では,他の年代よりもその割合が高くなっており,20代以下の若い年代では,(イ)の方が多く選択されていて、若い年代を中心に,「小春日和」の本来の意味が理解されにくくなっている、という解説になっている。

 そして最後に、

本来は,真冬などには使われなかった言葉ですが,陰暦10月の別名であったことを知らなければ,1月や2月にもたまに訪れる暖かな日に「小春日和」と言ってしまうのも分からないではありません。

と書いてある。塾頭は断然若い方に「一票」入れておく。

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