正式国名考
麻生前総理の外交方針の中に「価値観を共にする」という発想があった。価値観とは、アメリカが主導する自由と民主主義のことであろう。この中には中国や北朝鮮は入っていない。民主主義国ではないという判断だろう。
ところが中国は「人民共和国」、北朝鮮はごていねいに「民主主義人民共和国」というのが、正式国名に加わる。だいたい「共和国」というのは、Republic、公民が話し合って選挙で代表を決める政体を示しているから、それだけで民主主義的という意味だ。
世界の圧倒的多数、ことに新興国は○○共和国がほとんどだ。その「共和国」の前に、人民だとか、社会主義だとか民主をつけたすのは、中味に自信がないからなのだろうか。冷戦中の新興国に多いようだ。また、イスラムを国教とするパキスタン、アフガン、イランは「イスラム共和国」である。
北朝鮮は、フルネームが長すぎるので、韓国と区別する意味からか自らを「共和国」と略称する。ところが、大韓民国の英文表記は、Republic of Korea で北朝鮮の Democratic People's がないと全く同じ、つまり「民国」は「共和国」の意味だから区別にはならない。
中国の場合は、国民党政権時代の「中華民国」に遅れて成立した共産党政権が区別するため「中華人民共和国」と「人民」をわざわざ入れたのだろうか。中国の正統政府を主張するなら入れなかった方がよかったのに、と思う。
共和国の次ぎに多いのが日本のように、何もつけないそのものずばりの正式国名である。また、連邦、連合、合衆国とつくものもある。王国や公国なども20カ国以上ある。その最大のものは、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」という長ったらしい正式名のイギリスである。
さすがに「帝国」を名乗る国はひとつもなくなった。イギリスをのぞくベネルックス3国、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンなどの王公国は、概して平和主導先進国である。石原都知事がネット上で日本の正式国名を募集したところ、「日本皇国」、「大日本帝国」が1位、2位に入ったといって悦に入っている。こういう際に使うのが「品格」という言葉である。
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