憲法

2019年10月23日 (水)

遠のいた竹島問題+即位行事

 前回、尖閣問題で中国と話し合うチャンスをさぐれという文を書いた。領土問題ではあと竹島と北方領土がある。

 韓国が戦後になって李承晩ラインを引いたことにより、島根県の竹島は韓国が実効支配、そのまま続いている。

 この場合も、明治以前は所属がはっきりしていなかったことや、日本が武力を行使して取り返すということもできないため、占有実績を認めざるを得ない。そのかわりに、日本の入会権も確立するというような解決方法を考えたことがある。

 しかし、それはなくなった。徴用工問題、慰安婦問題など話しあって何かを決めても、後であっささりほごにされるような国とは、まともな交渉ができない。

 文政権に大きな転換がなければ、動こうにも動けないという大問題の解決の方が先になった。

 その韓国からも天皇即位祝賀行事に親日家で知られる李洛淵(イナギョン)首相が参加した。

 191の国・機関が参列したということは、世界のほとんどの国が参加したと言っても過言ではない。

 世界は、天皇が平和憲法を国民統合の象徴とする存在であり続けようとしていることと、即位礼がその確認の場になることも知っている。

 その中で日本共産党が欠席し社民党も4議員のうち3人が欠席した。その感覚の鈍さは、これまた世界級である。

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2019年10月21日 (月)

世界の常識と逆の韓国憲法

 徴用工問題に関連して『[新版]世界憲法集、第2版』岩波文庫、より収録。

【スイス連邦憲法】
第193条 全面改正⓸国際法の強硬規範は、侵害してはならない。
第194条 部分改正⓶部分改正は、事項の統一性を保持しなければならず、国際法の強硬規範を侵害してはならない。

【フランス憲法】第54条[違憲の国際協約と憲法の改正] 憲法院が、共和国大統領、首相、いずれか一方の議員の議長または60名の元老院議員の提訴に基づき、国際協約が憲法に反する条項を含むと宣言した場合には、当該国際協約を批准あるいは承認する許可は、憲法を改正した後でなければなしえない。
第55条[条約の法律に対する優位] 正規に批准もしくは承認された協定は、相手国による当該協定もしくは条約の適用を条件に、公布と同時に法律に優位する効力をもつ。

【大韓民国憲法】
附則 第5条[憲法施行当時の法令および条約の効力] この憲法施行当時の法令および条約は、この憲法に違背しない限り、その効力を持続する。

  先輩国の国際法優位が常識となり、日本の憲法では、「国際法規の遵守」と規定するだけですが、韓国憲法は国内法優先のように見えます。

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2019年7月22日 (月)

参院選結果、まあまあだな

 参院選の結果が出た。以下主要政党別議席数の増減である。(yomiurionline)

    (新議席)(公示前)(増減)
   自民    113   123      -10
   公明    28   25   +3
  立民     32   24   +8
  国民     21   23    -2
  共産     13   14    -1
  維新     16   13   +3
  社民     2     2    0

 マスコミの評価は、「自公勝利改選過半数、改憲勢力3分の2届かず」(毎日見出し)である。

 反戦塾の評価は違う。戦後しばらくの間、政治姿勢として「保守反動」という言葉があったが最近は聞かない。今使うとすれば、歴史修正主義者が多い安倍首相周辺の一派をいうのだろう。

 公明党は、立党時から「中道」が党是で、「保守反動」とは距離を置く。自民党の改憲案に同調するどころか、反対しないと党が持たないだろう。わずかであるが3増は大きい。その破壊力は、自民の10減、立民の8増とともに、維新の3増を消して余りある。

 塾頭としては、まあまあの結果である。

   

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2019年6月22日 (土)

戦争と武力行使の差

 今朝のNHKニュースが報ずる。

(前略)トランプ大統領は21日、ツイッターで、イランがアメリカの大型の無人偵察機を撃墜したことの報復として、20日夜に3か所への攻撃を実際に予定していたと明らかにしました。

そして「何人が死ぬかと聞いたら、軍の高官からは150人との回答があったので空爆が始まる10分前にやめさせた。無人偵察機の撃墜とは釣り合いがとれないからだ」と投稿し、150人が死亡する可能性があると聞いて、攻撃のわずか10分前に中止を指示したと明らかにしました。(後略)

 トランプは「戦争をする気はない」とその前に言ったばかりだ。われわれの目から見ると、世界最大の指導力を持つ国の大統領が、どうしてそうころころ変わるのか不思議に見える。

 戦死者の数でやるかやらないかの判断をする。まるで不動産屋のマンション建設の判断入居希望者の予測次第で決めるのと同じじゃないか、と思うのだ。

 しかし、日本の戦前を見るとよくわかる。満州事変も支那事変もそれぞれ鉄道爆破とか末端による偶発的な発砲事件などに対する日本人保護や駐留軍自衛を掲げ、反抗組織の掃討を口実に戦火を拡大させて、建前上は「戦争」でなかったのだ。

 トランプの戦争には反対するが、現地の派遣米軍の軍事行動・武力行使を、必要に応じ立案、実行したり撤回するというのは、日常の作戦計画のひとつで、軍隊の最高指揮官として当然のこと、と言えばその通りだ。宣戦布告と違って議会の承認はいらない。

 つまり、イランの革命防衛隊をテロリスト集団として戦争を仕掛ける準備はできたが、国際的に認められるに至らず、「戦争」と「武力行使」を分けて考えているのだろう。トランプにとっては、イランが挑発に乗って戦争になった方がいいのかも知れないが、イランはその手に乗ってこない。

 そんな使い分けができるのか。わが憲法の9条、章の見出しには「戦争放棄」としか書いてないが、大丈夫。「武力による威嚇又は武力行使」も戦争と同列に置いている。これがあれば、首相案のように自衛隊の存在を9条2項に入れてみたりしても、第一項がある限り海外における米軍との共同作戦が不可能であることがよりはっきりする。

第九条 [戦争の放棄、戦力の不保持・交戦権の否認]日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 自衛隊を憲法に明記し、先島諸島に駐留する自衛隊を増強しても、尖閣列島に上陸を試みようとする中国軍を実力で排除できない。憲法を厳格に解釈すると「国際紛争を解決する手段」とし武力行使はできないことになっている。竹島も北方領土も同様である。漁業権の調整や鉱物資源共同開発などで妥結点を探す交渉に入れるような雰囲気作りをする。それを日本国憲法は求めているのだ。

 ただし、ミサイル防衛システムの充実や領空・領海への侵入監視活動は、自衛のための重要な任務であるというのが、塾頭の考えである。

 

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2019年6月 2日 (日)

こどもにつたえる日本国憲法

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日本国憲法は、人類の歴史からの

私たちへの贈り物であり、

しかも最高傑作だと私は信じています。

日本国憲法の力で、

世界中の問題を解決することができれば、

私たちは人類の歴史に、

まことに大きな贈り物をすることになるのではないでしょうか。

(写真の図書の文末より)

 

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2019年5月 3日 (金)

憲法を使う心

 憲法記念日とは変な日だ。祝日法によると、憲法記念日は、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。」ためとなっている。

 しかるに、今日新聞に載った各党の談話を見ると、自民は改憲一色、公明が評価・礼賛と加憲。立憲が危機的状況の強調だけ。共産・社民は、それに護憲を加える。国民民主は、政府を非難するものの国民投票法にもふれる。維新の会、希望の党は独自の改定案。

 「お祝いの日」からは遠ざかってしまったようだ。

 日本は、憲政始まって以来130年、敗戦で現憲法に全面改定した以外は、一度も中身を変えていない。

 これに比べて韓国は、70年間に6回の大改定を含め9次にわたる憲法改正をしている。現大統領が12代目だから、その都度変更しているようにも見える。日本と違って、改定しやすい条文なのかと思ったが、発議や国民投票など条件は、日本とほぼ同じであった。

 改定は、大統領独裁を制限する中身が多かったようだが、前大統領が罪人になったり自殺したりする頻度も高く、大統領の地位低下は座視できないところまで来ているのではないか。その分だけ議会の権力が目立つようになり、政党間の権力競争も激しくなる。

 行政・立法・司法の三権分立も憲法上他の先進国と同じだ。しかし、こうころころ憲法が変わると、どうしても憲法の重みが軽くなり、立法が強くなる。その分、司法・行政に立法への「忖度」が働くのではないか。文大統領を見ているとそんな気がする。

 議会が力を持つことは、一見民主主義が進むように見える。ところが、選挙民が人の吟味をおこたり、慣習化した投票行動をくり返すようになると弊害が表面化する。

 最近の、韓国政府の日本に対する理不尽な態度も、そんなところからきているような気がする。

 

 

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2019年1月31日 (木)

首相の屁理屈

昨日の国会本会議で、首相は憲法改正をめぐる施政方針に関して次のように見解を述べた。憲法9条への自衛隊明記は「国民のために命を賭して任務を遂行する隊員の正当性を明文化することは国防の根幹に関わる」という理由だ。

1年前も同じよな発言をしている。本塾は自衛隊が敵国を仮想した「軍」という殺人組織を想定し、他の条文から切り離すことが目的だと見ている。命がけの任務なら警察・消防でも同じではないか。現にこれまでに殉職した人数は自衛隊の比ではないだろう。何度も指摘してきたことだ。

どうしても憲法に入れたいのなら、66条の文民統制の「文民」は日本語にないシビリアンの和訳をGHQから押し付けられたものだから、「自衛隊員は……」にでも改めればいい。

素人考えかも知れない。しかし野党は予算委員会などで、こういった素人でもわかる理屈で首相を追いつめることがどうしてできないのか不思議だ。国防・自衛を担保するのは、現行憲法の存在そのものだ。

 

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2018年11月 8日 (木)

「国民投票」に騙されるな

共同通信社がこの夏行った世論調査によると、秋の臨時国会に自民党改憲案を提出したいとする安倍晋三首相の意向に「反対」との回答は49・0%で、「賛成」の36・7%を上回った。また、自民、公明両党の幹部が4日、東京都内で会談し、憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案の今国会での成立を断念し、継続審議とする方針を決めた。

マスコミでは、憲法審を全会一致で運営するという“原則”に沿い法案審議を拒む立憲民主党などに配慮したためだが、野党が抵抗し続ける限り、秋の臨時国会以降も憲法改正議論は停滞を免れないと報じている。

こういったことから、来夏の参院選では改憲が公約として議論されることも遠のいた、と見るのは甘い。政府と違って候補者の発言は自由だ。

現在参院は、自公だけで改憲に必要な3分の2に達しない。「自分が当選しなれれば憲法改正ができなくなる」ぐらいのアピールをする候補者が続出するだろう。

それで改憲勢力が10人ほど増えて161人以上になれば安倍続投となり、安保法案同様に公明党がのめる改憲案づくりを進める。平和志向が強かった創価学会名誉会長の権限移行が進んだ現在、そんなにむつかしいことではない。

前述の楽観論の中に、安倍首相や政府がどう動こうが最後は国民投票だ、そこで投票総数の過半数が得られず安倍改憲案は否決、廃案となるという計算をしてはいけない。

国民には憲法改正条項をしっかりと身につけてもらう必要がある。

第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

国権の最高機関(第四十一条)である国会の議員はもちろん国民の選んだ人達だ。その3分の2以上、つまり大部分の議員が賛成している案に反対投票をするということは、よぼと確信を持った人ならともかく、素朴な有権者にとっては抵抗感が伴う。

それならばなぜ膨大な経費をかけて国民投票にかけるか。それは国民の直接投票で参加意識を持たせることと、国会議員に免罪符を与える役割しかなく、決めたことに国の運命を左右するような権威づけをするためではない。そのいい例がイギリスのEU脱退の国民投票である。

AFP=時事】英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の是非をめぐり、過去最大規模とされる世論調査が実施され、2度目の国民投票が実施された場合には離脱派46%に対して残留派54%になるという結果が5日、発表された。

国民投票を「天の声」視してはいけない。改憲阻止は3分の1以上の議員を選び出すことに全精力をあげるべきだ。それが一番確実かつ容易な方法である。「国民投票」を道具に使おうとしている安倍改憲に騙されないようにしなければならない。

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2018年9月29日 (土)

高い買い物[改憲論④]

反戦塾を名乗っているから自衛隊の装備について無関心というわけにはいきません。護憲をいう人であれば、一応の勉強をしておく必要があります。

今日の新聞によると、来年度からの5か年計画でアメリカからイージス・アショアやステルス戦闘機F3を購入する予定のようです。いずれも新開発した高価格製品でアメリカの言い値をそのまま受け入れることになるでしょう。

イージス・アショアは国内2か所に設置する計画ですが、飛んでくるミサイルを早期に発見し、中間段階で撃ち落とすシステムを持っています。これで相手国本土を攻撃するわけでなく、あくまでも日本のミサイル防衛システムなのだから、自衛隊が持ってはならないということにはなりません。

ただし、中国とロシアは反対しています。日本を攻撃できなくなるからではなく、アメリカとのミサイル戦争を考えた場合、ICNMや核弾頭のバランスが崩れるということでしょう。

日本は、「国の交戦権は、これを認めない」国ですから、それとわかっていても撃ち落とすわけにはいきません。ただ、アメリカは同盟国なので、直ちに知らせることぐらいは可能かもしれませんが、言い値で買うのではなく、共同研究の方にもっと力を入れるべきです。

F35もそうですが、兵器は日進月歩で技術革新が進み、その後兵器も全面的に輸出国に異存らざるを得なくなります。首の根っこをおさえられ、抜け出せなくなれば「属国」です。

次にF35の方ですが、ステルス戦闘機で相手国のレーダー網を突破して爆撃する能力があります。短距離滑走で離陸でき、垂直着陸も可能、つまり航空母艦用じゃあないですか。航空母艦もなく専守防衛のため必要だという理由は全く見当たりません。戦闘機が必要なら国産で十分でしょう。

開発に相当無理をしたためでしょうか、今日の外電でははじめてのF35の墜落事故が報じられています(AFP)。

このような買い物をするのは、首相のいう「そのことが我が国の防衛力強化にとって必要だ」というのはウソで、トランプが26日の記者会見で日本との会談で言ったとされる「現状のような大赤字は望んでいない。もっと買わないとだめだ」と、防衛装備品購入増にいたったいきさつが真相でしょう。

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2018年9月28日 (金)

自衛隊の生い立ち[改憲論③]

自衛隊はいつどのようにして誕生したのでしょうか。GHQによる占領が5年目に入った1950年(昭和25)吉田茂首相のもと、日本の政治もようやく安定期を迎えようとしていました。

しかし、ソ連の赤化攻勢による緊張状態も高まり、日本もその埒外にあるとは言いきれない社会情勢があったのです。前年の夏には国鉄総裁が暗殺されるという下山事件、無人電車が暴走して6人が死亡する三鷹事件、東北本線で列車が転覆し3人の死者を出す松川事件など、意図的に社会を混乱させようとするテロという位置づけになりました。

そして50年6月25日、朝鮮戦争が始まったのです。アメリカ軍は日本駐留部隊を朝鮮半島に出動させることになり、第8軍の全体を朝鮮半島に振り向け、日本における防衛兵力・治安維持兵力が存在しないこととなりました。

アメリカは大勢の家族も残したまま、日本の治安を悪化させるわけにいきません。そこで7月8日、日本政府に対して7万5000人の警察予備隊創設と海上保安庁8000人の増員を指示しました。

内部の敵に備えるためです。大戦後は熱い戦争より、内部工作による政府転覆が主になりました。それは、現在でも続いておりそのほとんどが内戦の様相を呈しています。こうして発足した警察予備隊は、後に保安隊と名を変え、さらに自衛隊となって現在に至ります。

この経緯から考えると、装備が相当近代化したものの、海外侵略を目的にしたものでなければ直ちに憲法違反とは言えません。講和条約が結ばれて、占領軍が在日米軍になり旧安保条約、さらに岸信介元首相が現安保条約へと変えました。

そしてこの間、憲法は一言一句変わっておらず、安保条約もその線をくずしていません。こう見ると自衛隊が集団的自衛権を発動するのは、日本国内およびその周辺と考えるのが精いっぱいでしょう。

前段で「内部の敵」という表現を使いましたが、冷戦が終わった今、日本を外国の支配下に置こうとする勢力や、オーム真理教のような団体が国家を転覆させようとする心配は皆無と言っていいと思います。また、その範囲なら警察隊で対処すべきで、自衛隊のような重装備が必要だとは考えられません。

そのあたりを次回は考えてみたいと思います。

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