経済・政治・国際

2020年1月22日 (水)

立憲民主党のままでいい

 立憲民主党と国民民主党は21日の幹事長会談で、協議を続けてきた党の合流を当面見送ることにした。

 大賛成である。旧・民進党が前原誠司代表と小池都知事の画策で党分裂を招いた際、野党色を鮮明に打ち出す政党として誕生したのが「立憲民主党」である。

 その命名に、当時「よしっ!」と声をあげてしまった。政党名に「立憲」をつけたのは、戦前にあまたあるものの、戦後はない。

 1890年(明治23)1回衆院選には、立憲改進党が46名と第2位をしめたのをはじめ、その前後には立憲〇〇党などと名付ける政党が続出した。

 立憲改進党は1882年、大日本帝国憲法発布に先立って結成されたが、それまでは議会がない「有司専制」の時代だった。伊藤博文らが作った憲法は、ヨーロッパで王制を敷く各国の憲法を参考にしものである。

 君主は、議会の決定を超える権限を持たないという立憲主義を採用したものである。

 国政を担うのは、天皇や天皇を取り巻く公卿たちでなく、また、幕閣や、有力藩閥でもない。所定の手続きで選抜された国会議員がこれにあたり、その責任も負うことになったのだ。

 そこから、既存権力と対峙する「政党」の存在を強調する必要もあり、「立憲」を表に立てることにしたのだろう。

 そういった意味で、安倍自民が唱える、アメリカから押しつけられた憲法などとの憲法軽視の政治をはっきり拒否し、憲法違反に厳正な監視の目をおこたらない態度、これを、新党の柱にしなければならないということから、この命名がふさわしいと感じた。

 野党合同のあいまいさと、ふらつく政治は、決して国民が支持するところでない。合流見直しの決定は正しく、党名変更の必要はしない方がいい。

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2020年1月20日 (月)

進次郎の育児休暇

 タレントのデヴィ夫人が18日、カンテレのトーク番組「胸いっぱいサミット!」に生出演し、小泉進次郎の育休取得に「なぜ政治家が育休?」と異論を唱えた。

 デヴィ夫人は「政治家というのは国家と国民のために働き、自己犠牲を伴っても献身的にするのが政治家と思っております」と前置きし「なぜ政治家が育休なんて?と。育休は奥さんが大変で、お手伝いさんも雇えない人が取るのは分かるけれど」と疑問を呈した。(後略、「デイリースポーツ」1/18・所載

 これまでデヴィ夫人と意見の違いはあってもも一致したことはない。同じようなことをこれまでに書こうとは思っていたが、チャンスがなかった。

 夫人の言うとおりである。その動機に、彼自身が休暇を取ることにより、官僚や一般の勤め人が休暇を取りやすくなるなどという計算があったとすれば、彼の人気を利用した売名行為のほか何ものでもなく、父・元首相の名声を損ねるようなことになる、とは考えなかっただろうか。

 

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2020年1月15日 (水)

政局にならない言葉

 日本共産党大会が久々に開かれ、立憲民主党の枝野氏と国民民主党の玉木氏は党合同について話し合いを進めている。

 このニュースをハラハラ、ドキドキしながら次の展開を注視、期待している国民は、果たしてどれだけいるだろうか。

 3党の協議が成立して野党連合で総選挙に臨んだとしても、「合同」という言葉だけが上滑りし、政権交代に結びつくような結果にならないことがわかっているからだ。

 小池都知事が旗振り役をした前の総選挙では、「若しかすれば」というところまでいったものの、知事自身の国政参加意図があいまいなため、失敗に終わり、民主党分裂という大きな傷口を残してしまった。そのまますんなり元に戻そうとしてももう無理である。

 共産党の方は、中国の覇権主義を、直接名指しはしないものの、綱領に取り上げて正面から批判するという、これまでにない大転換を大会に提示している。

 これは、安倍政権が中国の経済拡張政策に理解を示す動きとは一線を画す、という対抗軸を示したつもりかも知れないが、「覇権主義」という言葉は、ヘゲモニーを中国が意訳した中国語で、これまでは「米ソの覇権主義は日中共同の敵」などという使われ方をしてきた。

 中国は、それを日本共産党から言われるなどとは、思ってもみなかっただろう。

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2019年12月22日 (日)

続・ボーイング大丈夫?

 5日前の17日に「ボーイング、大丈夫?」を書いた。ボーイングの主力旅客機「737MAX」の連続墜落事故や各国からの輸入予約キャンセルなどが相次いで、来月から生産停止を余儀なくされるという内容だ。

 運航再開に必要な当局の承認取得が難航。市場や業界では1月からの生産停止が6カ月以上続くとの見方もある。

 米金融大手は、生産停止が13月期の米国内総生産(GDP)を0.5ポイント程度下押しする可能性があると試算しており、それがさらに伸びる可能性があることなど、共同通信が伝えている。

 21日の夕刊には、さらにそれを追いかけるような記事が載った。

 米航空宇宙大手ボーイングは20日、開発中の新型有人宇宙船スターライナーをフロリダ州のケープカナベラル空軍基地から試験のため無人で打ち上げた。ロケットから正常に分離後、エンジン制御の不具合が発生し、ドッキングを予定した国際宇宙ステーションに到達できず飛行は失敗した。

 ソユーズで経験を積むロシアの水準から、大幅に水をあけられることになる。それでも、ボーイングが倒産するということはなさそうだ。

 日本郵政や電力と同じ構造になっているようだ。

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2019年12月21日 (土)

札束がものをいう

 現職の総理大臣が、検察に逮捕されるような汚職事件が発生する前から、札束を積まれての請託、受託などは、保守党内の常識では珍しいことではなくなっていた。

 新聞の記事で攻撃……されたくらいで、ひるむような政治家がいるわけがなかった。

 「しかし、新聞がガンガン書き立てれば、総理、諸流派も気勢ををそがれてやりにくいのじゃないかな……」

 「無論、その程度の効果はあるだろうが……」

 (中略)「何んといっても現職は強い。実弾(かね)も豊富に用意できる。結局、最後は毎度のとおり、実弾をうちあって他派閥抱き込みの修羅場にならざるをえないのだ(後略)

 古本をなんとなくパラパラっとめくっていたら目に飛び込んだ部分だ。その本は小説で、広瀬仁紀『株価操作』と題されている。

 昨日今日ではない。、大平さんから中曽根さんに首相が交替した、なんと38年も前の初刊、一向に代わり映えのしない世間である。

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2019年12月18日 (水)

蛙のつらに……

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡り、国が当初、売却額と値引きした根拠を開示しなかったのは違法だとして、大阪府豊中市の市議が国に11万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は17日、一部を適法とした1審判決を変更し、全額の賠償を命じた。国が値引きの根拠を非開示にしたことを1審は適法と判断したが、中本敏嗣裁判長は違法と指摘。「値引きの根拠は売却価格と同様に、公表すべき重要な情報だ」として、市議側の主張を全面的に認めた。(中略)

 高裁判決は、売却価格を開示すべきだったとする1審判決を追認。値引きの根拠については、国有財産の適切な管理を求めた財政法上、公表すべきだと指摘した。地下に埋まっているとされた多量のごみに関する情報が開示されても、法人の利益は害されないと判断。情報公開法が定める非開示理由には当たらず、開示しなかった近畿財務局長の決定は違法と結論づけた。(毎日新聞12/18)

 本塾では、当初大阪地検が不起訴を決めた問題に関連して、大阪の司法がこの問題から逃げまくるのではないかと、3月末にやや疑いの目で書いていた。

 冒頭のニュースは、意に反して原告市議側の全面勝訴である。つまり、麻生財政は、違法のもとで遂行されたという断罪が出たのだ。

 これは大ニュースだが、、当局側が控訴すれば最高裁判決まで延び、その判決が高裁差し戻しだったりすればさらに安倍内閣の延命が続く。

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2019年12月17日 (火)

ボーイング、大丈夫?

 子供のころ、雑誌『少年倶楽部』は買わなくとも、小遣いの行方は『飛行少年』『航空少年』という雑誌に向かった。

 目当ての国産軍用機は、「隼」「ゼロ戦」「新指偵」などがカッコいい。米軍機は空襲警報で長距離爆撃機ボーイングB17B29などを知る。

 戦後は、ボーイング727など、夢を運ぶ大量旅客機が花形となった。

 そのボーイング、中型機の737MAXが稀に見る事故続きで、社運にかかわる事態になっている。会社側は否定するが、以下に列記するようなことから、ドルの稼ぎ頭の航空機産業に危機にが及ぶと、トランプの意気消沈は免れなくなるだろう。

 2018年1029 - ジャカルタを離陸直後のライオン・エア610便(B737MAX)が、ジャワ島沖合いに墜落。乗員乗客189人の全員が死亡し、ボーイング737型機における事故での最悪の死者数となった。アメリカ連邦航空局(FAA)は飛行機の空中姿勢の制御に必要な「AOAセンサー」から入力される情報に誤りがあった可能性があると指摘し、運用されている約250機に対して緊急改善通報を出した。

 2019年310 - アディスアベバを離陸したエチオピア航空302便(B737MAX)が、6分後にレーダーから消失した。機体は平地に墜落しており、乗員乗客157人の全員が死亡する大惨事となった。

 中国民用航空局は、エチオピア航空の事故を受けて、中国南方航空、中国東方航空などをはじめとした全ての中国国内の航空会社に、ボーイング737MAX8型機での運航を停止させた。

 EUの欧州航空安全局(EASA)も、欧州空域での同型機の運航を禁止すると発表した。

 インドネシアのフラッグ・キャリアであるガルーダ・インドネシア航空は、エチオピア航空の事故前の時点では737MAX850機発注し、その内1機が既に納入済みだったが、残り49機の発注全てを取り消す措置を取った。

 ボーイングは2度の墜落事故の原因が「いずれも制御システムの誤作動だった」と認める声明を出したが、誤作動したシステムを停止できなかったことが墜落につながった可能性が高まった。

 自社機が墜落事故に巻き込まれたエチオピア航空は、既に納入済みの4(事故機を除く)以外の25機のオーダーを全てキャンセルする予定であると発表し、 インドのジェットエアウェイズが経営破綻したため、225機を発注していたが全機がオーダーキャンセルとなり、また既に納入されていた8機も全て売却となってしまった。

 相次ぐ墜落事故を受けて世界中で運航停止となった新型旅客機「737MAX」について、ボーイングは来年1月から生産を一時停止すると発表。運航再開のめどが立たず、生産計画の見直しを余儀なくされた。

「ボーイング」が悪夢の呼称でなくなる日は、果たして来るのか。

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2019年12月16日 (月)

公明党の出番

 「逼塞(ひっそく)」。この言葉の意味は、広辞苑によればいろいろあるが、冒頭に出てくる最初の意味「八方ふさがりでどうしょうもないこと」につきる。まさに今の日本の政治情勢である。

 過去の歴史に照らしても、経験したことのないような危険な状態にあると言えるだろう。塾頭は窮余の一策、公明党にこの打開を期待する。

公明党はかつて「中道政治」を標榜して政界進出を果たした過去がある。

 野党が一致して、内閣不信任案を提出しても公明党が付いている限りかわせるという与党の算段が通っているのだろう。そうすれば、信任されたことになる、と安倍内閣は高をくくっているし、野党もそこを警戒している。

 ここは、公明党の造反しかない。不信任案に賛成しなくとも、棄権するだけで効果は十分である。公明党は政界再編のリーダーシップを握れることになる。

 山口代表にその度胸があるかどうか。なければ、公明党・創価学会共に凋落の一途をたどることになるだろう。

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2019年12月 5日 (木)

差し控えさせていただきます

 前回の題が「いうに事欠いて――」で、首相の国会答弁の不用意な発言が人権無視になりかねない、としたが、女房役の菅官房長官に支えられている面が多い。

 菅長官らなら、深入り危険と見るや、そのご質問への回答は「差し控えさせていただきます」との逃げ口上があり、その先、立ち入り禁止になってしまう。

 これは官房長官の役どころうまく利用したもので、現内閣はそれに支えられている。

 来年もこのまま内閣が続けば、「差し控えさせていただきます」が、流行語大賞にノミネートされそうだ。

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2019年12月 4日 (水)

言うに事欠いて――

 2日の参院本会議の首相答弁の中で、「桜を見る会」の参加者名簿を裁断した担当者が、身体障碍者であることを明らかにした(下記)。これについて、ツイッターなどで猛烈な反発が出ていることが、今日の毎日新聞に載っている。

「本年の招待者名簿についても、廃棄を行うための大型シュレッダーの予約を422日に行い、その際、シュレッダーの空き状況や担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間等との調整を行った結果、使用予定日が59日となったことから、その予定通り廃棄したものであり、野党議員からの資料要求とは全く無関係であるとの報告を受けております」

 そんなことは野党委員も聞いていないだろう。首相は、裁断を担当者が判断したのではなく、機械的な作業をしただけと言いたかったのかも知りない。

 事務方が用意した答弁書にはなかったのに、聞いていた余計なことを口走ってしまったに違いない。

 「個人情報」だから、とか「個別の細かいことの公表は差し控える」といったことを何度聞かされたか。

 それを越えた、あるまじき軽率、失態発言である。

 公式の席で、タイトルにした「いうに事欠いて」というような発言をする首相を、そのままにしておいていいのか。

 国難ここに至る。日蓮の『立正安国論』が今こそ必要である。

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