経済・政治・国際

2018年12月12日 (水)

立民に必要な理念

今週日曜日のNHK世論調査によれば内閣支持率が先月より5ポイントさがり41%、不支持率はほぼ横ばいの1%増・38%だった。関心を持ったのは変化というほどではないが、調査によってはかつて2桁台だった立憲民主党の支持率が減り続けていたのを、1.4ポイント回復して7.6%としたことである。

もちろん、これは政権をとれる数字ではない。他の政策項目のアンケートを見ても内閣や自民党の政策が支持されているとはいえない。どうして野党第一党に1桁の支持しかないのか。

それは党の「理念」が見えないからである。自民党の理念は「保守」である。これに疑いを持つ人はいない。その極点の存在が安倍首相である。党名の「立憲民主」はりっぼな理念と言えなくもない。

しかし、枝野代表が言うように「リベラルだが保守」では何を言っているのかわからない。公明党も共産党もそれぞれ立党の理念がある。最初の民主党・鳩山首相の普天間基地移転で「すくなくとも県外」は理念であったが押しつぶされた。

菅・元首相の原発ゼロも支持団体連合を前に影が薄くなる。枝野代表の「純血主義」は貫くべくである。そのためには、憲法や外交・内政にわかりやすい政策を掲げ、理念を明確にさせなくてはならない。

政権を担当した時と矛盾した理念であっても、政党が変わったのだから当然だ、という開きなおりも必要だ。

 

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2018年12月 9日 (日)

ヒトラー政権の出現

「どうせ短期の政権」との推測から、右翼勢力と保守支配層が結集、連盟して成立したナチ政権(一九三三年一月三十日)は、宰相ヒトラーの巧みに術策により長期独裁を実現した。(中略)ナチ党幹部の大多数が三十台で占められていたということはまさに驚きという他はない。もちろん五十台、六十台の幹部もわずかにいたが、三十台と四十台が三分の二以上を占めていたのである。

しかもこれらの党幹部のほとんどがナチスの抬頭と同じように、急速に、政治の実権を握った人たち、つまり政治家としてはその大方が素人だったという事実に注目する必要がある。

以上は、大澤武男『ヒトラーとユダヤ人』の記述にあるが、政治家の年代は今から85年も前、平均寿命の伸びから見て10数年の差を考えてもよい。ヨーロッパの混乱、トランプの不見識、そしとて日本の政治の現状と照らし合わせると、同じとは言わないものの、政治の貧困に背筋の寒い思いがしないでもない。

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2018年12月 7日 (金)

パリの騒動

明日12月8日は、日本では太平洋戦争突入の日である。日本が犯した歴史上最大の「失敗の日である」。もっともそれを否定する偏屈坊やも増えているが。

遠く離れたフランスでは8日、エマニュエル・マクロン大統領に対する先月17日以来の抗議運動がさらに輪をかけるような形で予定されている。

パリのエッフェル塔はこの日閉鎖され、警察も市内シャンゼリゼ通りにある店舗やレストランに店を閉めるよう呼び掛けている。美術館十数軒も同様だ。

国の200近くの高校では、さまざまな教育改革に対し生徒が学校を封鎖するなどの抗議運動も発生している。

以上AFPの伝えるところだが、渋谷でハロウィンでバカ騒ぎをする若者を取り締まるのとは次元が違う。「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)」運動と呼ばれる抗議デモは燃料税の引き上げに反対し始まったが、その後マクロン氏の企業寄りの政策や政権運営に対する反政府抗議運動に発展した。極右・極左両方の抗議者がたきつけているものだ。

もちろん戒厳令その他当局は、さまざまな実力でこれを阻止しようと懸命だが、政府は2019年中の燃料税引き上げを全て断念すると表明せざるを得なかった。

花の都パリで今何が起きようとしているのか。現地の雰囲気を知らないので何とも言えないが、フランス革命やギロチンなどの過激な歴史を思い出してしまう。

そんな事態でないと信じたいのだが――。

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2018年12月 6日 (木)

影響力ある女性

 【ニューヨーク時事】米経済誌フォーブスが4日発表した2018年版の「世界で最も影響力のある女性100人」ランキングで、ドイツのメルケル首相が8年連続で首位となった。2位も昨年に続き英国のメイ首相。3位には前年8位のラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事が入った。

 最年長は92歳のエリザベス英女王(23位)、最年少は28歳の米歌手テイラー・スウィフトさん(68位)。一昨年の2位から昨年65位に後退したヒラリー・クリントン元米国務長官は、04年の調査開始以来初めてランク外となった。アジア太平洋地域からは22人が選ばれたが、日本人は昨年と同じくゼロだった。

 何とも残念な結果ですね。日本人ゼロとは。無理やり考えてみたけど小池百合子都知事、安倍昭惠首相夫人、いずれも今年の人ではない。しかもどちらかというとマイナスイメージで終わった。

 メルケルさんは本塾でも何度か取り上げた。引退を表明されていてもなおトップ。ジャンヌダルク以来と言えば大げさだが、見渡しても世界にろくな男性指導者がいないので来年も頑張ってほしい。

 日本も「世界で――」は無理でも、政治でキラ星のような存在感のある女性の出現を期待する。

 

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2018年12月 5日 (水)

雑な師走国会

12月の国会はいつも忙しい。しかし、最近のこれは何だ。そんな法案どうして急ぐの、「そだねー」といえるものはひとつもない。しかも資料の数字はでまかせで野党の指摘に答えられない。

「今国会中に」といって暴走採決。与党内からも批判がでている。

たとえば、水道民営化や、妊婦診察料加算制度なんかだ。後者は体験することがないからおくが、水道などそれを望んでいる県は宮城県1県だけだという。

水道は、検針の人から「今月は多く出てますね。水漏れがないか後で調べましょう」と言われた。民営化されたら上から「売り上げを減らすようなサービスはするな」などと言われかねない。

原発事故の際、許容値内だったが水道水に放射能が検測されたことがあった。数値をごまかすようにことはしないか。営利産業と公共事業にはそれぞれ得失がある。その議論抜きで法案成立をいそぐ――裏には、という悪い癖をつけさせたのは誰でしょう。

 

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2018年11月29日 (木)

ロシアの「一方的」

 最近の日本のマスコミは、クリミア半島をいう時「一方的にロシアに併合された」という前置詞を置く。ロシアと対立するアメリカやE Uを情報源とする報道が多いせいだろう。

事件が起きた当時の報道は違った。現・ポロシェンコ大統領は2014年に親ロシ政策をとったアヤヌコーヴィチ政権を崩壊させたウクライナ反政府デモを発端とするクーデター後に選出された大統領である。

ロシア帝政やソ連支配が長いウクライナもシナイ半島もロシア語を話すロシア人が多い。特にシナイ半島はかつて所管がソ連からウクライナに移管された経緯もあり、圧倒的にロシア色が強い。

クーデターによりロシア語が禁止されるとか、黒海支配の拠点であるロシア軍港がなくなるなどのうわさが立ち、生活基盤が失われることを憂慮した住民投票がロシア帰属を決めた。それをロシアが承認したわけだ。

「一方的」というのは、承認に同調する国が少数にとどまったということだ。「一方的」をいうなら、「北方領土」ロシア領有の方がはるかに一方的だ。4島が過去ソ連領であったことは一度もない。

1855年(安政2年)の日露和親条約で日本領であることが確認されている。それが、さきの大戦で、ソ連の対日参戦を条件に戦後処理として千島列島の帰属をヤルタ会談で定めた。

「戦争に負け、ポツダム宣言を受け入れたのだから仕方ないではないか」という考えもある。それも一理あるが、4島は千島列島に入らないというのが日本側の解釈になっている。

しかも、ソ連は日本敗戦直前に「日ソ不可侵条約」を一方的に破棄し、天皇が8月15日に終戦宣言を放送しているにもかかわらず、28日以降4島に侵攻、日本人を追い払って占領したものだ。

これを一方的といわず、歯舞、色丹の2島返還を先行させて平和条約を結ぶという、ロシアの領有権を黙認してしまうような外交がどうして愛国的といえようか。

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2018年11月16日 (金)

亜も欧も分裂がいい米

中国メディア・東方網は13日、「もし中国、日本、韓国が1つの国になったら、どんなことになるか」とする記事を掲載した。記事は、韓国のあるSNSサイト上に「もし中国、日本、韓国が1つの国になったら、どんなことが起きるのか」という議論から始まったものだ。

国土面積・人口・経済・軍事力そして技術などアメリカを凌駕する最強国になるということなど、数字を入れて説明する。もちろんあり得ない、というお笑いだが、塾頭もチラッとそんなことを考えたことがある。それは、南北朝鮮の対話が始まったころだ。

それには、かつての6か国(日・韓・米・中・ロ・北朝鮮)協議を復活させるのがよい、と思いついたことだ。

日・韓・北が「非核地帯宣言」をする。日本は、建前ではあっても非核3原則(製造せず、所持せず、持ち込ませない)を掲げているし、北が非核武装国になっても南には配備するというという理屈は成り立たない。

米・中・ロの核保有国はそれを担保する形で6か国条約にするというのは、そんなにむつかしいことではないだろう。

しかし、3国を一帯としてくくるのは、旧大日本帝国を想起させるので、韓国が第一同意しないだろう。しかし、それを一番食い止めたいのはトランプだ。世界一を維持するには、日中韓か仲が悪いことが国益にかなうからだ。

そのためには、圧力・懐柔を使い分け、いつものようにツイッターで混乱させても紛争の種を取り除こうとはしないだろう。

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2018年11月12日 (月)

「欧州軍」構想

昨日、「100年目の夢」と題し、第一次大戦終結記念行事いついて最後を「上述の記念式典に70か国の首脳が集まる。トランプがどうのこうのとは言わない。現在向かっている人種差別・軍事的緊張・国粋主義・右傾化傾向などに一石を投ずる機会にならないかという、”はかない”夢を今夜見ることにしよう」でくくった。

残念ながら夢にはならなかったが、今日も関連記事引用で始まる。新聞休刊日なので、時事通信からお借りする。

【パリ時事】マクロン仏大統領は11日放送の米CNNテレビとのインタビューで、「私はツイッターを通じた外交ではなく、直接議論したり質問に答えたりすることを好む」と述べ、重要な外交政策さえもツイッターで発表するトランプ米大統領を暗に批判した。

トランプ氏は9日のパリ到着直後、「マクロン大統領は米国や中国、ロシアから欧州を守るために欧州軍を創設すると提案したが、極めて侮辱的だ」とツイッターで怒りをあらわにした。仏大統領府はこれを受け、欧州軍創設は米国に対抗するためでなく、過度な米国依存の状況を改善しなくてはならないという意味で、トランプ氏は真意を誤解していると釈明に追われた。(以下略)

トランプ大統領のいう「侮辱的」はその通り。そんなのは気にする必要はない。トランプのツイッターの方がはるかに侮辱的なことは誰でも知っている。

「欧州軍」の構想はEUを立ち上げる時からあった。NATOはソ連に対抗する軍事組織として冷戦時代から存在するが、核戦争の危機を避けるための抑止力として機能し、イギリスの発言も重みもあって構想は進展しなかった。

マクロン大統領の発言が「アメリカの力はいらない。ヨーロッパは自分で守る」と聞こえたとすれば、トランプでなくとも侮辱と取るだろう。さらに、EUが、トランプよりプーチンや習近平の方が話が通じるとなれば、アメリカは侮辱どころで済まなくなり孤立はますます深まる。

日本も他人ごとではない。安倍首相に、どこまでそんな事態が想像できるか、聞いてみたいものだ。

 

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2018年11月 7日 (水)

祝・米中間選挙結果

正午のニュースの時間帯に、アメリカの中間選挙下院で野党・民主党が過半数獲得と速報、アメリカの選挙にこんなうれしい思いをしたのは初めてだ。

トランプがこれからどういう政策をとるかまだわからない。留まるところを知らないような世界の右傾化、人種差別、国粋主義、孤立主義などの勢いが、これでそがれるかも知れない。

安倍首相のゆくわが道は、時代遅れ……だとは悟らないだろうなあ。

 

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2018年11月 6日 (火)

人種問題と南アフリカの今

アメリカの中間選挙は今日が投票日、最大の関心は人種別に米国人がどう向きあうかで、世界にもたらすインパクトは計り知れない。日本も「入管難民法」という課題にどう答えを出すか、対応を迫られている。

アパルトヘイトを克服した南アフリカが話題にされることは、このところほとんどなくなった。アフリカ大陸の最南端、スエズ運河ができる前は、西洋から東洋へはここケープタウンを迂回するしかない。古来、交通の要衝だったのだ。したがって開けてはいるが長く白人が支配する国で、原住民はアパルトヘイト、厳しい人種差別のもとに置かれていた。

55年前の今日、1961116日開催の国連総会で、「人種差別やめねば除名」との南アフリカ制裁決議案を採択したが日本は反対に回った。

日本は何故反対したのだろう。日本人は白人ではないにもかかわらず白人であるかのように扱われる名誉白人として認められ、日本は南アフリカ政府や南アフリカ企業と深い繋がりを持つことになったというバックがある。なにか今と変わらないね。

しかし同国が受けた世界からの孤立は深刻で、デ・クラーク大統領は冷戦の終結した1990年代に入ると、アパルトヘイト関連法の廃止、人種主義法の全廃を決定するとの英断を下した。また、同時に1970年代から1980年代にかけて6発の核兵器を密かに製造・配備をしていたが、核拡散防止条約加盟前に全て破棄していたことを1993年に発表した。

そして、19944月に同国史上初の全人種参加の総選挙が実施され、アフリカ民族会議 (ANC) が勝利し、黒人のネルソン・マンデラ議長が大統領に就任した。

混迷の絶えないアフリカ大陸のみならず、人類にとって唯一希望の星になるかと期待されたものの、犯罪の増加・エイズの蔓延など未解決の問題は依然として多く、国連決議の理想は道遠しと言わなくてはならないのが現状だ。

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