経済・政治・国際

2017年4月28日 (金)

米空母急派はなかった?②

 表題の記事を書いたのは今月19日である。空母・カールビンソンがシンガポールを出て日本近海まで北上、すぐにでも作戦が始まるような報道で騒いだのはその一週間前の頃からである。

 

 その空母かスマトラの海峡でインド洋方面に向かっている所を発見されたことを受け、「報道が本当なら世界中が米海軍に適当に踊らされていたことになる。踊ったのはマスコミにも責任があるが、戦争の危機さえはらむ内容を、いいかげんにして見過ごすことはできない」と書いた。

 

 故意に出されたニセ情報を疑ったが、アメリカには、それを覆すだけの土壌がある、という指摘もしておいた。真相はまだ闇の中だが、下記のように米司令官が全責任を認めた。

 

 日本のように首相夫人をかくして、ほとぼりの冷めるのを待つような不明朗さはない。しかし、それにしてもあっさりと真実?を告白し過ぎるようにも思えるのだが。

427 AFP】米太平洋軍のハリー・ハリス(Harry Harris)司令官は26日、北朝鮮情勢が緊迫化する中、米軍が朝鮮半島(Korean Peninsula)に向かわせたとしていた米原子力空母カール・ビンソン(USS Carl Vinson)を中心とする米空母打撃群が一時逆方向に航行していたことをめぐる「混乱」の責任は自分にあると述べた。

 米海軍は今月8日、北朝鮮を抑止するための「慎重を期した措置」として、空母打撃群に「北への航行」を指示したと明らかにしていた。しかし実際はシンガポール沖から南下し、豪海軍との合同演習のためオーストラリアに向かい、その後でようやく北へ向かった。

 米下院の公聴会に出席したハリス司令官は、「今回の混乱については私の誤りだ。その件に関する批判は私が受ける」と述べ、また「私の失敗は、報道機関やメディアにきちんと伝えられなかったことにある。その責任は全て私にある」と語った。

 また、ハリス氏は空母打撃群が現在「フィリピン海(Philippine Sea)の沖縄東方の沖合」を朝鮮半島に向かって航行中であることを明らかにした。(c)AFP

 

 

 

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2017年4月26日 (水)

プーチンの本音

アメリカのトランプ大統領の本音は、湯水のようにわいて出る。しかしプーチンの本音はほとんど聞けないし、ニュースにも出てこない。今日は今村復興相の自意識過剰から出た「東北だからよかった」発言を取り上げようと思ったが、すでにマスコミに情報があふれているので、表題のものに変えた。

 

例により毎日新聞からのものである。ウクライナ問題のきっかけとなった同国の政変やシリア混乱の動機となったアサド大統領糾弾、そしてアラブの春と呼ばれた中東などの例をあげて、権力争いや腐敗の存在をあげている。

 

 塾頭も、かねてその起因が独裁反対の純粋な国民運動というより、権力争いがからんだ謀略や、その影に資金的・軍事的面で支援する単数、もしくは複数の国があるらしいとにらんでいた。

 

プーチンはそれを遠回しに言っているような気がする。これらをひとまとめにした見解を見るのは初めてで、記事全文をコピぺしておく。

  

【モスクワ杉尾直哉】ロシアのプーチン大統領は24日、露上下院議員代表との会合で、政府高官らの汚職を追及する「腐敗との戦い」を国家の主要政策に位置づける考えを示した。その上で「さまざまな山師が『腐敗との戦い』を自分の(政治)目的に利用している」と述べ、反プーチン派の野党勢力による「腐敗批判」を非難した。

 

野党指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏は3月に「メドベージェフ首相が豪邸や豪華ヨットを持ち、腐敗している」との動画映像を公開し、大規模な反政府デモを国内各地で展開した。

 プーチン大統領は、「アラブの春」やウクライナ政変を例に挙げ、「国家転覆を遂行した者たちがどんなスローガンを掲げていたか。腐敗との戦いだ。その結果どうなったか。腐敗が何倍も増大した」と語った。



ニュースサイトで読む: https://mainichi.jp/articles/20170426/ddm/007/030/122000c#csidxdd2d5d0cd376aad9cf327613433db80                              
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2017年4月24日 (月)

マクロン氏優勢

仏大統領選の開票が進んでいる。ロイターが伝える。

 

仏内務省の開票速報によると、2000万票時点ではルペン氏の得票率が24.38%、マクロン氏22.19%、フィヨン氏19.63%、極左候補のメランション氏18.09%だったが、大都市で作業が進むとマクロン氏が逆転。

有権者数4700万人中ほぼすべての4600万票の開票が終了した時点で、マクロン氏23.82%、ルペン氏21.58%、フィヨン氏19.96%、メランション氏19.49%となっている。

これで決選投票確実。マクロン氏は、「私はナショナリストの脅威に立ち向かう愛国者の大統領になりたい」と述べた。

 

“かっこいいー!!”ヽ(´▽`)/

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2017年4月23日 (日)

野党議員総辞職

中川経済産業政務官について不倫というか、重婚まがいの行動まで露見し、職を辞した。党籍剥奪ではすまず、国会議員辞職を求める声がある。

 

このところ金田法相に法務委員会で満足な答弁ができず、官僚をピンチヒッターとして参加させることで議会が混乱したり、学芸員をガンと公言する山本地方創生担当相がでるなど、官邸周辺で国民を唖然とさせるような言動が相次ぐ。

 

れに、安倍首相自身の思い上がり発言もあとを絶たたず、このまま治安維持法の二番煎じのような戦後最悪「テロなんとか法」も、「集団的自衛権容認法」同様強行裁決する構えだ。

 

中川議員の議員辞職勧告もいいが、国会で国民多数の意見をはねのけて釈然としている安倍首相を交代させる能力のない野党議員も存在価値なし。歳費や政党助成金の無駄遣いだ。総辞職すべきではないか。

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2017年4月21日 (金)

大手企業の投資失敗

日本郵政が豪州の大手物流会社買収に絡んで数千億円の損失が出るとか報じられている。また、東芝はアメリカの原子力事業子会社ウエスチングハウス買収による損失で上昇廃止の危機にある。

 

東芝は半導体部門の子会社を売却して、という構想もあるようだが、政府筋から中国には技術流出のおそれがあるので、売らないようにとの圧力がある模様。いずれにしても資本自由化の元でのプロらしからぬ投資失敗である。

 

政治とは深い関係のある両社だ。民間とはいえ、国民の財産に全く無関係とはいいきれず、また、投資に政治の介入がなかったどうか、なんでも疑ってみたくなる癖がついた塾頭である。

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2017年4月17日 (月)

トランプに精神障害

北朝鮮フィーバーはまだ続く。ミサイル発射の失敗、パレードで金正恩背広姿……、こんなことが世界を駆けめぐる大ニュース、どう見ても異常だ。その異常の元は、金正恩とトランプという2人の人物から来ている。

 

ダイヤモンド・オンラインにこんな記事が出た。

トランプ大統領の自己制御がきかない衝動性や精神不安定性に対する懸念が高まっている。きっかけは2月半ばに35人の精神科医らが連名でニューヨーク・タイムズ紙に送った、「トランプ氏は重大な精神不安定性を抱えており、大統領職を安全に務めるのは不可能だ」とする内容の投書だった。

米国精神医学会(APA)は「精神科医が自ら診察していない公的人物の精神状態について意見を述べるのは非倫理的だ」とする規定を設けている。しかし、この投書の後、「危険性について認識しながら、沈黙しているのは逆に倫理に反する」として多くの精神医療の専門家(精神科医、臨床心理学者、ソーシャルワーカーなどを含む)が立ち上がり、トランプ大統領の解任を求める運動に加わっている。彼らが口を揃えて指摘するのは、「現実と空想の区別がつかない妄想症で、サイコパス(反社会性人格障害)の人物が核のボタンを握っていることの怖さ」である。

外国人でも言いにくいことをよくぞ言ってくれた。さすがはアメリカである。北朝鮮なら、金正恩に同じ評価をしたら即刻全員銃殺間違いなしだ。そういった意味で、危機感をあおって置きながら、首相は熊本へ行ったり桜を見る会に出たり、岸田外相は広島へ里帰り、「どうなってんの」のというのが日本。

 

米国精神医学会メンバーには、トランプだけできなく金正恩に続けて日本の首脳にも精神鑑定をお願いしたいところだ。

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2017年4月14日 (金)

戦略的忍耐と謀略的専横

このところの米トランプ大統領が主導するシリア爆撃や北朝鮮に向けた海軍力の集中など、中国に対する有形無形の圧力に対し、習近平主席は「戦略的忍耐」に徹しているといわれる。

 

漢字で示されるこれまでの中国の姿勢は、もっぱら「核心的利益」を「断固」として守るといった表現で示された。政府筋は、同国の軍事費増大や尖閣・南シナ海問題を例示し、中国の「脅威」を説くことに熱心だった。

 

尖閣への主張は根拠がなく、南シナ海の内海化も無謀である。しかし、差し迫った脅威にはならないというのが塾頭の考えである。というのは、スターリンのような独裁政権は排除されたが党支配という社会主義体制が、目的達成のための戦略として採用されているということである。

 

これに対して西欧型議会主義、つまり自由主義陣営の家元を任ずるアメリカの方に「謀略的専横」が多いのは困ったことだ。シリアの化学兵器使用疑惑で、国連安保理が調査団派遣を提案したことに対し、ロシアは拒否権を発動、成立しなかった。理由は、シリア軍への立ち入り調査の権限が含まれていることだ。

 

仮に、シリア軍に書類開示を求め、一部でも断ると「証拠隠しをした」という報告になるだろう。軍の持つ情報をすべて開示するというのは、主権侵害に当たるというのがロシア側の理由だ。

 

ロシアも化学兵器の製造・所持・使用に反対しており、かつてシリアの所有分を撤去させた。それが守られているというアサド側の主張を信用している。また、現地の治安維持は、気に入らなくても国連に議席を持つ現政権が一義的に責任を持つという立場だ。

 

また、塾頭も指摘したが、アメリカは、湾岸戦争の際のクエート大使の娘を使った被害者の自作自演報道をした。またイラク侵攻に使った大量破壊兵器隠匿のニセ情報など、世論操作のための「謀略的専横」が働いたという見方もしている。

 

アメリカの場合、それがあとでバレるのも通弊だ。自由・民主のあかしとでもいいたいのか、至って平然としている。トランプ自身、大統領選にからんロシアにクリントン候補へのサイバー攻撃を働きかけたという疑惑も浮かんでおり、ロシアが知らないわけがない。

 

しかし、戦争や市街地爆撃の口実に使うことは国連憲章違反であり、一度であっても許せない。

 

この謀略的専横は日本にも経験があった。柳条湖満鉄爆破事件に始まる満州事変と満州国独立である。中華民国の提訴と日本の賛成で国際連盟に「リットン調査団」が組織された。

 

鉄道爆破が関東軍の自作自演であると断定され、日本の面目がつぶされた。それで、松岡全権による演説で連盟を脱退し、やがて、太平洋戦争にまで突っ走る。戦略的忍耐は全く働かない。

 

このたび、ロシアが拒否権発動で止めておいてかった。謀略的専横に抗議して連盟脱退などしたら、それこそ第3次世界大戦だ。戦略的忍耐こそもって範となすべきなのだ、と言っておこう。

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2017年4月 8日 (土)

アメリカの火遊び

幼稚といえば幼稚。ブッシュの犯したイラク侵攻と同じようなことをまたアメリカがやっている。今回のシリア軍基地攻撃は拡大しないよう自制が利いているとすれば唯一の救いだが、戦争は本来増殖機能が働くものだ。

 

大戦後の地域紛争はほとんどすべて大国、特に米露の介入や武器援助で拡大したり長引かせたりしている。これに気がついたオバマがユニラテラリズム(単独行動主義)からの脱却を試みたが、トランプは派手にちゃぶ台をひっくり返して見せた。

 

宗教・民族・権力など地域内の紛争に、たとえそれがジェノサイド(集団殺害)に及ぼうとも他国が介入したり武器供与をしたりすべきではないということだ。ブッシュもトランプも「自国の安全のため」というが、テロをこれほど警戒しなければならなくなった原因には、ふたをしたままである。

 

今回の件もイラク同様、「謀略」のにおいがする。アメリカのいうように、アサドがこれを企み、ロシアが支持するという理由が全く成り立たないことだ。

 

現在、イラク情勢はISが後退し、反アサド勢力に対しても優勢になっている現状のもとで、化学兵器を使って住民を殺傷すれば国際世論の反発を受けることになる。

 

シリア・ロシアに不利になるようなことをあえてする必要がないとすれば、米ロ離反をたくらむ背後の勢力(化学兵器を製造または保管できる能力や施設がある勢力)の陰謀と見るのが至当だろう。

 

トランプは、まんまとこれに引っかかった、または「引っかかったふり」をしている。そんなことは、日本政府をのぞけばみんな内心では知っている。習近平さんも、「国内向けプロパガンダだよね」、という顔をしていた。

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2017年4月 2日 (日)

金正男暗殺事件の幕引

 マレーシアにおける金正男暗殺に関連して、その遺体と、事件に関連したと見られる北朝鮮大使館に逃げ込んだ2等書記官や高麗航空職員らを北京経由で送還し、北朝鮮からの出国停止で人質になっていたマレーシア人9人が解放されることで政治決着、実行されていることが報じられている。

 

  これに対して「マレーシアが負けた……」とする見方がある。これまでの両国の激しいつばぜりあい、情報合戦の経緯から、そう感じるのは無理がなく、塾頭も同様に思った。

 

  しかし、外交の落としどころとしては、こんなものかな、という気がしてきた。マレーシアにとっては、弾道ミサイルを向けられ、拉致被害者問題をかかえている日本と違い、危険な隣国ではない。

 

  金正男は、子供連れで東京ディズニーランドへ行くという名目で偽造旅券を持って来日、捕まったという過去もあって日本人にはなじみある顔だ。また金正日の長男でありながら、それもあってか後継者になれず、中国に居留したことなど、本国では知られていないことまで熟知している。

 

  しかし、マレーシアでは、韓国のならともかく、キムチョルという北朝鮮のパスポートを持った男に特別な注意を払っていたとは思えない。当局も事件後、多分韓国諜報機関からの通報でそれを知ったのではないか。

 

  北朝鮮の特務員が自国民を毒殺した、ということでマレーシアに特段の利害関係が生じる訳ではない。最初は、遺体は、同じDNA検体を提供する遺族に渡す、としていたが、それならば金正男の息子でなくとも、金正日の血を引く子孫ならば、キムチョルの遺族のものと称して北朝鮮からでも提供できるわけだ。

 

  マレーシア当局は、殺されたのが金正男であることをDNAがなくとも早い段階で確認していた。そして、死因がVXガスで、実行犯とされる女性の背後に何人かの北朝鮮特務員のいることも証拠をつかんだ。

 

「特段の利害関係が生じる訳ではない」と前述したが、施政権下にある公共施設で起きた殺人事件である。不問に付すことはできない。犯行の背後にあると見られる容疑者は、大使館内にこもった2人をのぞいて、犯行があった直後、直ちに出国、国際手配はしたが逮捕できなかった。

 

大使館には、外交特権があるので手出しができない。可能なことは、出国禁止だけだ。対抗するように北朝鮮でもマレーシア人9人を出国禁止にした。人質と言われる所以である。

 

マレーシアは、想像だが大使館の2人に対し密かに事情聴取を行い、逮捕・起訴をせず国外追放という形をとって、上記のような線で北朝鮮との交渉をまとめたのではなかろうか。

 

かつてイギリスの植民地だった国である。ことをこじらすだけではなく、利口な解決方法と言えよう。反面、北朝鮮は国際間で信頼を大きく傷つけたことだけは確かである。

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2017年3月31日 (金)

右傾化にかげり

昨年末、オーストリアの大統領選で難民の排斥を訴えた極右政党の候補が僅差ながら良識派のファン・デア・ベレン氏に敗退した。もっともヨーロッパらしい国、しかし戦乱の火種になりやすく、早くから欧州統一が唱えられていた国というと、オーストリアを想起する。

 

英国のEU離脱への国民投票、アメリカのトランプ大統領当選などもあって、今年は世界のポピュリズム化が進むという大方の見方にかかわらず、塾頭は、オーストリアの選挙結果を見て、そうはならないのではないかと、年頭に予測した。

 

もちろん、希望的観測である。トランプの選挙予測が逆転したこともある。素人にわかるはずがない。そこへ、この15日に行われたオランダの下院選があって、世論調査では一時首位を占めた極右・自由党は与党に遠く及ばず、ルッテ首相は「今夜オランダは誤ったポピュリズム(大衆迎合主義)にノーを突きつけた」と宣言した。

 

やや自信を得たので、17日付の「欧州は右傾化しない」をアップした。そして今日、毎日新聞のコラム「金言」で客員編集委員の西川恵氏が、同様の動機を上げ「流れが変わった」と言い、それに加えてEU域内の世論動向を数字で補強しているのを見た。素人ではなくプロの見解である。

 

世界平和にとってEUの存在は大きく、解体してほしくない。このように素人の希望的観測や直感が当たればいいのだが、日本の右傾化にも「かげり」が見え始めている。

 

それは、森友学園騒動の大阪府知事と官邸サイドの確執、籠池証人喚問に見る安倍首相の寄付否定断言や籠池氏排除に向けた支離滅裂な言動など、最近の支持率低下も、「かげり」が影響しているのではないかと見ている。

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