経済・政治・国際

2021年3月 3日 (水)

菅政権の正念場

 03/02の衆院予算委員会で、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題を巡り、麻生太郎副総理兼財務相は、情報公開請求に対して、実際には存在している文書を「不存在」として開示しなかったケースが計46件あったことを明らかにした。

 立憲民主党の川内博史氏に対する質疑応答は長いが、その中の一部を引用する。

麻生副総理兼財務相・ご質問のありました情報公開法の違反があったかどうかにつきましては、これは個別事案ごとに慎重に判断されるべきものだと考えておりまして、一概に申し上げることは困難ですが、情報公開法に照らして不適切であったというように考えておるんであって、何に照らして不適切だったかと言われれば、情報公開法に照らして不適切であったというように考えているということであります。

 法に反する行為が政府側にあったことは認めたが、それ以上は「個別事案ごとの判断にふれることを避ける」という口実で答弁をかわした。つまり、モリカケの中身に及ぶ議論はしない、という前提条件を設けたのだ。

 これに対して、公文書偽造を強いられ自殺したと言われる名をあげて、川内議員はさらに追及した。

「それこそお亡くなりになられた赤木(俊夫)さんも浮かばれないというふうに思うんですよ」。

 赤木氏未亡人による訴訟を検察が採択するれば、たちどころに問題になる点だ。真相解明どこまで進むのか。菅政権は、ここでも正念場に一歩近づいたようだ。

 

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2021年3月 1日 (月)

史上まれに見る菅政権

 月が変わり週が変わって、国会予算委員会集中審議も始まった。午前、その模様を見ようとNHKテレビにチャンネルを合わせる。「開会の時刻を過ぎています……」という字幕で無関係な番組が写っている。

 これは、あとで出席予定のあった山田真貴子内閣広報官が、急に「山田氏は入院し、職務を続けることが難しいとのことで、審議に迷惑をかけ、大変申し訳ない」と加藤勝信官房長官陳謝し、開会が30分遅れたためである。

 それまでに、本人や首相は辞任を否定しており、いうことなすこと二転三転の連続していたことはご存じのとおり。

 安倍前首相は、森友加計学園・桜を見る会・公文書偽造問題などもあって満身創痍といった状況の中で辞任した。

 その始末がついてない後継内閣、相次ぐ失態暴露の連続で与党内からも厳しい批判の声が上がっている。

 安倍辞任にも時間がかかったが、現菅内閣の実態や逃げ口上からくらべ安倍の方が「まだ可愛い」という感がしてならない。

 

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2021年2月21日 (日)

大坂なおみで心象アップ

 大坂なおみ、全豪オープン優勝――。ものすごいパワーを世界に発信しました。森喜朗による日本のイメージダウンはこれでアップに転じたと思います。

 そんなに簡単にイメージチェンジするものかと思いますが、これが自由と民主主義国の特権。イメージは心象と訳されますが、現在では即刻映像化され世界に伝播します。

 北朝鮮・ロシア・中国などではそうはいきません。

 心象はトップ独裁者が作り、トップの映像・演説、そして軍隊やミサイルの行進などで表現します。だからイメージ(心象)ではなく、スローガン(標語)と化してインパクトに欠けた時代遅れなものになります。

 それを自然発生的なデモ隊などが補っていますが、心証が伝わりにくく国情が変わるところまでいきません。

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2021年2月10日 (水)

共産圏のトップは誰

 今週はじめから「朝鮮労働党中央委員会総会」が開かれている。同国の最高決議機関は、先月開かれた年1回の「朝鮮労働党大会」である。同党の最高意思決定機関、最高指導機関と定められている全体会議である。

 だが、これは各地区委員会が党員1300人あたり1人の代表から選出した大所帯の会議で、ここで詳細な討議がされ、まとまるわけではない。

 以下のmsnニュースは、北朝鮮国営の朝鮮中央通信が発表した朝鮮労働党中央委員会総会の模様である。これを今回の記事にしたのは、共産圏の政治の仕組みの中では党大会より中央委員会総会の方が権力の中枢にあることを説明する材料にしたいからだ。

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は9日、朝鮮労働党中央委員会総会が8日、開かれたと報じた。金正恩(キムジョンウン)党総書記が総会を指導、1月の党大会で提示された国家経済発展5カ年計画の初年度の課題についての報告を行った。

【説明】金正恩の呼称は他に他国の「大統領」に相当する「国家主席」もあるが、結局父親のあとを継ぐ「党総書記」に落ち着いたようだ。ソ連では「第一書記」などがトップに立ち、中国では習金平が第5代中国共産党中央委員会総書記を名乗っていた。日本で「書記」といえば事務的まとめ役をいう。ところが共産圏では党が人民を指導する原則に立ち、その中枢を中央委員会の書記局が担うということになっている。つまり、権力を独裁できる書記が一番偉いのだ。

 今回の総会では、各部門における今年度の事業計画を審議、決定するという。報告で金総書記は、新型コロナウイルスにおける非常防疫を継続しつつ、経済建設を活発に推し進めて人民により安定し向上した生活を提供するための重要な措置を取る決心と意志を表明。国家経済指導機関が今年の闘争目標を立てる過程で表れた「消極的で保守主義的な傾向」を批判し、金属工業と化学工業に投資を集中することなどに言及した。総会は9日も開かれている模様だ。【ソウル渋江千春】

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2021年2月 2日 (火)

クーデターの限界

 軍隊というものは自らの命をかけて敵と戦います。したがって、規律とか指揮命令には絶対的な権威があり、背反は許されません。

 命令の権限は最高権力者ひとりが握っているのが普通です。昔の日本は天皇、王国では国王、共和国では国民の選挙で勝ち抜いてきた大統領。共産国では、労働者・農民が組織する党の総書記・主席など特定の地位でしょう。

 軍隊が、国家権力の命に従わず、実力をもって権力を奪取するのがクーデターです。

 このところ、ミャンマーのクーデターが大きくマスコミに取り上げられていますが、その前はタイ、そして中東ではエジプトのクーデターが宗教紛争に大きな影響を与えました。

 クーデターでも、民衆のデモが合い次ぎ、一見「革命」と似ているところがありますが、両者ははっきりと区別しておく必要があるでしょう。

 一般に、先進工業社会ではクーデターが稀になってきています。労働組合など権力集団が多岐にわたるようになり、すべて軍事力で掌握することは非常に困難になっているからです。

 ミャンマーのクーデターについて、原因や目的があいまいかつ不可解とする論評が多くなっています。

 「コップの中の争い」というと失礼ですが、前述のような観点から冷静に見ておく必要があるでしょう。

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2021年1月29日 (金)

担当大臣乱発

 菅義偉首相が28日の参院予算委員会で、孤独問題を担当する閣僚に田村憲久厚生労働相を突然、“指名”した。事前の根回しはなかったようで、田村氏は「えっ」と驚きの声を上げた。(以下略)

と産経新聞のウエブに出ている。

 河野太郎氏はこれまで防衛大臣だと思っていたが、このところ行政改革担当大臣、国家公務員制度担当大臣をつとめ、つい最近、新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣になったばかりだ。

 こう次々と新しい名の大臣が生まれると、事前の根回しもなく突然「孤独担当大臣」に任命された本人もびっくり、国民は名前も覚えきれない有様だ。

 担当大臣には「内閣府特命担当大臣」、「内閣の担当大臣」、「無任所大臣」の3種類があるようだがネットを探っても塾頭にはとても理解不能。すべてが首相の頭の中だけにあるようだ。

 国民にとって、政治とか大臣がこんなに遠くへ行ってしまったことがかつてあっただろうか。

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2021年1月25日 (月)

台湾問題は国連で

 中国軍の爆撃機と戦闘機など計28機が23、24日、台湾南西部の防空識別圏に入った。中国軍は近年、台湾周辺での活動を活発化させているが、1日に10機以上は異例の規模。米国務省のプライス報道官は23日、中国による台湾などへの威嚇行為について懸念を示す声明を発表し、台湾への「軍事的、外交的、経済的な圧力の停止を要請する」と強調した。

 バイデン米大統領は台湾重視の姿勢を鮮明にしており、20日の大統領就任式には台湾の蕭美琴(しょうびきん)駐米代表(大使に相当)が1979年の断交以来、初めて正式に招待された。

 米台の接近を警戒する中国は21日、「米台当局によるいかなる形式の往来にも断固、反対する」(外務省の華春瑩(かしゅんえい)報道局長)と強く反発。その後、軍機を台湾の防空識別圏に進入させた。バイデン政権の反応を試すとともに、台湾への支援を控えるよう求める意図があったとみられる。(以下略、毎日新聞1/25、東京朝刊)

 これら中国軍用機の行動や尖閣列島近海の海警船往来は、すべて過去の台湾処理問題が関連している。

 台湾は、第2次大戦の日本敗北で清国から日本が奪った島を中国に返還した。当時の中国は蒋介石総統が支配する「中華民国」で、返還の時点では、蒋介石政権は中国人民解放軍による革命戦争に敗れ、その一部は台湾に逃げ込んだ。

 アメリカは共産軍の渡海追跡を妨害阻止し、国連は台湾以外のほとんどが共産党支配の中華人民共和国となつたため、国連加盟国を同国に切り替える措置をとった。台湾の処遇はその時以来のもので、安全保障理会常任事国である中国にも責任がある。

 これに異議があるならば、軍事行動でなく、国連憲章に則って交渉の場で解決するのが筋ではないか。

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2021年1月23日 (土)

横転寸前の猛スピード

 今年中のオリンピック断念について書いたのは3日前だ。実はそんなことを書いたら猛反発を受けるのではないかと思った。それが、世論調査の結果によるものか、これまで推進の役割を担ってきた人までが断念を云うようになってきた。

4月自爆退陣のシナリオ コロナ禍、東京五輪、衆参補選……を強行突破する”大博打”

 これは『サンデー毎日』電子版が今日掲げたタイトルだ。

 政治社会の動きは急だといっても、こんな猛スピードを見ることは珍しい。

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2021年1月22日 (金)

自民党内野党の活躍

 毎日新聞21/1/22によると、自民党内の「脱原発派」が菅内間のもと存在感を高めている。昨年末には首相に近い若手議員・秋本真利衆院議員が「原発のない国へ」と銘打った書籍を出版。有力閣僚の河野太郎行革相も脱原発を後押しする構えで、党内「少数派」から変容しつつある。

 菅首相は1月18日の施政方針演説で、2050年までの温室効果ガス排出量の実質ゼロに向け、35年までに新車販売で電動車100%を実現すると表明。「成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力する」とし、「積極的に温暖化対策を行うことが大きな成長につながる」と訴えた。

 これに反して立民党の動きが至って不可解だ。労働組合や、原発をかかえる地元の支持に配慮してか「原発ゼロ」には口が重い。

 支持率が鈍いのは、そういった体質が起因して、野党第1党として政権を預けるわけにいかなと見限られているからだ。

 原発ゼロだけではない。地球温暖化ガスゼロを目指す上でも、自民党に期待した方が早いという判断を国民がするのは当然だということを自覚してほしい。

 国会の討論が低調に終わるのも、これらが関連していると言えそうだ。また、そういった自覚が立民党内に乏しいということも致命的だ。

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2021年1月 9日 (土)

米中対立は言葉の太平洋戦争

 内外の外交問題専門家は、このところアメリカの大統領交代で、中国の対米強硬姿勢に変化が現れるのではないかという観測をしている

(JBpress)。

 その兆しは、バイデン氏が日本などアジア諸国の首脳との一連の電話会談で、インド太平洋のあり方についてトランプ政権時代の「自由で開かれた」という政策目標を排し、「安全で繁栄した」との表現に変えたことに表れているという。

 「自由で開かれた」は日本が主導して、というような意見も昨年末にかけて多く聞かれた言葉だ。その違いはなんだろう。

 「自由」は自由主義陣営主導を意味すると取られ、中国の反民主的なシステムに反対する意図が明白なのに対して、中国を念頭においての「安全で繁栄」という用語は、中国に対してソフトで融和的な政策を意味することになる。独裁でも「安全」や「繁栄」は得られるわけであり、反中の意図が希薄になるのだ。

 しかし、ことはそんなに簡単に進むかどうかわからない。

 8日 のTBSニュースによると、アメリカ国連代表部は7日、クラフト国連大使が13日から15日の日程で台湾の台北を訪問する予定だと発表した。滞在中、クラフト大使は、台湾の高官や外交関係者らと会談するほか、14日には、外交部の傘下にある研究機関で、「台湾の国際機関への参加」などをテーマに演説を行うということだ。

 これはトランプ大統領指示によるものとは言え、いたく中国を刺激するはずだ。両大統領による言葉の変化をどう把握するのか、中国の反応を注目し続けなければならない。

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