経済・政治・国際

2018年1月16日 (火)

立民党は何もしなくていいのか

 民進党と希望の党が統一会派をとか、立憲民主党まで含めた野党でとか、議論をしている。しかし、同党結党の経緯や選挙民から予想を超える支持を得たことなどから、今の毅然とした姿勢を崩してはならない。

 原発維持にこだわる連合の一部労組に対しても政策に反するような要求や組織内候補受け入れを断るべきだ。だから孤高を保っていればいいというわけではない。リベラルの輪を拡げ、核禁止などに弾みをつけるため、党派を超えた元首相などとの連携を模索すべきだということはすでに書いた。

 共産党・社民党などの共闘路線を続けるのはいいが、憲法問題などでは、公明党と話し合えないほど距離があるとは思えない。自衛隊の扱い、外交などに共通点があるのか対立するのか、双方とも不明確のままである。

 このあたりに、国民が本当に望んでいる線がありそうだ。憲法・安保問題では安倍首相への支持が低いのに、内閣支持だけは最近支持が増えているという逆転現象を突き詰める上でも、公明党との政策論争を避けるべきではない。

 何もしなくていいでは、当初の躍動感が薄れ、やがてじり貧状態を免れなくなるだろう。

 

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2018年1月13日 (土)

トランプの肥だめ発言

11日、ホワイトハウスで開いた上院議員との非公開会合で、トランプ大統領が移民を「肥だめのような国から来た人たち」と下品な言葉で中傷したという。これはひどい。アメリカは、ホワイトハウスに猛毒入り肥だめを平然と置いているようなもの。

このまま、議会が動かないようなら、国連で非難決議を採択すべきだ。無責任な巷間の雑談ではない。また「肥だめ」を「言論」と擁護できる人がいれば、聞いてみたい。

トランプ自身は否定しているようだが、報道した複数のメディアがフェク・ニュースを流したというなら、名誉毀損訴訟で決着をつけなければならない。

それができないようなら、USAそのものが「肥だめ」と断じざるを得なくなる。

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2018年1月 8日 (月)

金持ち喧嘩せず…が

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 毎日新聞(1/8・東京)国際面のトップがサウジとトランプ大統領だ。サウジはムハンド皇太子独裁指向の中で「王子11人拘束」、トランプでは「精神状態懸念の声に反論」という見出しがついている。

両人とも世界指折りの大金持ちだ。そして国の豊かさも他の追随を許さない。それがこのところ北朝鮮やイランなどをめぐって戦争一歩手前の大喧嘩だ。常軌を逸している双方の、「狂ったのではないか」と疑われるような記事を並べたのはできすぎだろう。

50年前からサウジは眠れる獅子だった。あふれかえるオイル利権は、何百人もいる王子に分配された。現金化して外国に投資し、金利がつくとイスラムのタブーにふれるので、スンニ派原理主義への寄付に回った。

国民が住む高級マンションを造っても、人口の多数を占める遊牧民・ベトウインは定着を嫌って砂漠での生活を尊重する。石油関連会社に勤務し「毎日同じ場所で計器とにらめっこ」などまっぴらだ。それならタクシーの運転手の方がまだいいという。

そういう仕事は、周辺国の出稼ぎ労働者のテリトリーだった。ところが最近は国民の70%が公務員だという。王子たちのように有閑階層をなすのか、同じ場所に定着しないような職場をふやしたのか、そのところは分からない。とにかく国民の間にも大きな変化があるのだろう。

収入が減り始めると、政権は国際緊張を高めて民意の支持を維持することを考える。これは各国共通だが、資本主義の大本締めアメリカと、イスラム教徒の大部分を占めるスンニ派に影響力を持つサウジとなると、事は重大だ。

「金持ち喧嘩せず」は、近々通用しなくなる。そうならないよう、日本にできることは何だろう。

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2017年12月 3日 (日)

いつまで続くウソつき政府

1128日 のエントリーは「日本語が無くなった政治」である。ここでは、国会の委員会討議で交わされている言葉は「委員会用語」というか、全く日本語になっていない奇妙なやりとりに時間を費やしており、野党もそのペースにはまっている、と書いた。

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 モリ、カケ論争は政府、そして自民党が言うように、そのこと自体は日本を左右するような中味ではない。塾頭もそれを認める。しかし、問題なのは、国民の前で官僚や官邸が平然とウソをつくということを許してしまうことである。

国民の大多数が選んだ与党に支持されている安倍首相だから、それでいいんだ――で済まされますか――。(`ヘ´)

写真は、毎日新聞からのものであるが、政府は音声データの存在を認めざるを得なかった。先の通常国会で財務省理財局長だった佐川宣寿は、売却に際し「価格を示したことはない」と答弁、逃げ切った。その後、功績を認められて国税局長官に栄転している。

それと、今回暴露された音声データの矛盾を(11/2730)予算委員会で追求されると、太田充理財局長は「会話の一部が切り取られたものだ」と反論、さらに「金額のやりとりがあったらお詫びする」とする一方、「金額」に言及しただけで「売却価格」は伝えていない、と答弁した。

この詭弁、詭弁にすらなっていない。「ウソ」をウソでなくしてしまう。日本の最高機関・国会でこんな日本語が通用するようでは、それこそ「日本死ね」である。

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2017年11月28日 (火)

日本語が無くなった政治

国会で委員会審議が始まった。期待はしていないものの「それでも何か飛び出すのではないか」と、一応はテレビをつけてみる。ただし、延々と続く与党質問は、時間の無駄だから別のことをする。

昨日、つくづく感じたのだが、審議は「委員会用語」で占領され、討論のための日本語になっていない。昔の代議士は、演説で磨いた寸鉄人を射る名言で政治に緊張をもたらした。

野党の質問にしても、相手の首相を意識してか日本語としてこなれていない敬語の使い過ぎである。主権者である国民が、公務員である為政者にただすという立場からの会話、議論になっていない。

森友学園問題で、国有地売り渡し価格算定で、会計検査院から合理性を欠くという報告書が出て、政府・首相のこれまでの「適正に処理」という答弁を繰り返したことについて「謝罪はないのか」という質問に、首相は「省庁の報告に従って答弁した」と言い逃れた。

一般庶民なら、役所の言うことならまちがいはないだろう、と思う。しかし、おかしいと思えば、納得のゆくように説明を求める。

首相は国民から付託を受けて官僚を管理監督する最高責任者だ。その不正報告をたださず、上記のようにいいのがれたことで矛を収める。首相の早口で的をそらした答弁と、野党の、通常人が交わすような日本語ではない質問、そして委員会用語によるセレモニー消化では、安倍一強を崩すことができない。

与野党を問わず、このままの政治が続けば、本当に日本はだめになる。

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2017年11月27日 (月)

市川市長選挙やりなおし

昨日26日に実施された市川市長選挙で、全国で6例目となる珍現象が起きた。選挙のやり直しである。その再選挙は年が明けてからになる。

政党推薦を受けているのは、村越氏の民進、共産、自由、社民、市民ネットからなる事実上の野党共闘候補と、自民推薦の坂下氏だけである。2人の差は384票。村越氏が当選するためにはあと1661票多ければよかったことになる。

東京都に隣接するだけに、仮に衆院選の「希望の党」がまともに成功していれば猛烈な小池旋風が吹いただろう。やりなおしは多分無かったに違いない。やり直し選挙でも多分今回と同じ候補がでてきそうだ。最下位を除いて得票数の差は多くない。

来年になると、村越氏の推薦が民進党から立憲民主党になるかどうかも関心がある。政党組織としては、野田元首相の地盤に近く民進党千葉も、野田氏と同じ会派の花斉会所属で、松下政経塾出身の長浜博行氏が握っている。その帰趨次第で再選挙結果に影響が及ぶかも知れない。

いずれにしても、中央政界の動向から目が離せないのである。

【千葉日報オンライン】

任期満了に伴う市川市長選の投開票が26日行われ、立候補した5候補が法定得票数である有効投票総数の4分の1に届かず、公選法に基づき再選挙が実施されることになった。

 同市長選はいずれも無所属新人で、元衆院議員の村越祐民氏(43)=民進、共産、自由、社民、市民ネット推薦、元市議の高橋亮平氏(41)、元県議の小泉文人氏(44)、前県議の坂下茂樹氏(43)=自民推薦、元衆院議員の田中甲氏(60)の5人が立候補。

 2期8年務めた大久保博市長(68)引退後の市政を巡り、待機児童対策をはじめとする子育て支援の強化やゴミ収集回数の見直しなどによる市民生活の利便性向上を掲げ、激しい舌戦を繰り広げていた。

 市長選の投票率は30・76%で、現新一騎討ちとなった前回市長選の21・71%を9・05ポイント上回った。当日有権者数は39万3815人(男19万9773人、女19万4042人)。

 再選挙は、2週間の異議申し出期間の後、50日以内に行われる。今回の5人以外も立候補できる。この規定での首長選再選挙は2003年の札幌市、07年の宮城県加美町、17年の鹿児島県西之表市など6例目。

 ◆市川市長選挙(選管確定)

1 村越 ひろたみ 28,109

2 高橋 りょうへい 20,338

3 小泉 文人 16,778

4 坂下 しげき 27,725

5 田中 甲 26,128

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2017年11月22日 (水)

政党隠し横行

東京都に隣接する千葉県市川市では、4日後の26日に市長選と市議補欠戦挙が行われる。いずれも1人だけを選ぶ選挙である。衆院選でも選挙区で当選するのは1人だけで、これが、自民党から国民の支持以上の当選者を出してしまうからくりである。

同市の市長立候補者は5人。市議が6人であるが、いずれも無所属とする中、政党推薦を掲げているのは、市長・市議それぞれに自民推薦が1人いるだけである。

あとは公報の経歴などで調べると、市長候補では自民党所属とする人が1人いて推薦候補と相打ちになる。ほかに、かつて民主党議員だった人1人。それ以外は明記がない。それでも5人のうち1人をのぞけば、どうやら名は聞いたことがある。

元民主党議員は、共産党の支援を受けていることがわかっているが、全く表に出さない。民進・立憲も、体制が整わないせいか隠れたまま。同じようなことは自民推薦に公明が付いているかも知れないが、それも表に出てこない。

表に出すと、自民以外では票が増えるより逃げることの方を心配しているように見える。市議選では自民推薦とする人を含め、全員知らない人ばかりだ。似たような公約だけでは選びようがない。

何人かが当選する選挙なら、所属政党を判断基準としたがそれもできない。中央政界の病弊がここにも及んでいる。自民がこけるのを待っているようではだめだ。学生・労働者などを含めた市民運動の復活を夢見るしかない。

 

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2017年11月21日 (火)

王子独裁に世界混乱

北朝鮮とサウジアラビアである。共通点は不思議なほど多い。絶対権力者の子孫が30台で独裁的権力をふるい、世界戦争に発展しかねない状況を作り出している。その危険度はサウジアラビアの方が大きい。

共通するのは、権力を脅かす恐れがある親族の暗殺・逮捕・拷問や不正摘発を理由とする粛正などによる恐怖政治。敵国を作り緊張をぎりぎり高めること。東西対立や大国依存とは無関係のことである。

20日付毎日新聞は伝える。

拘束中の王子らを虐待か 拷問や自殺未遂情報も

 【カイロ篠田航一】現職閣僚や王族ら200人以上が汚職容疑で拘束されたサウジアラビアで、拘束中の王子らが虐待を受けている疑惑が浮上している。米紙ニューヨーク・タイムズや中東のニュースサイトなどが伝えた。虐待が事実とすれば、「次期国王」と目され、政敵の粛清を強行するムハンマド皇太子(32)の手法に批判が高まる可能性がある。

 報道によると、拘束者のうち17人が虐待されて治療を受け、このうち王子は6人。故アブドラ前国王の息子で、一時は次期国王候補に挙げられた王子のムトイブ前国家警備相も拷問を受けたという。また、自殺を図った王子もいる模様だ。

 サウジでは高齢のサルマン国王(81)から実子のムハンマド皇太子への権力移譲が進み、皇太子は国防相、経済開発評議会議長も兼任する。国家警備相だったムトイブ王子の拘束・解任により、国軍と並ぶ軍事組織の国家警備隊を長年率いてきたアブドラ家の「利権」も崩れ、サルマン家への権力集中が進んでいる。

 サウジ司法当局は9日、高官らの数十年にわたる収賄や横領で1000億ドル(約11兆2000億円)が流用されたと発表。拘束者は銀行口座を凍結され、首都リヤドの高級ホテルに監禁されている。政府は拘束者の氏名や容疑の詳細を公表していない。だが、中東メディアによると、世界的大富豪の投資家アルワリード・ビンタラール王子、2001年の米同時多発テロの首謀者である国際テロ組織アルカイダの故ウサマ・ビンラディン容疑者の兄で、サウジ建設大手ビンラディン・グループの実業家バクル・ビンラディン氏も拘束されたという。

 王族が統治するサウジで、王族利権にメスを入れる大規模な捜査は異例。産油国サウジは近年の原油価格低迷で経済的な打撃を受けており、拘束劇の背景には、大富豪の多額の資産を没収する目的があるとの観測も広がっている。

また、北朝鮮については次のようだ。

[中央日報/中央日報日本語版11/21]

 北朝鮮の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)総政治局長と金元弘(キム・ウォンホン)第1副局長が処罰されたという諜報を入手したと、国家情報院が20日明らかにした。

 国家情報院はこの日、国会情報委員会業務報告で「崔竜海(チェ・ヨンヘ)労働党副委員長の主導の下、党組織指導部が総政治局の党に対する態度を問題視して総政治局を制裁した。過去20年間で初めてのこと」と述べ、このように明らかにした。

 20年前の1997年、金正日(キム・ジョンイル)総書記が金日成(キム・イルソン)主席(94年)死去後に権力基盤を抑えるため、徐寛熙(ソ・グァンヒ)労働党農業担当書記を公開銃殺するなど3年間に2万5000人を除去し、総政治局も巻き込まれた。しかしその後、軍総政治局は無風地帯だった。

 さらに黄炳瑞局長は北朝鮮軍内序列1位であり一時は権力序列2位と評価されてきた。金元弘副局長は昨年末、韓国の国家情報院長に該当する国家安全保衛相に任命されたが降格した後、総政治局第1副局長を務めてきた。

北朝鮮の方は、中国からの接触もあって、ICBMなど次の国際的エスカレーションを控えているように見えるがサウジの方は不透明なことが多い。その最大のものは、サウジを宗教上で差配してきたワッハーブ派の動きだ。

スンニ派の盟主に位置づけられていたサウジは、ワッハーブ派のイスラム原理主義に近い厳格な協議が王家の支えとなっていた一方、シーア派に対しても国内の聖地巡礼に便宜をはかるなどイスラム全体への配慮があった。

王制は社会の近代化とは縁のない、イスラムの理想郷のような平和を維持することができた。これは「ムスリムに対する神の恩恵である石油」に支えられていた。多数の王族は、石油利権を配当され、イスラムの教義に従って、それの多くを貧しい人、イスラムを守る戦いに喜捨する義務があった。

アメリカの同時多発テロ、9・11の張本人とされるウサマ・ビンラディンは、湾岸戦争の際、サウジ本土に米兵が駐留し、女性兵士がイスラムの掟を無視した服装で車を町に走らせたことに憤慨して起こしたとされている。

そのサウジか、考えられないような変貌を遂げようとしているのだ。イラクとシリアがISとかクルド族反政府勢力ズタズタになったため、アラブの中ではエジプトとサウジに大国としての影響力があった。

中東紛争の発端は、イスラエルとパレスチナの抗争であり、ユダヤ教とイスラムの対立であった。エジプトはムスリムの代表格でイスラエルと戦ったが勝利できず和解の道を歩んだ。サウジも当然ムスリムの立場に立ち、OPECを中心に原油輸出規制を武器に石油危機でイスラエル支援を牽制した。

その後も、サウジ・王族やカタールなどは、相手を問わず反イスラム勢力への資金供給を続けていた。サウジの場合、ISは、王族や国家を認めない立場なので、空爆など有志連合に加わっていたが、個人的な喜捨が無かったとは言い切れないような気がする。

一方にシーア派のイランがありイラク・シリアのIS追放に力を発揮している。サウジとしては、ペルシア湾を隔てて、異なる教義を信奉する妥協の余地のない宿敵だ。そのシーア派は、イスラエルと国境を接するレバノンで「ヒズボラ」という反・イスラエル武装勢力を支援しており、イスラエルにとって今や最も警戒しなければ相手だ。

アメリカは、イスラエルとユダヤ教徒を通じて親密な関係にある。従ってイランがイスラエルに対抗上核開発をすることに猛反発し、これを阻止することに懸命である。イランは北朝鮮のようにアメリカを攻撃するなどとは言っていない。

石油価格が低迷しているといっても、アメリカは石油メジャーズを通じてサウジに最大の利権基盤があり、手放すことはできないだろう。冒頭のサウジ内部の権力基盤の激動は、複雑な中東情勢にどう影響を与えるか予測もつかない。

北朝鮮もサウジも、粛正の対象になることをおそれたクーデターが何時起きてもいい状態だ。仮に独裁が暴走し始めるとナチスのように世界を戦乱に陥れる危険もある。日本政府にどこまでそれに備える準備があるか、心許ない。

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2017年11月15日 (水)

小池劇場は悲劇の幕引

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあると信じた前原誠二前・民進党代表だが、小池都知事の「排除します」発言で仲間の多くを失い、希望の党の谷底でようやく一議員として拾われた。

 

 

都知事選で小池側につき、自民を捨てた若狭勝前議員は、国政への展開を目論んだ希望の星だと思ったら、今度の選挙で知事からリセットされ、希望の党・立候補は想定外の下位落選の憂き目。

 

希望の党は衆院の半数を超える候補者を立てたが、希望から排除された立憲民主党を下回る大敗北で終わった。小池代表は、いま頃になって「国政から身を引き都政に専念する」と宣言、小池の人気を当てにしていた同党議員も分裂の危機にある。

 

小池国政進出の野望は潰え去り、死屍累々の光景が広がっている。都会議員からはすでに複数の離党者を出し、直近の葛飾区議戦では5人中4人が落選した。もはや、小池劇場が再開することはないだろう。

 

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2017年11月 6日 (月)

トランプ・安倍、どっちが賢い

アメリカの大統領トランプ氏が初来日、横田基地から霞ヶ関カントリーにヘリで直行。「国難」をよそに、まずお遊びだ。安倍首相が一番アピールしたいのは、北朝鮮への圧力強化だろうが、訪問5か国のうち、話し合い抜きで圧力強化を言うのは、多分日本だけになりそう。

アメリカの新聞に載った政治漫画だろう。トランプが車の後部座席から身を乗り出して、必死で運転する安倍首相の耳もとにハンディ・スピーカーを向け、指示する絵柄をテレビが映し出した。

ASEANでは、加盟各国の話に耳を貸さず、アメリカの言いなり、または子分のような動きしかしない日本に批判があった。どうやら、今はこれが国際的評価として定着したようだ。

ただ、ここで不思議なのは、韓国の首都ソウルは38度線から80キロほどの至近距離にある。原爆を使わなくても北がいうように「火の海」にすることは容易だろう。ところが日本のように大騒ぎしている様子は見えない。

文大統領は、北との緊張緩和を唱えて選挙に勝った。国連で決めた制裁決議には賛成するが、北の核開発が韓国攻撃のためとは思っていない。同じ民族に核兵器を使用し、未来永劫に恨みを残すようなことはしないはずだ、という一種の安心感と、口には出せないが、朝鮮民族として核保有国となるのは悪くない、という潜在意識もあるのではないか。

文政権は、日米韓の軍事協力を否定はしないが、安倍首相と違って明らかに乗り気ではない。一時、米国と共同でTHAAD(週末高々度ミサイル防衛システム)を配備することに、中国が防衛を脅かすという理由で韓国に猛反発し、その影響で中国人の観光客が激減するといった現象もあった。

それが、アジア太平洋経済協力会議(APEC)が10日、11日にベトナムで開かれるのを機会に韓・中首脳会談をすることになり、両国間の関係改善合意を目指すことになった。その協議の内容が中・韓両政府の発表文で明らかなっている(11/1毎日新聞)。

中国側が自ら示した立場、米国のミサイル防衛(MD)体系構築②THAADの追加配備日米韓軍事協力についての懸念に対し、10月30日の韓国国会で康外相が次のように明言した。

は米国のMD体系に参加しない。は追加配備の計画がない。については「北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する抑止力強化の範囲で進め、軍事同盟には発展させない」というもので、集団的自衛権に前のめりの安倍首相の考えとは相当違う。

ここまで書いたところへ、別のニュースも入ってきた。

「日本は同盟国ではない」韓国大統領

【ソウル共同】韓国の連合ニュースは5日、9月の米ニューヨークでの日米首脳会談の際、韓国の文在寅大統領が「米国と韓国は(軍事)同盟を結んでいるが、日本は同盟相手国ではない」と発言したと報じた。韓国大統領高官の話として伝えた。トランプ大統領は「理解する」と応じたという。(以下略「毎日新聞」11/6)

なぜ、トランプが東京到着当日になってこの話が突然リークされたか。その意義まで新聞は語っていない。またこれからも解析しない可能性がある。韓国が「反日だから」という単眼視が日本では有力だろう。

文大統領がそうである理由も必然性もない。韓国・北朝鮮・中国の内情や意図に対する安倍内閣のあまりにも無頓着で、米国の意を迎えることしか考えていないことに異議をさしておきたいという一心だろう。

このあと、関係各国を歴訪するトランプ大統領はどのようなレスポンスを見せるだろうか。トランプ大統領は、今米国内で騒ぎが大きくなっているロシアとの内通問題や、国内テロ事件などで、アジア問題はそっちのけという状態のようだ。

北とアメリカの確執より、北と中国の間の方が緊迫しているということは先月「ここまで来た北朝鮮問題」で書いたが、先回の水爆地下実験で起きた山崩れは、放射性物質漏れの恐れがある、と中国の研究者が警告している。

北と中国の関係も、日本では深層を突く報道がすくなく、政治家も単細胞思考から抜けきれない。今回のトランプのアジア歴訪結果は、大きな関心をもって見守るべきだろう。

北朝鮮はすでに核・ミサイルの開発は完成に近いと考えている。トランプとの幼稚さを競う言葉のゲームをいつ収束し、どういう形でより優位な交渉に持っていくかをさぐっている時期だ。

依然として、冷戦思考しか浮かばない安倍首相基調の周回遅れ外交は、世界の目から見てどう写るのだろうか。

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