経済・政治・国際

2019年7月16日 (火)

トランプが危険なワケ

【NHKニュース、7/16】

(前略)アメリカのトランプ大統領は、みずからに批判的な野党 民主党の移民系の女性議員などを念頭に、ツイッターで「世界最悪の国から来てアメリカ政府はこうすべきと語っている。国に帰ってはどうか」と投稿しました。これに対し民主党からは「人種差別だ」と批判が相次いでいます。

議員の具体的な名前は挙げていませんが、アメリカのメディアは、トランプ大統領に批判的なオカシオコルテス氏やパレスチナ系のタリブ氏、ソマリア出身のオマル氏といった非白人の移民系などの女性議員を念頭に置いた発言だと伝えています。

この投稿に対し民主党からは、ペロシ下院議長がツイッターに「トランプ大統領の『アメリカを再び偉大に』という計画は、再び白人の国にするということだ」と投稿するなど「人種差別だ」という批判が相次いでいます。

しかしトランプ大統領は15日も記者団に「アメリカが嫌いで、不満があるなら出て行けばいい」と述べ、みずからの主張を繰り返しました。

トランプ大統領は14日、ツイッターに「民主党の『急進的な』女性議員たちは、世界最悪の国から来て、地球上で最も偉大で強力なアメリカの国民に対して政府はこうすべきと語っている。国に帰ってはどうか」などと投稿しました。(後略)

 何というひどい発言。アメリカの独立宣言には、「すべて人は、平等に造られ造物主により、生命、自由及び幸福の追求を含む、奪うことのできない一定の権利を与えられている」とある。

合衆国市民の選挙権は、合衆国またはいかなる州も、人権、皮膚の色または以前において強制により苦役に服していたことを理由として、これを否定し、または制約してはならない

 という、アメリカ憲法を引くまでもない。自由と民主主義、つまり自由主義陣営のお手本がアメリカだという立位置があった。

 もっとも理解すべき立場にあるイギリスの駐米大使さえ、匙を投げて辞任してしまった。世界一のお友達・安倍首相が忠告すべきだが、お友達でなく子分ならそれは無理。選挙を控える政治も似ているところがある。

 この際、大正末(1924年)に作られたアメリカの「移民法」は、日本人をターゲットにしていたことなども勉強したほうがいいようだ。

 アメリカの議会が弾劾決議をしないとトランプり首はとれないが、それには上院の3分の2の賛成が必要。そのあたりも日本同様、意に介さなくてもいい理由になっている。

 人種差別は、すべて大戦の引き金になっていることを忘れてはならない。

 

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2019年7月 6日 (土)

選挙区と比例区を別の党に

 昨日に続き、選挙戦突入のテーマ。新聞は早くも情勢分析を始めた。選挙区は人名、比例区は人名か政党名を記入する。選挙区で投票する候補者の政党と、比例区で投票する政党は違ってもいい。

 塾頭はそうする。支持する政党はある。しかし選挙区の立候補者は、前回当選時の政党から飛び出し新党Aを作った。残った方も新党Bを組織したが、飛び出した方は様々な変遷を経て、今回の選挙を前にBに復党、立候補した。

 政党が一枚岩でなければならないという考えはない。しかし選挙民不在の節操のない日和見政治家に、一票を入れる気にはなれない。今回は別の党の候補者に入れ、比例区では支持政党を書く。

 新聞社は並行して支持政党の調査もしているが、塾頭は支持政党なし、に入るのだろうかそれともB党になるのだろうか。

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2019年7月 5日 (金)

天道さまが見てます

 「天網恢々疎にして漏らさず」。老子のことばである。その前の「天の道は争わずして而して善く勝ち、言わずして善く応じ、召(まね)かずしてよく応じ、召かずしてよく謀る」に続く。

 天は、その編み目もわからぬ程広大だが悪人を見逃すことはない。目先はごまかせても、天はお見通しで、その結果に狂いはなく、議論の余地もない、との教えだ。

 参院選がスタートし、候補者も出そろった。顔ぶれを見ると、選挙民を「天」とは思わず、いかに上手にごまかしだますかしか念頭にない候補者の方が多そうだ。

 森友、加計学園問題は、書類を組織ぐるみで改ざんしたり証言を覆したりのウソが事なきを得た。集団的自衛権を違憲とする多くの学者の意見を無視し、法制局長官の首をすげ替えてまでして安保法制を強行採決した。

 そのような「天」を軽く見る健忘症の候補者群に、天罰覿面の結果が現れることを信じよう。

 有権者は、唯一天の声を代弁することができる。

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2019年6月30日 (日)

アメリカ人と「戦争」

 ホルムズ海峡で誰の仕業かわからないタンカー船腹爆破仕掛けで、トランプ大統領がイラン空爆作戦にOKのサインをし、150人が死ぬと聞いて、攻撃の10分前にそれを撤回したことについて書いたのは、8日前だ。

 そして、G20で中国との貿易戦争発動延期を述べたと思うと、今日は韓国に渡り、午後4時前に板門店の停戦ラインを視察、金正恩労働党委員長と並んで一歩北朝鮮側に足を踏み入れた。そして「過去を清算し、これからはよい出会いを維持しよう」と述べた。(NHK)

 トランプは金正恩の気心をよく知っており、信頼できる相手としている。塾頭はこれが本心で、偽りない心情だと思う。それらを見ると、まるで平和の天使であるかのような振る舞いだ。

 この二面性は、トランプ固有の性癖と見られがちだが、アメリカの戦争の歴史は実にこの繰り返しなのである。

 独立戦争、南北戦争など、米州内部を戦場とする戦争が収束すると開拓魂は海外に向き、海軍の充実が図られる。ペリーが浦賀沖に来航したのは1853年、そして日米和親条約調印がその翌年に結ばれた。

 当時、西欧を中心とする帝国主義は健在で、植民地競争たけなわの時代である。ただしアメリカが求めたのは開港と公正な交易で、植民地化する意図はなかった。それは、アメリカ自体が西欧各国から植民地支配され、激しい独立戦争を経てそこから抜け出した経験を持つからである。

 これが一転するのは、1898年の米西(スペイン)戦争である。最初は中南米の喉元に位置しスペイン領だったキューバの独立運動を、アメリカが支援したことに始まる。

 戦争に発展したのは、ハバナ港に停泊中の米軍艦メイン号が突然沈没し米兵260人が死亡したことによる。海軍がこれをスペイン軍の攻撃を示唆したため、新聞が競ってスペインとの開戦を扇動、販売部数を記録的に伸ばした。

 アメリカ人は「正当防衛」という根拠さえあれば火が付くのが早い。「真珠湾を忘れるな」同様「メイン号を忘れるな」が合言葉となり、ついにスペイン領のフィリピン奪取にまで発展してこれを奪った。

 余談ながら、メイン号の沈没はのちの調査により事故による沈没であることが判明したが、開戦を不当だったとする声にはならなかった。同様な例はベトナム戦争やイラク戦争などにも見られるが、和平志向が、物の弾みて好戦志向に変わりやすい国民性であることに目を向けておく必要がある。

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2019年6月29日 (土)

神無月

 大阪市で開かれていた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は29日、2日間の討議を終え閉幕した。採択した「大阪首脳宣言」は「自由で公正、無差別な貿易・投資環境の実現に努力する」とし、高関税で輸入を制限する米国と、不公正な貿易慣行が批判される中国の双方に自制を促す意図をにじませた。米中貿易摩擦に伴う世界経済の減速リスクを懸念し「さらなる行動を取る用意がある」と表明した。

 ただ昨年の宣言に続き「保護主義と闘う」との文言はなかった。地球温暖化対策のパリ協定でも一致した姿勢を示せず、協調の限界を映し出した。(共同)

 トランプ、プーチン、習金平をはじめ世界のそうそうたるトップが雨の中、大阪に集まったG20。空前の警備体制の中、無事に終わりそうだ。これだけ大騒ぎをしたのだから、混沌を極める世界情勢改善に大きな一歩を踏み出せるのかと思ったが、正直なところ期待はずれだった。

 成功したのは、議長をつとめる安倍首相だ。次々と現れる各国トップを待ちかまえて握手する姿をTV映像化し、繰り返えして国民に見せることができた。

 会議の評価は、明日以降のマスコミが扱うだろうが、何のことはない、これは今様の「神無月」なのだなと思ってしまった。

 神無月は10月の別称だが、全国の神々が出雲に集まる。全国には神がいなくなるので神無月だが、出雲は神在月となる。

 地元・出雲の神はそれで自らの地位向上が約束される、というわけだ

 

 

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2019年6月19日 (水)

アメリカの国防長官、なり手なし

 時事通信の配信を箇条書きにすると次のようになる。

■マティス= 昨年末に国防長官を辞任

■シャナハン= 現・長官代行→今回、長官指名を辞退

■マーク・エスバー= 現・陸軍次官→長官代行と交代

■軍トップ= 長官不在のまま

 トランプ大統領は、昨年末に辞任した次の次にあたるエスバー氏を指名する可能性が最も高いとされているが、その彼からも辞退されたらどうなるのだろう。イランをめぐる中東の現状は一触即発といっていい。

 日本では、内閣総理大臣が指名した陸軍大臣を、軍が就任拒否をして内閣が総辞職、変わった近衛内閣の元で第二次大戦へなだれ込んだことを本塾でも書いた。

 制度の違うアメリカだが、人事の行き詰まりが事態を思わぬ方向へ導きかねないということを心配する時期にきている。

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2019年6月 9日 (日)

解散のための国会延長か

 休み前の金曜日、丸山穂高議員が国会の「糾弾決議」を受けてどう対応するか目を離せない――で記事をしめた。明日、月曜日にもう一つ目を離せないことがある。

(時事ドットコム)

 政府が7日に閣議決定する「スーパーシティ」実現に向けた国家戦略特区法改正案の扱いをめぐり、自民、公明両党のずれが6日、表面化した。公明党は同日の政調全体会議で改正案を了承したが、今国会成立にこだわらず、会期延長も必要ないとの立場。一方の自民党は、延長も排除しない考えを示した。

 自民党内では会期を延長しての衆参同日選が取り沙汰されているが、同日選に反対する公明党が同改正案の処理を理由とする会期延長にくぎを刺した形。与党の足並みの乱れは終盤国会の行方に影響を与えそうだ。

 公明党の桝屋敬悟中央幹事会長代理は記者団に「(同改正案は)提出だけという形になると思う」と指摘。個人的な考えとして「一歩でも進めたいというのは当然だが、物理的には簡単ではない」と語った。

 同党の斉藤鉄夫幹事長も記者団に「会期延長と法案提出は直接関係していない。(同日選は)全く関係のないことだ」と訴えた。

 これに対し、自民党の森山裕国対委員長は記者団に「(公明党と)齟齬(そご)は生じないと思う。通さなくてよい法律が出てくるはずはない」と強調。「会期内にどうかということは、その時に判断する」と述べ、会期延長に重ねて含みを持たせた。

 会期延長してまでして通さなければならない法案ではない。解散権は国会開会中でなければ、行使できないということが焦点になる。

 かといって、今国会中に解散を決めてしまうと、G20の日程にからんで、国際会議がお留守になってしまうような事態になりかねない。その道具として上記特区法案が出てきたというのだ。

 法案を担当するのは、片山さつき地方創生担当大臣である。日本会議懇談会に所属する同大臣が、首相と水面下で組んでいるとしたら、質の悪い陰謀がらみということになる。

 

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2019年6月 7日 (金)

丸山議員が「風」に

 本塾は先月18日に、「丸山穂高議員辞職不要」と書いた。

 当初の、北方領土訪問団メンバーに向けた発言内容を新聞で見る限り「領土問題解決は、しばしば戦争になるほど困難な問題ですよ」という問いかけをして、それを回避しながら目的を果たすにはどうすればいいか――という本質的な議論を引き起こそう、とする会話のアヤかと思ったからだ。

 現に政治家の中にも、北方領土問題を選挙向けのパフォーマンス程度にしかとらえていない向きが多い。それに一石を投ずる意味ならば、不用意発言ながら言論の自由の範囲に入る。選挙や利権に関係づけることだけが仕事と思っている議員よりはましだ。

 それが、酒の勢いによるわいせつ発言や、夜間外出禁止を破ろうとしていたことも明るみに出て、議員自体の資質が問題となり、このたび衆議院全会一致で「糾弾決議案」が可決された。

 本塾も前回の記事が不当だったことを認め、全面撤回する。仮に丸山議員があくまでも辞職しなれけばどうなるか。日本の政治レベルの低さを世界中にさらし、国民の政治不信は留まるところを知らない、ということになる。

 毎日新聞の社説では、「維新の責任で辞職説得を」という表題を掲げたが、筋違いもいいところ。すでに除名処分に処した日本維新の会にそれができていれば簡単だった。丸山がそれを受け入れても受け入れなくても、維新は恥の上塗りになるだけだ。

 議員の資格を奪うには、1.議会を解散して再当選させない。2.解職のための住民投票制度。3.法改正(場合によれば憲法)などの措置が必要となる。それには膨大な費用がかかるし、解散の口実を模索していた安倍自民党だが、党内には、この件はマイナスに働く、という意見も出てきそうだ。

どっちに向くのか、目の離せない展開が続くことになる。

 

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2019年6月 6日 (木)

『海舟座談』

(毎日新聞06/06

安倍晋三首相は5日の参院本会議で、日米貿易交渉を巡りトランプ米大統領が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を上回る関税引き下げなどを求める考えを示唆したとされる発言について、「抗議すべき内容のものとは考えていない」との考えを示した。

(『海舟座談』岩波文庫、明治三十一年/1898、十一月三十日)

国というものは、独立して、何か卓絶したものがなければならぬ。いくら西洋西洋といっても、善い事は採り、そのほかに何かなければならぬ。それがないのだもの。つまり、アジアに人がないのだよ。それで、一々西洋の真似をするのだ。西洋は規模が大きくて、遠大だ。チャーンとして立っているから、ほかが自然に倒れるのだ。まるで、日本などは、子供扱いだ。褒めてやったり、叱ったりする。それで善い気になってるというものがあるものか。

今日は引用だけである。何か付け足すのは、野暮。

 

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2019年5月18日 (土)

丸山穂高議員、辞職不要

 北方四島の「ビザなし交流」に参加した、日本維新の会の丸山穂高衆議院議員が今月11日の夜、訪問団の団長に、「戦争で島を取り返すことには賛成ですか、反対ですか」などと質問したことに対し、所属党からは除名された。

 それだけにとどまらず、同党を含め野党6党は、「国会全体の権威と品位を著しく汚した」などとして、17日、議員辞職勧告決議案を衆議院に共同で提出した。

 与党は、買収などの不祥事ではなく、決議が可決されても本人が言論の範囲として拒否すれば効果がないとして、これに乗らない気だ。塾頭は、自公与党の考えに賛成する。

 丸山穂高議員が、場所や相手もわきまえず野放図な不用意発言をしたことは、決して許されるべきではない。しかし、議員を辞めれば、野党が発言の真意をただす機会も失う。

 同議員の言っていることは、領土紛争で口にはできない一面の真理ををついているのだ。近くはイラクとクェートで起きて湾岸戦争となり、古くは同じ共産圏同士でもウスリー江珍宝島をめぐる国境紛争で中ソが交戦、双方で150人を超える戦死者を出した。

 イスラエルとパレスチナの例を見ても、国境は戦争で決まるというのが世界史上定番になっているのに、見ぬふりをしているのが現状だ。しかし、日本は憲法9条で「国際紛争を解決する手段といては、永久にこれを放棄する」限りその手は使えない。たとえ核武装をしたところで、国土面積の差だけで勝ち目はない。

 そうすると、交渉で解決するしかないのだが、ロシア側には、国際法上問題が残るヤルタ協定を根拠とする点、特に北方領土が歴史上ロシア領であった事実がないことが弱みになっている。

 そこをついて、国際世論を味方につけ、すこしでも有利な条件で妥決点を見出すか、アメリカのアラスカ州のように日本が買い取るしかない。

 いずれにしても、74年も実効支配されていた点が大きい。吉田首相のように、遺憾の意を表し、権利確保の努力を続けなければならなかったのだ。

 安倍首相の人気取りゲームで終わることなく、具体的な外交政策が国会で議論され、安易な憲法改正の目論みを俎上にげるというのなら、議員の存在価値も出てくるだろう。

【追記】この記事は、その後の報道などにより不当だったことがわかり、全面撤回します。理由等は、6月7日付の本塾記事で。

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