経済・政治・国際

2019年10月15日 (火)

トルコと韓国

 国際報道の中で、トルコによるシリア内のクルド族攻撃は、シリアアサド政権によるトルコの反撃、ヨーロッパ諸国のトルコ非難、そしてアメリカによる対トルコ経済制裁など、塾頭が想像していたように四面楚歌状態になった。ロシアの動きは報じられていないが、アサド政権の後見で地中海に海軍基地を確保する上でもトルコの肩を持つはずがない。

 本塾は日本の出る幕はないと予測したが、トルコが強気で中央突破する道は閉ざされたとしていいだろう。

 遠いところでも、パワーポリティクスとか地政学的観測といった想像は可能である。

 ところがお隣の国、韓国では注目の的であった曺国(チョグク)法相が電撃的に辞任を発表した。就任から35日目、検察改革法案を自ら発表してからわずか3時間後のことである。

 自ら検察改革断行を理由に、家族の不始末とは別という、日本ではちょっと考えられないような強硬姿勢だった。それを支えるはずであった文大統領は、はしごを外された態であるが、より反日路線を強化して突っ切るかもしれない。

 トルコのような観測を働かせようにも、韓国は国際情勢を左右させるような手持ちのコマを自ら放棄してしまった。反日国民感情にも限界が見えはじめている。

 同じ隣国間の角逐であってもトルコ、シリア関係とは様相を異にする。韓国が何を言い出すかによって、マイナーな2国間関係に矮小化されてしまった。

 それが解決への道をかえって見えなくしている。

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2019年10月 4日 (金)

労組不在

 前々回、コンプライアンスという、昔はやった言葉がテレビでいきなり飛び出してきたのに驚き、新聞にはあまり出てこないと書いたのが、今日の新聞では各面いたるところに出てくるようになった。

 最近は、半世紀前から見ると明らかに退歩ではないかと思うことが多々ある。

 関電の例から見て、企業内部が「糜爛」といっていいほど不正が蔓延していても、幹部はそう感じていないということがある。

 コンプライアンス委員会出現の前、企業経営の監視役を果たしていたのが、総会屋と労働組合だった。総会屋は、暴力団と同列に見なされて駆逐されてしまった。

 労働組合は、企業収益第一とする企業に協力する文字通りの御用組合が幅を利かすようになった。

 労働三法は、憲法を除くと民法・商法と同列に置かれ、大学でも必修科目として講義されたものだ。労働組合の団体交渉は賃金交渉のほかに、名称はさまざまだが、厚生関連案件を取り上げる「労働委員会」と「生産委員会」が定期的に開かれるようになった。生産委員会は、コンプライアンス委員会と似た機能もあり、それなりの緊張感があった。

 今の電力・原発関連の労働組合は、原発再開についても野党の反対意見をけん制する立場で陰に陽に圧力をかける存在になっている。

 経営側が戦々恐々とする相手ではなくなったのだ。自由・民主社会にとって、明らかな退歩と言わなくてはならない。

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2019年10月 1日 (火)

コンプライアンス委員会

 「コンプライアンス」、テレビで久しぶりにこの言葉を聞いた。20数年前、2000年代の企業で、この言葉は常識だった。

 今回、関電の幹部が原発建設に絡んで合計億単位の金品を受け取った事件に絡んだ報道の中で出たが、新聞にもあまり出てこない。

 贈収賄はもとより、買い占め、売り惜しみ、談合その他企業の反社会的行動を自己規制するため、自主的に委員会などを設けることに使われた。

 塾頭が最初に聞いたのも、この頃である。ある地域の金融機関・信用金庫の20年史作成のお手伝いをしている際、「コンプライアンス委員会を設けたことも記録しておくべきでは」という同金庫編集責任者からの発言があった。

 塾頭は、コンプライアンスは社内統制が利きにくい大組織特有の問題かと思っていたが、信用を第一とする民間の小金融機関の不正が明るみに出れば、預金者・出資者・融資先が一斉に手を引き、立ちどころに倒産する。そういった場合、拾ってくれるところもなく、再就職も困難になるということらしい。

 電力会社の場合、消えてなくなる恐れはない。役職は失っても組織がどこかで面倒を見てくれるはず、という下心があるのではないか。

 政府は、企業自身が法令を遵守するためのコンプライアンス体制を社内につくり、また万一不正があった場合にも、すぐに自己申告した方が企業にとっても有利になるような法制度を作った。代表的な法令としては、「公益通報者保護法」「改正独占禁止法」「会社法」などがある。

 いずれも2006年以降に効果を発揮し、コンプライス組織設置は一定規模の資本金、一定規模の債務を有する企業では義務化された。

 関電も当然該当するが、経営者が中小金融機関にも劣るような、無視・無関心さで通っていたということだ。

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2019年9月30日 (月)

ラグビー代表の英4国

 明日から10月、消費税が上がり、本格的なスポーツシーズンに入る。最近のトップニュースは、国会のお休みが続く中、すでにスポーツニュースの花盛りである。

 勢いがいいのがラグビー。27日にW杯1次リーグでアイルランドに日本が勝利し、これからスコットランド戦で1次リーグ突破をねらう。同リーグにウーェルズも加わっているが、すべてがイギリス勢である。アイルランドは、1922年に独立するまで、イギリスであったが現在は、北アイルランドのみがイギリスのカントリーである。

 それに強豪イングランドがあるので、日本でいえば、北海道・九州・東日本・西日本がそれぞれ代表を出しており、それぞれのチーム同士がぶつかり合う。応援団は、それぞれの地域別に組まれるのだろうか。

 政治では、25日から再開された英議会が、EUからの離脱をめぐり、大荒れになっている。かつて残留派の労働党女性議員が極右の男性から殺害されたことのある国だ。

 議会では「首相を投獄しろ」とか「詐欺師」「裏切り」などという暴言が飛び交い、さすがに英国教会も黙視できず、警告を発している始末だ。

 前述のラグビーチームとの関連は直接にはないが、EU離脱と全く無関係であってほしい。

 これが、かつて7つの海を制覇し、多くの植民地を築いてユニオンジャックを世界になびかせた「大英帝国」と同じなのだろうか。どうにも結びつかない。

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2019年9月23日 (月)

小泉環境相、大物への道

 テーマは、地球温暖化と放射能汚染対策である。いずれも日本の枠を超えた大問題である。

 地球温暖化は、トランプ大統領の否定宣言と、放射能関係は、安倍首相の原発再稼働志向という壁がある。前者はアメリカ共和党内でも公然と批判する勢力があり、後者もあえて正面衝突しなくとも可能なことである。

 この記事を書こうと思ったきっかけは、政府やメーカーなどに、「原発の稼働や輸出をやめると、世界的水準にある技術者の養成ができなくなる」という意見があることである。

 その裏には、アメリカへの配慮から、核兵器禁止条約加盟に調印できないでいる日本の姿があり、核エネルギー先進国の地位を維持しておきたいという下心が働いているが、ここでは触れない。

 試算されたものを見たことはないが、この先、原発新設より、廃炉、放射能対策・処理に関する技術者の需要の方がはるかに高まるのではないか。若者が集まらないと決め込む理由はない。

 7月25日に亡くなった国連IAEAの天野之弥事務局長も、日本の官僚出身だけに政府方針に反することはできなかったが、核拡散防止のために払った公正で真摯な仕事ぶりが、世界各国から高く信頼、評価されていた。

 IAEAの査察にも高度な技術力が要求される。日本の信頼や世界平和に貢献する「技術大国」への道がそこにある。

 韓国の、「汚染水海中投棄」などの非難も、高い技術力に支えられた反論をすれば、客観的に封じることができるだろう。

 これにより進次郎大臣は、前環境庁長官や「郵政民営化」の父を超えることができる。

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2019年9月19日 (木)

イラン大統領国連へのビザ出ず

2019年9月19日 6時04分(NHKニュース)

ニューヨークで来週開かれる国連総会に出席する予定のイランのロウハニ大統領らに、アメリカ政府からビザが発給されていないことが分かりました。イラン側は出席取りやめも検討していて、国連がアメリカ側と協議を続けています。

(中略)トランプ大統領は18日、訪問先のカリフォルニア州で記者団からイランのロウハニ大統領がニューヨークに来るかどうか問われたのに対し、「私は本当に知らない。彼しだいだ。どうなるか見てみよう」とだけ述べました。

 とんでもない暴挙だ。アメリカは民主主義国でも自由主義国でもなくなった。世界の加盟国と、アメリカ国民が抗議の声をあげるなら、今しかない。国連本部はジュネーブに移した方がいい。

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2019年9月11日 (水)

ボルトン解任の理由

 トランプ米大統領は10日、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当、70)を解任したとツイッターで発表した。後任は来週発表する。解任の理由を「彼の提案の多くに私は強く反対してきた。他の政権メンバーも同意しなかった」と意見の相違があったためと説明。国家安保担当の大統領補佐官は外交・安全保障政策の司令塔で、同政策への影響は必至だ。(日経)

 アメリカの政府高官の顔と名前が記憶に残るケースは、塾頭にとってごく稀だがボルトンは別である。

 明治時代の政府高官を思わせるような白髭を鼻下に蓄え、ブッシュ(父)大統領時代から北朝鮮やイラン・イラク問題に国務次官補として終始強硬論を唱えてきたあの顔だ。

 北朝鮮をめぐる6か国協議に日本も参加していたせいか、彼は「知日派」の一人とされてきた。その彼がイラク戦争の時、時の久間防衛庁長官に、自衛隊派遣について、「日本も見える形で協力しなければいけない」と偉そうに言ってくると嘆かせた

 トランプがなぜ彼を起用したのか。ツイッターなどで、国際協定を脱退してまでも強硬論を振りまいておいて、「交渉の用意はある」などと微笑外交に転じたりする。

 ボルトンは、あくまでも強硬姿勢を演ずるかたき役をしていればよかつたのだ。

 しかし、日本の役人と違ってトランプの真意を忖度するような器用さはない。意志貫徹の揺るがぬ姿勢に、トランプが辟易したのが、今回解任の理由だつたのだろうか。

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2019年8月26日 (月)

埼玉県知事選、自公が敗退

 昨日行われた埼玉県知事選で、立憲・国民・共産・社民の野党4党が支持した大野元裕氏(無所属・新)が、92万3482票を得て自公推薦の青島健太氏(無所属・新)に5万7000票余の差をつけ当選した。

 これは、次回衆院選の野党共闘に大きな期待を持たせる結果になったのだろうか。投票率は32.31%と、前回4年前より5点ポイント余り高くなり、16年ぶりに30%台となった。

 もともと、埼玉県は東京通勤の選挙民が多く地方政治に関心が薄いこともあって極端に投票率が低い。その中で、選挙民は中央政治を見て4野党が推す候補を選んだようだ。

 出口調査では、支持政党を「自民」と答えた人、つまり立憲・国民・共産・社民ではない人の多くが、大野氏に投票していたことがうかがえる、という報道もある。

 支持政党を聞かれると「自民」か「支持政党なし」と答えるしかない中で、「安倍政治NO」を選んだ人が多かった結果ではないか。

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2019年8月21日 (水)

立・国、統一会派はじり貧へ

 数合わせはしないと公約した立民の枝野代表だが、ここへきて国民民主との統一会派に向けて蠢動をはじめた。原発ゼロや改憲への政策がいまひとつ不明確化するのならやめた方がいい。

 立憲が政権に遠いのは数のせいではない。安倍政権との対立点がぼやけていることである。一度政権の座にあったので、その時取った政策の反省が不十分なこともある。それがないから、「安倍政権の方がまし」という世論になってしまうのだ。

 その端的な例は、沖縄・辺野古埋め立て反対の民意が確定しているのに、これを放置していることだ。普天間基地移転先再検討、地位協定見直し、安保条約改定など、世界情勢の変化にあわせた新政策など、目新しさがなければ国民は投票しない。N新党や令和維新がいい教訓になっている。

 共産や社民などの左翼政党に埋没することをおそれているのだろうか。安保条約破棄や自衛隊違憲など、立ち位置の違いを明確にすることは可能だろう。外交でも政府に遅れず政策発表することなどいろいろあると思う。

 

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2019年8月 5日 (月)

本格野党待望

 

 新聞の折り込みで、県議会の報告が入ってくる。議員構成も討議内容もほとんど中央政界をそのままコピーしたような内容で、地方独自の政見がなく感興がわかない。強いて上げればオリンピックだがこれも本県特有のテーマではない。

 沖縄県や都の場合、政党が中央とは乖離しているので、その住民でなくとも議会の様子を知りたいと思うう。そんなところへJNNが世論調査を発表(8/5)した。この内容を見て安倍政治がなんとなく支持率を維持し続けている原因を垣間見たような気がした。

 その調査では、安倍内閣を支持できるという人が、先月の調査結果より1.4ポイント増えて60.1%。一方、支持できないという人は、0.1ポイント増えて37.0%となっている。

 今回の調査に、珍しく外交問題が入っている。緊迫し続ける韓国との関連で政府のとった輸出管理上の措置について64%の人が妥当と考え、妥当とは思わないの18%を大きく上回った。

 次に、イラン問題である。アメリカの有志連合呼びかけに対する参加への賛否を聞いたところ、「賛成」が41%で、「反対」の35%を上回るという、塾頭の想像とは全く逆になった。

 日々報道されるように、日本をはじめ有力国がトランプの先走りを是認する条件は全く整っていない。複雑なイランと中東の問題を詳しく解説・報道するマスコミはない。報道の重点は、ホルムズ海峡通過が困難になると、日本の原油輸入が危機に瀕するという国民生活へのインパクトだけが強調されてしまう結果になる。

 政府の印象操作があるとも思えないが、自衛隊海外派遣の好機とみる与党議員はいるだろう。そうならないように、野党は、全力を挙げて世論に訴えなければならないのだが、そんな気配は一向にない。

 韓国に強い姿勢を貫かなくてはならない政府の姿勢は、国民から支持されているし、これをあいまいにして理不全な韓国の世論に迎合することは、韓国民のためにもならない。そこで解決の方策を探る活動、これも野党の役割だ。

 

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