経済・政治・国際

2018年10月10日 (水)

公明党の寿命

『週刊ダイヤモンド』10月13日号は、特集を「新宗教の寿命」とし、創価学会をトップに11の教団をあげて分析している。関心は政権与党・公明党のバック創価学会だ。

その中に一般紙や聖教新聞などでは触れることのない内幕が記されており、安倍政権の9条改憲について、公明党が歯止めの役割を果たすか――という期待が幻影と化す可能性が見えてきた。

このままでは、安倍首相の思惑になにがしかの手を加えることがあっても、結局は首相に手を貸すことしかできないという結論になってしまう。

その理由は創価学会を平和追及の新興宗教として戦後爆発的に育て上げた3代目会長・池田大作氏が1981年に会長職を譲り、任期の定めのない名誉会長となった。以後会長は北条・秋谷氏と受け継がれ2006年に現職の原田稔氏が就く。

しかし、池田氏のカリスマ性は消えないものと見なされていた。それが前掲誌によると創価学会は、原田会長・谷川佳樹副会長ら「4人組」と呼ばれる執行部に実権を握られるようになり、例年執行部が慣例としていた池田名誉会長の誕生日1月2日に行われる池田詣でが、今年は家族から拒否されるという異様な事態となった。

池田氏は90歳という高齢で目下療養中ではあるが、これまでになかったことだ。どんな変化があったのか、以下同誌を引用する。

執行部は近年、創価大学派閥など池田家に近いと目されていた側近などを次々と粛清する一方、学会の憲法に相当する「創価学会会憲」を昨年制定し、組織運営から教義に至るまで全権を原田会長に集中させるなど池田外しともいえる動きを加速させている。それを不快に感じている当の池田氏側が面会を拒否したというのである。

同時に古参有力信者が公明党の集団的自衛権容認などを批判すると、執行部批判など会憲で定めた「ふさわしくない行為」に当たるとし、除名処分や役員解職などが次々と行われている実態をレポートしている。

それでなくても会員数は減少の一途をたどっており、それが最近の選挙結果にも表れている。つまりなにかのきっかけで、いつ自民党の補完勢力としての寿命がつきるかもしれないといっているのだ。

喜んでいいのか悪いのかは別として、世相や政治に動乱の季節が目前に来ているような気がしてきた。

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2018年9月27日 (木)

首脳人材払底

国連安保理の一般演説で「歴代のどの政権よりも多くのことを達成した」とトランプ大統領が自慢、各国の参加者の失笑(ワシントンポストなどは「嘲笑」と書いている)を買った。

国内共和党などの集まりなら、大拍手が起こるところだが、トランプも気がついて苦笑、「ま、いいか」と言って後を続けた。アメリカのトップとしてはかつてない異様な姿だ。

ロシアのプーチンも、思いつきだといって、日ロ友好条約を前提条件なしで本年中に結ぶという、できもしないことを広言した。EUをまとめるうえで頼りがいのあった独・メルケル首相は、側近の落選で影響力を落としている。

わが安倍首相も口の軽さや頼りなさでは、負けてはいない。それでもなんとかなるのだ。政治家劣化現象は地球温暖化と同じで、世界にひろがり手の施しようがない。

お隣、習近平主席は盤石かと思いきや、百万単位の党員を大粛清。本当なら第2の天安門事件が起きても不思議でない。

それでいて、みんな歴史に名を残したいと欲張る困った人たちばかり。どうなるのだろう。

 

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2018年9月14日 (金)

首相の外交センス

  塾頭は、安倍首相に外交のセンスがなく、見るべき実績はなにもないと感じている。しかるに、マスコミに評価する向きがあるのはなぜだろう。

 北朝鮮では最重点の拉致問題で糸口もつかめない。アメリカでは、トランプ大統領就任前に他に先駆けて面会、ゴルフのできる友達づきあいの仲を誇示した。

 ところが経済問題や安保・環境など、オバマ時代に築き上げてきた両国の協調を裏切るようなトランプ発言が続出、このところぎくしゃくたままである。

 安倍外交は、アフリカなどの途上国へ経済支援のおみやげつきで歴訪し、いずれも歓迎・歓待を受ける。メディアは必ずこれを取材し映像を流す。目的は支持率アップである。

 中国にも行くようだが、平和友好条約調印40周年(国交回復は45年前の田中角栄首相時代で調印したのは福田赳夫首相)記念イベントが主となるのではないか。

 ロシアのプーチン大統領とは意気が合うというかつての評価と裏腹に、面会時には、北方4島問題を棚上げして平和友好条約先行を持ち出される模様だ。これには野党はもちろん、自民党内にも警戒する声が上がっているが、首相自身は意に介さないという態度らしい。

 こう見ると、「目立てばいいのだ」というだけで、国益優先を考える外交感覚に疎いとしか思えない。外務省官僚はすでに気が付いているはずだが、本気で忠告するより忖度を先にしているのか。

 やはり、国難ここに至れり、だ。

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2018年9月13日 (木)

避けられない一極化のツケ

北海道地震から1週間、依然としてメディアのトップニュースから消えない。物や人の被害報道は時日の経過とともに減るものだが、道内全面停電の危険が去らないという不安の解消が残ったままだからである。

震源地にある苫東厚真発電所が当時の道内需要の4割を賄っていた。それが自動停止してしまい、需給バランスが大きく崩れたため他の発電所も停止し、以降10時間半以上にわたり道内全295万戸が停電という、地震で他に例を見ない結果を招いた。

それを報じた今朝の新聞1面トップの見出しに「一極化のつけ」という大活字が躍っていた。

自民党総裁選では、安倍首相が国会議員の大多数と、党員の4割どころか55%をねらう勢いだという。「一寸さきは闇」の政界。自民党は一極化のツケが避けられないものと覚悟した方がよさそうだ。

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2018年9月10日 (月)

安倍1強と名護市議選

沖縄県知事選は9月30日、あと20日で投開票、故・翁長知事の後任が決まる。安倍首相にとって最大の危機は、翁長氏の遺志を受け継ぐ候補が大勝することである。マスコミは10日後に迫った自民党総裁選に目を向けがちだが、もう決まったようで関心がない。

沖縄県知事選の結果次第で、改めて安倍内閣が民主主義をどこまで尊重するか問われる場面がやってくる。外電もそれを注目するだろう。その県民がどう動くか、昨日辺野古基地を抱える名護市の市議選があった。

琉球新報の社説から引用する。

米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市の市議会議員選挙(定数26)は、開票の結果、渡具知武豊市長を支える与党が半数を占め、野党を1議席上回った。

現在の議会勢力は与党13人、野党14人の少数与党だ。今回の選挙から定数が1議席減り、与党13人、野党12人、中立1人となった。定数1減の中で与党は現状を維持し野党は1人減らした。

全国的にも注目されたが、肝心の投票率は前回を5・36ポイント下回る6504%にとどまり、記録のある1970年以降で最も低かった。

辺野古新基地建設問題と地域振興のはざまで揺れ動く市民の思いが選挙結果に表れたと言っていい。

2月に初当選した渡具知市長に対し、有権者から一定の評価が下された。だが、野党と中立を含めると与党と同数であり、渡具知市長が自身の政策を思い切って実行できる態勢とはいえない。

辺野古移設を巡っては、反対する議員が賛成を大きく上回り、過半数を占めている。市長はそのことを念頭に置いて市政を運営すべきだ。

琉球新報が実施した立候補予定者アンケートで移設反対と答えたのは17人で、このうち、与党の公明を含む15人が当選した。賛成と答えた人は7人中5人が当選している。賛成5人、反対15人、その他6人という内訳になる。

政府サイドは、与党が野党を上回った結果をもって移設容認の民意が示されたと喧伝(けんでん)したいかもしれない。それは、こじつけというものだ。

与党系の候補者で新基地賛成を表明して選挙戦に臨んだのは一部にすぎなかった。大半が「推移を見守る」などと態度を保留している。市長を支持する公明の2人は反対する立場だ。

示された民意の大勢は容認ではなく移設反対だった。政府は市民の意向を尊重し、新基地建設を断念すべきだ。(後略)

沖縄ではこのほかいくつかの市町村議会の選挙があったが、その結果を分析するだけの資料がない。ただ、名護市以外の市は、那覇市の南にある観光都市・南城市だけで、トップ当選者が名護市同様、共産党候補だったというのは、なにか象徴的である。

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2018年8月29日 (水)

ウソの率先垂範

政府や公務員が「公然」とウソをつく。慎重だった新聞も「ウソ」という表現をためらわないようになった。それでも、だまされている国民の半ば以上が内閣を支持する。

自民党総裁選で安倍首相の対立候補・石破氏が「正直」をキャッチフレーズの真っ先に持ってくること自体が異様だ。国民が破滅の淵に立っていることに気が付いていない。

法律で決められた障害者の雇用を政府が水増しして報告していた件だ。国や地方公共団体は2.5%、民間企業は2.2%の雇用が義務付けられている。国の33ある行政機関で正直に報告したところは2割、全体で3460人も水増しし、実際の雇用率は1.19%に過ぎないことがわかった。

塾頭は民間企業に勤めていたが、身障者は一能一芸に優れておられる方が多くなにかとお世話になった。人事当局も競ってそのような人材を探していたと思う。ウソの報告など当局の監視・監督が厳しく思いもよらなかっただろう。

市立図書館へはよく行くが、そこの食堂は座席での注文取り、配膳のサービスは全員身障者のようだ。注文の復唱その他決められた動作を笑顔でこなす。さすが、地方公共団体はこうして率先垂範し、民間における雇用促進の先頭に立つのだな、と理解していた。

国家公務員の率先垂範はウソをつくことで、そのまた率先垂範を示しているのがだれか。石破さんなら知っているはずだがなあ。

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2018年8月22日 (水)

小泉進次郎の選択

自民党総裁選の日程が決まって、にわかに注目されるのが小泉進次郎である。彼は、騒ぎが大きくなればなるほど存在感を増すので、選挙直前まで態度を明らかにしないだろう。最終的には、安倍首相に投票、石破茂に投票、棄権の3つの選択肢に絞られる。

彼はかつて石破氏を支持したことがあるので石破応援を買って出るという観測がある。そうすると父・純一郎の時のように、政界の圧倒的な人気者・田中角栄の娘真紀子が応援、事前の予想を覆して当選したという前例を思い出す。

つまり、人寄せパンダ構想だ。安倍絶対優位が覆る可能性が狙えるという。しかしそれはないだろう。同じ人気でも二人は違う。田中はあたりかまわぬ奔放な弁舌が売りだったが小泉にはそれがない。

石破を支持する条件として、父の持論である原発ゼロなどの政策の一致を求めるかもしれない。ただし、それは自からも縛られることを意味する。静かに石破支持だけを表明する――その線が強いだろう。選挙結果がどうなっても傷を受けることがない。

安倍首相に投票する、これも無難な選択だが、彼への期待から遠のき、人気失墜の覚悟が必要だ。信念に基づく棄権――ないとは言えないが、結果は安倍投票と同じである。

 

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2018年8月15日 (水)

信頼総崩れ

金貸しは寛一お宮の時代から信用されなかった。しかし大蔵省(財務省)の監督を受ける市銀は、高卒の信頼できる就職先として第一にランクされていた。その一つであるスルガ銀行の行員が客の預金を1億6500万円も不正解約、他の取引先に流用していたことがわかった。

また、名だたる一流メーカーの商品検査が不正を隠したまま市場に流れていたことが相次いで判明し、名の通った大学でスポーツのルール違反を奨励したり、入試の点数を自在に加減していたことも明るみに出た。

お目付け役として存在する役所は、いずれも「鬼の〇〇」と言われるような硬い省庁が担当している。財務省は公文書改ざんで目も当てられない存在になった。文科省や通産省も潔白を疑われている有様だ。

こうなった責任はいったい誰が背負うのだろう。もちろん、安倍首相は指示をしていない!。

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2018年8月10日 (金)

死に体の民主主義

翁長沖縄県知事の逝去は、保革を問わず追悼の意が多く寄せられている。その中で安倍首相の弔意表明、「なんて白々しい」というのが期せずして上がったテレビ桟敷の声である。

沖縄が依然として米軍占領下と同じ地位におかれたまま、という沖縄県民の心情を理解しようとしない首相をみんなが知っているからである。

広島に続いて長崎でも原爆の記念日に、核兵器禁止条約への調印を拒否し続ける政府に抗議して市長の厳しい声明が発せられた。同趣旨の意見は全国約300の自治体議会でも決議されている。

それに対して、「核保有国との間を橋渡しする」という首相の発言。これもまた出来もしないのに白々しい。長崎を訪れたグテレス国連事務総長に対して、失礼だとは思わないのか。

こんな首相を支え続ける自民、国民のいらいらをくみ取れない野党第一党の立憲。日本の民主主義死に体はいつ脱却できるのだろうか。

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2018年8月 8日 (水)

北朝鮮とイランの違い

アメリカのトランプ政権はイラン核合意から離脱したことにともない、日本時間の7日、イランの自動車産業などに対する経済制裁を発動させます。イランへの圧力を強化していく方針ですが、イランは強く反発しており、緊張が高まることが予想されます。

以上はNHKからの引用であるが、核開発と経済制裁、アメリカのトランプ政権は、北朝鮮とイランで同時期に核問題で似たような外交課題を背負っている。

一貫性のないトランプ政権の先行きは全く見通せないが、似ているようで双方の違いは大きく、解決しないまま、ますます混迷を深めていくのではなかろうか。

以下、その違いを列挙してみよう。

①北は水爆に至るまでの開発を半ば公然と行い、大陸間弾道弾ICBMを開発して実験に供し、目標をアメリカ本土と喧伝した。イランはウラン濃縮、プルトニウム保持はしても運搬手段や攻撃目標まで言っていない。潜在的対抗国はかくれた核保有国・イスラエルということになろう。

②米・北間は停戦したままで、南北分断のままで法的には戦争が終わっていない。米・イランは、過去直接戦争をしていない。

北を含む6カ国(日米ロ中韓北)協議は、6回目以降北の実験再開で北が脱退、停止。イランの6カ国協議(米ロ英仏独イ)は、合意の協定ができたが米のみが最近脱退。

④北への制裁は安保理決議に基づく。イは上記協定で制裁を免れていたが、米脱退で制裁か復活。アメリカは加わらない他国の交易にも圧力をかけて妨害を強化。

朝鮮は南北分断・民族統一といった和平プロセスが描かれるが、イランはイスラムのサウジなどと宗派対立の和解機運が全くない。

⑥北朝鮮では、制裁・圧力先行・拉致解決優先で日本が孤立気味だが、イランでは、協定破綻で核戦力強化につながりかねないとして、米の脱退が批判されており孤立。

⑥金正恩・トランプ会談は実現しているが、米・イの接触は条件を探っている段階。

いずれも、最大の核保有国が力ずくで小国の核を取り上げようとするところに無理をきたしている。

【追記】

沖縄県の翁長雄志知事が8日、なくなつた。67歳だった。心から追悼の意を捧げるとともに、歴代知事の遺志を継ぐ立派な後継知事を県民に選んでもらいたい。

 

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