経済・政治・国際

2019年5月18日 (土)

丸山穂高議員、辞職不要

 北方四島の「ビザなし交流」に参加した、日本維新の会の丸山穂高衆議院議員が今月11日の夜、訪問団の団長に、「戦争で島を取り返すことには賛成ですか、反対ですか」などと質問したことに対し、所属党からは除名された。

 それだけにとどまらず、同党を含め野党6党は、「国会全体の権威と品位を著しく汚した」などとして、17日、議員辞職勧告決議案を衆議院に共同で提出した。

 与党は、買収などの不祥事ではなく、決議が可決されても本人が言論の範囲として拒否すれば効果がないとして、これに乗らない気だ。塾頭は、自公与党の考えに賛成する。

 丸山穂高議員が、場所や相手もわきまえず野放図な不用意発言をしたことは、決して許されるべきではない。しかし、議員を辞めれば、野党が発言の真意をただす機会も失う。

 同議員の言っていることは、領土紛争で口にはできない一面の真理ををついているのだ。近くはイラクとクェートで起きて湾岸戦争となり、古くは同じ共産圏同士でもウスリー江珍宝島をめぐる国境紛争で中ソが交戦、双方で150人を超える戦死者を出した。

 イスラエルとパレスチナの例を見ても、国境は戦争で決まるというのが世界史上定番になっているのに、見ぬふりをしているのが現状だ。しかし、日本は憲法9条で「国際紛争を解決する手段といては、永久にこれを放棄する」限りその手は使えない。たとえ核武装をしたところで、国土面積の差だけで勝ち目はない。

 そうすると、交渉で解決するしかないのだが、ロシア側には、国際法上問題が残るヤルタ協定を根拠とする点、特に北方領土が歴史上ロシア領であった事実がないことが弱みになっている。

 そこをついて、国際世論を味方につけ、すこしでも有利な条件で妥決点を見出すか、アメリカのアラスカ州のように日本が買い取るしかない。

 いずれにしても、74年も実効支配されていた点が大きい。吉田首相のように、遺憾の意を表し、権利確保の努力を続けなければならなかったのだ。

 安倍首相の人気取りゲームで終わることなく、具体的な外交政策が国会で議論され、安易な憲法改正の目論みを俎上にげるというのなら、議員の存在価値も出てくるだろう。

| | コメント (2)

2019年5月12日 (日)

安倍首相のレベル

 毎日、トランプが何を言ったかが大きな記事になる。安倍首相のはレベルが低いせいか官邸のコントロールが効いているのかあまり騒がれなくなった。

 トランプは、同じ核兵器開発関連の経済制裁や軍事圧力を北朝鮮とイランに向けているが、両者には明白な差がある。北朝鮮のようにアメリカ本土を狙うような姿勢を見せたことがなく、核拡散防止条約も脱退していないイランに向けた姿勢の方が好戦的で、トップ同士が話し合うということも聞いたことがない。

 理由は、潜在的核保有国・イスラエルの存在だ。イランの勃興を許すことは、国内のユダヤ人勢力にとって許しがたいことである。それに、イスラム・スンニ派大国のエジプトとサウジは、シーア派・イランと鋭く対敵する関係になり、イスラエルにとっては、安心できる友好国的存在になった。アメリカもその方が居心地がいいということだ。

 北朝鮮の核や、中国の関税問題も摩擦は、トランプ独特の交渉テクニックのひとつ。お互いにそれを知っているので、戦争になるようなことはない。

 安倍首相もようやくそれに気づいたようだが、傍目で見ていても滑稽なレベル。アベノミクス同様、それを注意してあげる我が国の人材払底の方が、よほど深刻である。

 

| | コメント (0)

2019年5月10日 (金)

移民・難民・流民

 民族の移動には、移民・難民・流民の3種類がある。ほかに権力による強制移動もあるが、これはここからのぞいておく。

 世界のほとんどの国では、民族問題が大きな議論となり揺れ動いている。その象徴的な例がEUにある。毎日新聞の報道によると、EUが実施した先月の世論調査では、EU加盟が自国の利益になっているとする回答が68%を占め、過去35年で最高水準を示した。これは、利益になっていないの23%の3倍近くになる。

 ところが、この23日に実施される5年に1回の欧州議会選挙国民投票(EU脱退を決めたものの迷い続けているイギリスも、投票にはとりあえず参加する)の見通しでは、反移民を唱える右派勢力が35%弱と僅かながら増える予想がたてられており、EUが一体どちらに向くのか、混とんとしていて見当がつかない。

 ヨーロッパは、そもそも、民族の大移動の中から生まれた国が多い。言語が違っても日本語のように孤立した言葉ではない。日本は、島国といっても大陸と隣接しており、その影響を受けながら独特の文化を育んできた。

 そのことから、移民・難民・流民の違いを追及する機会もなく、固有の観念を持ち合わせていない。この先の国際環境を考えると、外交手腕を育むためには、ちゃんとした理念を打ち立てておく必要がある。

 

| | コメント (2)

2019年5月 6日 (月)

アメリカ大統領の実像

 トランプ大統領のやることなすこと、わからないことだらけですが、今回は以下の引用だけしておきます。

(CNNニュース・05/05)

米民主党の実力者であるナンシー・ペロシ下院議長は4日、2020年の大統領選に触れ、民主党候補が議論の余地がないほどの大差で勝利しない限り、トランプ大統領が自発的に退任しない事態になることへの懸念を表明した。(後略)

アーネスト・メイ『歴史の教訓』

(前略)元来、行政府は一九三〇年代でさえ、世論を動かし、事態を制御できるかなりの影響力を保持していたが、その大統領は世論指導者として、十九世紀末以来他に類例を見ないほど重要な地位を占めるようになった。なによりも大統領は、情報収集能力の点で抜群の力を手にするようになった。しかも第二次大戦後、CIAや国家安全保障局のような組織が、議会も新聞も、いかなる民間人もおそらく匹敵できないほど豊富な情報資料を大統領に提供するようになった。

かなり広範囲な問題にわたって大統領は、ある事態を重視したりほぼ無視したりすることによって、議会と世論に対してその事態の持った重要性の度合いを決めることができる。(後略)

 

| | コメント (0)

2019年4月26日 (金)

森田知事に拍手

 森田健作千葉県知事が、毎日新聞の地方版ではなく、26日のオピニオン欄・論点のトップに掲載された。タイトルは、「移民社会」地域の受け入れ 国を待たず地方が動こう、というものである。

 外国人労働者受け入れに関する制度設計は、国の役割であるが、地方の人手不足は深刻であり、国の施策を待っているわけにはいかない、として、ベトナムを2度にわたって訪問、国と正式の覚書を締結し、介護分野の担い手確保の手立てを講じたことを説明している。

 その内容の詳細は省略するが、「留学生受け入れプログラム」を軸に来日前から支援を始め、来日後も一切の面倒見や支援を県が続けていくという計画である。

 知事はタレント出身で、政治は無所属の国会議員が始まりである。PKO法案に賛成するなどどちらかというと保守系色が強いと見られていた。その後、千葉県知事に当選し、当初、経歴詐称などが明るみにでて長続きはしないと見られていたが、現在は3期目を務めている。

 安倍内閣でこの問題が前に進まないのは、党内に在日外国人がふえることに批判的な一部勢力が存在するからではないか。そういった勢力と一線を画している森田知事に拍手を送る。

 

| | コメント (0)

2019年4月20日 (土)

日米の政治、ここが違う

2019_04200001

 写真の見出しに関連して、毎日新聞は社説のトップにもこれを取り上げていた。アメリカのこととはいえ、世界、ことに日本への影響は大きい。日本の安倍一強も似ているようで違いも大きい。

 アメリカでは、最初から大統領権限を大きく決めている。例えば、閣議で全閣僚の反対にあった16代リンカーン大統領は、「反対7、賛成1、よって賛成に決まりました」という逸話がある。合衆国憲法は、第2条に「行政権限は大統領に付与される」とあり、議会の決定に拒否権も持つ。これを覆すためには3分の2を超える立法措置を講じなければならない。

 任期については、当初明確な多選禁止規定がなかった。建国の父、ジョージ―・ワシントンは2期8年をつとめたあと、3選を請われたにもかかわらず、一人の人物に権力が長期間委ねられことを嫌って辞退したことで腐敗防止の範を示した。権力の大きさを誇示するのではなく、自制の利く人格者であることが選挙民が選ぶ資格条件になるということだ。

 その点、トランプに疑問の余地なしとは言えないが、合衆国憲法上の三権分立の精神が行き届いていて、トランプが気に入らなければ司法の要職が次々と解職されても「忖度」するというようなあいまいな話は聞かない。大統領権限が大きいため、議会の断行決議が成立するだけの決定的証拠が不足しているだけで、無罪ではないというのが今回の捜査報告書の内容である。

 明日は2度目の統一地方選挙日。アメリカにはあって日本にないものをしっかりと見極めよう。

 

 

| | コメント (2)

2019年4月16日 (火)

地方議会と政党

   ①  ②  ③

自民 30  7  16    

立民  8  1   0.2

公明  4  8  19

共産  4  6  14

維新  3  1   0.2

社民  1  1   0.2

国民  1  1   0.2

 ①は、、今日付けの毎日新聞に載った世論調査の政党支持率

 ②は、当・市川市の市議立候補者数で、③が党公認の候補が全員当選したと仮定した場合の議会勢力である。

 地方議会は、どこでも無所属の議員が多い。地方特有の問題を審議するのだから、というのと、政党色のない方が支持を得やすいというのも一理ある。

 しかし、当たりさわりのない似たような政策をかかげているだけでは、誰に投票していいのか基準が定まらない。今、大騒ぎをしている元号、安倍首相の関与が取りざたされているが、元号法制定のもとは、地方議会から始まったのだ。日本会議は、46都道府県、1,632市町村で議会決議を達成したとしている。

 1977年(昭和52年)9月にの元号法制化を求める地方議会決議運動が始まった。その火付け役が日本会議で、安倍首相は国会議員懇談会の顧問をしており、地方にも組織が広がっている。

 日本会議は、憲法改正の急先鋒であり靖国参拝など、国政上の右傾化促進に力を発揮する。その有力な原動力が地方議会にあるのだ。

 ③は、②の立候補者数を定数42で除して影響力を指数化してみた。公明党・共産党が目立っていて、市議会報告などを見てもその存在感がわかる。国会の野党第一党も、地方ではコンマ以下である。

 ①による調査では、内閣支持率が前回より2%ふえ、41%となった。「支持する」と答えた人にその理由を4項目から選んでもらった結果「他にいい人や政党がない」が52%を占め、他の10%台の答えを圧倒している。

 立憲民主党がまずしなければならないのは、地方議員の候補者をふやし、地方での足腰を強めることではないか。先月21日に「野党第一党脱却を」書き、共闘関係で動きの取れない現執行部をさし置いても、顔の売れている有力議員が力を発揮すべきだと説いた。

 選挙民が動きたくとも動けない現状を放置していては、政権奪回などおぼつかない。

 

| | コメント (1)

2019年4月12日 (金)

国民民主党のレベル

 こんなニュースがあった。

玉木氏が菅元首相に引退勧告

2019年0411 1539分 時事通信

 立憲民主党と同党会派の議員がインターネット交流サイト(SNS)を通じ、旧民進党議員の再結集を目指して国民民主党に「解党」要求を突き付け、国民側が反発している。

 口火を切ったのは立憲最高顧問の菅直人元首相。9日まで複数回にわたりブログで解党論をつづった。9日のツイッターへの投稿では「国民民主党は政治理念が不明確なので解散し、参院選までに個々の議員の判断で立憲との再結集に参加するのが望ましい」と踏み込んだ。

 立憲会派の江田憲司衆院議員も8日にツイッターに投稿。統一地方選前半戦の結果を報告する中で、立憲がもっと候補者を擁立していれば「国民民主は壊滅しただろう」と指摘、「立憲中心の野党結集」に期待を示した。

 これらに国民側は猛反発。玉木雄一郎代表は10日、東京都内の行事で同席した菅氏を呼び止め、「煩悩があり過ぎるようなので、お遍路でも回ったらいかがか」と引退を勧告。国民の原口一博国対委員長も11日、立憲の辻元清美国対委員長に「野党共闘の障害になる」と抗議した。辻元氏は「党役員会で問題提起する」と引き取った。 【時事通信社】

 菅氏のブログは、午前10時半現在これに答えるような更新をしていない。

 本塾は先月21日に「野党第一党脱却を」と題し、安倍一強を支える自民から政権を奪うためには、菅氏など知名度のある議員が、現執行部とは別の立場で自由な発言・行動をして党勢政拡大を図るべき、と書いていた。(なお、この記事の中にある「岡田克也発言」は誤報という指摘を受けたので取り消し、リンクもしません)

 玉木発言は、菅元首相が、首相退任後四国でご遍路周りをした故事を取り上げ揶揄しているのだが、涼しい顔で聞き流すのが一番。もし答えるなら「煩悩即菩提」の一言でいい。

 

| | コメント (2)

2019年4月 4日 (木)

アウトでなくチェンジ

 塚田国交副大臣の「忖度」発言で、立憲の辻元清美国対委員長は記者団に「撤回、謝罪では済まされない。言った時点でアウトだ」と息まいた。想像を絶する暴走発言で、即辞任が当然と強調したかったのだろう。以下、NHKニュースから発言を再録する。

コンクリートから人という、とんでもない内閣があった。

安倍総理大臣は悪夢のようだと言ったが、まさにそのとおりだ。

公共事業はやらないという民主党政権ができて、こういう事業は全部凍結してしまった」

「皆さんよく考えてください。

下関は誰の地盤か。安倍晋三総理大臣だ。

安倍晋三総理大臣から麻生副総理の地元への、道路の事業が止まっているわけだ。

吉田参議院幹事長と大家敏志参議院議員が副大臣室に来て、『何とかしてもらいたい』と言われた。

動かしてくれということだ。

吉田氏が私の顔を見て、『塚田、分かっているな。これは安倍総理大臣の地元と、麻生副総理の地元の事業なんだ。俺が、何で来たと思うか』と言った。

私はすごくものわかりがいい。すぐそんたくする。

「総理大臣とか副総理がそんなことは言えない。

森友学園などでいろいろ言われているが、そんなことは実際ない。

でも私はそんたくする。

それで、この事業を再スタートするためには、いったん国で調査を引き取らせてもらうことになり、今回の予算で国直轄の調査計画に引き上げた」

 発言は、本州と九州を新たに結ぶ下関北九州道路について、地方選・地元後援会の大勢の前で行った副大臣による公式発言である。冗談まじりの雑談ではない。撤回して消えるものではない。

 冒頭の辻本「アウト発言」は、それを言いたかったのだろう。

 しかし、三振アウト、バッター交代では済まされない。「チェンジ」の段階だ。アウト発言ははこれまで3人どころか数えきれないほど出ているではないか。

 審判は国民である。安倍首相は、監督と審判と選手を一人でやってるつもりなのだ。そんな野球を国民は見させられている。

 辻本くんの「アウト」に拍手したいところだが、野党第一党の存在感として、それでは生ぬるく物足りない。

 

| | コメント (2)

2019年3月21日 (木)

野党第一党脱却を

 立憲民主党会派入りした岡田克也元外相ら旧民進党ベテラン議員が、国民民主党の若手議員の「勧誘」に乗り出した。国民が自由党との合流手続きを進める中、夏の参院選を前に立憲を軸にした野党結集をはかる狙い。思わぬ「争奪戦」を仕掛けられた国民執行部は反発を強めている。
 複数の関係者によると、1月に衆院会派「無所属の会」(無会)を解散した岡田氏は、2月に国民の議員に接触していく方針を固め、安住淳・元財務相とともに、国民の1、2回生ら若手衆院議員に個別に面会。国民を離党して立憲会派に入るよう働きかけている。(以上朝日新聞デジタル、3/21)
 旧民主党が最も勢いのあった時代の幹部として、知名度抜群の岡田氏が動き出したことは心強い。与党時代、結果的に民主党内閣をつぶしてしまうような動きをした野田氏や小沢氏とは違う。
 そのような知名度のある人材は、立憲民主党内を含め決して少なくはない。これまでどうして、そういった人材が、立民を盛り立てるために動かなかったのだろう。
 統一地方選挙は、今日の知事選告示日で始まるのでもう間に合ないが、立民の足腰を強くするためには一人でも多く立民を名乗る地方議員を立てなければならない。かつて知名度の高かった人は、そういったことに貢献できたはずだ。
 現役立民幹部では、共闘関係などで動けないようなことでも、遠慮なしにやってほしかった。枝野党首が「数合わせはしない」といっているのだから一向に差し支えない。
 敵失を待つだけで、国民の耳目を集めるようなことをしなければ、万年野党で終わる、という、危機感が見られないのが残念だ。

| | コメント (2)

より以前の記事一覧