経済・政治・国際

2019年2月17日 (日)

続・ノーベル国際冗談賞

トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦する書簡の写しを安倍首相から受け取ったという、大統領本人の発表記事を昨日書いたばかりである。安倍首相の行為が冗談ならともかく、本気であれば恥ずかしい。誰か止める人はいなかったのか――、で結んだがその続報が入った。

トランプ米大統領が安倍晋三首相から北朝鮮問題でノーベル平和賞候補に推薦されたと明らかにしたことについて、首相が米政府から非公式に依頼を受け、昨秋ごろノーベル賞関係者にトランプ氏を推薦したことが16日、日本政府関係者への取材でわかった。(朝日新聞デジタル)

なんともひどい話である。首相は頼まれて推薦したのだ。前の記事は削除しようと思ったが、似た者同士の指導者がノーベル賞と世界をコケにしただけで、政治利用どころか逆効果になりかねない茶番であった。歴史に残るかもしれないので残しておくことにする

 

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2019年2月15日 (金)

存在感ある米議員

【ワシントン高本耕太】米与党・共和党の上院トップ、マコネル院内総務が、野党・民主党の進歩派・急進左派がまとめた革新的な気候変動対策「グリーン・ニューディル法案」について「上院本会議で採決にかける」と表明した。与党が賛成する見込みのない野党法案を審議入りさせる異例の対応の背景には、2020年大統領選の民主党立候補予定者に「過激な法案」への態度表明を迫り、今後の攻撃材料にする思惑がある。(後略)、毎日新聞9/13、東京朝刊より。

日本人にはわかりにくい記事である。地球温暖化対策を決めた国際条約、バリ協定から脱退を宣言したトランプ大統領の与党が、野党の最も「過激な」反対法案の審議入りを促進する、という内容だ。それこそ、目を疑って何度も読み返した。

日本で言えば、米軍普天間基地廃止法案を突如自民党が持ち出すようなものだ。オール沖縄を目指す野党は、県民投票を前に、相当混乱するだろう。トランプも過激だが、議会の動きもそれにまして過激だ。見習うべきとは思わないが、日本の国会論議の生ぬるさを見ていると、結果を出す議員、特に野党各党議員にそれを望みたい。

 

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2019年2月13日 (水)

総務省の不感症ぶり

毎日新聞(2/13・東京)が伝える

厚生労働省の毎月勤労統計など一連の統計不正問題で国政への信頼が揺らぐ中、総務省が今月1日に出した告知が驚きを広げた。今年10月18日の「統計の日」に向けて、国民に統計の重要性を知らしめる標語を募集する、というのだ。間の悪いことに告知した1日、総務省の小売物価統計でも不正が発覚した。ネット上では統計のいいかげんさを皮肉る「標語」があふれ「大喜利」状態となっている。【江畑佳明】(以下略)

毎日新聞記者は、当然同省に質問を入れた。

「中止の検討はなかったのか」、担当官「既に報道発表もしているので……」。

国民の気持ちや社会の反応など、まったく気にしていない。偽統計を作る作業のレベルから一歩も出ておらず、反省もしていない。その連中を税金でやしなっている国民は、頭からなめられているのだ。

同紙から、大喜利作品の一部を紹介しておこう。

 ごまかせ統計 疑惑の指針

 合わぬなら 作ってしまえ 偽統計

 「統計」は 今や出世の 一里塚

 

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2019年2月11日 (月)

「国際貢献」するなら

■政府がエジプトとイスラエルの停戦監視に当たっている多国籍軍に、陸上自衛隊員数名を司令部要員として派遣する方針を、近く、正式に決定することが分かりました。

 政府はエジプトとイスラエルの停戦監視に当たっているMFO=シナイ半島駐留多国籍軍・監視団に、陸上自衛隊員を派遣できるかどうか、今年に入り現地を視察するなどして、慎重に検討を進めてきました。

 政府は今回、隊員の安全は確保できると判断したことから、近く、派遣する方針を正式に決定することが分かりました。実現すれば、安保関連法で可能となった国連主導以外の治安維持活動などに参加する「国際連携平和安全活動」で初のケースとなります。Tbsニュース2/10

■フィリピンを訪れている河野外務大臣は10日、ロクシン外相と会談し、南部のミンダナオ島などでの和平プロセスを後押しするため積極的に支援していく考えを表明しました。

フィリピン南部のミンダナオ島などでは40年以上にわたってイスラム武装勢力と政府軍による戦闘が続きましたが、5年前、和平が実現し、イスラム系住民による自治政府が発足することになっています。

河野外務大臣はミンダナオ島のダバオを訪れ、10日、ロクシン外相と会談し、地域の和平プロセスを後押しするため武装解除や経済復興に向けて積極的に支援していく考えを表明しました。(NHK2/11

日本国憲法・前文

われわれは、いずれの国家も自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。

  ~~だけどエジプトの方は考えた方がいいねえ――。

理由その1・今どきの役人の事前調査や統計は信じられないこと。

理由その2・中東戦争の後始末として模範的と見られ国際監視が続いていることが不思議に思えたシナイ半島が、エジプトの国内事情もあって、いろいろな勢力が割拠する不安定な地域になったこと。

理由その3・現地当事者は自衛隊を軍隊と認識し、駆けつけ警護などをしてくれるものと思っていること。つまり憲法違反。(安倍首相も内心それを望んでいる)

理由その4・現在の停戦監視団に国連は関与しておらず、有志国連合という形になっている。なぜならば、イスラエルは、パレスチナ人の権利も認める国連が大嫌いで信用していない。信用できるのはアメリカだけ、という態度だからだ。

理由その5・同盟国ではないかと思えるほど関係改善したエジプト・イスラエルを見て、オバマ時代に撤退を考えたが、イスラム・スンニ派大国を信用しないイスラエルは、米軍駐留継続を懇願した。トランプも首相シリア・アフガンのように中東撤退をしたい口だが、イスラエルから懇願されたら、支持層ユダヤ・ロヒーの手前断れない。「少しでいいから日本は肩代わりして……」と安倍首相に頼んだのではないか。

とにかく「危ない、危ない」なのである。アジアの近隣国とはわけが違う。

 

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2019年2月 5日 (火)

統計不正の追及責任

国会の議論が予算委員会に移ったこともあって、今日も朝・毎・読の3大紙など各紙が統計不正問題を取り上げている。

本塾も昨日に続き3度目となるが、問題を矮小化したり個別化したりする政府に対し、憲法第六六条に内閣が一体化した行政責任を国会に対して負うという条文があり、国会がそれを追及するという責任も、また当然であると書いた。

これは、国家統治の根幹をなす重要事であることを、維新大政奉還直後の課題になっていた例も挙げて、説いてみた。

各社社説の中で、国会議員の責任という観点で取り上げたのは、不十分ながら東京新聞の

「統計不正追及 与党は責任を忘れるな」

十四年間も見過ごされてきた厚生労働省による統計不正。実態解明の責任は国会全体が負っているが、与党側はなぜ担当官僚の参考人招致を拒否するのか。行政監視の責任を忘れては困る。

だけであった。

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2019年1月29日 (火)

御製の政治利用

共産党の志位氏が安倍首相の施政方針演説で明治天皇の日露戦争中の歌を引用したことにつてい批判している。これに対する見解などがマスコミや他野党などから出てこない。本塾は共産党支持ではないが、前回を含めこのところ「明治」の研究や評価が大切なことを強調してきた。

そういった意味で、一体どう使ったのだろうと、新聞に載った全文をたしかめた。天皇退位の年であることを述べ、近年震災など相次ぐ全災害に天皇皇后両陛下が見舞い、激励された事実を述べたあとに突如として出てくる。

(前略)平成は、日本人の底力と、人々の絆がどれほどまでにパワーを持つか、そのことを示した時代でもありました。   

 「しきしまの 大和心のをゝをしさは ことある時ぞ あらはれにける」

明治、大正、昭和、平成。日本人は幾度となく大きな困難に直面した。しかし、そのたびに、大きな底力を発揮し、人々が助け合い、力を発揮し、人々が助け合い、力を合わせることで乗り越えてきました。(以下略)

驚いたことには、歌の作者・つくられた時期に一切触れられていないことである。文章としても、演説としても不完全な欠陥作品である。引用というより他人の歌の「盗用」といった方がふさわしい。

日露戦争当時の明治天皇御製引用ならば、昭和天皇が先輩である。開戦決定の御前会議終了直後の

「よもの海 みなはらからと思ふ世に など波風のたちさわぐらむ」

があるが、祖父・明治天皇の御製で気持ちを現したもので盗用とは言えない。

首相演説にある歌は、右翼の間では有名らしいが、首相または、演説を起案した側近の不用意と軽率が目立つ結果となった。

明治天皇の御製は何万とあると聞く。鑑賞はいいが、左右とも御製の政治利用には慎重であるべきだ。

 

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2019年1月20日 (日)

冷戦復活阻止は誰が

  最近冷戦の再来を思わせるような記事が多くなった。その典型が中ロの新型ミサイルの開発と、これに対抗するためと称するアメリカのミサイル・デフェンス(MD)の強化である。オバマ時代まで続いてきたポスト冷戦時代という流れが逆流し始めた。

双方に言い分はあるだろうが、トランプのミサイル制限条約の一方的破棄宣言が大きい。新型ミサイルというのは、打ち上げた直後から弾道で狙った目標に到達させるのではなく、より低い大気圏をマッハ5という超高速で滑空させ、さらに方向変更もできるというものだ。

対抗するアメリカのMDは、発射を監視するイージス艦や人工衛星だけででは処理できないので専門の監視衛星を網の目のように張り巡らせる計画になっている。膨大な開発費用がかかるだろうが、日本やEUの分担をあてにしていることはいうまでもない。

 その衛星が邪魔ただということで撃墜すると、文字通り宇宙戦争になりかねない。宇宙天体は元来誰のものでもない。したがつて通称「宇宙条約」で各国の領有や軍事使用は原則禁止になっている。

 月などの天体における軍事利用は明確に禁止されている一方、その他の宇宙空間における軍事利用については条約ではほぼ触れられていないに等しい。ICBMなど宇宙を通過するだけの兵器は対象外で、監視衛星も禁止の対象ではないと解釈されている。

 宇宙の探検、研究、平和利用は各国とも保障されている。このところその成果により実態が徐々に明らかになりつつある。宇宙は果てしなく広大だから、1967年にベトナム戦争が始まった頃できた宇宙条約も曖昧模糊でもいいとはいえなくなった。

 第2次大戦後の南極も、当時似たような状況下にあった。日本の国連加盟が実現したのち、1957年に南極観測を始め、1959年に南極条約加盟国となった。その骨子は、

南極地域の平和的利用(軍事的利用の禁止)
科学的調査の自由と国際協力
南極地域における領土主権、請求権の凍結
核爆発、放射性廃棄物の処分の禁止
条約の遵守を確保するための監視員の設置
南極地域に関する共通の利害関係のある事項についての協議の実施
条約の原則および目的を促進するための措置を立案する会合の開催

 といった内容で、日本は核爆発の禁止などでこの成立に積極的な関与をした。

 人工衛星打ち上げ先進国で、平和憲法のもと近代装備を保有する自衛隊がある日本は、宇宙条約の不備を中立的立場で改定起案する資格がある。

 安倍さんどう?動いてみたら。

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2019年1月19日 (土)

官僚の反乱

 12日に役所の怠慢と題して、「厚生労働省が担当する雇用保険などの算定の基礎となる統計が、いい加減だったと判明した。かつて年金問題でいい加減な仕事が露見し、内閣がひっくり返ったことがある。厚労省というのは、労働基準監督署などを除いて権力や利権などに縁遠く、計算ばかりで緊張に欠ける省庁なのだろうか」と書いた。

 ところが今度は、一番優秀な人材がそろい権力に近いはずの法務省だ。

法務省は18日、外国人労働者の受け入れ拡大に向け、昨年末にまとめた「総合的対応策」の資料に誤りがあったと発表した。2018年度第2次補正予算案と19年度予算案に、関連施策の金額として計224億円を計上したと記述していたが正しくは計211億円だった。

閣議決定した予算案には正しい金額を計上しており、修正の必要はないと説明しているが、行政の気の緩みとして野党の追及を受けそうだ。労働者教育のための同じ項目13億円をダブって計上するという単純なミスである。

また、同じ日、経産省も貴金属統計調査の公表内容に誤りがあったと発表した。事業者の指摘で発覚したが、毎月公表する貴金属の月末在庫数を、年末に112末の在庫数を合算して年末在庫数としたというお粗末ぶりが明らかになった。

これを知ってか知らずか、麻生財務相はこの日の閣議後会見で「さわめて遺憾なことだ」と厚労省の不手際にしぼって批判、野党の攻勢を乗り切ろうとしてる。

もはや一省庁の問題の範囲を越えている。公文書改ざんを理財局長のくびで乗り切ったつもりの財務省をはじめ、官僚全体が故意に反乱を起こしているようにさえ見える。

これで野党が国会で攻め切れないようなら、次は国民の反乱が待っている。

 

 

 

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2019年1月18日 (金)

気になるイギリス

初めて覚えた外国のトップは蒋介石(中)だった。次いでルーズベルト(米)とチャーチル(英)である。前後して同盟国のヒトラー(独)とムッソリーニ(伊)がいるが、ベルリン・オリンピックのヒトラーぐらいしか印象に残っていない。敵国の方は、新聞に憎々しい風体の漫画がのるので、覚えやすい。

現在のイギリスのEU脱退問題を見るにつけ、戦後世界平和構築に果たしたチャーチルの偉業を回想せざるを得ない。退陣したあとでも、彼の講演会の演説が現在の欧州共同体設立の機運を招いたことが忘れられているのではないか。

毎度の毎日新聞コラム・西川恵氏の「金言」からの孫引きで恐れ入るが、チャーチルが書いたノーベル賞受賞著書『第二次世界大戦』から偉大な政治家の片りんを紹介しておく。

チャーチルは当時の英政治の空気を「不愉快な事実には顔をそむけ、国家の重大な利害も顧みずに、ただ人気取りと選挙の上首尾だけを願い……」と描いている。

英政治が目を覚ますのは39年9月、ドイツのポーランド侵攻によってだった。フランスと共に英国はドイツに宣戦布告し、戦争準備が不十分のまま第2次大戦に突入した。

先の著作でチャーチルは「イギリスのひとりよがりがの愚かさをそのまま露呈し……恐怖と不幸を世界に放出するのに決定的役割を演じた」と英国の責任を指摘している。

今、欧州とイギリスの運命を決めるのは、メイさんの舵取りひとつ。荷が重いだろうがなんとか頑張ってほしい。

 

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2018年12月22日 (土)

元気のいい検察

 日産元会長ゴーン会長となると、検察はどうしてこんなに元気が出るのか。国民にとってより身近で重要なのは「もりかけ問題」である。公文書偽造・改ざん・隠匿・偽証その他もろもろ、主権者としい知りたいことが山ほどある。

 犯罪すれすれの事案も少なくないと思われるが、立件の動きは聞かれない。内閣や総理が噛んでいるかいないかでこれほど違うのだろうか。日産の件にはマスコミ・リークということを聞かない。司法取引による内部告発という珍しいケースで始まった。

「もりかけ」にも似たようなケースはある。改ざんの指示を受けたことを苦にして自殺に及んだ公務員は形を変えた内部告発であり、海外逃亡とは言わないが、証言を避けるためか重要なポジションにいた女性公務員をイタリア大使館に転勤させるようなことも起きている。

 日本の司法の公正・公平はどこまで信じたらいいのだろうか。まさか「もりかけ隠し」だとは思いたくはないのだが。

 

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