クーデターの限界
軍隊というものは自らの命をかけて敵と戦います。したがって、規律とか指揮命令には絶対的な権威があり、背反は許されません。
命令の権限は最高権力者ひとりが握っているのが普通です。昔の日本は天皇、王国では国王、共和国では国民の選挙で勝ち抜いてきた大統領。共産国では、労働者・農民が組織する党の総書記・主席など特定の地位でしょう。
軍隊が、国家権力の命に従わず、実力をもって権力を奪取するのがクーデターです。
このところ、ミャンマーのクーデターが大きくマスコミに取り上げられていますが、その前はタイ、そして中東ではエジプトのクーデターが宗教紛争に大きな影響を与えました。
クーデターでも、民衆のデモが合い次ぎ、一見「革命」と似ているところがありますが、両者ははっきりと区別しておく必要があるでしょう。
一般に、先進工業社会ではクーデターが稀になってきています。労働組合など権力集団が多岐にわたるようになり、すべて軍事力で掌握することは非常に困難になっているからです。
ミャンマーのクーデターについて、原因や目的があいまいかつ不可解とする論評が多くなっています。
「コップの中の争い」というと失礼ですが、前述のような観点から冷静に見ておく必要があるでしょう。
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コメント
へこきあねさ さま
ミャンマーには多くの日本人が在住しており双方に顔の利く人も少なくないからだいたい報道される通りなのだと思います。
タイでも一部報道に散見されましたが、軍内部の権力闘争かもしれません。
投稿: ましま | 2021年2月 3日 (水) 09時25分
コップの中の争い?
そうかもしれませんね。軍のトップはロヒンギャ虐殺の責任者というし、それを見過ごしてきたアンサンスー・チーさんにも疑問が残ります。
民主的な選挙で選ばれた議会が始まるという日のクーデター。
民主主義の脆弱性が吹き出たのでしょうか。
投稿: へこきあねさ | 2021年2月 3日 (水) 06時02分
国軍が権力を奪って何をしたいのかがよくわかりません。国民を敵にしたり日本企業がどんどん逃げるようなら金づるもなくなります。
投稿: ましま | 2021年2月 2日 (火) 20時23分
ただの権力争いのクーデターにしか思えませんが、国民だって黙っていないでしょう
投稿: 玉井人ひろた | 2021年2月 2日 (火) 19時47分