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2020年7月26日 (日)

谷町をころがしたコロナ

 コロナで八方ふさがりの中、変則的ながら相撲中継が見られるのは楽しい。塾頭のひいきは「御嶽海」である。

 御岳爆発のあったころ、木曽とは反対側・信濃の出身で、忽然と上位に上がってきた力士がいた。大型ではないが土俵に吸い付いたようなすり寄りの力強さから「もしかして横綱候補」と思ったのである。

 定位置・関脇が続き優勝もあったが三役陥落も経験し、久しぶりに関脇で6連勝、昨日勝てば今日勝ち越しに王手がかかる、と楽しみにしていた。

 ところが突然字幕に、「不戦勝」と出た。あれあれ、相手の阿炎は怪我でもしたのかな、と思ったら、錣山親方が「お客様と会食に出たため」に出場を禁止したという。

 1日だけでは済まず、阿炎処遇への影響は大きい。全勝を続けてきた御嶽海も「勝ち星」を得たとはいえ、心理的に支えを外されたような気がするのではないか。

 大相撲は明治末までに現在のような興行形態が定着した。有力後援者・ひいき筋は「谷町」と呼ばれる。大阪谷町筋の相撲好きの外科医が相撲取りからは治療代を取らなかったことから来ているという。

 食事は、谷町から声がかかったのだろう。力士には欠かせない化粧まわし、会場をとりまく旗指物など、谷町なしでは成り立たない。谷町の誘いを断るなど、どんなに勇気のいることか。

 誘ったのは数人の谷町だったという。とんでもないところへコロナの猛威が及んだものだ。

 

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コメント

お茶屋さん、強しです

投稿: 玉井人ひろた | 2020年7月28日 (火) 17時37分

玉井人ひろた さま
くわしい情報、ありがとうございました。
会社のもつ升席に客を案内したことがあるので、そんなふうに変わったのを知りませんでした。立派なおみやげつきで、客の中には独身だからといってそれまで持たされました。

投稿: ましま | 2020年7月26日 (日) 20時36分

力士を支えるのは「谷町」、大相撲を支えるのは「お茶屋」が昔からの定番ですね。

ただ最近は谷町は「後援会」という名称が多くなりました。

お茶屋制度も一時期改革(無くし)して、コンビニやイベントチケット売り場で販売し、もっと一般の人が買いやすくしようという理事が現れたのですが、相撲協会から消されてしまいました。
それが貴乃花ですね

投稿: 玉井人ひろた | 2020年7月26日 (日) 16時35分

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