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2020年7月28日 (火)

日本語の迷走

 「恩を仇でかえす」と書こうと思っても、「恩」は常用漢字にあっても「仇」はない。「恩をアダでかえす」とか「アダ討ち」では、さっぱり気分が出ない。『記者ハンドブック』というのがあって、新聞記者の手引きになっているが、塾頭手持ちのものはやや古い。

 常用漢字は内閣告示で決まるが、「鯨」があっても「鮭」はないとか「桜」があっても「梨」がないなど、それに準拠しなければならない職業人の苦労や疑念は、想像に余りある。

 塾頭にはそんな義務はないので、変換で「あだ討ち」と出ても「仇討」に書きなおす。戦前の書物は、大衆にも読めるよう簡単な文字でもルビが振ってあった。それで読みを知り、漢字が持つ意味にも理解が及ぶことができた。

 GHQの指導のもとこうなったのかも知れない。しかし憲法とは違う。金がかかるだけで文字文化を退歩させるばかりの、現行制度は即刻やめた方がいい。

 ただ、日々増える英文略語など、新たな負担もある。試験問題などへの採用には、日本語のあるべき姿を求めた上、別の配慮が必要となるだろう。

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エッセイ」カテゴリの記事

コメント

戦後75年でいろいろな企画があるようですが、占領期のいろいろな歴史の掘り起こしが必要な時代になりました。

投稿: ましま | 2020年7月30日 (木) 09時26分

それは、知っています。

「日本人は漢字が難しくて、文盲率が高く教育が遅れた」と、GHQが考えた政策ですね。

ところが、実際はアメリカ人より日本人のほうが教育水準が高いこと知り誤解と判明し、GHQはあわててその政策を止めたと記憶しています

投稿: 玉井人ひろた | 2020年7月30日 (木) 08時22分

玉井人ひろた さま
GHQは漢字自体の数をへらし、英語のように音表文字の仮名にかえることで漢字教育の負担を減らすことが、民主教育への近道と思ったらしいです。

投稿: ましま | 2020年7月29日 (水) 20時53分

康煕字典を参考にし常用漢字を定めたのは明治政府だったはず(?)つまり戦前のはなしですので、GHQは無関係です。

投稿: 玉井人ひろた | 2020年7月29日 (水) 15時15分

「康煕字典」・・読めなかった。調べてみたら清の時代の皇帝が作り、その元号から来ているんだそうですね。
 何でモンゴル出身であることが歴然としている皇帝の業績に、戦後の日本の文部省が準拠するのか、GHQではなく中国のせいかも知れません

投稿: ましま | 2020年7月29日 (水) 10時10分

先日私の名字について調べたら、消されてしまった漢字で、現在使われているのは正確に言うと違うことが判明しました。

日本の常用漢字の基本となっている事典は、中国の「康煕字典」なんだそうですが、わたしの名字の漢字はこの辞典では採用されていなかったため消え去ったようです。

ですから、正確な字はパソコンでは作らないと入力できないことが判明し、先日作りました。
ただ、ブログでは使えないようです。

投稿: 玉井人ひろた | 2020年7月28日 (火) 21時04分

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