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2020年5月

2020年5月31日 (日)

正常と平常

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【正常】せいじょう

他と変わったところがなく普通であること。なみ。あたりまえ。

【平常】へいじょう

つね日ごろ。ふだん。へいぜい。

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 似たような言葉だが、現今のコロナ禍で失われているのは、どっちだろう。『広辞苑』では両方ともあてはまるように見えるが、深刻なのは「正常」の方だ。

 政府の打ち出す対策・方針が専門家会議で決められる過程を示す議事録を作っていなかったことがわかった。

 本塾はかねがね、責任を転嫁するため専門家会議を隠れ蓑に使っているのではないかという疑問を呈してきた。スペイン風邪の記録が見当たらないことも書いたが、当時第一次大戦のさなかで、国家機密扱いだったと言われている。

 今回は、全く逆である。すべての状況・経過・措置・結果などを記録に残し、将来の参考に供さなければならないことは、国際的な義務でもある。

 そう気づくのが「正常」で、記録の改ざんや破棄などは犯罪行為であるという神経を持たない、政治・官界の「平常」の体質が「正常でない」ことをまたもや露呈した。

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2020年5月30日 (土)

香港難民、日本はおよびでない

 前回の続き。引用2題

【台北時事】中国全国人民代表大会(全人代)で28日、香港に国家安全法を導入する方針を採択したのを受け、対中政策を所管する台湾の大陸委員会は「民意を無視し、野蛮なやり方で香港の自由民主と法治を著しく傷つけた」として中国共産党に「強烈な非難」を表明した。同法導入で反政府活動が厳しく摘発されると、香港からの政治難民が増えると見込まれるため、受け入れ態勢の整備を急ぐ方針だ。(以下略)

519 AFP】難民受け入れに最も寛容な国は中国、ドイツ、英国であるとした調査結果を、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が19日、公表した。(以下略)

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2020年5月29日 (金)

むつかしい中国外交

 中国の全国人民代表大会(全人代)は28日、香港に国家安全法制を導入する提案を採択した。「高度な自治」が保障されている香港では、これにより政治的自由や市民的自由が脅かされるとして抗議運動が展開されていたが、その効も無く、このさき香港議会を通過せずに本土の法令を適用されることとなる。

 日本としては、対岸の火事ですませないような事態だ。

 その一方で、こんなニュースもある。

中国政府が国営メディアなどに対し、安倍首相への批判を控えるよう指示していたことがFNNの取材でわかった。

中国外務省は、26日の会見で、25日に安倍首相が新型コロナウイルスが「中国から世界に広がったのは事実だ」と述べたことに反発していた。

しかし、この会見の数時間後、中国共産党系の「環球時報」は、「安倍首相は同盟国であるアメリカに配慮しつつ、中国を刺激することを避けた」などとする社説を掲載していた。

関係者によると、これは、中国政府が習近平国家主席の意向をふまえて、国営メディアなどに批判を控えるよう非公式に指示を出していたもので、アメリカと対立を深める中、日本との関係を悪化させたくないとの判断があったとみられる。

 本塾は、同じ一国二制度という言葉は使われても、台湾のWHOのオブサーバー加盟などは、EUなどと共同、国際問題として米中間の間に立つべきだとする記事を書いた。しかし、香港の事態はダメだ。

 中国としてはあくまでも国内問題であり、他国の干渉を許さない。阿片戦争、琉球処分、日清戦争、台湾出兵、第一次、第二次大戦、国共内戦など約一世紀に及ぶ東アジアの歴史に精通しないで、下手な外交に手出しすると火傷する。

 引用した中国の遠回しのメッセージは、中国の政治に理解をお願いしたい、というふうに聞こえる。

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2020年5月28日 (木)

国民国家

 世界にはたくさんの「国」がある。そのほとんどが「国民国家」といっていい。「王国」「帝国」は、そこから外したり、専用の軍隊の有無で判断するような、いろいろな学説があるが、塾頭は、議会があって権力者の独裁が制限されており、近代的な法秩序が共有できて条約が結べるような国は、すべて国民国家としていいと考える。

 アメリカは、「合衆国」だから厳密には国民国家といえず、中国は、実態が政党国家で国民国家とは言えない。

 それから、イランなど、宗教指導者がトップに立つような国も国民国家とは言い切れない。明治時代、国民国家の仲間入りを果たした日本が大戦の反省を活かして、この先、国民国家のお手本になれるような外交ができるかどうか、世界からも注目されている。

 

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2020年5月27日 (水)

常識と法とモヤモヤ

 人が道路を歩くときは右側、車は左側通行である。これは日本の常識であり、法律もその通りになっている。

 親しい人に会えば握手もするしお店で食事もする。これは常識であって、不法行為ではない。だけど、公序良俗に反するといった「もやもや」がこれからも続く。

 検察官は、悪人を取り調べたり起訴する強い権限を持つ。しかし法務大臣のもとで行政権を行使する公務員でもあるという点、「司法の独立」という常識と、任免権その他関連する「法」の間に「もやもや」があって、どうもよくわからない。

 国際問題にもある。

 過去の法律に基づいてなされた行為を、その後できた法で罰することはできない、という法・不遡及に反する慰安婦問題。最高裁による国家間の条約に反した徴用工問題判決。そういった常識を、人権回復で正当化しようとする日韓間のモヤモヤ。

 トランプと習近平の間にたって、日本、どっちつかずのモヤモヤ。

 そこに梅雨入り直前の、モヤモヤ空模様が加わる。これは法と常識に関係ない。

 

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2020年5月26日 (火)

中国革命を予言した男

 以下、大正十四年(1925)十二月に書かれた宇垣一成の日記にある。

「然り支那の四億の国民が理解の下に赤化する様の事は勿論あるまい。乍併四億民衆の内に力あるもの一万内外の赤化主義にかぶれ来たら夫れで支那全土の赤化は成立すると考へられることは露国の覆轍を見れば明瞭である。即ち露国の赤化は弐億余の民衆の自覚より起りたるにあらずして、数万内外の有力なる猶太系露人の先導によりて出来上りたのである。思ひを茲に致せば支那は赤化する心配なしとは頗る暴断である。而して数万有力者の共産化は一躍支那全土を赤化せしむるに至ることは露国の例に徴すれば有り得べきこと覚悟して居らねばならぬ。」(『政治家の文章』岩波新書)

 この年のはじめ、日本は革命後のソ連と国交を樹立し、422日に共産主義運動取締のため治安維持法を公布した。一方、陸軍大臣であった宇垣は、5月1日に陸軍4個師団を廃止、軍の近代化を図る、いわゆる「宇垣軍縮」を断行している。

 頭書の中国革命預言は「お見事」としか言いようがないが、大正から昭和にかけての歴史に度々登場する「宇垣 一成」の人物像はあまり知られていない。

 陸軍大臣として顔を出すのが大正13(1924)の清浦圭吾内閣、それから4代連続し1代飛んで浜口雄幸内閣の1931年まで続く。

 軍を侮辱したという衆院の質問、いわゆる「腹切り事件」が起きて広田弘毅内閣が総辞職した1937年の後継首班として宇垣に組閣の大命降下が下るが、陸軍が抵抗して陸軍大臣の指名を拒み不成立となる。

 この年、近衛文麿内閣のもとで盧溝橋事件が起き、日中戦争がはじまる。宇垣は外務大臣として入閣するが3か月あまりで交代する。

 宇垣は陸軍現役の大物だったが、岡山出身で伝統的に受け継がれた長州閥ではなかった。日記で見られるように漢籍に造詣が深いものの、徳富蘇峰や吉野作造のような文人でもなかった。

 昭和6年(1931)三月に起きた三月事件というのは、宇垣を手っ取り早く首相に据えるためには、軍事クーデターに頼るのがいいとする、参謀本部・ロシア班長の橋本欽五郎中佐らの計画である。民間右翼の大川周明などを抱き込み、宇垣が首謀者の位置にいたが、そのようなことをしなくても、政権奪取の芽が見えてきたとして、宇垣がストップをかけた。これは以後秘密とされ、表に出たのは戦後になってからである。参議院議員となって政界に復帰したものの在職中に死去した。

 昭和史の闇の部分を知っていた男だと思う。

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2020年5月25日 (月)

宇宙作戦隊

「宇宙作戦隊」、うかつながらこれまで本塾はこの言葉に気がつかなかった。コロナとは違う宇宙の話が、今日の毎日新聞社説に説明抜きで突然出てきてびっりしたのだ。

2020年(令和2年)123日に防衛省は、「宇宙作戦隊」編成を盛り込んだ防衛省設置法改正案を自民党国防部会などに提示して了承され、第201回通常国会に提出して417日に可決、成立させたのだ。部隊名は202058日に正式に「宇宙作戦隊」と決定された。

 言葉自体は防衛省内部にあったらしいが、今年はじめ、定員変更などを盛り込んだ防衛省設置法改正案を自民党国防部会などに提示して了承された頃から、この名称が使われ始められたようだ。

 法案は、第201回通常国会に提出、417日に可決成立した。部隊名は、202058日に正式に「宇宙作戦隊」と決定された。「宇宙作戦隊」は2020年(令和2年)518日、府中基地に約20人で始動し、将来は100人規模にする方針だ。

 コロナさわぎの真っ最中で、立憲民主党をはじめ主な野党が賛成して、大きな議論にならなかった。また、マスコミでもあまり見かけなかった。

 自衛隊の活動範囲が、領土・領海内に限られている限り合憲であるとするのが本塾の立場である。邦船を守るための公海派遣もいいとしょう。しかし宇宙は別だ。

 日本は、『月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約』という、やたら長い名の条約を批准している。

 宇宙条約と略称されるが、短く言えば、国境のない宇宙は、人類はだれでも自由に利用できるが、核ミサイルなどを含め軍事利用は軍事利用はだめ、という国連をベースにした条約で「宇宙戦争」は一切できない。というものだ。そこへ、自衛隊の「宇宙作戦」を持ってくるのはなんとも異様である。

 サイバー攻撃や監視衛星など、防衛上衛星が受け持つ高度な技術に依存しなければならないことは理解できるし研究も必要だ。そこへ「作戦」という軍事を思わす名称をもってくる神経は、どこから出てくるのだろうか。

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2020年5月23日 (土)

薬効疑惑、トランプも

 前回の記事、「一転!アビガンは無効」に続く。

トランプ米大統領が新型コロナウイルス感染症の治療や予防に推奨し自らも服用している抗マラリア薬について、入院患者に効果は見られず、死亡率や不整脈が増加する可能性が高いとの研究結果を米国とスイスのチームが22日、英医学専門誌ランセットに発表した。(中略)

新型コロナウイルスへの評価が定まっていない薬を政治的な思惑で宣伝する危険性に批判が強まりそうだ。トランプ氏の推薦を受けてブラジルでも投与が解禁されたが、トランプ氏は20日、近く服用をやめる方針を明かした。(後略)【ワシントン共同】

 毎日新聞5/23夕刊の記事だが「政治的思惑」とは何だろう。こんなところまでアメリカのポチであることの中身は?

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一転!アビガンは無効

 安倍内閣を見ていると、今や、酔っぱらい蛇行運転、高速道路逆走、信号無視……なんでもありの暴走そのもの。だれも止める人がいないように見える。

 以下のようなスピード違反は、だれにもとがめられないとでも思っているのだろうか。

 新型コロナウイルス感染症の治療薬候補アビガンを巡り、国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で、明確な有効性が示されていないことが19日、分かった。複数の関係者が共同通信に明らかにした。感染した著名人がアビガンの投与後に回復したと公表し、安倍晋三首相は「5月中の承認を目指す」とするが、現時点で薬として十分な科学的根拠が得られていない状況だ。

 アビガンは催奇形性の問題などがあり、専門家からは「効果や安全性を十分確認せずに進むのは納得できない」「月内の承認方針は前のめりだ」などの声が出ている。

 アビガンの名称は、やや太い大きな錠剤とその瓶の写真とともに、TVメディアが繰り返し放映し、薬効が期待できる国産の薬剤で、海外からの引き合いも多い。大増産できるよう政府の支援も期待されている、というような内容だった。それが一転、逆走を始めることになる。

 たまたま製造元の親会社・富士フイルムホールディングスが522日大引け後(15:00)に決算を発表。203月期の連結税引き前利益は前の期比18.7%減の1730億円に減り、従来予想の2300億円を下回り、増益予想から一転して減益という内容だ。

 来期見通しもなく、メーカーは効用に疑問のある事を知っていた。ここで前評判を打ち消し、安全運転に切り替えたかったのだろう。

 そうすると、アビガン・ブームは、一体だれが先導したのかという疑問が残る。ネット上では、政治目的への疑念がすでに出始めているが、罪滅ぼしの意味でメディアは徹底追及をしてほしい。

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2020年5月22日 (金)

『甲陽軍鑑』

 コロナに関する政府の非常事態宣言は、最後に残る5都道府県の解除も、月末を待たずに実現させる方向で進んでいる。

 検察不祥事などで進退窮まった政府が、感染数の減退を見て点数稼ぎをしたい気持ちはわかるが、これで終息することはなく、再発必至とする意見もなかなか根強い。

 戦国時代名をはせた名将・武田信玄の『甲陽軍鑑』に味わうべき教訓が載っている。

信玄公仰せらるは、弓矢の儀、勝負の事、十分を、六分七分の勝は十分の勝なり、と御定なされ候。中にも大合戦は殊更右の通肝要なり。子細は八分の勝はあやふし。九分十分の勝ちは味方の大負の下作りとの儀也。『戦国武将』中公新書

 コロナとの戦い、今が「六分七分」か「八分」か「九分十分」か。判断は「専門家」任せでなく「政治家」自身がしなければならない。

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2020年5月21日 (木)

賭けマージャン

 東京高検・黒川弘務検事長の賭け麻雀疑惑が一斉に報じられられた。今日発売の「週刊文春」に詳細が載る。

 麻雀の相手は産経新聞記者2人と朝日新聞記者の1人で、場所は産経新聞記者の自宅。今月に入って2度あり記者が手配したハイヤーで深夜に帰宅したという。

 新聞記事によると、すでに定年延長問題で国会が紛糾しているさなか、即刻辞職は免れないという観測になっている。

 産経・朝日両社は遺憾の意は表明しているが、それは、コロナで大騒ぎの最中三密禁止で例示される麻雀を続けていたことで、「賭けていたがどうかは調査中」などというものである。

 というのは、記者会見などでは絶対聞き出せない真相の一端をつかみ取るため、ベテラン記者なら使う奥の手だ。新聞社幹部もかつて自分たちもやって来た。酒席の付き合い、夜討ち朝駆けの場所を選ばない取材合戦は、記者の常識という理解からだろう。

 外回りの取材には、記者の足として通常ハイヤーが使われるので、協力者への便宜供与の範囲であれば問題ない。

 賭けない麻雀など味気なく、自宅を使って深夜に及ぶなど、普通は考えられない。仮に賭けていたとしても、検察官という役職上問われる法律問題なので、日頃知りあい同志のゲームであれば、賭博罪として検挙されるということはない。

 しかし、この場合は違う。民間でも相手が取引先であれば、お互いに警戒しあって普通なら敬遠する。

 麻雀の場合、振り込むことを承知で点棒をごっそり持っていかれる危険を冒すことがある。ゲーム上のスリルでもあるのだが、故意があれば、相手に対する買収として簡単に使える手だ。

 それが、贈収賄罪として立件できるのかどうか、検事長なら研究のテーマにしてもいいと思うのだが。

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2020年5月20日 (水)

ひとごとではない台湾

 前々回に続きWHO総会関連のことを書く。

 コロナウイルスとは別に、台湾のオブザーバー参加のことが米中間の角逐の種になっている。前々回は、題を「コロナを外交のチャンスに」としだが、安倍首相の親善訪問を中心とした「無難外交」だけで乗り切れるかどうか、不安のあることにも触れた。

 WHOではないが、国連総会でオブザーバーとしての資格を有する国が2か国ある。

 バチカン市国 とパレスチナ国で、その背景は全く違うが前者は193か国中178か国、後者は137か国が承認している。全会一致でなければオブザーバーになれないというわけでもない。

 中国は、台湾をオブザーバーであっも、国と同様に扱うことに反対しているのだ。日本の非常宣言適用地域設定のように、細分化したエリアに対する指導にとどめるなど、話し合いの余地がないとは思えない。

 しかし、中国共産党の人民解放軍と、蒋介石を首班とする中華民国軍の内戦が、台湾海峡をはさんで解決していないことや、中国・日本の両属関係にあった琉球王国の時代、さらに日本の領土となった台湾の歴史などに思いが至らないようでは、仲介する資格がないということだ。

 言いかえると、沖縄の米軍基地、尖閣問題解決の糸口さえ見えないようでは、中国も仲介に関心を示さないだろうと言いたいのだ。

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2020年5月18日 (月)

首相交代の時期

 「一喜一憂の自由」を書いたのは4日前の14日だ。コロナ蔓延の4月以降、千葉県が初めて新感染者ゼロとなったことに、快哉を叫ぶ自由があるといったものである。

 それが、昨日は、一時200人を超えた都内で確認されたのは5人、これまで新規感染者が5人以下となったのは、3人だった322日以来で、感染経路もすべて追えるという。隣接する当地として一安心だ。大阪府では新規感染者が、39日以来のゼロだった。5人以下となったのは4日連続となる。

 巷間いい続けられるように、ここで気を許すのは禁物なことは言うまでもない。だが、町を歩く人の散歩姿のマスクは変化なく、バスの中に運転手以外の人影も見えない。2か月間で身についた習慣は、そう簡単に変わらない。要注意は歓楽街通いということになるだろう。

 もう一つ、一喜一憂が禁物なものとして内閣支持率がある。

 16、17両日に行った朝日新聞の世論調査は、

・支持する 33 ⇐ 41

・支持しない 47  41

 と8ポイントも支持率が急落し、不支持優勢となった。コロナ被害の好転は評価されず、前々回にも書いた、検察庁人事問題が直撃している格好だ。

 2007年の9月12日、当時も首相だった安倍晋三は、「何もかもうまくいかなくていやになったので、辞めたい」と辞任を表明、25日には総裁に選出された福田康夫氏と交代した。

  首相!、もうそんな時期に来ていると思わなければ。

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2020年5月17日 (日)

コロナを外交のチャンスに

 本塾は、14日の記事で、国連の下部機関である世界保健機関(WHO)は、見方によれば世界大戦、いやそれ以上の危機を招いているコロナ禍に対し、総力を挙げて解決策を練り上げ、その権威をもって指導的立場に立つべきであると書いた。

 そして、米中の醜い対立構造の中で機能が十分果たされていないことを上げ、米中に次いで第3位の分担金を受け持つ日本が、指導的立場で改善を図るよう指摘した。

 今日付けの毎日新聞によると、WHOの新型コロナウイルス対応を巡り、日本政府は18日から始まるWHO総会で、独立性の高い機関による検証を欧州連合(EU)と共同提案する。

 政府は中国にも賛同を呼びかけており、首相は「おそらく提案は通るだろう」と自信を示しているというが、その根拠はない。

 EUの参加は、米中の緊張緩和を促し、国連の常任理事国に代わる新しい不戦秩序に道を開くようにならないか、という夢にもつながる。

 日本外交にとってまたとないチャンスなのだが、障害となるのは、安倍首相周辺に残る相変わらずの「冷戦思考」と、アメリカ中心で韓国や中国に存在する「反日分子」への反発以外に、東アジアを中心とした前向きの案がないことである。

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2020年5月16日 (土)

検察庁法改正は廃案へ

 「検察庁法改正案」というのが野党の強い抵抗を受けて、委員会審議がストップしたまま土日に入った。

 この法案は、1月に黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を「口頭決済?」で原則を変え、閣議決定したことに始まる。

 これにより政権に近いと目される黒川氏が、検察トップの検事総長就任に道が開けようなことになると、さまざまな政治疑惑が立件されず、総理大臣でも逮捕できるという検察特権にふたがかぶせられるという、うわさが立った。

 森まさこ法相などの答弁、説明、弁解がめためたで、到底閣議決定は持たないと見たのだろう。なんとか閣議決定は変えたくないということから、後付けで閣議決定が法的根拠を持つという、形を変えた法案が急ごしらえで出てきたのだ。

 安倍首相のそんな手口は、このところさすがに見透かされるようになった。膨大なネット上の書き込み、デモなどが民意として現れ、与党内にも石破氏や岸田氏はもとより、有力議員の中にも慎重論が根強くなった。

 本塾は、これまで「三権分立」の概念が与野党、マスコミも含め希薄なこと過去数回にわたって指摘している。

 三権分立は、現行日本国憲法でGHQから与えられたものとの誤解があるのではないか。大日本帝国憲法でうたわれ、「大津事件」を通じて日本国民の体質にしっかり組み込まれた「立憲主義」の伝統があるのだ。

 党名に「立憲」をつけるのは今が初めてではない。明治時代から何回もある。明智光秀や本能寺の変は知っていても、大津事件は知らないというようらことにはないようにしていただきたい。

 今回、その事件について詳述しようと思ったが、4年前に「司法権と大津事件」で取り上げているので、それをリンクするにとどめておく。

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2020年5月14日 (木)

一喜一憂の自由

「感染者数増減に一喜一憂するな」という。

 日々のニュースはどこを見てもコロナ一色。ほかに一喜一憂するような材料は、身の回りから奪い去られているのだ。

 わが千葉県では、14日、県・市の統計で3月30日以来45日ぶりに新感染者ゼロを記録したとマスコミが伝えた。

 統計によっては3月14日以来というのもある。たしかに、不確実な統計で一喜一憂する(科学的)根拠にはならない。

 ただ、どんな統計であろうと、ニュースを見聞して一喜一憂するのは、個人の自由だ。快哉を叫ぶ自由を奪う権限はどこにもない。

 今夜は、気分良く眠れる。

 

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WHO強化と日本

 今月はじめ、3年にわたってコロナ禍とは比較にならないほどの猛威をふるったスペイン風邪のことを書いた。

 世界恐慌は、歴史として詳細にその起因、経過、決末まで記述されるが、流行病についてはなぜかそれがない。

 発生したのが、第一次大戦末期である。交戦中の各国は、発生や感染者の蔓延を互いに国家秘密とした。それをさらに相手国に対する秘密兵器として利用する傾向もあった。兵士に対する伝染・流行は「戦争そのもの」であった。

 今日の報道の中に、世界保健機関(WHO)幹部のコメントがあった。

[ジュネーブ 13日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン氏は13日、新型コロナウイルスがヒト免疫不全ウイルス(HIV)と同様、消滅しない可能性があるという見方を示した。

同氏は「新型コロナがエンデミック(一部の地域で通常の範囲内で広がっている状態)になり、決して消滅しない可能性がある」とした上で「現実的に考えることが重要で、新型コロナの消滅時期は誰も予想できないと思う。新型コロナは長期的な問題に発展するかもしれず、そうならないかもしれない」と語った。(以下略)

  なんとも他人事のような語り口ではないか。「専門家」に列せられるメディアの大学の先生と同じだ。

  国連広報センターのホームページを見るとこう書いてある。

世界保健機関・WHOは1948年に設立され、国連システムの中にあって保健について指示を与え、調整する機関である。WHOは、グローバルな保健問題についてリーダーシップを発揮し、健康に関する研究課題を作成し、規範や基準を設定する。また、証拠に基づく政策選択肢を明確にし、加盟国へ技術的支援を行い、健康志向を監視、評価する。その政策決定機関は世界保健総会で、毎年開かれ、194全加盟国の代表が出席する。執行理事会は保健の分野で技術的に資格のある34人のメンバーで構成される。150カ国以上の国々の国籍を有するおよそ8,000人の職員が、150の国別事務所、ジュネーブ本部、ブラジル、コンゴ、ワシントンDC、カイロ(エジプト)、コペンハーゲン(デンマーク)、ニューデリー(インド)、マニラ(フィリピン)所在の6地域事務所で働いている。2012-2013年度事業計画予算額は39億ドル強であった。そのうちの9億4900万ドルは加盟国の分担金(通常予算)で、残りは任意の拠出金である。

 国連は、戦争の反省から生まれた世界規模の連合体である。敵国条項や拒否権が関係する安全保障理事会などには改善の余地はあるが、健康問題を処理するWHOは別組織で全く関係がない。

 日本は、アメリカ・中国に次いで3番目に多い分担金を支払っている。米中の間にたってWHOのスタッフを強化したり、責任ある指導力で権威を持たせるようにするなど、やることはいくらでもあるのではないか。

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2020年5月13日 (水)

冷戦思考では先に進まない

 日本の防衛政策について、13日付の毎日新聞が久々に社説を掲げている。結論は「日本は対米追随から脱し、米露に中国を加えた新たな時代の軍縮交渉の実現にこそ努力すべきだ」である。

 本塾の主張に一見似ていそうだが、実現の当てのない机上の空論だ。東アジアの地政学的分析が全くないといってもいいからだ。おそらく、防衛・外務両省、自衛隊などの取材がもとになっているのだろう。

 社説は、ヨーロッパにおける緊張緩和が目的で米露間にあった中距離核戦力(INF)全廃条約失効を受けて、中距離ミサイルを日本に配備するという案が浮かんでいることについてである。

 中国は、前述の条約に拘束されないため、2000発近くのINFを保有していた。日米をはじめアジア地位にはそれに対抗するミサイルは1発もない。アメリカは、性能アップも兼ね、これを埋めようというものだ。

 秋田・山口両県におけるイージス・アショア(ミサイル探知陸上基地)も、攻撃目標とされるという地元の強い反対で、見通しが立っていない。そのような中で米軍にINF網を構築させようという案だ。安倍政権では先の見えない負担増をおして、どこまで反対できるか疑問である。

 頭書の新時代に向けた「軍縮交渉」に各国が乗って来るはずがない。アメリカは中国の海洋進出の歯止めにしたい、中国は台湾独立のけん制がある、ロシアも沿海州に危険が及ぶので簡単には乗れる話ではなく、軍縮交渉がまとまる機運は全くない。

 唯一日本が乗り出してまとめるチャンスがあったのが、北朝鮮と韓国の接触とアメリカのトランプ大統領が乗り出したとき、日本は6か国協議再開を提案し、朝鮮半島と日本を非核地帯宣言に組み入れることだった。

 ロシアのプーチンは、去年4月に6か国協議再開を提案している。障害となっていたのは、安倍首相の北朝鮮敵視の冷戦思考と、朝鮮半島と日本を1エリアとする構想に韓国が拒絶反応を起こす可能性だった。

 冷戦思考といえば、北朝鮮と中国、それにロシアは共産国で日米が対抗するべき国という発想である。経済がその壁をとり除いているという分析がない。それだけではなく、北朝鮮と中国、ロシアと中国の間には抜きがたい不信感が存在し、中国は北朝鮮の核保有を絶対認めたくないという立場だ。

 日本の政治家は、そういった地政学的発想を故意に避けようとしているのではないか、という気がする。

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2020年5月12日 (火)

検察定年延長、今頃なぜ

 国会で審議されている検察庁法改正案への反対運動の勢いが増している。内閣の判断で、本来なら定年を迎えるはずだった検察幹部の任期を延長することができる本法案。判断基準が曖昧なことから検察の独立性を揺るがしかねないとして、野党からは批判の声が相次いでいる。

 5月9日にはTwitter上で「#検察庁法改正案に抗議します」というタグが生まれ、たちまち拡散。タレント、漫画家、ミュージシャンなど様々な著名人にも広がりを見せ、同タグは500万件以上(51115時時点)も呟かれる事態に。(「女性自身」5/11() 16:53配信)

 この問題を本塾が取り上げたのは、214日、3か月も前だ。今頃になってなぜ?――という気がする。コロナ騒ぎで、安倍内閣の無為無策ぶりに触発されて、というマスコミの解釈もあるが、どうもそれではおさまりが悪い。

 こういった著名人がメディアの前で発言すれば、大きな世論を巻き起こすきっかけになったはずなのに、なぜ見過ごされていたのだろうか。当時、反政府系メディアは取り上げていたが、いつの間にか追及の矛先が弱まり、野党も倒閣の材料とする気概が見えなくなっていた。

 今になって著名人が行動を起こしたのは、コロナではなく、メディアと政治に対する不信感以外に考えられない。

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2020年5月11日 (月)

プロ野球と大相撲

プロ野球が最短で619日の開幕に向けて準備を本格化させていく。新型コロナウイルスの感染状況を注視しながら、複数球団が今月中旬からの全体練習再開を検討。6月上旬に対外試合が行えれば、開幕まで約1カ月の準備期間の完了が見える。

当初の320日開幕から延期が長期化。ただ感染の鈍化傾向も見られ、全国的にも日常を取り戻すために段階的に制限緩和への動きも出てきた。国内スポーツも自粛の日々を過ごしたが、国民的プロスポーツが旗手となり、底力を示す。(日刊スポーツ、05/09)

・公益財団法人日本相撲協会 (理事会発表事項)

以下の通り変更することが決まりましたのでお知らせいたします。

令和2年大相撲五月場所(5月24日~6月7日)

  → 中止

令和2年大相撲七月場所(7月19日~8月2日)

  → 開催場所を東京(国技館)に変更

  → 無観客開催を目指す

令和2年秋巡業

  → 中止

 以上ふたつの引用を見て、両者の間の微妙な違いが気にかかる。

 野球の方はいろいろな制約があっても、精いっぱい平常にに戻したいという熱意が感じられる。

 一方、前回の大相撲の無観客場所は、力士にとっても観客にとっても、気の抜けたビールのようで、評判がよくなかった。

 詳しくはわからないが、その差、民と官の違いのように見えてくる。

 

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2020年5月10日 (日)

コロナと人口問題

 『日本と世界の今がわかる現代史』朝日新聞出版、という本をパラパラとめくっていたら、次のような表が目についた。コロナで侵された脳みそは「感染者数や発生率の推移……?」と反応してしまった。

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 よく見ると、「なぜ、日本は少子化がこんなにこんなに進んでしまったのか?」というタイトルのページである。去年の2月に出版された本だからコロナが出ているはずがない。

 見方によれば、人口問題はコロナより深刻な問題ともいえる。そこでは、コロナで取り上げられた「実効再生産数」と似た数値が示されていた。

(前略)日本が人口を維持していくためには、合計特殊出生率(以下・出生率)2.07以上であることが目安とされています。出生率は1973年には2.14でしたが、75年には2を切って1.91を記録し、2005年にはついに1.26にまで落ち込みました。ただしその後はやや持ち直し、近年は1.4台前半が続いています。とはいえ出産が可能な女性の人口が減っているため、生まれてくる子どもの数は増えていません。17年の出生数は、国の調査開始以来最少の約946000人となりました。

そのため日本は、すでに08年をピークに人口減少社会に突入しています。(以下略)

 さらに、働く女性が増えている国は出生率も増えている統計を示し、対策のひとつとして掲げているが、戦時中の「産めよ増やせよ」のキャッチフレーズにはならないよう、注意が必要だ。

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2020年5月 9日 (土)

口頭親書

 朝鮮中央通信は8日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が中国の習近平国家主席に対し、新型コロナウイルスの感染対策を称賛する「口頭親書」を送ったと報じた。日時は不明。(以下略) 【ソウル時事】

 毎日新聞(05/09)の国際面最下段に載った記事である。普通なら見過ごして当然といった内容だが「口頭親書」で引っかかった。親書はいわゆる「手紙」である。口頭なら伝言か電話で「親書」とは言わない。

 もしかして、そういう外交用語があるのかなと思って検索した。北の通信社が出どころなので、共同通信はじめ日本の各紙が取り上げているのは当然として、その解説は見当たらなかった。

 毎日新聞も口頭親書に「」がついている。やはり疑問を感じたのだろう。あまり謎が多いので、あえて今日の記事にした。

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2020年5月 8日 (金)

「くに」とは何か

 イラク、シリア、トルコ、イランからなかなか戦火が絶えない。ISが消滅したような観測があるが、そう簡単にはいかないだろう。ISはイスラミック・ステートの略であるがステート即ち「国」の概念は、現在一般化している「国家」と全く異なるものである。

 現在の「国境」「民族」を超えるもので、宗教共同体」とも違う。国連の加盟単位にもならない。それが国家以上の軍事的脅威になっていた。その宗教上潜在する戦闘性、団結力はいつ復活してもおかしくない。

 この地域で、これと全く違う戦闘が起きているのが、クルド民族と域内や周辺国家との間で散発する戦争である。

 クルド族も、世界で最大の人口約3千万人という「国」を持たない民族で、イラク・シリア内や周辺国に散在し、「国」としての独立を希求するが、国連をはじめ、表向き支援する国はない。

 そこで「くに」とは何かということになると、日本は以上の観点で見るとあいまいなところがありながら、海で隔てられているだけに、紛争は避けやすい。日本国憲法が規定する国籍があるから、「日本人」ではない。

 昭和前半の時代まで「お国はどちらで」と聞かれ、「薩摩です」とか「越後です」と答えるのは普通だった。日本語の「くに」の語源や意味はどこにあるのだろう。古事記や日本書紀を見ても神話の最初から出てくるので相当古い言葉だ。調べてみたが諸説があって定説となりそうなものはない。

 そこで、日本書紀を見ると最初に出てくる「くに」は、

開闢(あめつちひら)くる初に、(くに)(つち)の浮れ漂へること、譬へば游魚の水上に浮ける猶し。

とあり、水と陸で区切られた洲を、魚の浮かんでいる姿に例えそれを国としている。続けて

時に、天地の中に一物生れり。状葦牙(あしかび)の如し。便(すなは)ち神と化為る。常立尊(くにのとこたちのみこと)と号す。

と書いている。

 「くに」も、なんとなく頼りない表現だが、国が限られた地理的な位置・範囲をであることと、そこを支配する「ひと=神」の関連を指している言葉であることがわかる。

 最初にISやクルド族のことを書いたが、「くに」の形は、海に浮かぶ大八洲とは違い、簡単に線引きはできないし、人の構成も複雑だ。ISと違った意味で「くに」とは何かが問われている。いきなり「国民国家」を目指すのではなく、「くに」の範囲と支配する「ひと」を区別をし、摩擦をさけながら自治区を形成していくしかないのではないか。

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「くに」とは何か

 イラク、シリア、トルコ、イランからなかなか戦火が絶えない。ISが消滅したような観測があるが、そう簡単にはいかないだろう。ISはイスラミック・ステートの略であるがステート即ち「国」の概念は、現在一般化している「国家」と全く異なるものである。

 現在の「国境」「民族」を超えるもので、宗教共同体」とも違う。国連の加盟単位にもならない。それが国家以上の軍事的脅威になっていた。その宗教上潜在する戦闘性、団結力はいつ復活してもおかしくない。

 この地域で、これと全く違う戦闘が起きているのが、クルド民族と域内や周辺国家との間で散発する戦争である。

 クルド族も、世界で最大の人口約3千万人という「国」を持たない民族で、イラク・シリア内や周辺国に散在し、「国」としての独立を希求するが、国連をはじめ、表向き支援する国はない。

 そこで「くに」とは何かということになると、日本は以上の観点で見るとあいまいなところがありながら、海で隔てられているだけに、紛争は避けやすい。日本国憲法が規定する国籍があるから、「日本人」ではない。

 昭和前半の時代まで「お国はどちらで」と聞かれ、「薩摩です」とか「越後です」と答えるのは普通だった。日本語の「くに」の語源や意味はどこにあるのだろう。古事記や日本書紀を見ても神話の最初から出てくるので相当古い言葉だ。調べてみたが諸説があって定説となりそうなものはない。

 そこで、日本書紀を見ると最初に出てくる「くに」は、

開闢(あめつちひら)くる初に、(くに)(つち)の浮れ漂へること、譬へば游魚の水上に浮ける猶し。

とあり、水と陸で区切られた洲を、魚の浮かんでいる姿に例えそれを国としている。続けて

時に、天地の中に一物生れり。状葦牙(あしかび)の如し。便(すなは)ち神と化為る。常立尊(くにのとこたちのみこと)と号す。

と書いている。

 「くに」も、なんとなく頼りない表現だが、国が限られた地理的な位置・範囲をであることと、そこを支配する「ひと=神」の関連を指している言葉であることがわかる。

 最初にISやクルド族のことを書いたが、「くに」の形は、海に浮かぶ大八洲とは違い、簡単に線引きはできないし、人の構成も複雑だ。ISと違った意味で「くに」とは何かが問われている。いきなり「国民国家」を目指すのではなく、「くに」の範囲と支配する「ひと」を区別をし、摩擦をさけながら自治区を形成していくしかないのではないか。

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2020年5月 7日 (木)

歴代韓国大統領その後

李承晩 4月革命により失脚、亡命

尹ボ善 逮捕実刑判決

朴正煕 側近の手で暗殺

崔圭夏 軍事クーデターで辞任

全斗煥 無期懲役(後に特赦)

盧泰愚 懲役刑(後に特赦)

金泳三 収賄容疑で次男が逮捕

金大中 収賄容疑で3人の息子が逮捕

廬武鉉 不正献金疑惑を受け、自殺

李明博 兄が逮捕、横領収賄容疑で起訴

朴槿恵 弾効訴追で罷免、収賄容疑で逮捕

 無傷の人はない。即断即行はコロナ対策てもお見事

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2020年5月 5日 (火)

林羅山の三男

 祝日が憲法記念日、みどりの日、こどもの日、と続いた。例年と違って手足をしばられ、何もできない記念日だ。

 立憲民主党の安住淳国対委員長は4日、安倍晋三首相が新型コロナウイルス感染拡大を受け、憲法への緊急事態条項創設を国会で議論するよう求めたことに対し、「コロナ問題と闘っている最中に制度論や憲法改正にすり替えるのはおかしい。そうした議論にはくみしない」と反発した。

 これに共産党も同調する。気持ちはわかるが、安倍首相の狙いをあぶりだすため、憲法記念日の存在を高度に活用するのが政治家のつとめである。そこから逃げようとしているかぎり、立民党の支持率低下に歯止めがかからないだろう。

 江戸徳川幕府の時代には憲法はない。それにかわるべきバックボーンをなしたのが、儒教を柱とする林羅山で有名な昌平黌の存在だった。

 林羅山は幕府の御用学者との批判もあるが、戦国時代を脱し250年にわたる独特の文化を保ち続けたのは、三男である林鵞峰の功績である。

 彼が亡くなったのは、綱吉に代替わりした年、1680年の5月5日、今日がその命日である。彼の博識ぶりは父におとるものでなく、弘文院学士号を与えられ、訴訟関係・幕府外交の機密にもあずかった。

 日本史に通じ、父羅山とともに『日本王代一覧』、『本朝通鑑』(『本朝編年録』)、『寛永諸家系図伝』など、幕府の初期における編纂事業を主導し、近世の歴史学に大きな影響を与えた。

 多方面な関心をいだいて博学広才ぶりを発揮した父羅山にくらべ、鵞峯は、『本朝通鑑』や『日本王代一覧』などにおいて「日本」の国柄がどのようなものであったかを追究し、幕府政治の正統性や妥当性がどうあればいいかについて、その支配イデオロギー形成の端緒を開いたとも評される。

 寛永20年(1643年)の著書『日本国事跡考』のなかで松島、天橋立、嚴島をあげ、これを日本の「三處奇觀」と称して、日本文明の中に位置付けた。2006年(平成16年)、林鵞峰の誕生日にちなみ、721日を「日本三景の日」に制定している。

 徳川時代を概観するうえで、鵞峰は羅山をこえるものがあるようだが、塾頭には、これからの宿題にしておく。

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2020年5月 4日 (月)

格言3題

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人事を尽くして天命を待つ

天は自らを助くる者を助く

果報は寝て待て

(写真をクリックしてください)

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2020年5月 3日 (日)

コロナは歴史に残らない

 くる日もくる日もコロナで大騒ぎ。こんな騒ぎを過去の歴史に照らしてみて、どう書き残されるのだろうと思った。

 第一次大戦最後の年(1918)に日本を襲ったスペイン風邪は、それから3年にわたって猛威を振るった。当時、庶民、政府、経済は、これにどう立ち向かったのかを調べてみたいとも思った。

 家にある現近代歴史書、辞典、年表など、いずれの索引をあたっても「スペイン風邪」「インフルエンザ」等の文字はでてこない。つまり、歴史記述はひとこともないということだ。その点、さすがはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』だ。その甚大な被害が書かれている。

・流行1918(大正7)年8-19197

 患者 21168398

 死者 257363

 致死率 1.22%

・流行1919(大正8)年8-19207

 患者 2412097

 死者 127666

 致死率 5.29%

・流行1920(大正9)年8-19217

 患者 224178

 死者 3698

 致死率 1.65%

数字の扱う期間が、コロナは3分の1に満たないし、とりかたも違うので単純比較はできないが、コロナは5月3日現在、

 累計感染者数 14893

 死亡者数 492

となっていて、それに比べると何桁も低い水準にあることがわかる。

 社会現象は、重要な歴史構成要素だと思うが、伝染病はなぜ「歴史」にならないのか、「その筋に詳しい人」の解説がほしいところだ。

 

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2020年5月 2日 (土)

政府は休業しなくていい

 大型連休も半ばに達した。コロナ感染者数がどういう方向をたどるのか、大いに注目される期間となっていたが、ようやく減少の傾向を認める観測が出始める一方、拡大長期化や再発必至という論調の勢いも収まらない。

 昨日の時点で、日本全国の感染者総数が、厚生労働省調査で1万1568人、対前日比で初めてマイナス163人とマイナスに転じた。新規発生数は先月からマイナス傾向が続いていたが治癒・回復者数が増えることも考えれば転機を迎えたといってもいい。

 そんな時期、次のような報道が飛び出した。(毎日新聞・東京05/02)

政府は1日、新型コロナウイルスの感染拡大に関する政府や自治体などの対応を検証する有識者会議を設置する方針を固めた。感染拡大が収束した後に発足させ、新型インフルエンザ等対策特別措置法の再改正など新たな法整備や、感染症対策に特化した組織の新設を検討する。(以下略)

 また「有識者会議」である。どんな方々かは存じ上げない。なんでこの時期に政府・自治体の通信簿をつくるため公費を使って決める必要があるのか。人選は内閣がするのだろう。内閣や官僚に落第点をつけるはずがない。

 また、政府、自治体の望む方向で献策することが、有識者に次の地位に結びつくような内容が答申され、政府にとっても責任転嫁の糧にしようということか。

 連休中こそ、政府要人がこれまでの収拾策を反省し、連休明けから全力を挙げて取り組むべき施策の準備に全力を尽くすべきではないか。

 いかにも、のんきな話である。

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2020年5月 1日 (金)

地震雷火事泥棒

 昔、怖いものの代表格として「地震、雷、火事、おやじ」という言い回しがあった。それを戦時歌謡の「隣組」の歌詞で「地震、雷、火事、どろぼう」と変えた。前ふたつは、天災でうしろふたつが人災である。

 では、コロナはどっちに入るのだろう。どっちに入るにしろ「隣組」は密接に協力しあうことにより、被害や恐怖を緩和できるという趣旨である。

 コロナは天災的人災であり、世界中がどっちか決めかねているうちに、猛威が限りなく拡大した。

 こうなっては、隣組で解決できるわけがない。政治が天災部分と人災部分をかっちりと区別し、対処の方法を示さなくてはならない。

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