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2020年3月 9日 (月)

サウジが大変貌

 サウジアラビアのムハンマド皇太子が、クーデターを企てる恐れがあるとして、サルマン国王の弟とおいという有力王族の身柄を拘束したという報道がなされている。

 サウジは、イスラム圏最大の安定した王制国家と思われているが、内実は違う。他のイスラム圏各国と同じように石油大国になる前は、多数の部族に分かれ、それぞれ部族長が支配していたのだ。

 その中の有力部族サウド家とイスラム・ワッハーブ派が盟約し、各部族と姻戚関係を結ぶことにより膨大な権力を集中した。

 そのため、国王は一説によると、17人の妻があり36人の王子がいるという。兄弟同士や甥・叔父との間で血を見るような争いをするのはおかしいように思うが、実は逆で、石油収入に限りが見られるようになると贅沢し放題は許されず、相互の奪い合いになるのだ。

 王太子候補はいくらでもいるわけで、自らに不利な報道するような記者があれば、トルコの殺人事件のようなことが起きても不思議はない。

 かつて、同国に長く滞在したカメラマンから聞いた話だ。

リヤドに向かう列車に乗ったら、王族の一向と出会った。そのうちの一人が、履物の緒を切って困っていたので、手早く持っていたひもですげて上げたところ大変喜ばれ、宮殿に来るよう誘われた。

ご馳走になったが、王妃はもとより女性が席に出てくることはない。たまたまこの日は、国民から王族が直接陳情を受ける日に当たっており、来た順で公平に話を聞くということだった。

こういった面での民主主義も自然な形で実行されており、石油の現物給付をプリンスマネーに換える方法などの話題はあったが、ゆとりあるサウジ王族の姿を垣間見た。

 平和だったサウジは、これから大変貌が始まりそうな気がする。

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コメント

上には上があるものですね。サウジの場合、父親の権威は石油の分配で保たれていたようです。それが減らされると多妻の間の嫉妬や疑心がこうじて足の引っ張り合いとなり、最後は誰かが生存競争に勝つか王家滅亡、国家壊滅の運命をたどるのかも知れません。

投稿: ましま | 2020年3月 9日 (月) 19時57分

テレビタレントで格闘家の一面も持つ、ナイジェリア出身のボビー・オロゴンさん(妻は日本人)の父親は妻が6人、子供が34人いるそうです。
ボビーさんは3番目の子供ですが、兄弟も妻たちも非常に仲が良い家族なんですよ。

一夫多妻制の国家では、父親の威厳の強さこそが家族のまとまりの良さに繋がるようです。
想像がつかない世界ですね。

ちなみに、日本では11代将軍徳川家斉が妻側室合計40人、子供53人というのが最多のようです

投稿: 玉井人ひろた | 2020年3月 9日 (月) 18時03分

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