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2020年3月

2020年3月31日 (火)

明治維新と植民地化決議

 「尊王攘夷イコール明治維新」という狭い視野しか持たない風潮がはびこる中で、勝海舟の語りを『新訂・海舟座談』から取り出して批判を試みたのが、前回の記事である。その引用文に続く1か所をつけたしておく。ペルー来航から話は始まる。

 初めて軍官が来たのを見にいったよ。十八[三十一歳?]の時でネ。今の壮士サ。六,七人連れていったよ。その時は、大変な騒ぎサ。ポータハン、ミスシッピーの二艦と、そのほかは帆前船サ。あれは、米国へ行った時によく調べたが、第一世ナポレオンがヘレナ嶋に流されてから一七年目に、欧米各国の公使が寄って、相談をしたのサ。段々食えなくなるので、東洋の方に貿易を開こうということに決議になって、英仏が先ずやって来た。この頃は、シナ、インドが目あてサ。すると林則徐という攘夷家がおって、亜片の騒ぎから戦争が起って、かれこれしているうちに、アメリカは、後尾であったが、あちらからずッと日本へ来たので、先が後になり、後尾が先になったのサ。

 欧米による東洋侵略決議という話は、初めて知った。第一次大戦をチャンス到来と見て、その一回り遅れで実行に移したのが日本である。

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2020年3月30日 (月)

理想と政治のはざま

 『巌本善治編、勝部真長校注、新訂・海舟座談』という本が岩波書店から出ている。これは歴史書ではなく、勝海舟の発言を直接・間接に聞き及んだとされることを、彼のべらんめえ調江戸弁を交えて後世に残しておきたいという意図からまとめられたものである。

 歴史学の史料として重視はされないが、塾頭は明治時代あるいは明治維新に見られる「ある断層」を埋める文献として重視している。

 その断層とは、明治維新が革命であることに違いはないが、日本人の生活、倫理、芸術、宗教その他、基本的な価値観に、大きな変化がなかったこと、言い換えれば、封建制から議会制国家への「政体」の変化と文明開化が斬新的に進んだことぐらいで、現在右派陣営が明治時代を国粋的観点から「国体」を定着させた輝かしい時代、つまり教育勅語・軍人勅諭一色に染め上げた時代ではなく、後の軍国日本とは違う、世界の中での日本という、より客観的な考え方があったことを証明する材料と考えるからである。

 海舟は、討幕軍を率いた西郷隆盛と江戸開城で戦闘回避を交渉したことで知られているが、軍艦・咸臨丸を率いて渡米、開国への道筋をつけるなど、新政府でも海軍卿の要職につき、晩年は最後の将軍徳川慶喜と皇室の和解を実現させるなど、維新にしこりを残さないようにした、影の功績がある。

 前置きが長くなったが、明治時代を見る目に断層があることを示したく、かつて本塾で引用したことがあるという記憶からブログ内の検索を掛けたら、2006101日の「日韓近代史考」を最初に6件も出てきた。重複するものもあるが、文末にそのウエブを載せておいた。

 今回の引用は次のとおりである。

(明治31年6月30日)

 朝鮮を独立させると言って、天子から立派なお言葉が出たじゃないか、それで、今じゃァ、どうしたんだェ。

慶喜公が、「お前は何年でやるかェ」と言われたから、『さようです。先ず、あれのした事は道理があると言われるのは、十五年、もっともだと言われるのは二十五年、四十年立なければなりませぬ』と言ったら、「途方もないことを言う」と言ったよ。四十年立って御覧ナ。息子の代になれば、何でどうしたのか、忘れてしまって、その綱(すじ)ばかり残るよ。

維新の大業だって、まず五十年サ。どうしても、そう早く出来るものか。憲法などというのは、上の奴の圧政を抑える下から言い出したものサ。それを役人らが自分の都合に真似をしただけの事サ。

 ちなみに、海舟は日韓併合を見ず物故している。

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_9a31.html

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/11-f28f.html

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-aa58.html

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-33270e.html

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-0afb.html

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/post-aa3c.html

 

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2020年3月29日 (日)

(再)北朝鮮ミサイル

 韓国軍合同参謀本部は29日、北朝鮮が今朝6時10分ごろ、東部の江原道・元山付近から北東の日本海に向けて、短距離弾道ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体2発を発射したと発表した。飛行距離は約230キロ、高度は約30キロと探知している。

 日本でもキャッチ、日本の経済水域外に落下したことをつかんでいるが、全く同様な事態が8日前にあったばかりだ。

 本塾は22日付で「北朝鮮ミサイルは民族衣装」という記事を書いたが、今回も、世界のコロナ騒ぎから北に目を向けさせたいためだとか、国内の動揺を抑えるためだとか、的を射たと思える識者の観測はない。

 韓国の総選挙は415日、あと半月に迫った。南北関係など保革が割れる定番の争点は吹っ飛び、コロナ対策でストレスがたまった韓国民の批判が、文在寅(ムン・ジェイン)政権と与党「共に民主党」(以下、民主党)に向かっている。与党に逆風の構図だ。

 やはり、「朝鮮民族に似合う衣装は、これしかないではないか」と北朝鮮ミサイルが言っているように見えるのである。

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2020年3月28日 (土)

土曜日の雨とコロナ

 本塾は、前々回の投稿で小池都知事のコロナ対応緊急会見をくさす記事を書いたが、その中に週末土曜日の外出自制があった。

 その当日になった。このところの陽気続きに反し、今日は雨である。これから気温は下がって明日は雪という予報もある。

 コロナ騒ぎを楽観的に見たいということは、以前書いたことがあるが、この雨で不要不急な外出が抑えられることは確実だろう。

 それが来週になって新感染者増減に反映され、さらに海外の渡航制限の効果も加わって、日本がコロナ制圧の先陣をきれるかも知れない。

 中国の数字はあてにならないが、仮に日中の協力でコロナ終焉の道筋が得られれば、本塾が古くから掲げている東アジア共同体体制をつくる基盤になり得る。そうなれば、不安視されている世界経済の破滅的ショックが緩和される筋道ができる。

 日本の株式市場は、なぜかこのところ続伸しているが、それを先取りしているのか。それならばいいが、何事もあせって早まると失敗する。延期したオリンピック対策やクラスター防止など、御用済みにするにはまだ早い。

 

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2020年3月27日 (金)

聖火を授かったのは首相でない

 福島県在住の玉井人ひろたさんのブログにこんな記事があった。

それにしても、安倍総理の「聖火は福島においてあげなさい」の言葉、カチンときましたね。

なんとも福島県民を‘見下した’言い方なのでしょうかね。

 一般にあまり報道されていない発言だが、福島県人でなくてもカチンとくる。首相は全くそれに気が付いていないだろう。むしろ褒められていいと思っているに違いない。

 震災の被害が今なお残る同地が、オリンピック聖火の国内スタート地点となって復興再生を世界にアピールしたいという地元の意気込みはよくわかる。

 大会一年延期でそれをどうするか、は首相の決めることではなくその権限もない。もちろん、聖火は首相の持ち物でもない。

 それを恩着せがましくあたかも自分の配慮のように言う。

 県民や国民がそれをどう感じようが受け止めようが、すべてマイペースでことが進むと思っている。

 周辺にそれを注意する側近もいない。幼児性ここに至れりである。

 

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2020年3月26日 (木)

コロナの東京都対策

 昨夕、都知事がコロナウイルス感染者が都内で二日連続で10人台だったのが昨日1日で40人台に増えたとして記者会見を開いた。

 メディアの前宣伝もあり、よほど劇的・効果的な対策でも発表するのかと思った。

その内容

・今の状況を一言でいうと『感染爆発の重大局面』である

・感染拡大を防ぐには、都民の協力が重要

・都民に対し、今週末は不要不急の外出を自粛するよう強く要請

感染拡大を防ぐための具体的な行動として、

・屋内屋外問わずイベント参加は控える

・平日はできるだけ自宅で仕事を行う

・週末は急ぎではない外出を控える

・夜間外出は控える。

 具体的とはうらはらに、すぺての項目に、「できるだけ」とか「控える」という文言の入る協力要請で、全国向けのニュースで聞き飽きるほどくり返されたことがらばかりだ。

 その程度のことは、全国民の心がけとなっている。テレビは閑散とした繁華街の模様を写す。その一方、渋谷のスクランブル交差点など、マスクをしていない若者があふれているような光景もある。

 都知事発言は、そういった警戒心のない若者に向けたものなのだろうか。彼ら彼女らは学校が休みになっていることを知らないわけがない。それなのに傍若無人の振る舞いをしているように見えたのだろうか。都知事は、彼ら彼女らの意見を聞いてみたことはあるのだろうか。

 状況を無視した振る舞い行動が繰り返されていることに危機感を抱くのであれば、都知事の権限ででできる警官や職員などの利用、必要があれば都条例新設を検討するなど、頭をひねって具体的な方法を都民に提示し、都民に深刻さを認識させる手はあるはずだ。アメリカやヨーロッパではすで具体案が進行している。

 知事を茶化すつもりはないが、テレビ出演の機会を増やしたかっただけではないか 

 

 

 

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2020年3月25日 (水)

イエスキリスト自戒のすすめ

 「あなたがたが知っている通り、諸国民の支配者と見なされている人々は、諸国民の上に権力を握っている。あなたがたの場合は、そうであってはならない。大いなる者になろうと思う者は仕える者となり、第一人者になろうと思う者は万人の奴隷となりなさい」(マルコ1042-44,マタイ2025-27)。

――荒井献『イエスとその時代』岩波新書、6 国家権力、より

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2020年3月24日 (火)

陽光桜(ヨウコウザクラ)

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 近所のジュンサイ池に数本咲く。ピンクがソメイヨシノより濃く、花の時期も長い。バックが緑だったり水だったりするとよく映えるので美しい。

 第2次世界大戦中に学校教員であった高岡正明氏が、戦死した生徒たちの冥福を祈って各地に桜を贈ることを思い立って、環境適応能力が強いサクラを作出すべく、寒さに強いアマギヨシノ と台湾原産の暑さに強いカンヒザクラを交雑させて誕生させた。

いわば「反戦桜」である。

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死に体国会

 毎日新聞は、23日の参院予算委集中審議を報ずる記事の中で「森友問題火消し躍起」と中見出しをつけ、立憲民主党福山幹事長が「安倍総理と麻生大臣は新型コロナが収束したら、真相を明らかにし、即刻責任を取って辞任していただきたい」と発言したと書いている。

 びっくりした。これだけ見ると1年先か2年先でもいいように聞こえる。すくなくとも任期いっぱい務めてください、ともとれる発言だ。

 同じ委員会で質問者の指摘を受け、首相は「国会答弁で悪夢のような民主党と答えたことはない」という発言もしている。これは、議事録に残っている事実であり、当時の報道にもある。

 「忘れていた」という弁明はできない。うそをついても言い逃れはできる、という国民を愚弄した態度なのだ。即刻首が取れる失態なのだが、野党は首相のウソに慣れっこになったのか全く緊張が見られない。

 上の福山氏の言い回しは、コロナ問題を中心に据えた集中審議だったから――という弁明があるかもしれない。

 それならば、こう答えればいい。

 森友関連や法務大臣など次々に重なるウソ答弁、即刻内閣総辞職すべきだが、応じなければ不信任決議を検討する。総辞職して我が党が内閣を受けても、コロナ対策には万全を期す用意がある――と。

 

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2020年3月23日 (月)

大相撲の正常な姿

 大相撲が終わった。戦績は、久々の横綱同士の同点決勝で白鵬が44回目の優勝を果たした。朝之山が11勝をあげ、大関昇進が確実となり、一人大関は解消する。

 横綱という地位は勝つのが当然。負が込むようなら引退と背中合わせになる。そして美しくなくてはならない。

 大関は横綱と並ぶ最高位で貫禄があり、東西に二人いることでバランスが取れる。

 関脇は大関・横綱をねらえる地位だが、陥落大関の受け皿と化し、小結も上を狙う跳躍台にはなっていなかった。

 このような異常な番付は昭和・平成を通じてあまりなかったように思う。それが来場所から正常になるのなら結構なことだ。

 ただし、今場所の無観客での取り組み、表彰式は異常であった。

 この異常は5月の夏場所に続く可能性がある。それどころか7月の名古屋場所でさえ、オリンピックとの関連でどうなるのかわからない。大相撲だけ完全解禁といくかどうか。

 コロナがもたらす影響は果てしなく大きい。

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2020年3月22日 (日)

北朝鮮ミサイルは民族衣装

 21日、北朝鮮が日本海に向け、短距離弾道ミサイルと推定される飛翔体を2発発射したというニュースがあった。

 北朝鮮による飛翔体の発射は今月9日以来12日ぶり、ここ3週間足らずで3回目になる。いずれも日本の経済水域以外に落下しているが、いったい何のためだろう。

 米韓軍事同盟へのけん制とか、経済制裁に堪えかねての挑発だとか、金正恩独裁体制引き締めとか、中にはコロナウイルス汚染を隠蔽する目的など、いろいろな憶測がある。

 塾頭はいずれも違うと思う。以上のような原因があれば脱北者か増加するとか、リーク情報の一致が見られるとか、もっと周辺情報があっていいはずだ。

 一口で言うと、朝鮮民族全体に向けたアピールである。韓国の文政権は日韓関係をはじめ、失政続きで崩壊は避けられないと見ている。革新だからといって、対等な立場で南北の交渉にあたるメリットは何もないということだ。

 北の体制が盤石である限り、韓国民に今以上の言論統制を強制する理由がないという自信があるのかもしれない。

 日本政府が、冷戦思考から一歩も抜け出せないようでは、韓国民と北朝鮮、それにアメリカが同じ土俵に立った時、日本の出番はなくなるだろう。

 もちろん、中国と同様、北の社会主義的独裁体制が揺らぐことはないだろう。両国ともそのやり方が成功している代表例だからだ。

 中国と北朝鮮はやや異なるが、中国の党独占に対し北朝鮮は金世襲の家父長体制が機能している。軍・労働者・知識階級・議会・政治は対立的存在でなく一体として考える。

 経済制裁による食糧難が云々されるが、食料を自給できるだけの農地はあり、労働力は人民解放軍が充足する。漁業も同様、軍務の中に組み込まれている。

 工業資源は昔から豊富で工業は北で発達した。また、技術水準も出稼ぎ労働などによる移入もあり、低いものではない。高度なミサイル技術がそれを示している。

 また、日本は対敵する相手ではなく、ロシア・中国がそうであるように経済の連携ができれば友好国として共存共栄の道を探ることになるだろう。

 トランプが金正恩を信頼できる相手、としているのは、そのあたりを見極めているということだ。

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2020年3月21日 (土)

わからないコロナ用語

 コロナウイルス関連情報の洪水。それも悲観的情報が多いが、塾頭は楽観的である。先のことがよくわからなければ、楽観的でいた方が健康にいい。

 よくわからないのは、意味の分からない言葉が次から次と出てきて追いかけきれないせいでもある。

 漢字はともかく、カタカナ、特にアルファべット略号になるとお手上げだ。

 iPS細胞は、細胞を培養して人工的に作られた多能性の幹細胞のことで、 20068 月に京都大学の山中伸弥教授らは世界で初めてiPS細胞の作製に成功し、2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞したことで知られる。

 けれどiPSはわからないし、細胞は漢字でも、DNAとどこが違うのかとなるとなるともうお手あげだ。ウイルス、細菌、真菌、かびとはどこがどう違うのか。

 後者は、いずれも病原体ということだが大きさが違い、ウイルスだけが生体に寄生しないと増殖できない。最近、SL型の2通りあることがわかりL型の方が質が悪いとされるようになった。

 クラスター、パンデミックなどの用語は、日がたつに従い認識されるようになってきたが、実効再生産数やスーパースプレッダーなどの言葉は、これから注目されることになるだろう。

 専門家会議・対策本部など報道によく出てくる言葉だが、どこの、という前置詞がない。「政府の」であることが多いが、これからが心配される東京などにはないことに注意すべきだ。

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2020年3月20日 (金)

権力を目指す人は

 戦国大名の嚆矢とされ、自国領拡大に余念がなかった北条早雲が、座右の銘としていたとされる『早雲寺殿廿一箇条』からひく。

一、歌道なき人は、無手に賤き事なり。学ぶべし。常の出言に慎み有べし。一言にて人の胸中しらるゝ者也。

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2020年3月19日 (木)

岐路に立たされる検察

 安倍政権は、検察長の定年延長問題で答えを出さなくてはならない期限が迫っている。そこへ、あらたに検察の権威にかかる問題が出てきた。

 森友の文書偽造にかかわる訴訟問題である。これまで業務に携わっった近畿財務局の職員が自殺していることは、早くから知られていた。

 その遺書がこの度遺族により公開され、その全文も毎日新聞などで明らかになった。公務員の手になるものだけに、詳細・綿密で、命がけで作った抗議文書であることがよくわかる。

 遺族は、これをもとに当時理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏や国に対して1億をこえる損害賠償請求の訴訟を起こすことになった。

 ここで不思議なのは、文書偽造の指示について、すでに多くの証拠が存在し、佐川氏本人をはじめ安倍首相、麻生財務相なども認めており、刑事犯罪が成立するのに、なぜか地検が起訴しないことだった。

 地検の言い分は「決裁文書から売却の経緯などが削除されたが、文書の趣旨は変わっておらず、特捜部は、告発状が出されている虚偽公文書作成などの容疑で刑事責任を問うことは困難」というものだった。

 また、これを取り上げて検察審査会が出した結論は、過半数が賛成した「不起訴不当」であり、「起訴相当」とするためにはさらに3分の2以上が必要となる。

 それでも、検察にはまだ抵抗する手があり、これを動かすには大変な労力を要する時代になった。

 今回の民事訴訟は、原則的には受けなくてはならない。それでもなお、理屈をつけて不受理とすることができる。

 要は、政府ににらまれて、人事で仕返しされるよりは、三権利分立を軽視するほうがまし、という考え方だ。そうさせないため、原告の弁護士に頑張ってもらって世論を盛り立て、裏を知っている籠池被告を含めた安倍造反者の協力や、マスコミの奮発も必要になってくるだろう。

 日本の将来のため、今回の訴訟の動きを注目していかなければならない。

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2020年3月18日 (水)

コロナとサリン

 韓国でキリスト系新宗教団体が、信者に「コロナ消毒のため」と称して信者に塩水を噴射、それに伴いむしろ汚染者が余計に増えているという。

 この報道の団体は、さきに教会での集団礼拝で、患者を爆発的にふやした韓国の教団とは別の組織である。

 それで思い出すのが、オウム真理教による地下鉄サリン事件。明後日20日で、発生してから25年目になる。

 そこから、日本は特段に進歩していると言い切る自信はあるだろうか。

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2020年3月17日 (火)

原発ゼロへの第一歩

 九州電力は16日、原子力規制委員会が設置を義務付けたテロ対策施設の完成が期限に間に合わないため、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県)の稼働を停止した。同施設の未完成を理由に原発が停止するのはこれが初めてで、今後は他の原発でも相次ぐ。業績悪化に加え、必要な安全対策費も膨らんでおり、電力会社にとって原発事業の経営は厳しさを増している。

 1号機の停止は施設が完成する12月まで続き、九電は2020年末の再稼働を目指す。他に同様の理由で今年停止を予定する原発は、川内2号機(5月)、関西電力高浜3号機(8月)、同4号機(10月)。現在稼働できる状態の9基のうち4基が止まることになる。他の四国電力伊方原発なども対策が追いつかず、21年以降に停止する可能性がある。

 テロ対策施設は、東京電力福島第1原発事故後の13年に規制委が新たな規制基準を導入する際、設置を義務化した。工事計画の認可から設置まで5年を期限としたが、過去に設置例がないため審査が長期化している。(後略・毎日新聞、03/17)

 仮に再稼働が認められても、柏崎原発のように地元の同意がなければ無条件再稼働に至らないということもある。

 いずれにしても、電力各社に降りかかるコストアップは累積する一方である。かといって、料金値上げによる消費者転嫁をするわけにはいかない。電力自由化で新電力との価格競争があるからだ。

 電力各社は、増大する廃棄物処理や廃炉のための費用もこれから増大する。

 これが、世界で先細り傾向にある原発を見限り、原発ゼロへ方向転換するきっかけになるのであれば朗報である。

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2020年3月16日 (月)

オリンピック断念の潔さ

 このところ、正しい日本語が今にも消えそうになっている憂慮を書き続けている。特に政治の世界だ。

 昨日、東京に桜開花宣言があったことを書いた。日本の美は、日本語の中にあり、新渡戸稲造の『武士道』や本居宣長で象徴されている桜の美意識にも関連する。

 それは、開花・満開そして散り際の潔さ(いさぎよさ)にまで及ぶ。

 オリンピック開催はだれの目から見ても予定通りの開催に無理があることがはっきりしてきた。国際オリンピック委員会は「WHOの勧告に従う」としているが、小池都知事や安倍首相が当初方針から一歩も動かないとしている以上、口出ししようもない。

 主催地の方で「選手や観客の準備を考えても無理があり延期したい」と言えば、WHOは当然それに賛成するはずだ。

 この「いさぎよさ」は、日本が世界から尊敬を受ける捨てがたい美徳である。それが、小池都知事や安倍首相、そして取り巻きの与党や官僚からも消えてしまった。

 愛国心を売り物にしているはずのご両人である。なぜなのかわからない。

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2020年3月15日 (日)

重ね言葉と異常現象

 昨夕、気温の低下で雨が雪に変わった。当地では初雪である。

 ♪雪は、コンコン……の歌があるが、そんな音はしない。「チラチラ」も同様である。雨の場合は、まず音からくる。「パラパラ」や「ザーザー」は、降り始めが家の中にいてもわかる。

 「コンコン」は、水がわき出るときにも使い、「チラチラ」は人の目配りにも使う。雪は「シンシン」と積もるが、それも音ではない。豪雪地帯なら、木造家屋で家が「ミシミシ」と音を立てるということはある。

 昨夕の雪ぼたん雪だったが、起きてみるとやはり積雪ゼロだった。

 その一方、東京都はソメイヨシノの開花宣言を昨日行った。これは、観測開始以来最も早い観測日になるという。

 こんな異常な体験ははじめてである。地球温暖化にしろ、コロナウイルス世界席捲にしろ、日々を観察して表現する適当な重ね言葉が見当たらない。

「タダタダ」驚いているだけなのである。

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2020年3月14日 (土)

日本語崩壊すれすれ

 森雅子法相――、東北大を卒業後、アメリカに留学して弁護士資格も持つ。頭はいいかもしれないが、日本語が理解できずにつじつまの合わないことを平気で発言する。

 日本語を破壊しつくして顧みない人が法務大臣で、安倍首相は、それに注意を与えるものの、謝罪したから、といっておとがめなしになる。

 森法相は、国会答弁の中で「東日本大震災の時に福島県いわき市で検察官が最初に逃げた」とか、「震災の時、検察官はいわき市から国民が避難していない中で最初に逃げたわけです。身柄拘束をしている十数人の方も理由なく釈放して逃げたわけです」などと述べた。

 実際は、いわき支部の検察官らは当時、裁判所の要請を受けて県内の別の支部に勤務場所を一時移しており、「逃げた」は事実と異なる。

 また、勾留中の容疑者の釈放も「安定的な勾留が困難」「被害者の居所が分からなくなって最終処分が困難」など、臨時的な措置と判断されていた。

 実態を曲げた発言は、野党の糾弾・指摘を待つまでもなく、法務大臣としての責務を全うする資質に欠けるとして、退いてもらうしかなかったのだ。

 もちろん、首相の任命責任は免れ得ない。しかし「厳重注意しておいたからいいでしょ」だけで逃げてしまう。

 国会の議席数の差に開きがある野党は、追及はマスコミまかせ、最初からあきらめムード、音無しの構えだった。

 以上のほか、法相の周辺には、行政の司法介入を疑わせるような事例が続発している。

ケース1・前法務大臣河井克行氏と、妻の案里参院議員および秘書の3人が公職選挙法違反容疑で逮捕された。容疑は案里議員の選挙に当たり応援を依頼した要員に法定の倍額の謝礼を払っていた件。なお、首相が支持する案里候補には党から億を超える膨大な資金が渡っていた。

ケース2・東京高検、黒川弘務検事長の定年延長が突如、閣議決定された件である。これはケース1が裁判になった場合、首相の意に沿うことが多かった検事長を、検事総長定年後まで伸ばして検事総長に横滑りさせる下ごしらえだ、とされており本塾でも取り上げた

ケース3・これはごく最近。宮下一郎副内閣相が昨日参院で可決成立したコロナウイルスのためと称する「改正特措法」について、11日の法務委員会では、民放に対しても「放送内容について変更、差し替えしてもらうことはあり得る」と答弁。

 それを13日の同委員会で「放送内容の総合調整や指示は、放送法により行うことがではない」と、全く反対の答弁をした。

 以上いずれも、議事録や公文書など周辺証拠は整っており、野次とか私的発言などという類ではなく言い逃れはきかない。

 国会議員は、国民の意見・感覚を政治に反映させるために存在する。

 昨日の「改正特措法」審議は、与党と野党統一会派(立民・国民・社民・無所属)も賛成、与野党一致に近い議決を目指したようだが、社民は党首の福島瑞穂が欠席、立民の山尾志桜里氏は反対、その他統一会派の5名が欠席または退席した。

 これで、「日本語が守られた」というには程遠いが、国会に絶望しなくても――という気分にもなった。ややほっとしている。

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2020年3月12日 (木)

煙草の銘柄にコロナ

 明けても暮れてもコロナ、コロナ――。うんざりするが、もともとは悪い名でなかった。

 思い出したのがタバコの銘柄に「コロナ」があったことだ。

 戦後、カタカナ名による命名が解禁され、高級タバコに「ピース」と「コロナ」という名がついた。

 戦前、圧倒的シェア―を保ち続けた大衆的巻煙草は、「ゴールデンバット」である。戦時中に敵性語追放で「金鵄」と名を変えたように思うが、戦後は復活した。

 「朝日」は吸い口付きのやや上品な感じがあり、来客用として父用の「バット」と共に使い走りで買ったのを覚えている。

 「朝日」が和歌からとった命名に由来するせいか、「敷島」とか「チェリー」という銘柄もあったような気がする。(本稿はすべてネットなどで調べたものでなく、おぼろな記憶によるものであり、間違いがあったらをお許し乞う)

 「光」もやや辛口で長続きした銘柄だ。「ピース」は長続きしたが「コロナ」は短命だったような気がする。ウイルスもそうあってほしいものだ。

 占領軍が入ってきて、米国製の「ラッキーストライク」など、独特な甘い香料が魅力で、誰かが手に入れたものを1本ずつに分けて吸ったものだ。

 塾頭は「ホープ」と「ハイライト」を愛用したが、煙草をやめて何十年もたつので、今の流行や売れ筋などは知らない。

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2020年3月11日 (水)

中国の奥深さ

 コロナ禍に悩む中国に、日本からマスクなどに添えて送った漢詩や漢字の激励メッセージが中国人の感動を呼び、両国間の友好や感謝の念が、これまでになく多く寄せられているという。

 日本が中国と韓国に向けたコロナウイルスの水際対策も、韓国が猛反発しているのに対し、中国は共感の意を示している。

 中国から見た日本は、韓国が示すように、あらゆるできごとの前に「反日」を持ってくるのとは違う。

 中国の文献で最初に現れるのは、後漢書で西暦57年に相当する年、委奴国(福岡市近辺?)国王の使節が朝貢して「漢委奴国王」の5文字を刻んだ金印を賜った、とする記事である。

 この金印と見られるものが、発掘で志賀島から発見され、国宝になっている。それに次ぐのが、有名な「魏志倭人伝」となる。

 5世紀には、遣隋使・遣唐使などを含め、公私にわたる交流が盛んになるにつけ、民族としての垣根が取り払われてきたと思う。

 その後、歴代の正史に「日本伝」の掲載があるが、中国人の「日本感」にことさらの変化はない。

 長い歴史の中で、戦争とか侵略などの軋轢は存在するものの、大国としての優越感に自信があり、奥深さも感じられる。

 日韓の差が、漢字を捨てた国と、かたくなに守り続けて文化に取り入れた国の違いとして現れたのだろうか。

 代表的な中国正史として「旧唐書倭国日本伝」から採録しておこう(『新訂・旧唐書倭国日本伝・宋史日本伝・元史日本伝』岩波文庫)

日本国は、倭国の別種である。その国は日の出るところに近いので、故に日本をもって名としている。あるいはいう。倭国がみずからその名の雅(みやび)やかでないのをにくみ、改めて日本としたのである、と。あるいはいう。日本はもと小国だったが、倭国の地を併せたのだ、と。

その国の入朝する者は、多くみずから矜大(ほこる)で、実をもって対(こた)えない。故に、中国はこれを疑っている。またいうには「その国の界は、東西南北、おのおの数千里あり、西界・南界はみな大海に至り、東界・北界は大山があって限りをなし、山外はすなわち毛人(蝦夷・アイヌ)の国である」と。(以下略)

 

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2020年3月 9日 (月)

ついに出ました「戒厳令」

 3月5日の「安倍首相のいそばが回れ」で、内閣の緊急事態法案上程の動きに「戒厳令」という言葉を使い、さらに前々回、マスコミの突っ込みがなまぬるいことから「緊急事態宣言と戒厳令」と題名に戒厳令を入れて、その危険性を強調した。

 今の人は「戒厳令」ではピンとこないのかな、とも思ったが、9日の毎日新聞夕刊に載ったほぼ一面全部を使った「特集ワイド」で、ようやく出てきた。

 大見出しは、どさくさ紛れに「改憲実験」?、とある。ブッシュ大統領による戒厳令の例を引いたあと、こう続ける。

戒厳令とは非常事態に際して憲法を停止し、国民の権利を制限して議会の力を弱め、政府に絶大な権限を与えるものだ。日本でもこれを想起させる動きが一部で顕在化している。(後略)

 現行日本国憲法にはこう書いてある。

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その権利は国民がこれを享受する。(中略)われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 ということは、緊急事態法案は、書き方によって憲法が禁止している法令を作ろうとしていることになる。

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サウジが大変貌

 サウジアラビアのムハンマド皇太子が、クーデターを企てる恐れがあるとして、サルマン国王の弟とおいという有力王族の身柄を拘束したという報道がなされている。

 サウジは、イスラム圏最大の安定した王制国家と思われているが、内実は違う。他のイスラム圏各国と同じように石油大国になる前は、多数の部族に分かれ、それぞれ部族長が支配していたのだ。

 その中の有力部族サウド家とイスラム・ワッハーブ派が盟約し、各部族と姻戚関係を結ぶことにより膨大な権力を集中した。

 そのため、国王は一説によると、17人の妻があり36人の王子がいるという。兄弟同士や甥・叔父との間で血を見るような争いをするのはおかしいように思うが、実は逆で、石油収入に限りが見られるようになると贅沢し放題は許されず、相互の奪い合いになるのだ。

 王太子候補はいくらでもいるわけで、自らに不利な報道するような記者があれば、トルコの殺人事件のようなことが起きても不思議はない。

 かつて、同国に長く滞在したカメラマンから聞いた話だ。

リヤドに向かう列車に乗ったら、王族の一向と出会った。そのうちの一人が、履物の緒を切って困っていたので、手早く持っていたひもですげて上げたところ大変喜ばれ、宮殿に来るよう誘われた。

ご馳走になったが、王妃はもとより女性が席に出てくることはない。たまたまこの日は、国民から王族が直接陳情を受ける日に当たっており、来た順で公平に話を聞くということだった。

こういった面での民主主義も自然な形で実行されており、石油の現物給付をプリンスマネーに換える方法などの話題はあったが、ゆとりあるサウジ王族の姿を垣間見た。

 平和だったサウジは、これから大変貌が始まりそうな気がする。

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2020年3月 8日 (日)

緊急事態宣言と戒厳令

 コロナウイルス騒動の中で喧伝されている「正しく恐れる」という言葉は、「天災は忘れた頃に来る」の箴言(しんげん= 戒めの言葉)で有名な物理学者、故・寺田寅彦博士に端を発している。

 「正しく恐れる」は、最近、首相が緊急時対策として独断のもと打ち出した学校閉鎖などが非科学的である、という批判の中でも使われている。

 新立法措置で批判をかわし合法化しようとしていることについて、3回前に「安倍首相の急がば回れ」を書いたが、このタイトルでは弱い。

 今朝のTV特番を見ていたが、依然として論者がこの核心にあるものについて触れようとしない。

 それは、緊急事態宣言⇒非常事態宣言⇒国民精神総動員⇒非常時⇒戒厳令などに魅力を感じ、特権を手にしたがる政治権力者を警戒しなければならない、ということである。

 「非常時」については、寺田博士が『天災と国防』の中で書かれているので、本塾が過去に引用したエントリをリンクし補強しておきたい。

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2020年3月 7日 (土)

神頼み日本

 世界遺産・厳島神社のある宮島(広島県廿日市市)に現れる白いタヌキが「神様のお使いでは」と話題になり、地元ホテルが目撃情報を募るキャンペーンを始めた。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で観光客が減少。白タヌキもなかなか姿を現さず、目撃情報は、キャンペーン開始から4カ月たった今もゼロのまま。関係者からは「厄払いのためにも出てきて」との声が上がる。(毎日新聞03/06)

 稲荷神社では、白狐が主役で祭られている。800万(やおろず)の神が存在する日本である。神様のお使いが狸であってもおかしくない。

 動物では、神に近い存在として鹿、馬、犬などがすぐに浮かぶ。古典では、恐れられ忌み嫌われた狼さえも大かみ(大神)と称される。

 調べてみると、虎、猿、牛など十二支にある動物はそのほとんどが神として祀る神社があり、蛇や竜などのほか鳥類ではカラス・トビ・ワシもあって勲章にも使われる。ムカデ・蝶・トンボも無視されてはいない。

 「疫病神」という言葉もある。コロナウイルスも神として祀るのが日本流である。




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2020年3月 6日 (金)

NATOの変貌

 NATOと言えば、ヨーロッパの反共軍事同盟という答えがピンとくる時代が去って何年たつだろう。

 性格からすると日米安保条約と類似するが、NATO加盟国は、アメリカ以外に英・仏という核保有国があり、加盟各国は軍隊を持つ点は、戦争放棄の憲法を持つ日本と大いに様相を異にする。

 NATOには、ソ連圏から離脱した小国なども含まれており、軍事的主導権は米軍が握っているので、アメリカには「守ってやっている」という意識が、特にトランプの周辺に強かったのだろう。

 ソ連が崩壊し、自由主義国家が脅威を抱いた共産主義国家はすでになく、ワルシャワ条約機構もなくなった。

 中国や北朝鮮など一党独裁の国が残っている。しかしこれらも、言論など人権抑圧が問題視されているが基本的な価値観は、自由主義に近づきつつあるようただ。

 トランプは、日本・韓国などの駐留経費と同様に、NATOの分担金大幅削減を要求している。

 EUとNATOは重なって見えるが、加盟国や組織の性格は別に考えなければならない。

 EUも、もともと国家紛争の解消を目指した組織が発展したものだが、アメリカは当初から関係がなく、途中から参加したイギリスも脱退に向かっている。

 そんな中で、イギリスが脱退したらEU内でフランスが唯一の核保有国となり、トランプの動向次第でNATOにおけるアメリカの存在感は急速に薄れる。

 これを機にフランスがNATOの主導権を得たいと思うことに不思議はない。もともと、NATOとは別に通貨のユーロ―同様、EU独自の軍隊を持つべきだという意見があった。

 フランスに主導権がわたるということに、ドイツは反対のようだ。主導権を核保有国が握る、ということだろうと思う。

 加盟国の中には、核兵器禁止条約に署名をうながす声が高まっている国も多く、世界の傾向に反しロシアとの対立を際立だるような方向は取りたくないという、メルケル首相などの考えに基づくものだろうか。

 日本の将来にも大きく関係する、ということに留意しておく必要がある。

 

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2020年3月 5日 (木)

安倍首相の急がば回れ

 新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合に備え「緊急事態宣言」を可能にする法案の早期の成立を目指すことに安倍内閣は懸命になっている。

 与野党の党首会談を通じて早期成立を目指しているが、野党側にさしたる抵抗はない。

 安倍首相の下心が別のところにある、という論調は全く見えてこない。現行憲法を変えたいという安倍首相の執念を軽く見ているからだ。

 大日本帝国憲法には「戒厳令」の規定があった。内乱・戦争・天災等国家的な危機が発生した場合、既存の法令にとらわれず緊急事態に当たっていいとする、特殊な国家権力である。

 これは、軍隊の最高指揮者指定とともに、憲法に明記されることが外国の例でも多く見られる。

 大日本帝国憲法第十四条では「天皇ハ戒厳ヲ宣告ス」とだけ記されており、二二六事件では、これが発動された。

 緊急事態には軍隊を使えるというのが、いわば常識になっている。日本には、軍隊がないのでそんな条項はない。自然災害など緊急事態への自衛隊出動は、自治体の長の権限として要請される。

 「緊急事態宣言」という言葉が法律にでてきたのは、平成24年の民主党政権時代で、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」という時限立法に始まる。

 しかしその前、同年4月に自民党の日本国憲法改正草案に「国家緊急事態宣言」という言葉が使われていたのだ。

 そこでは、9条の自衛軍創設に合わせ、98条・99条にこの改正案の骨格をなす条文が位置づけがされていた。

 その宣言がなされる条件として、

・外部からの武力攻撃

・内乱等による社会秩序の混乱

・地震等による大規模な自然災害

・その他の法律で定める緊急事態

そして緊急事態宣言がなされた場合、次の段階へと向かう。

・内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定する事が出来る

・何人も公の機関の指示に従わなければならない

・衆議院は解散されない 

・議員の任期及び選挙期日の特例を持たせることが出来る

 などを明記している。

 安倍首相は、コロナウイルス対策として、現有の「新型インフルエンザ等対策特別措置法」ではあきたらず、コロナウイルス対策に便乗して、緊急事態宣言の強化を先取りし、9条改正への地ならしをしておこうという魂胆であるとしか思えない。

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2020年3月 4日 (水)

トイレットペーパーと群集心理

 トイレットペーパ買いあさり騒動は、1973年(昭和48年)に、オイルショックが起きた際、全く同じ現象がおきていた。

 47年前である。だから60歳以上の人なら、「ははーん、またデマか、似たようなことが起きるものだ」とひややかに見ていたはずだ。

 当時は、水洗便所が普及し始めた頃で、トイレットペーパーが買えなくなれば大変だという意識は、たしかに強かった。自家用車は今ほど普及しておらず、石油コンロなどは炭火という代替がまだきいていた。

 東海道本線に乗ると静岡県の清水あたりの海側で製紙工場の巨大煙突からもうもうたる白煙が上がるのを見て、膨大な石油エネルギーが必要なのではないか、ということを想像する人もいただろう。

 だから、OPECの強硬姿勢を報ずるマスコミの勢いの方に目が向いて、デマだと最初から決めつけるような報道ではなかった。

 ただ、戦中・戦後を知る世代。根も葉もない群集心理に警戒心が強かったということだけは言える。これは大切なことなのだ。

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2020年3月 3日 (火)

「高齢者は歩かない」

 この国会ヤジには驚いた。

 安倍首相の出まかせヤジではない。東大法学部出身で外交官の経験もある、自民党・女性参議院議員のものである。

 2日、立憲民主党の蓮舫氏が小中高校への休校要請に関連し高齢者施設を対象にしなかった理由を政府にただしたことに対し、同議員は「高齢者は歩かない」とやじを飛ばした。

 議員のご両親はどういう暮らしをされているのだろうか。高齢者にとって、小中高校生にとってもっとも重要なことが学習と体力・健康であるのと同様、適正な運動と孤立しがちな社会との接触が、生活の根幹をなす。

 本塾は開設当時から「散策」というカテゴリを設けているが、永井荷風の「日和下駄」にヒントを得たものだ。

 歩くことはよほどの悪天候でない限り、生活と切り離せない日課であるがウイルス感染の危険はない。

 高齢者施設でも、社会との接触が健康に次ぐ重要課題とされていることを、近所にある各種の施設の動向からもうかがい知ることができる。

 議員は、自らのブログに長文にわたる弁明をしているが、納得できる説明はない。できの悪い官僚答弁を超えるものではない内容にいささかがっかりした。

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2020年3月 2日 (月)

亡国の危機

 要は、日本が有史以来、未曾有の難局にぶつかっていたにもかかわらず、がっちりと日本を握って、進退いずれとも、これを率いていくだけの大器大材が、当時の指導層にかけていた、というほかはないのである。

 以上、今のことではない。開戦当時、海軍軍務局課長として事に当たっていた石川信吾大佐の回顧録・『真珠湾までの経緯』中公文庫、から引いた。

 このところのひどさは、それを上回っていると言っても過言なさそうだ。

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2020年3月 1日 (日)

感染者数の操作がこわい

 新型コロナウイルスに感染しているかどうかの判定は「PCR」検査と呼ばれる方法で行われる。

 これはDNAから検体を増殖させ、コロナの特徴の有無で陽性であるかどうかを査定するもので、これまで検査希望者に政府がとってきた方法は、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください、というだけ。

 症状のある人が、感染の有無を早く知りたいのは当然である。これまで、「何度電話してもかからない」とか、医療機関に申し入れても断られるなどの混乱があることが報じられていた。

 政府は、民間の検査機関の窓口開放、検査に要する期間の短縮、新検査方法の開発、検査費用の保険適用など様々な改善策に言及し、批判をかわそうとしている。

 日本が中国や韓国などに比べて感染者数が少なめなのは、検査が追い付いていないせいで、この障害がなくなれば「こんなものではなくなるだろう」という意見のあることを知った。

 検査機関がふえれば陽性者、陰性者ともにふえるのは当然である。政府はこれまで保健所などの報告をもとに実数をつかみ、対策を練ってきたはずだ。

 それが、検査体制の変更で感染者数を大幅に見直さなければならなくようにならないか。仮に見直しの必要がない程度であれば、実態に近い数値として新数値を採用すべきであろう。

 しかし、統計の時系列を維持するためこれまでどおり、保健所報告の数値だけを採用するということになると、危険が生じる。政治の都合で数字が操られるという不安があるからだ。

 安倍政権下でたびたび経験していることである。

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