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2020年2月 7日 (金)

中国の対日世論

 パブリック・ディプロマシーという言葉は、ギリシャ・ローマ時代からある古い言葉らしいが、最近は各国の対外文化外交政策用語としてよく使われる。

 中国では、紀元前5世紀頃の有名な兵書『孫氏』に、「戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」とある。

 そして、最近では、国際政治学者ジョセフ・ナイが提唱した、強制や報酬ではなく、国の魅力によって望む結果を得る能力をソフトパワーという概念で提唱した。

 日本は、これをクール・ジャパンと称して、芸能・文化等を中心に政策に取り入れている。(渡辺靖『文化と外交』参照)

 現在、中国の宣伝を膨大な予算で、太平洋島嶼国やアジア・アフリカなど世界的規模に進めているのが中国である。

 その中国、日本では、新型肺炎・香港デモなどに関連して警戒されているが、中国の民間ではかつて見ないほど日本に対する好意が高まっていると報じられている。

 これまでの反日宣伝にかかわらず、増え続けてきた訪日観光客などが感じた日本人の親切心・清潔・法秩序などに感心していることもあるだろう。

 しかし、今回はそれだけではない。新型肝炎にいち早く各方面からの救援物資や激励の言葉が寄せられたことや、その対応が科学的かつ冷静であることなど、SNSなどにあふれる感謝の投稿や、政府系で対日批判も多かったメディアも高く評価している。

 中国はパブリック・ディプロマシーの先端を実施している国で規模・予算共に日本は足元にも及ばない。

 今回の日本礼賛が、決してクール・ジャパンの成果でないことは明らかだし、安倍首相海外歴訪の結果でもない。

 ここにきて、古来日本が持ち続けた美風がようやく海外に認められたのはなぜか。

 よく考えてみるべきだ。

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