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2020年2月 8日 (土)

北方領土問題への安直さ

 安倍晋三首相は「北方領土の日」の7日、東京都内で開かれた北方領土返還要求全国大会(政府や民間団体など主催)に出席し、「領土問題の解決と平和条約の締結の実現という目標に向かってひたすら進んでいく」と改めて意欲を示した。

 ただ、この1年で目立った進展はなく、昨年の大会で強調した「戦後残された課題の解決は容易ではないがやりとげなければならない」との表現は使わなかった。

 大会ではアピール文を採択し、北方領土を巡る表現で使用してきた「不法占拠」との言葉は昨年に続いて盛り込まず、日露交渉への影響を避けようと配慮した。現状について「領土問題では具体的な進展は見られない」とも指摘した。【杉直樹】(毎日新聞2/8)

 続けて、安倍首相は、モスクワで5月9日に開かれる対ドイツ戦勝75年式典に出席するため、ロシアを訪問する方針を固めた。8日か10日にプーチン露大統領との会談を調整しており、首相は停滞する北方領土交渉の打開を図りたい考えだとする記事もある。

 首相の言うように北方領土問題は複雑だ。樺太・千島の日ロの帰属について江戸時代から様々な変転を経ている。

 最初の条約が、安政元年(1855年)の日露和親条約で、千島列島(クリル列島)の択捉島と得撫島との間に定められたが、樺太については国境を定めることができず、日露混住の地とされた。

 北海道を含め、両地ともアイヌ民族が定住している。間宮海峡を渡り、または日本海を回流する海流に乗って大陸沿海州のツングース系民族が渡来しており、蝦夷とされていた。

 そういった、古来の歴史や民族問題の知識、そして、第2次世界大戦におけるドイツとソ連の関係、日米開戦の引き金に使われた、日独イ3国同盟の締結等の経緯は、無視するのか。

 さらに、アメリカ・ソ連を軸としたヤルタ会談などの手前味噌な戦後処理など、複雑で道理に反した史実があることには、ふたをするのか。

  1日やそこらの会談で、納得のいく解決がはかれるわけがない。

 安倍首相は、「戦争に負けたのだから仕方がない」と交渉を不調に終わらせるか、共同管理方式を持ち出すとか、金で解決する方法をにおわして終わり、とするしかないだろう。

 結局、ロシア訪問は、国費の無駄遣いだけで、選挙前のパフォーマンスにもなり得ないということになるのではないか。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

なるほど、それならプーチンさん、旧ソ連圏お得意のバグでことが足りるわけだ。

投稿: ましま | 2020年2月 8日 (土) 19時32分

国内での追求からのエスケープでしょう

投稿: 玉井人ひろた | 2020年2月 8日 (土) 18時25分

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