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2020年1月 2日 (木)

戦争から学ぶこと

 戦争もまた経済行為であるとは、主としてマルクス主義系統の人の主張であった。そしてそれが正しいなら、ソビエトのアフガン侵攻もまた経済行為であったはずである。

 では、その決算書は発表されるであろうか。おそらく否であろうが、莫大な損失以外、なにも得ることができなかったこと、そしてGNPの十七パーセントを投じた軍備は、アフガン戦争には全く役に立たなかったことは、少なくとも党と政府の首脳はそのことを知っていると考えてよいであろう

 前述したように、私は、人間はそれほど利口な動物とは思わないが、多くの動物と同様、手痛い体験からは学ぶであろうと思う。アメリカはベトナムで、ソビエトはアフガンで、何かを学んだであろう。そしてこれは、共に、一つの曲がり角になるのでないかと私は思う。

 新年早々の長い引用で恐縮だが、暮れから読み始めた本に山本七平『「常識」の落とし穴』がある。

 この本は、1994710日、26年前、平成6年に初刊された。

 古本といっていいかどうか、迷うところではあるが、引用の最後にいう作者の「歴史の曲がり角」は、見事な「外れ」である。

 アフガンでソ連放逐のためタリバンを援助したアメリカは、同時多発テロの首謀者ビンラディンを匿ったとしてタリバンを目標に軍事介入したのが200110月、それより前、199812月には「砂漠のキツネ作戦」と称してイラク侵攻を開始している。

 2002年から03年にかけて米議会の承認を得て「イラクの自由作戦」と名を変え、米軍24万人、英軍20600人を投入した本格的戦争になった。

その動機となったのがCIAの偽情報だったことが後になってわかったことでも知られている。

 その両国から何の成果もないまま米軍を撤退させることが、トランプ大統領の政治目標となっているが、いまだに順調に進めないでいる。

 前掲書は、このあと民主主義に懐疑的な目を向け、知性の勝利を期待する条件も整っていないという観察もしている。

 いつの時代いつの戦争でも引き金となる直接動機は至って簡単である。

 権力維持のためには手段を選ばぬという政治家を放逐できないでいることと、国のためならいつでも命をささげるという訓練をしたり、敵とみなせばだれでも殺せるという、軍隊・軍人を育てて顧みないことである。

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