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2019年11月20日 (水)

トランプ流は憲法違反

【ワシントン時事】ポンペオ米国務長官は18日、米政権の従来の方針を転換し、イスラエルが占領するヨルダン川西岸のユダヤ人入植地は「国際法に違反していない」という認識を示した。

 入植活動容認につながるだけでなく、イスラエルのネタニヤフ首相が打ち出した西岸の一部併合を後押しする可能性も指摘される。パレスチナ側は米政権への批判を強めており、トランプ大統領が目指す中東和平の仲介は現実味を失っている。(時事ドット・コム後略)

 今日の新聞で一斉に報じられている内容だが、「国際法に違反」云々の言葉がでてくる。本塾でも度々触れているが、国内法と違って、違反したから警察沙汰になるという性格のものではない。早く言えば国際ルールを無視するので信用されなくなる、ということに尽きる。

 そういったルール作りに尽力したのは、アメリカのウイルソン大統領とルーズベルト大統領であった。そして、その破壊に血道をあげているのがトランプ大統領ということになる。韓国の文大統領もその点ではひけをとらない。

 日本は、日韓併合のあと第一次大戦終結までは、国際法を尊重する模範的な国だった。

 日本へ国際法を最初にもたらしたのは、幕府の命でオランダに6年の留学した経験を持つ榎本武揚である。帰国後、海軍を率いて最後まで官軍に抵抗、北海道五稜郭にこもったが、勝利する見込みがなく降伏を申し出た。

 この際、『万国海律全書』が戦火にあって失われることは、国家的損失となるといって官軍に渡している。当時の国際法解説書である。この義挙に官軍も答え、最後の宴会のための酒食を贈るなど平和裡の開城となった。

 明治の元勲・黒田清隆は榎本の学識の高さに敬意を持っていた。榎本や大鳥圭介らが賊軍首脳として逮捕された後、死刑にする動きもあったが、助命嘆願のため頭を丸めて奔走し、釈放が実現する。

 その後榎本は外務卿をはじめ各大臣を歴任、大鳥は朝鮮公使として明治政府を助ける。

 明治新政府は、日本が国際法を守る近代国家であることを海外に示すことが急務になっている。日米修好条約には治外法権などの不平等があったのを、日清戦争をわずか半月後に控えた1994年7月16日に、日英通商航海条約調印を機に解消させることに成功した。

 それを台なしにしたのが、満州事変と第2次大戦ということなる。そして戦後を迎える。

 安倍首相流にいえば、日本国憲法はアメリカに押しつけられたことになっているが、全体を通読すると、アメリカなど戦勝国が中心となってまとめた国連憲章の影響を強く感ずる。

 憲法の前文は、「諸国民の協和」に始まり、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」ことを宣言、「われは、平和を維持し、専制と隷属、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」とつなぎ、最後は「われわれは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる」でしめくくっている。

 ここで、国際法の普遍的価値を確認し、それに従う義務まで明文化している。

 つまり、国際法無視は日本では憲法違反になる。この憲法を厳守することで、日本の平和が担保され、国際的地位を高く保つことが可能になっていることを自覚しなければならない。

 戦中を除き、日本は国際法尊重の優等生であったのだ。世界はそれを認めている。

 

 

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