« イランのデモ、どう見る | トップページ | 白髪三千丈の疑問 »

2019年11月28日 (木)

にせもの神武天皇陵

 天皇、皇后両陛下は27日、即位の礼や重要祭祀「大嘗祭」の終了を報告するため、初代天皇とされる神武天皇の陵(奈良県橿原市)を参拝した。

 一連の皇室行事をこんなに長々とテレビ放映し続けることは、上皇陛下即位の時はなかった。

 しかし、神武天皇陵はまずい。本物の墓でないことがはっきりしているからだ。

 そもそも、神武天皇陵重視は、天智天皇の跡継ぎをねらっていた弟の天武が、天智の子供誕生でクーデターに成功してからだ。

 皇統に疑義を生じさせないように打った念入りの施策のひとつである。

 しかし、陵の存在そのものがあいまいで、中世にはどこかわからなくなっていた。江戸時代になって水戸光圀の大日本史編纂にあたり「これではいけない」となり、歴代天皇陵を特定させる作業が始まった。

 考古学的裏付けなしで記紀などの表現で推定しているので、仁徳稜などは被葬者に疑義がある。

 伊勢神宮、橿原神宮など、先祖と言われる神が祭られているという信仰施設は、墓とは違う。

 神武天皇陵がひどいのは、所在地が何度も変更されたり、現在のものも円墳のような形はしているが、陵墓にふさわしい埋蔵物は何もない。

 歴史学に造詣が深いとされる今上天皇が、そんなことをご存じないはずはない。

 明治以来の宮内庁官僚が「前例に基づき」として準備した一連の祭祀。「まっ、仕方ないか」と従われることになったとするなら、ご同情申し上げるはかない。

|

« イランのデモ、どう見る | トップページ | 白髪三千丈の疑問 »

歴史」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« イランのデモ、どう見る | トップページ | 白髪三千丈の疑問 »