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2019年10月 9日 (水)

米軍シリア撤退反対社説(毎日)

 日本のオピニオンリーダーとしては、なんとも不可解な社説である。多くの情報を整理・分析してその中からより正確な真相に迫り、読者にアピールするのが社説の役割だ。

 毎日の今日の第一社説のタイトルは、「米軍のシリア撤収方針 地域の危険招く無責任さ」である。

 要旨は、アメリカのIS掃討作戦でシリアのクルド族が地上軍として加わり、壊滅状態に追い込んだのに、米軍が撤退すると、国内にクルド族をかかえ、その独立志向(または自治権拡大)になやむトルコから越境攻撃され、米国の盟友が危機に陥る、というものである。

 さらに、IS戦闘員が復活したり、米軍の後ろ盾を失ったクルド人勢力が、ロシアやイランの支援があるアサド政権に接近、反米勢力を拡大させることになりかねない、という理由を挙げる。

 同じ新聞の国際面トップに、ワシントン特派員から送られた、米軍撤収、共和からも批判 シリア北部「クルドへの裏切り」、と題する記事がある。

 米国民や野党が、トランプ大統領の人気取りのために、これまで払った犠牲や戦費を台無しにしかねないような撤退に反対するのはわかる。

 撤退には、周到な環境整備や関係各国との合意を作っておくことも当然なことで、アメリカ国民が、傀儡政権のためにシリアやアフガン、イランからの早期撤退に反対しているわけではない。むしろ逆であろう。

 毎日社説は、ワシントン発の記事をもとに作ったのではないと思うが、「仮にこうなればこう」という話をつけたしただけ。

 クルド族が住む地域は、イラン・シリア・イラク・トルコ等にまたがっており、独立国を持たない最大の民族とされてきた。差別・貧困・弾圧などから解放されるため、自治権拡大への念願が強く所属国との抗争が続いていた。

 中東問題は、かつてはイギリス・フランスが手を汚し、そして現代はアメリカが取って代わっている。複雑化している中東諸情勢の中で、問題解決のカギを握るイラン・トルコは、日本は歴史的に友好関係にある。

 中東和平構築のために何ができるか、日本政府がアメリカのポチから脱却できる最大のチャンスであるというような社説であってほしかった。

 

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