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2019年9月 1日 (日)

文大統領をかつぐのは

 「一度反省の言葉を述べたから、反省は終わったとか、一度合意したからと言って、過去を過ぎ去ったものとして終わらせることはできない」

 文韓国大統領が日本政府に投げかけた言葉である。文学的表現ではなく、これが国家の命運を背負っている元首の公式発言である。

 一時は、これが韓国国民特有の常識なのかと疑ってみた。しかしどうやら違うようだ。マスコミはどうしても穏当より不穏当をニュースにしがちである。そこからだけの判断には警戒が必要だ。

 国家間、あるいは国民の間で共有できる文化・あるいは道徳を持つとてあことは非常に大切だ。これは、「パブリック・ディプロマシー」といって、文化・言語の海外普及などから、相手国の世論や知識層に直接、間接的にアプローチする諜報・工作活動のようなものまでが含まれる。

 日本は、欧米に比べてやや出遅れたものの政策実現のため、パブリック・ディプロマシーを担当する在外機関や組織を設けている。

 韓国もオリンピック誘致などへの貢献を目指した活動をしてきた。その中での各国が憂慮するような危険な対立である。

 それ以前から『人文額研究所報NO52』(2014.8)は、国際的地位の高まった韓国は、対日プライオリティーが低下した、韓国社会における日本との関係が希薄になったと考えるのは早計であり、日本はすでに「日常化」していると考えた方がいいと指摘していた。

 さらにマスコミは、歴史問題など日韓で対立している問題のない限り、多くの場合、日本は韓国よりも優れた、あるいは進んだ社会として紹介されてきたという。

 市中で日本語そのままの看板を見ることがほとんどなかったが、若者が集う街を中心に日本語がそのまま使われた看板をあちこちに見るようになった。

 背景には「おしゃれ」であったり「かわいい」または高級感を感じられるといった韓国社会での感性の変化があった、と想像している。

 この感覚は、日本の戦後、米軍の占領が始まり、観念的には反発があったものの、米国文化に触れたとき抱いた感情と似ている。

 若者が、文大統領の反日政策にそのまま同調する必然性はすくなさそうだ。一方、戦時を知る高齢者の感覚として、卑屈に過ぎる大統領の言説にはそのまま乗れないだろう。

 文氏のかつぎ手が限られ、彼の出番はますます狭くなる一方だという予感がする。

 

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コメント

「可愛くない」というのは日本の漫画文化の言い回しですが、韓国の若者の間でも結構通用するようです。

投稿: ましま | 2019年9月 2日 (月) 21時12分

日本は反省の言葉も、合意も、どちらも2度以上やっているのに、過去を認めない人なのかと思いましたが、過去の犯罪大統領たちのを認めたくないのかもしれない、とも考えてしまいました

投稿: 玉井人ひろた | 2019年9月 2日 (月) 20時06分

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