« 日韓衝突の底流 | トップページ | 二・二六事件 »

2019年2月25日 (月)

島国と天皇のおことば

 陛下在位30年式典の陛下のお言葉を、マスコミが一斉に報道しているが、塾頭が一番共鳴し、評価しているのが次の部分である。

 島国として比較的恵まれた形で独自の文化を育ててきたわが国も、今、グローバル化する世界の中で、さらに外に向かって開かれ、その中で叡智をもって自らの立場を確立し、誠意を持って他国との関係を構築していくことが求められているのではないかと思います。

 ここをクローズアップして伝えたマスコミはあまり見当たらなかった。しかし、

憲法で定められた象徴としての天皇像を模索する道は果てしなく遠く、これから先、私を継いでいく人たちが、次の時代、さらに次の時代と象徴のあるべき姿を求め、先立つこの時代の象徴像を補い続けていってくれることを願っています。

 という部分は、譲位が迫っている皇太子らへの期待として、どの社も伝えている。塾頭は「果てしなく遠く」というのは未来をいうだけでなく、過去2000年にわたる歴史の中の天皇像をさかのぼって検証し、象徴の糧とすることも含まれていると解釈する。

 さて、前段の部分だが、塾頭は、天皇が現時点でもっとも気がかりなことは、韓国(朝鮮)との交流が危機に瀕していることだと拝察する。韓国国会議長に、従軍慰安婦に手をついて謝れとまで言われて、無関心であるはずがない。

有史以来、朝鮮半島が近隣国の干渉なしに独立国であった期間はごく短い。しかし、古代の日韓関係は切っても切れない相互の関係があった。京都に都を置いた桓武天皇の母親は、渡来人であったということが歴史書に書いてある。

日本は、蒙古の襲来を九州の水際で撃退したことを含め、外国の侵略を受けたことがなかった。

 近代になってからも、先進国からの圧迫を受け、不平等ながら開国することによって寸土も失わずに列島を守り抜くことができた。島国だからこそである。

 天皇発言にあったように、平成の期間中は一度も戦争に巻き込まれることがなかった。しかし、中国の脅威とか直近の日韓関係で、相手がすぐにでも攻めてくるような危機感をあおる勢力が少なくない。

 そして、ミサイル危機をいう。しかし、ミサイルだけで国を屈服させることはできない。大量破壊兵器を用いるとか、陸戦隊を上陸させ占領地をひろげるしかない。

平和憲法で戦争放棄している国にそのような攻撃をすることは、世界を敵に回すことになり、日本に一定の自衛力があればそれを突破するのに、膨大な費用を覚悟しなければならない。

 天皇発言の「島国」は、そこを言っているのだ。見方によれば外交方針に関する相当思い切った政治的発言と言ってもいい。

 「忖度」得意の安倍政権。ここはひとつ、天皇のお気持ちを「忖度」して、建設的な外交方針に転化できるものならやってほしい。

 

|

« 日韓衝突の底流 | トップページ | 二・二六事件 »

東アジア共同体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 島国と天皇のおことば:

« 日韓衝突の底流 | トップページ | 二・二六事件 »