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2019年2月

2019年2月28日 (木)

「統計」は国家の根幹

 朝日新聞は、今日の社説をこう書きだしている。

事実に反すると知りながら職員はうそをついていた。しかし意図的に隠そうとしたとまでは言えない――。毎月勤労統計の不正調査問題を検証した厚生労働省の特別監察委員会が、そんな追加報告書を発表した。

そして毎日新聞は、特集記事の中で忖度や指示のありなしではなく「公的統計の意義や重要性に対する意識の低さが際立ち、幹部職員の多くが統計に無関心」に焦点を当てている。

これは、国会論議応酬を見ながら、モリ・カケ同様に官邸の手中に落ちると見た本塾が、別の視点からの攻勢を野党に期待する意味で2度に分けて書いてきた(リンク・文末)ことと符合する。

かいつまんでいうと、大政奉還して間もなく、憲法も議会も生まれる前に為政をまかされた大久保利通は、官吏の仕事として統計の重要性をかかげ、その責任の帰するところは天皇になるという通達を出していること、そして、現・日本国憲法では第66条に、天皇に変わる主権者・国民の代表である国会に対し、内閣が連帯責任を負う旨明記されているということだ。

官僚組織ぐるみの失態は即内閣の責任となるということは、近代国家の根源にかかわることである。与野党ともにそれをどこかに置き忘れている。

元官僚や弁護士などで構成される特別監察委員会の発想は、決定的証拠がなければ推定無罪だということで、正しい政治とは縁もゆかりもない。国会はそれに惑わされてはならない。

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統計の責任は天皇だった

2 4

行政責任、昔天皇今国会

 

 

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2019年2月27日 (水)

激動の1週間となるか?

昨日、2度目の米朝首脳会談を前に、金正恩・トランプ両首脳がハノイ入りした。今夜、少人数の夕食会で顔合わせ、明日、いろいろな形での会談を進める。すでに外相レベルの接触は始まっているが、結果の予測は不可能だ。

その結果を待つ間もなくその翌日は、韓国・朝鮮の三・一独立運動100周年記念日だ。韓国は反日機運のピークにこの日を据え、建国の柱としたいと考えるだろうが、北朝鮮には金日成による建国という動かしがたいプライドがあり、関心は薄い。

文在寅政権の三・一声明文はどうなるのだろう。米・北会談の結果次第では、ピント外れになる可能性なしとはいえない。すでに国内では、対日外交に批判も出ており、大統領の不支持率は支持率を越えている。

安倍政権も影響なしではすまない。トランプが拉致問題に触れたとしても、北の前向き姿勢を引き出すのが精いっぱい、「あとは日本が交渉して……」という程度だろう。核問題もカヤの外だ。

「対話と圧力」一本やりだったのが、屋根に上ってはしごを外されたという形になり、外交上の失敗がより鮮明になる。全方向外交も失速を余儀なくされるが、これで内閣支持率が動くということはない。「島国」がいい場合も、悪い場合もあるということだ。

 

 

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2019年2月26日 (火)

二・二六事件

二・二六事件は83年前の今日起きた。マスメディアを見渡したがこれに触れている所は見当たらない。さきの戦争の原点ともいえる事件である。本塾では必須科目になる。以下、『日本近現代史小辞典』角川書店、を引用しながら復習する。

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1936年(昭和11)に起こった皇道派青年将校によるクーデター。軍ファシストによるクーデター計画の最後の事件となる。彼らは右翼・北一輝の影響を受け、武力による国内改造を企画、第一師団の満州派遣が発表されて蜂起を決意、26日早朝歩兵第一・第三、近衛歩兵第三各連隊から1400人余の部隊を出動させ「昭和維新」「尊王討奸」などを叫び斎藤実内大臣、高橋是清蔵相渡辺錠太郎教育総監らを殺害し(岡田啓介首相も当初即死と伝えられたが隠れて存命していた)、鈴木貫太郎侍従長に重傷を負わせ、陸軍省・参謀本部・国会・首相官邸など一帯を占領、陸軍上層部に国家改造の断行を要請した。

陸軍当局は戒厳令を敷いたものの、一致した収拾策を作り上げることができず、海軍・政財界の支援が得られないと見られることから弾圧に転じた。

天皇は、「朕が最も信頼せる老臣を悉く倒すは真綿にて朕が首を絞むるに等しい行為である。朕自らが近衛師団を率ゐて鎮定に当たらん」(『日本の歴史24』、中公文庫→、『本庄繁手記』)と鎮圧を繰り返し促していた。

陸軍当局は、29日の地方部隊上京を機に、蜂起部隊を反乱軍と規定し勅令をたてに帰順を呼びかけた。

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全ての歴史がそうであるように、この事件においても、当事者の意図とは全く異なった結果がそこから生まれ、それが独り歩きをはじめる。そしてその中で、戦争への道が着実に切り拓かれていったのであった。(前掲書)

 

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2019年2月25日 (月)

島国と天皇のおことば

 陛下在位30年式典の陛下のお言葉を、マスコミが一斉に報道しているが、塾頭が一番共鳴し、評価しているのが次の部分である。

 島国として比較的恵まれた形で独自の文化を育ててきたわが国も、今、グローバル化する世界の中で、さらに外に向かって開かれ、その中で叡智をもって自らの立場を確立し、誠意を持って他国との関係を構築していくことが求められているのではないかと思います。

 ここをクローズアップして伝えたマスコミはあまり見当たらなかった。しかし、

憲法で定められた象徴としての天皇像を模索する道は果てしなく遠く、これから先、私を継いでいく人たちが、次の時代、さらに次の時代と象徴のあるべき姿を求め、先立つこの時代の象徴像を補い続けていってくれることを願っています。

 という部分は、譲位が迫っている皇太子らへの期待として、どの社も伝えている。塾頭は「果てしなく遠く」というのは未来をいうだけでなく、過去2000年にわたる歴史の中の天皇像をさかのぼって検証し、象徴の糧とすることも含まれていると解釈する。

 さて、前段の部分だが、塾頭は、天皇が現時点でもっとも気がかりなことは、韓国(朝鮮)との交流が危機に瀕していることだと拝察する。韓国国会議長に、従軍慰安婦に手をついて謝れとまで言われて、無関心であるはずがない。

有史以来、朝鮮半島が近隣国の干渉なしに独立国であった期間はごく短い。しかし、古代の日韓関係は切っても切れない相互の関係があった。京都に都を置いた桓武天皇の母親は、渡来人であったということが歴史書に書いてある。

日本は、蒙古の襲来を九州の水際で撃退したことを含め、外国の侵略を受けたことがなかった。

 近代になってからも、先進国からの圧迫を受け、不平等ながら開国することによって寸土も失わずに列島を守り抜くことができた。島国だからこそである。

 天皇発言にあったように、平成の期間中は一度も戦争に巻き込まれることがなかった。しかし、中国の脅威とか直近の日韓関係で、相手がすぐにでも攻めてくるような危機感をあおる勢力が少なくない。

 そして、ミサイル危機をいう。しかし、ミサイルだけで国を屈服させることはできない。大量破壊兵器を用いるとか、陸戦隊を上陸させ占領地をひろげるしかない。

平和憲法で戦争放棄している国にそのような攻撃をすることは、世界を敵に回すことになり、日本に一定の自衛力があればそれを突破するのに、膨大な費用を覚悟しなければならない。

 天皇発言の「島国」は、そこを言っているのだ。見方によれば外交方針に関する相当思い切った政治的発言と言ってもいい。

 「忖度」得意の安倍政権。ここはひとつ、天皇のお気持ちを「忖度」して、建設的な外交方針に転化できるものならやってほしい。

 

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2019年2月24日 (日)

日韓衝突の底流

某週刊誌系サイトを見ていたら、韓国の軍艦による自衛隊機に向けた火器管制レーダー照射事件について、「韓国政府と同軍部に意見の不一致があり、これがエスカレートしてクーデターにまで発展しかねない」というような憶測記事があった。

根拠はわからないが、事件の底流と「軍」が持つ属性にもっと焦点を合わせなければならない。軍人の「独断専行」は、奨励されることがあってもそれで罰せられることはないのだ。

本塾でも過去、張作霖暗殺事件などで日本陸軍がとった行動の追及が甘かったことについて、『陣中要務令』の存在を指摘してきた。

それはさらに、陣中要務令(1924年)、戦闘綱要(1929年)、を統合し、昭和期の陸軍幕僚による陸軍戦術教範として盧溝橋事件の翌年(1938年)に再確認された。戦後、新憲法下で生まれた自衛隊でも、旧軍部の伝統が生きのび、陸上自衛隊の野外幕僚勤務・野外令はこれを参考に制定されている。

作戦用務令

「第五 凡そ兵戦の事たる独断を要するもの頗る多し。而して独断はその精神においては決して服従と相反するものにあらず。常に上官の意図を明察し、大局を判断して状況の変化に応じ自らその目的を達し得べき最良の方法を選び、以て機宜を制せざるべからず。」

韓国のレーダー操作担当兵も、とっさに「危険」と判断しててめ上官の命を待たず(独断)で行動したのだろう。それをせずに仮に味方が損害を被るようなことがおきれば、責任はその兵にかかってくる。

これがどこの国の軍隊でも持っいる共通の属性である。自衛隊や防衛省もそれを知っている。だから、新証拠をあげて追い打ちをかけることは避けているのだ。あうんの呼吸である。そこが従軍慰安婦、徴用工などとは根本的な違いである。

もっとも警戒しなければならないのは、自衛隊を「軍」に転化させたい安倍首相の底意である。憲法に明記するのは家族や息子を安心させるためではない。装備・行動ともに「軍」相当であることを内外に示したいからである。

 

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2019年2月23日 (土)

「断固」の使い方

政府は22日の閣議で、韓国が日本海の呼称をめぐり「東海」の併記や改称を求めている問題に関し、「韓国側の主張に対して断固反ばくする」とした答弁書を決定した。立憲民主党の亀井亜紀子衆院議員の質問主意書に答えた。(時事通信)

ここで気になったのが「断固」という言葉である。最近最も多く目につくのが、中国の公式発表を伝える宣伝部・テレビのお姉さんの発言で、中国語でどういうのかわからないが、アメリカ・台湾などの姿勢を非難する時字幕に出る。

かつて、日本の左翼が「断固粉砕」とか「断固貫徹」などを愛用していたので、一種の左翼用語かと思ったが、中国語を調べると「断然」があっても「断固」はあまり見当たらない。

さて、前段の閣議決定だが、「断固反ばく」するような事柄か?。静かに「同意できません」でいいのではないか。国際組織は各国の対立構造や「くせ」をよく見ている。

かつて、イランとサウジなどとの間で、ペルシャ湾をアラビア湾とするよう争っていたことがあるが、イラン古来の名称、ペルシャがそのまま今でも使われている。「断固」は国内向けであっても、国際的には逆効果だろう。 

 

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2019年2月22日 (金)

国会言論の甘さ

今日の毎日新聞のトップ記事3本見出しは、「厚生労働省・秘書官面会当日書き換え・因果関係は否定」である。

面会当事者は、厚労省の姉崎統計情報部長(当時)と中江首相秘書官(当時)の二人である。国会で長時間かけ議論が続いているが、野党攻勢が一向に効果をあげていない。もり・かけ議論同様、マスコミにも「忖度」という結論に持ち込まれそうな気配である。

首相秘書官というのは、首相と一心同体で仕事をしなければならない人である。政府・官僚は一体でなければならないというのも、近代国家の基本原則である。だから厚労省・統計責任者という官僚の立場は、首相に直接会うのと同じということになる。

会うこと自体は、首相がきびしい国会答弁を乗り切るためには欠かせず、悪いことではない。そして、肝心な部分について、官僚は「忘れた・覚えていない」首相側は「聞いていない・記録がない」で逃げる。

「忖度」は、そういった「ひと(他人)」を介するところで生まれてくる。「首相」秘書官と会うというだけで、首相の指示を受けたと官僚が理解すべきだろう。文書データや録音という証拠がなければならないということではない。

わかっている事実だけで相手を論破する、それが言論というものだ。昨今の議会ではそれが見えてこない。。

 

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2019年2月21日 (木)

渋谷区広尾

大東建託が首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)の一都三県1224駅周辺で、「住みここちアンケート」を実施したところ、1位が東京の広尾になったと発表した。

これには驚いた。塾頭が田舎から出てきて最初に下宿した街だからだ。地下鉄日比谷線広尾駅ということだが、当時日比谷線が開通しておらず、最寄りの駅は地下鉄が銀座線青山一丁目、JRは恵比寿だった。都電が通っており「天現寺橋」といった方が通りがよかった。

渋谷区内といっても、テレビによく出るスクランブル交差点や若者の街ではなく、都心により近い古びた閑静な街並みで、渋谷駅周辺は郊外への出口という位置づけだった。下宿先はそば屋の2階で、湿気には悩んだ。

毎食そばにするわけにもゆかず、思い出したのは、戦中の名残の飯米通帳、これは身分証明書にもなる。そして外食券食堂、交差点で交通整理をするMP(ミリタリーポリス)などである。

街をわがもの顔で走っていたのは小型国産車ではなく、フォード、シボレー、ポンティアックなど米軍所有車だった。

広尾の最近の姿は知らない。昭和は遠くなりにけり。

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2019年2月20日 (水)

日本は紀元前から文字を?

弥生時代中期中ごろ(紀元前100年ごろ)の石製すずりの未製品などが、福岡・佐賀両県の三つの遺跡で出土していたことがわかった。柳田康雄・国学院大客員教授(考古学)が19日、明らかにした。これまでの確認例を100年以上さかのぼり、国内最古という。製作時の工具も判明し、倭(わ)人が自らすずりを作り広範囲で文字を使っていた可能性が高まった。(朝日新聞デジタル、2/20

上の記事で気になるのが「広範囲で」の4文字だ。3つの出土遺跡の間隔は100キロと離れていない。すずりの消費地は、それらの中心に位置する昔の伊都国や奴国と見るべきだろう。弥生時代、東国に普及した銅鐸が、奴国でも鋳造されていたという遺跡が見つかっているが、広く使われていたとするためには、同時代に東国でも生産され、または使用された痕跡がなくてはならない。すずりの場合、原料や製造技術からみても生産地を集中しなければならない要素がない。

墨書がどうしても必要なのは外交文書である。古くは数などをひもで表すことを知っており、より複雑な意思伝達は口述に頼るしかなかっただろう。日本の外交記録は次で知られる。

◇『前漢書』(西暦紀元前後)

楽浪海中に倭人あり、分かたれて百余国となり、歳時を以て来たり献じ見ゆ。

◇『後漢書』(西暦五七年)

倭奴国、貢を奉じて朝貢す。使人自ら大夫と称す。倭国の極南界なり。光武帝、賜うに印綬を以てす。

◇『後漢書』(西暦107年)

倭国王帥升等、生口百六十人を献じ、願いて見えんことを請う。

 この先は、魏志倭人伝の女王(卑弥呼)遣使(238年)となるが、その前107年は、「倭国王・帥升」ではなく「倭国、王帥升」と読み、中国人の王さんが文書を持って使いをしたと見る(拙著『周辺国に向き合う日本人の歴史』)。

卑弥呼の時代になっても、「一大率」が置かれたと倭人伝が書くように、外交はもっぱら伊都国の専管事項であったようだ。交渉窓口が中国の出先・朝鮮の楽浪郡経由であるのと同様、倭国も伊都国にワンクッション置いて意思疎通の便をはかったに違いない。これは後世、対馬の宗家が日本・朝鮮の仲立ちをしていたことに似ており、意思伝達や約束事は公文書化しておくルールもあっただろう。

伊都国では、他国より前から墨硯は必需品で、自給する必要があったに違いない。他の地域から同様な発掘物が出れば、その時期によって日本の文化史が大きく進展するはずだ。

 

 

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2019年2月19日 (火)

韓国は好戦国か

昨年1220日に自衛隊機が韓国駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けた件、韓国はそれを否定するばかりか、自衛隊機が低空飛行で威圧してきたなどと、被害者であるかのような発表をしてきた。これが、日本側アピールへの言い訳をしているように聞こえ、逆効果になったのではないかと思った。日本はその後あえて他の証拠で韓国を追い詰めるようなことを控えている。

今にも戦争が始まるのではないかと思った人がいたかも知れない。しかし、それは思い過ごしだろう。徴用工判決で同国憲法の尊重を重視する国、そこで戦争関連の条文(大統領権限などをのぞく)はどうなっているかを拾ってみた。ベトナム戦争に参戦した国とは思えないほど、なかなかの平和憲法だ。

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第一章 総則

第五条[侵略的戦争の否認、国軍の誌名よび政治的中立] ① 大韓民国は、国際平和の維持に努め、侵略的戦争を否認する。

② 国軍は、国家の安全保障および国土防衛の神聖な義務を遂行することを使命とし、その政治的中立性は遵守される。

第二章 国民の権利および義務

第三九条[国防の義務] ⓵すべての国民は、法律の定めるところにより、国防の義務を負う。

② 何人も、兵役の義務の履行により、不利益な処遇を受けない。

第三章 国会

第六〇条 [条約・宣戦布告等についての同意] ⓵国会は、相互援助もしくは安全保障に関する条約、重要な国際組織に関する条約、友好通商航海条約、主権の制約に関する条約、講和条約、国家もしくは国民に重大な財政的負担を負わせる条約、または立法事項に関する条約の締結・批准についての同意権を有する。

② 国会は宣戦布告、国軍の外国への派遣または外国軍隊の大韓民国内における駐留についての回答権を有する。

 

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2019年2月18日 (月)

歴史、認識、感情の区別を

日露外交は、ミュンヘンで外相同士の会談が行われ、平和条約や北方領土問題が話合われたようだが進展する気配は全く見られなかった。留まるところを知らない最悪の状態が、日韓の間で続いているが、ロシアの方も日本の「歴史認識」を持ち出し譲らないようだ。

いずれも、日本の「歴史認識」のなさを声高に叫ひ、それが常套句になっている。しかし、日本側から相手の歴史認識を鋭く突く主張がなされたとは思えないし、マスコミの報道にも表れない。そこで「認識」とは何かを三省堂の大辞林で見た。

 物事を見分け、本質を理解し、正しく判断すること。また、そうする心のはたらき。 「経済機構を正しく-する」 「 -を新たにする」 「 -に欠ける」

 〘哲〙 〔英 cognition; ドイツ Erkenntnis〕 人間(主観)が事物(客観・対象)を認め、それとして知るはたらき。また、知りえた成果。感覚・知覚・直観・思考などの様式がある。知識。

ロシア語や韓国語でどう表現するのかは知らない。日本語の「認識」は、哲学的にいうと主観の領域に入るらしい。その前に「歴史」の二文字がつくが、これは客観的な真実、つまり「史実」のことといっていい。

日露それぞれの見解を例に取って見よう。

終戦の年の2月4日に米・英・ソの3国首脳がクリミア半島のヤルタで会談、米・英はソ連に日本への参戦をうながし、勝利すれば日本領の千島を奪取する約束をした。

日本は、日ソ不戦条約があるソ連の参戦も、ヤルタ会談の中身についても、知る立場になく、「認識」していなかった。また、726日の前記3国が発表したポツダム宣言を認識し、815日にはこれを受諾する玉音放送をした。ただし、その後にソ連軍が北方4島を軍事占領し、日本人を追い出したことまで予想はしていなかった。

しかし以上のいずれも、日本が認識していなくとも「歴史」である。このように、日本には日本の「歴史認識」があり、ロシアにはロシアの「歴史認識」がある。また、それぞれ「歴史」と「認識」を分けて、しっかり突き合わせ確認をする必要がある。

それをしないところに韓国の悲劇があり、すれちがいのまま解決のめどが立たない。従軍慰安婦も、徴用工いずれもそうだ。

「歴史」と「認識」のないところに「感情」だけがしこりとして残ってしまう。冷静に話し合う、ということは、その区別について考え、突き合わす勇気があるかどうかである。

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2019年2月17日 (日)

続・ノーベル国際冗談賞

トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦する書簡の写しを安倍首相から受け取ったという、大統領本人の発表記事を昨日書いたばかりである。安倍首相の行為が冗談ならともかく、本気であれば恥ずかしい。誰か止める人はいなかったのか――、で結んだがその続報が入った。

トランプ米大統領が安倍晋三首相から北朝鮮問題でノーベル平和賞候補に推薦されたと明らかにしたことについて、首相が米政府から非公式に依頼を受け、昨秋ごろノーベル賞関係者にトランプ氏を推薦したことが16日、日本政府関係者への取材でわかった。(朝日新聞デジタル)

なんともひどい話である。首相は頼まれて推薦したのだ。前の記事は削除しようと思ったが、似た者同士の指導者がノーベル賞と世界をコケにしただけで、政治利用どころか逆効果になりかねない茶番であった。歴史に残るかもしれないので残しておくことにする

 

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2019年2月16日 (土)

日韓、マスコミが時の氏神に

 最悪の方向に向かっている韓日関係は、歴史戦争を超え、国内法・国際法問題に飛び火し、北朝鮮の核をめぐる外交・安保の次元に広がりつつある。1次的な責任は韓国政府の教条的で無責任な外交行動にある。政府が非理性的な反日感情的でこじつけに近い要求を乱発し、韓国の外交的立場を困難なものにしている。また、最近生じている韓日間の確執は、日本の対韓外交が根本的に変わってきているためのものだ。韓国問題をめぐり、日本の外交関係者・政界関係者の間で起こっている深層部の変化に焦点を合わせて分析しなければならない。

 以上は、朝鮮日報読者権益保護委員会(委員長:趙舜衡〈チョ・スンヒョン〉元国会議員)が11日、定例会議を開き、先月の朝鮮日報の報道について議論した際の発言として「朝鮮日報(日本語版)」が伝えたものである。

 同紙は、韓国最大の発行部数誇り、日本で言えば読売新聞にあたるが記事内容は、保守とはいえ、政府への批判を明確にしており、朝日新聞的な「硬派」という感じもする。

 日本のマスコミには、韓国国会議長の発言や反日団体の工作・行動などがクローズアップされがちだが、韓国の識者は、見るところを見ているということと、日本の反応が予想を超えて大きいことに意外の感を抱いていることがわかる。

 「歴史認識」のかわりに「歴史戦争」という言葉を使っているが、これが問題なのである。日本側は「戦争」をしている気はない。ごくわずかな歴史修正主義者の存在は否定しないが、「感情」を持ち込んだ歴史は歴史ではない。したがって「戦争」をしている気はなかったのだ。

 これまでの約束ごとを次々と破っていく韓国側の度重なる攻勢を放置することは、国際的な誤解も招きかねないということから、日本側がけじめを示したということだ。

 「認識」でも「戦争」でもいい。両国間の差を埋めるために最大の力を発揮できるのは政府や政治機関・政治団体ではなく、マスコミであるという意識も持ってもらいたい。

 

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ノーベル国際冗談賞

トランプ米大統領は15日、ホワイトハウスでの記者会見で、安倍首相からノーベル平和賞選考機関に送ったとされる「推薦状」のコピーを受け取ったと明らかにした。時事通信によると「恐らく私が受賞することはないだろうが、それでもいい」とつけたしている。

ノーベル国際冗談賞」があれば安倍首相の受賞間違いなしだが、本気であれば恥ずかしい。誰か止める人はいなかったのか――。

 

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2019年2月15日 (金)

存在感ある米議員

【ワシントン高本耕太】米与党・共和党の上院トップ、マコネル院内総務が、野党・民主党の進歩派・急進左派がまとめた革新的な気候変動対策「グリーン・ニューディル法案」について「上院本会議で採決にかける」と表明した。与党が賛成する見込みのない野党法案を審議入りさせる異例の対応の背景には、2020年大統領選の民主党立候補予定者に「過激な法案」への態度表明を迫り、今後の攻撃材料にする思惑がある。(後略)、毎日新聞9/13、東京朝刊より。

日本人にはわかりにくい記事である。地球温暖化対策を決めた国際条約、バリ協定から脱退を宣言したトランプ大統領の与党が、野党の最も「過激な」反対法案の審議入りを促進する、という内容だ。それこそ、目を疑って何度も読み返した。

日本で言えば、米軍普天間基地廃止法案を突如自民党が持ち出すようなものだ。オール沖縄を目指す野党は、県民投票を前に、相当混乱するだろう。トランプも過激だが、議会の動きもそれにまして過激だ。見習うべきとは思わないが、日本の国会論議の生ぬるさを見ていると、結果を出す議員、特に野党各党議員にそれを望みたい。

 

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2019年2月14日 (木)

今年はキガイの年

今年がイノシシ年ということは幼児でも知っている。これを干支で漢字で書くと「」であるが、読める人はほとんどいないのではないか。訓読みで「つちのとい」、音読みでは「きがい」となる。

甲子園を読めない人はいない。施設が「きのえね」の年にできた由来がある。歴史に残る戊辰戦争(明治革命)、辛亥革命(清国滅亡)、乙巳(いっし)の変(大化の改新)も勉強した人なら読める。

今年は改元のある年である。日本の元号は、乙巳の変のクーデターで中大兄皇子らが作った「大化」が最初で、それ以前はなかった。西暦や太陽歴がない時代は、大事件を60年に一度回ってくる干支で記憶した(「還暦」の発想もそこから発している)。

今でも年賀状に干支を書く人がいるが、大正時代頃まではよく使われたようだ。終戦前まで、徴兵検査の成績は甲種合格が最高で「日本男児の本懐」とされたが、徴兵令状(「赤紙」と呼ばれた)が真っ先に来るので、できれば丙種の方がいいと内心思っていた人が多かった。

また、学校の成績も通知表も甲・乙・丙(こう、おつ、へい)の干支の順に当たるゴム印が押されており、後にそれが優・良・可に変わる。

前回の己亥の年は、安倍首相の祖父・岸信介が首相である。東京地裁の砂川事件で外国軍隊の駐留は違憲という判決(後に最高裁が破棄・差戻し)があった。そして、安保改定阻止のデモ隊が国会構内に突入し、翌1960年に安保改定による混乱の責任をとって岸は退陣した。

60年安保」と通称されるが「己亥(きがい)」が気概になるか危害になるか。気になる干支である。

 

 

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2019年2月13日 (水)

総務省の不感症ぶり

毎日新聞(2/13・東京)が伝える

厚生労働省の毎月勤労統計など一連の統計不正問題で国政への信頼が揺らぐ中、総務省が今月1日に出した告知が驚きを広げた。今年10月18日の「統計の日」に向けて、国民に統計の重要性を知らしめる標語を募集する、というのだ。間の悪いことに告知した1日、総務省の小売物価統計でも不正が発覚した。ネット上では統計のいいかげんさを皮肉る「標語」があふれ「大喜利」状態となっている。【江畑佳明】(以下略)

毎日新聞記者は、当然同省に質問を入れた。

「中止の検討はなかったのか」、担当官「既に報道発表もしているので……」。

国民の気持ちや社会の反応など、まったく気にしていない。偽統計を作る作業のレベルから一歩も出ておらず、反省もしていない。その連中を税金でやしなっている国民は、頭からなめられているのだ。

同紙から、大喜利作品の一部を紹介しておこう。

 ごまかせ統計 疑惑の指針

 合わぬなら 作ってしまえ 偽統計

 「統計」は 今や出世の 一里塚

 

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2019年2月12日 (火)

民主党政権⇒悪夢

安倍首相が10日の自民党大会で「悪夢のような民主党政権」と表現したことを、立憲会派の岡田克也氏が今日(12日)の予算委員会で撤回を要求したが、首相は「取り消さない」と拒否した。

選挙で政権交代したら、前大統領を懲役24年、罰金18億円相当の実刑判決にしたり、前最高裁長官を逮捕したりする。そして現国会議長が、「日本の天皇が元慰安婦と握手して謝れば解決する」などと国の最高権威者とは思えない、えげつないことをポンポン言う。

日本もどうやら、どっかの国に似てきたようだ。

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2019年2月11日 (月)

「国際貢献」するなら

■政府がエジプトとイスラエルの停戦監視に当たっている多国籍軍に、陸上自衛隊員数名を司令部要員として派遣する方針を、近く、正式に決定することが分かりました。

 政府はエジプトとイスラエルの停戦監視に当たっているMFO=シナイ半島駐留多国籍軍・監視団に、陸上自衛隊員を派遣できるかどうか、今年に入り現地を視察するなどして、慎重に検討を進めてきました。

 政府は今回、隊員の安全は確保できると判断したことから、近く、派遣する方針を正式に決定することが分かりました。実現すれば、安保関連法で可能となった国連主導以外の治安維持活動などに参加する「国際連携平和安全活動」で初のケースとなります。Tbsニュース2/10

■フィリピンを訪れている河野外務大臣は10日、ロクシン外相と会談し、南部のミンダナオ島などでの和平プロセスを後押しするため積極的に支援していく考えを表明しました。

フィリピン南部のミンダナオ島などでは40年以上にわたってイスラム武装勢力と政府軍による戦闘が続きましたが、5年前、和平が実現し、イスラム系住民による自治政府が発足することになっています。

河野外務大臣はミンダナオ島のダバオを訪れ、10日、ロクシン外相と会談し、地域の和平プロセスを後押しするため武装解除や経済復興に向けて積極的に支援していく考えを表明しました。(NHK2/11

日本国憲法・前文

われわれは、いずれの国家も自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。

  ~~だけどエジプトの方は考えた方がいいねえ――。

理由その1・今どきの役人の事前調査や統計は信じられないこと。

理由その2・中東戦争の後始末として模範的と見られ国際監視が続いていることが不思議に思えたシナイ半島が、エジプトの国内事情もあって、いろいろな勢力が割拠する不安定な地域になったこと。

理由その3・現地当事者は自衛隊を軍隊と認識し、駆けつけ警護などをしてくれるものと思っていること。つまり憲法違反。(安倍首相も内心それを望んでいる)

理由その4・現在の停戦監視団に国連は関与しておらず、有志国連合という形になっている。なぜならば、イスラエルは、パレスチナ人の権利も認める国連が大嫌いで信用していない。信用できるのはアメリカだけ、という態度だからだ。

理由その5・同盟国ではないかと思えるほど関係改善したエジプト・イスラエルを見て、オバマ時代に撤退を考えたが、イスラム・スンニ派大国を信用しないイスラエルは、米軍駐留継続を懇願した。トランプも首相シリア・アフガンのように中東撤退をしたい口だが、イスラエルから懇願されたら、支持層ユダヤ・ロヒーの手前断れない。「少しでいいから日本は肩代わりして……」と安倍首相に頼んだのではないか。

とにかく「危ない、危ない」なのである。アジアの近隣国とはわけが違う。

 

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2019年2月10日 (日)

悲しそうな雪だるま

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2019年2月 9日 (土)

「韓国」と「朝鮮」の違い

韓国独立運動311事件100周年が近づいた。戦後最悪といっていい日韓の緊張が続いている。そのほとんどは最近韓国側から持ち込まれたものだが、韓国側に言わせれば日本の不法支配がもたらしたもので、何度謝っても謝り足りない、歴史認識がないという理屈になっている。

双方の言い分は、韓国側に無理があるという意見が、ごく稀だが最近韓国紙にもみられるようになった。韓国憲法の前文には、311事件を契機に生まれた上海の亡命政権の法統を継ぐという宣言がある。仮にトランプ・金正恩のハノイ会談の進展があって南北統合の機運が高まるようなことがあれば、両国による反日キャンペーン競争になるのではないか、と書いたこともある。

311について南はともかく北朝鮮の評価がどうなのか。北は、金日成が同志を糾合して対日パルチザン戦争を起こし、ソ連軍と共に国境を突破して平壌に入城独立を果たした、という自負があるのに対し、韓国は日本の大戦敗北で連合国から突如与えられたものという迷いがあった。

したがって、併合前の「大韓帝国」から「大韓民国亡命臨時政府」をなかだちとして今日につながるという、北朝鮮とは違う建国の正統性が必要になってくる。

となれば、311を反日の材料として使う範囲を越え、その先一歩を誤ると北と半島における正統性で軋轢を生む理由にもなりかねない。日韓とは違う南北の血を血で洗う近親憎悪の歴史を繰り返してはならない。するとアンタッチャブルでいる方が無難かも知れない。

311に対する北のかかわり方を知りたいので本棚から朝鮮・韓国関連の本で材料を探してみた。残念ながらほとんどないのだ。その中で見つけだ記述の中で気がついたことを――。

アメリカのウィルソン大統領が提唱した「民族自決主義」が起爆剤となった。(中略)上海では呂運亭や金奎植らが、アメリカでは安昌浩や李承晩らが、韓国の独立を訴え、そして中国東北地方では金日成たちの抗日運動が展開していた。(金両基『物語韓国史』)

 1919年の事件当時、1912415日生まれの金日成は、まだ7歳に達していない。明らかに間違いだ。その後段に「東京の韓国人留学生の全員をソウルでの三・一独立運動に参加させるきっかけになった」とある。これを金達寿『朝鮮』では「彼ら(東京の留学生)は早くも二月八日に東京で朝鮮独立大会を開き、その多くのものは三・一の蜂起を準備するため急きょ帰国した」とあり、「全員」は誇張であろう。

 この両著で「韓国」と「朝鮮」の表現の違いをどう受けとるかを比べるとこういうことになる。

『物語韓国史』

一九一〇年八月二十二日、日本の統監寺内正毅と大韓帝国総理大臣李完用の二人は、韓日併合条約に調印する。(中略)奸計を見抜けず、李完用は売国奴としてその名を永久に記録されることになった。

また同時に、日本側では、朝鮮李王朝がそれまで500年も使っていた国名「朝鮮」を併合直前に「韓国」と改称したのをもとの朝鮮にもどす勅令を出した。これに対しては、次のように記す。

韓国(正式呼称は大韓帝国)または韓国人、韓国語という単語は、その日から天皇の名において朝鮮[人・語]に変えられ、それは劣等民族の呼称におきかえられていった。

『朝鮮』

(前略)朝鮮政府はいまはもうまったくその自主性を失い、これら日露のなすがままになっていたが、そんなふうでありながら、彼らはまた何のつもりであったのか、一八九七年国号を「大韓」と改め、国王を大韓光武皇帝と称した。何が大韓だといいたくなるが、それがいまや滅亡を前にして、こういう偏狭なセクト性と大看板とをもちだすということは一考に値する。

以上両著者とも在日朝鮮(韓国)人で、日本の大学を出ている。著述全体を読むと両基氏は韓国、達寿氏は北朝鮮にシンパシーを持つのかなと読める。同じ半島にあってこれだけの違いがあるのだ。歴史と共に、南北についても「認識」すべきことがたくさんある。

 

 

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2019年2月 8日 (金)

区別・差別・軽蔑

日々のニュースで親縁者殺人というのが目立つが、国際問題を含めて差別問題が定番になっている。人種差別、性に関する差別などだ。今日も、グッチのセーターに黒人差別とSNS上で批判 グッチは「深く謝罪」し製品を撤去、というアメリカ発のニュースをNHKで流していた。

これで思い出したのが、1960年(昭和35年)頃流行した「だっこちゃん」である。ビニール製の空気で膨らませる黒人幼児の人形で、女性がファッションのように腕につけて銀座を闊歩したりした。

これは、日本メーカーの発案・発売で海外にも伝播した。この時も人種差別という声は出たが、謝罪とか発売停止に発展したという記憶はない。

塾頭は、むしろ人種差別の隔壁をなくするほほえましい光景に見えた。人種差別として騒ぎ立てる方が差別を増長しているという気がする。

そこで題にあげたのが、3つの日本語である。差別・区別は語尾が「べつ」でも「蔑」つまりヘイトではない。人種でも性別でも、「差」や「区分け」があるのは当然である。最近は「それがいけない」といっているように聞こえることがある。

「別」は、人類の芸術、文化、道徳、習慣など色々な発展の原動力になってきた。「蔑」との「区別」がしっかりとれるようになるというのは、それほど凄いことなのだろうか。

 

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2019年2月 7日 (木)

「パワーポリティクス」

 米上院は5日、トランプ米大統領に対し、アフガニスタンとシリアのテロ組織が壊滅するまでは米軍撤退を急がないよう求める法案を可決した。法案は与野党双方から幅広い支持を受け、賛成77、反対23で可決された。(CNN)

米国防総省は4日、シリアに駐留する米軍が撤退した後、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は同国内で支配地を奪還し、勝利を宣言する可能性があるとの報告書を発表していた。

5日、トランプ大統領は一般教書演説で、911の犯人をかくまったとしてせん滅を期したアフガニスタンのタリバンと和平協議を開始、アフガン政府をそっちのけにして18年続いた米軍派遣から撤収する意欲を示した。(毎日)

これらの報道を見て、これまで一強といわれたアメリカだが、第2次大戦後、勝てた気分になれた戦争は一度もないのではないかという気がしてきた。

トランプ・金正恩会談をべトナムで、という話もあるが、ベトナム戦争では苦戦のあげく勝ち目もなく、サイゴンから撤退する米軍機に難民が殺到するという場面のあったことを思い起こす。北朝鮮も「負けた」という姿勢は絶対にとらないだろう。

その後アメリカは中東方面で様々な戦争に関わるのだが、「ならず者」を駆逐したという姿を見たことがない。「世界の番犬」という言葉とともに「パワーポリティクス」という言葉を思い出した。

このブログで最初に使ったのが10年4月、何度も使ったが16年3月に中国に対して使ったのが最後でその後は一度も使っていない。口先の応酬や武器開発競争は盛んだが、今の状態がそうかというと、違うような気がする。

政府・軍部・世論がばらばらだ。トップはどこも本腰が入っていない。だから安全かというと、それも違う。むしろ不安定さが予期しない危険を呼び込むこともある。

敗戦を経験している日本は、その戦争に突っ込んだ理由も知っている。政権・軍部・議会・政党の主導権争いのほかに国際世論がある。日本はこれに背を向け、国際連盟を脱退して道をあやまったのだ。

平和憲法を持つ日本は、局外に立って平和を模索する先頭に立たなければならない。ただし現政権下では無理、とせざるを得ない。

 

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2019年2月 6日 (水)

「じ、ぢ」「ず、づ」の区別

塾頭はキー入力の訓練を受けたことがないので、いまだにかな変換の世話になっている。変換ミスで多いのが表題に書いた文字の入れ違いである。学習能力ではなかなか追いつかない。そこで共同通信社刊の『記者ハンドブック』を見た。そこには、こう書いてある。

「ぢ」「づ」は、原則として使わないで、「じ」「ず」で書き表す。

ただし、二語の連合によって「ち」「つ」が濁る場合と、同音の連呼の場合だけは、「ぢ」「づ」を使う。

<「じ、ず」の場合>()

<二語連合の場合>

(注)二語の連合とは「にい(新)」と「つま(妻)」とが連合して「にいづま(新妻)」となるような場合をいう。主として前と後の二つの部分に分けられるような意識(分析的意識)があるときである。これに対し「稲妻」は、「いな(稲)」と「つま(妻)」の二語の連合とはみられず、分析的意識がない一語と解されるので「いなずま」となる。(個々の用例については、「ぢ、づ」と「じ、ず」の使い分け用例集参照)

頭脳明晰な記者さんも、これだけでは理解できなかったのだろう。用例集は続けて6ページにもわたる。どうやら、かな文字変換族に救いはないようだ。

 

 

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2019年2月 5日 (火)

統計不正の追及責任

国会の議論が予算委員会に移ったこともあって、今日も朝・毎・読の3大紙など各紙が統計不正問題を取り上げている。

本塾も昨日に続き3度目となるが、問題を矮小化したり個別化したりする政府に対し、憲法第六六条に内閣が一体化した行政責任を国会に対して負うという条文があり、国会がそれを追及するという責任も、また当然であると書いた。

これは、国家統治の根幹をなす重要事であることを、維新大政奉還直後の課題になっていた例も挙げて、説いてみた。

各社社説の中で、国会議員の責任という観点で取り上げたのは、不十分ながら東京新聞の

「統計不正追及 与党は責任を忘れるな」

十四年間も見過ごされてきた厚生労働省による統計不正。実態解明の責任は国会全体が負っているが、与党側はなぜ担当官僚の参考人招致を拒否するのか。行政監視の責任を忘れては困る。

だけであった。

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2019年2月 4日 (月)

行政責任・昔天皇今国会

 本塾が折に触れて指摘することに、大手マスコミの政府に対する優柔不断ぶりがある。特殊な権益を保護されているNHKならともかく、長年購読し引用も多い毎日新聞にも、それがないとは言えない。それを今日の特別編集委員・山田孝男氏が書くコラム「風知草」に見る。

まず「統計の論じ方について」という題の文頭に結論か書かれている。

野党も毎度不発のマンネリ当確ごっこにふけるべきではない。選挙対策で閣僚の首を狙うパフォーマンスからは、不正の根を絶つ変革は生まれない。

そして文末に、

政府統計の信頼性は保たなければならない。責任追及は当然だが、予算論戦の軸はあくまで政策に置くべきではないか。

とくくっている。

そういったスタンスが、同じ日の紙面に載った世論調査で、政府統計「信頼揺らいだ」が75%もあるのに、内閣支持率38%で前回調査より1ポイント上がっていることにつながっているのではないか。

明治維新で幕府が大政奉還し、政治の空白ができた。憲法も国会もまだない。外圧がある中で早急に国の体制を固めるための急務は何か。大久保利通が考えたことは、内務官僚が負う責任のあり方であった。

これは124日に「統計の責任は天皇だった」として書いたが、その一部をあえて再録をする。

明治七年(1874)一月十日公布せられた職制にによれば、「内務省ㇵ国内ノ安寧、人民保障ノ事務ヲ管理スル所」とし、課を勧業寮・警保寮(以上一等寮)・戸籍寮・駅逓寮・土木寮・地理寮(以上二等寮)および測量司(八月三十日廃止)の六寮一司に分かち、内務卿は、「全国人民ノ安寧ヲ謀リ、戸籍人口ノ調査、人民ノ産業ノ勧奨、地方ノ警備、其他土木・地理・駅逓・測量等」所管の事務について大臣の指示のもとに専決する権利をもち、「而シテ其事務調理スル二於テハ、天皇陛下二対シテ担保ノ責二任ズ」と、諸省卿よりは格段に重い天皇への直接の責任を規定し、いいかえれば諸省卿よりも一段高い権威を与えられ、「特旨解赦恩典ノコト」も内務卿が勅旨を奉じて行うこととした。

現行憲法では、そのあたりをどう引き継いでいるだろうか。

日本国憲法 第五章 内閣 

第六六条③ 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。

というのが、天皇に代わる主権者の国民そしてその委任を受けた国会、という変化になったのだろう。官僚の仕事について国会は連帯責任を負うことになる。パフォーマンスにふけっているわけではない。国会が責任を果たそうとすればそうなる。

山田氏の専門家としての緊張を欠いた論調は、一般論として受け取られやすいこともあり、憂慮せざるを得ない。

 

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2019年2月 3日 (日)

メルケルとチャーチル

 ドイツのメルケル首相が4日、5日二日間の日程で来日する。平和志向で影響力があるトップとして、塾頭が唯一尊敬し期待していた人だ。安倍首相と会うのは当然だが、天皇陛下と即位間近な皇太子とも面会する。

 皇室とは政治向きの話はできないだろうが、気脈は合うはずだ。短い日程の中で、単なる表敬訪問を越える意義を感じてしまう。

 そしてさらに、慶応大学で学生を前に講演をする。その彼女は、任期いっぱいつとめて再出馬しないそうだ。そこで思い出したのが、第2次大戦中イギリスの首相をつとめたウインストン・チャーチル卿だ。

 野に降りたチャーチルは、スイスのチューリッヒ大学で次のように演説した(小屋修一『欧州連合論』より)。

 『われわれが生きているこの時代に、平和を破壊し、人類の全ての未来に暗影を投じることなったあの恐るべき「民族の戦い」を二度も戦ったのは、この欧州においてであった。だが、欧州がこの不幸を癒すひとつの薬を用いるなら局面は一変し、欧州を短期間で今日のスイスのように、自由にして幸せな地に変容せしめ得る。そんな薬が存在する。その特効薬とは何か?それは欧州の家族を平和にかつ安全に生活させることができるように、再編成することである。つまり、一種の「欧州合衆国」を建設することである。その欧州一家復活の第一歩は、フランスとドイツの結合でなければならない』

 この演説が呼び水となり各国・各地に支援組織・期成同盟が生まれ政府や議会を動かして、EUの前身が生まれたことは知られている。

 さて、メルケルさん、第2のチャーチルになれるかどうか……(期待)

 

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2019年2月 2日 (土)

改元の年に起きたこと

1月、インフルエンザが猛威をふるう。

・消費税新設、国民に重荷が。

・文部次官など政官界に収賄容疑などの起訴相次ぐ。

・4月、内閣支持率7%に急落。

・7月、参院選で与野党逆転。

・8月、連続幼女誘拐事件に端を発しホラービデオの規制が問題化。

・流行語、セクシャル・ハラスメント「セクハラ」

・11月、海上自衛隊航海日誌改ざん発覚

 これは、今年のことではありません。30年前、天皇が変わって改元のあった年のことです。この年は自民党の首相が3人も交代しました。

 世界では、天安門事件とベルリンの壁崩壊がありました。それに匹敵するような変化の年になっても不思議ないのが今年です。

 

 

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2019年2月 1日 (金)

芝生の上1センチ

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 昨日就寝前に聞いた天気予報、「関東地方は夜半に大雪……都心部でも芝生の上最高で1センチ程度」。このあたりは都心から15㎞ぐらい離れているが気象としては似ていることが多い。

毎日抜けるような青空が続く中、起きてみたら「予報当たり!。そうだ、消えないうちに撮っておこう」という気になりました。

今日も一日抜けるような青空になりそう。

 

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