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2018年12月

2018年12月30日 (日)

何が「大変」か

 前回に続きこの一年を振り返る。

 昭和1011年頃の吉川英治の随筆『草思堂随筆』(講談社内吉川英治国民文化振興会)、からの引用である。

 非常時だの、挙国一致だの、何だのと、政府もジャアナリストも、そういえばちと大変大変を使いすぎるようである。今の政府の肚などということを、こう考え合わせてみると、過去の教養の中に養った一老母の肚にさえ及ばない気がして心ぼそい。

ちなみにこの時期は、満州国を立ち上げてから盧溝橋事件で支那事変が起きるまでの間に挟まれた2年であった。似てなければいいのだが。

 

 

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2018年12月29日 (土)

贔屓

 今年の政治を一言でいうと「安倍一強」「お友達優先」などが出てくるだろう。あとの部分を熟語にすると「ひいき」である。漢字では「贔屓」。なんと「貝」が4つ、てんこ盛りになっている。

 貝殻は太古貨幣のかわりに使われた。だから漢字の上下左右、いずれに付こうが「かね」に関係あると見ていい。省庁では麻生さんのところ財務省も最初が貝だ。

 だから「賄賂」とは言わないが、漢字の世界では、法に触れるとか触れないで区別はしていない。

もうじきお正月。「年賀」にはお年玉がつく。

 

 

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2018年12月28日 (金)

鳥害

家庭菜園をやめてから何年もたつが鳥害には悩まされた。だから苦労がわかる。

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写真ではわからないが、プロが使う専用反射板らしい。鋭い光が風に舞う。

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ペットボトルは重しだけではなさそうだ。黒いシートにボトルに入れた水の反射効果を狙っている。

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棒の頭に空き缶とか塩ビの短冊、これでは一本足の案山子に及ばず。

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この1列だけは守り切る。

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プロにしても2重はすごい。寝泊まりもするのかな。

 

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2018年12月27日 (木)

闇に消えるレーダー照射

韓国海軍駆逐艦が日本の海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題については、菅官房長官の25日記者会見報道以降、マスコミ報道から消えたようです。

会見内容は、「このような事案が発生したことは極めて遺憾だ。引き続き韓国側に再発防止を強く求める」とし、日本側の今後の対応方針などについては「日韓の当局間で協議が進められていくと思う」というものです。

それまでは、日韓当局の発表が大きく食い違っていたことはご承知の通り。韓国側は当初全面否定。その後は北朝鮮遭難漁船の位置確認のための操作、日本の哨戒機が駆逐艦の上を低空飛行したためとか、哨戒機の問い合わせ電波が微弱あるいは雑音で聞き取れなかったなど、ややしどろもどろの反応でした。

そのうち、「外交ルートよりより先にマスコミ漏らした」という抗議に切り替えたことなどから、塾頭は事実関係はほぼ日本の言い分通りと見ていました。菅長官の発言もそれを前提としているようです。

一方で、国内には「このような国際法上の違法行為は一要員の判断でできるはずがない。操作の権限は艦長それ以上の地位にいる者の指示があったのでは」と食い下がる発言がありました。

韓国はその責任を明らかにし、操作をした要員を特定、厳罰に処さなければならないのにそれをしないのは「未必の故意」であるという内容です。

それっきりで議論が途絶えたままになっています。両国政府が協議に入るにしても再発防止だけで、原因究明までは進むことはないでしょう。

そのわけは、9年前に書いた以下の記事で想像がつきます。

 「日中関係史考 7」

 

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2018年12月25日 (火)

輜重兵と陸軍潜水艦

 輜重兵(輜重輸卒)を読める人がどれでけいるだろうか。読みは「しちょうへい」だが、書けと言われれば塾頭も書けない。「輜重兵が兵隊ならば、トンボや蝶も鳥のうち」というざれごとは、戦中の小学生なら誰でも知っていた。

 この兵の任務は、前線で戦う部隊のため必要な消耗品や重量物を届けることである。トラックも使えないような所では馬を使う。

 戦うことが目的でないため、自衛のための装備はほとんどなく敵から見ると格好の餌食だった。また、それを避けるため道なき道を長行軍することになる。中国大陸では、腰まで泥につかって荷物を担いで運ぶ姿の絵や写真をよく見た。

 軍国少年でも、これだけはしたくないなと思ったものだ。供給が途絶えて直ちに影響するのが食糧である。生きることを優先するなら住民から略奪するか虐殺に走ることまで考える。それもできない場合は、捕虜になれない皇軍には「玉砕」しか残っていない。

 今日の毎日新聞のコラム「火論」に「陸軍の潜水艦」という記事があるのを目にした。それは、第2次大戦中に陸軍が潜水艦を所持していたという内容で、あまり知られていない事実だ。日露戦争の英雄・東郷元帥を検証する「東郷会」機関紙にある、「陸軍潜水艦始末、陸海軍確執の極致」という調査記事が出典である。

その概要は、

南太平洋戦線で米軍の反攻が強まり、日本軍へ補給する輸送船が次々に沈められた。

海軍は駆逐艦や潜水艦など戦闘艦艇による輸送を試みたが、量に限りがあり、被害も多い。海軍は、戦闘艦艇が本来の目的以外に使われることに消極的だった。本来の目的とは、伝統的な「艦隊決戦」一本やり。地道な輸送保護へは認識が薄かった。近代戦は補給こそ勝敗を分ける。

陸軍は初め海軍に内密に補給用潜水艦開発を始めた。(中略)41隻が完成したという。だが、技能的な要員教育もままならない。故障・不備も多い。届けたい貨物を甲板にも積んでいて、それを沈めまいと潜航しなかったらしい艦は撃沈された。(後略)

 地味で犠牲の多い点など、輜重兵とまったく同じ話だ。しかし、それが戦争の勝敗を分ける決定的な位置を占めていることを示している。

 インド洋における洋上給油や空中給油、イラクへの兵員輸送などを「戦闘地域でないから後方支援だ」などと言ってのける政治家が存在する日本。このことが、まさに「平和ぼけ」なのである。

 

 

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2018年12月23日 (日)

幻の教育勅語

  教育ハ盛衰治乱ノ係ル所ニシテ国家百年ノ大猷(たいゆう=大きな道)ト相伴ハザル可カラズ。(中略)今ヤ列国ノ進運ハ日一日ヨリ急ニシテ東洋ノ面目ヲ一変スルノ大機ニ臨ム。而シテ条約改定ノ結果トシテ余国(外国)ノ臣民ガ来テ生ヲ朕ガ統治ノ下ニ託セントスルノ期モ亦目下ニ迫レリ。此時ニ当リ朕ガ臣民ノ与国ノ臣民ニ接スルヤ丁寧親切ニシテ、明ラカニ大国寛容ノ気象ヲ発揮セザル可カラズ。(後略)

一見して勅語とわかるが、本物ではない。明治31年、西園寺公望が短期間だが文部大臣であった期間に考えた草案ということになっている(岩井忠熊『西園寺公望』岩波新書)。なにか現在の移民問題にそのまま当てはまるような内容だ。

安倍首相周辺でもてはやされている明治時代の教育勅語は、帝国議会発足前、側近官僚の起草で明治23年に発布されたもので、それから7年余、日清戦争や日英同盟改定を経て世界に伍してゆく国にするには、これではだめだという危機感が案の下地になっている。

西園寺は天皇の最もそば近くに仕える公家であり、勤皇では人後に落ちない。しかしながら、偏狭な皇国史観や儒教の受け売りではこの先世界に通用しないということを、漢籍に精通し、フランス留学で得た近代感覚から「もう古い」と断じているのだ。

その後枢密院議長や伊藤博文の片腕として首相などの要職に就くが、公家という出自もあってか政治家として押しの強い方ではなかった。昭和になってからは元老として歴代首相の奏薦などに当たる。

そういった中でも、晩年のファシズムの台頭と新たな大陸侵略論に対する断然とした反対(上掲書)は一貫していた。

太平洋戦争勃発の半月ほど前に西園寺は91歳の生涯を閉じる。幕末・明治・戦前を歴代天皇とともに歩んできた西園寺公に歴史の光をあてることが、今ほど大事な時期はなかったのではないか。

 

 

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2018年12月22日 (土)

元気のいい検察

 日産元会長ゴーン会長となると、検察はどうしてこんなに元気が出るのか。国民にとってより身近で重要なのは「もりかけ問題」である。公文書偽造・改ざん・隠匿・偽証その他もろもろ、主権者としい知りたいことが山ほどある。

 犯罪すれすれの事案も少なくないと思われるが、立件の動きは聞かれない。内閣や総理が噛んでいるかいないかでこれほど違うのだろうか。日産の件にはマスコミ・リークということを聞かない。司法取引による内部告発という珍しいケースで始まった。

「もりかけ」にも似たようなケースはある。改ざんの指示を受けたことを苦にして自殺に及んだ公務員は形を変えた内部告発であり、海外逃亡とは言わないが、証言を避けるためか重要なポジションにいた女性公務員をイタリア大使館に転勤させるようなことも起きている。

 日本の司法の公正・公平はどこまで信じたらいいのだろうか。まさか「もりかけ隠し」だとは思いたくはないのだが。

 

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2018年12月21日 (金)

トランプが飼った狂犬

トランプ米大統領が「マティス国防長官が2月末で辞任するとツイッターで発表した」と速報されている。

マティスはアフガンやシリア戦線などで名をあげた海兵隊将校である。本塾が最初に彼の名を取り上げたのは2010年7月10日、8年以上前であった。

「米国流言論自由」と題し、彼がその5年前の討論会で、「アフガンではベールをかぶっていないからという理由で女性をたたくやつらがいる。そんな連中を銃撃するのはとても楽しい」と発言して、けん責処分を受けた前歴があると書いた。

「狂犬」とあだ名されることもあったが、彼の実績は同盟各国から高く評価されていた。トランプがその彼を起用したのは、てっきりウマが合う人物だからだと解釈していた。

ところがここにきて首をすげかえると言い出した。トランプ氏が19日に決定したシリアからの米軍撤収を巡っても、マティス氏は反対してるということのようだ。

その理由は、イラク出兵について政治的・軍事的決着がついていない段階での撤退は、失敗・敗北を意味するということだろう。

塾頭は米軍撤兵に賛成だが、世界では、トランプ流が通用しないということを、狂犬どころかマティスの判断の方が当を得ていると見ているようだ。

トランプ・イエスマンだけに取り巻かれるようでは、アメリカ・ナンバーワンもますます先が見えてくる。

 

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2018年12月20日 (木)

アメリカに物申した首相

外務省は19日、外交文書22冊を一般公開した。1957年6月の岸信介首相の訪米や、米ソによる中距離核戦力(INF)削減条約交渉への日本の対応に関する極秘文書が柱。日米間の半導体協議、沖縄返還交渉を巡る記録も含まれる。

驚かれるのは、アメリカの太平洋・アジア戦略を中曽根首相が変えさせたことである。独立国なら当然な振舞なのに、沖縄普天間基地移転先ひとつについて交渉もできない現状との違いが歴然としているのである。

このブログは、「安倍批判」しかないという書き込みをいただいたことがあるが、そうなっても仕方がないのだ。

旧安保を一歩前進させ、10年という有効期限をつけさせた祖父の岸信介元首相は、戦犯だったとはいえそれなりの経験からくる信念と見識が感じられる。

三角大福中と言われた自民の先輩首相時代も、支持はしなかったものの、今から考えれば外交を含め、国民の意思にそったまっとうな選択が行われていたのだ。中曽根氏は、暇を見つけるとお友達とゴルフではなく、別荘で座禅を組んでいた。

以下、毎日新聞12/20より引用する。

(前略)アジア向けに配備したソ連の中距離核ミサイル「SS20」を半分残す案に傾くレーガン大統領に対し、中曽根康弘首相は全廃を要求。米側に翻意を働き掛けるよう指示する駐米大使宛て訓令書も明らかになった。

こうした日本側の訴えが奏功し87年、米ソの全廃合意につながった。被爆国の反核世論を意識しながらも、米国の核抑止力を重視してきた日本が大国間の核軍縮交渉に影響を与えた異例のプロセスが浮き彫りになった。(中略)

 外務省は駐米大使向けの「IMF交渉訓令」(10日付)も作成。アジアでもINF全廃を達成するため、米側に態度変更を迫るよう厳命した。(後略)

 

 

 

 

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2018年12月19日 (水)

共産主義・社会主義

昨日(18日)中国が改革・解放政策を導入してから40年に当たる記念式典が開かれ習金平国家主席が演説した。これまでとってきた市場経済政策に変更を示す言葉はなく、「世界一の軍隊建設」の方針も確認した。

演説の中で「共産党が一切を指導し、その指導を不断に強化、改善していかなければならない。改革・解放40年の実践は、共産党の指導こそが中国の特色ある社会主義体制の最大の利点であることを示している」と表明(毎日新聞)した。

いつも不思議に思うのだが、共産党宣言はマルクス・エンゲルス主義の実現を目指して生まれたものだ。改革・解放政策で生まれた自由経済と多くの独占資本家の存在は、共産主義と縁もゆかりもない。

演説の中にある特色ある社会主義体制というのは共産主義に向けての一段階という意味だろうか。なぜか党・政策の双方を使い分けている。

その点は日本共産党もそうだ。どういう政治体制を目指しているのかさっぱりわからない。手本が中国共産党だとも思えない。やはり党名を変更して新規まき直しを図った方がいいのでは。

 

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2018年12月18日 (火)

来年の「猛夏襲来」は?

住友生命保険が募集した今年の創作4文字熟語の入賞作品に「蒙古襲来」をもじった「猛夏襲来」が選ばれた。年の瀬が迫るにつけ、マスコミは次がどういう年になるか占わなくてはならない。

改元・天皇即位の話題は欠かせないが、そのほかは世界情勢をはじめ平穏無事という予測は立てにくい。

ポーランドで開かれていた国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、2020年以降の地球温暖化対策の国際枠組みとなる「パリ協定」の実施指針(ルールブック)がやっと決まった。

読売を除く大手5紙は一斉に社説に取り上げている。各紙とも大きな期待は持てないという点で共通するが、アメリカを除いて方向性がほぼ共有できたことを評価している。2020年に現行の京都議定書が終わった後、間を置かずにパリ協定に移行できる(朝日)ということだ。

以下は毎日新聞(12/18)よりの抜粋である。

先進国と途上国が対立を乗り越えて、合意にこぎ着けたことを評価したい。これで、パリ協定は予定通り20年から本格実施できる。人類の未来にとっても大きな意義がある。

パリ協定は全ての国が温室効果ガスの削減目標を自主的に掲げ、対策に取り組むことを定めている。詳細ルールはCOP24で決めることになっており、途上国は先進国より緩いルールの適用を求めていた。

交渉は難航したが、目標設定や取り組みの検証方法について、全ての国に厳しい同一基準が適用されることになった。途上国の削減対策を促す効果が期待できる。

一方、途上国が強く要求していた資金支援の強化については、先進国が2年ごとに資金拠出見通し額などを報告することが決まった。

米トランプ政権がパリ協定からの離脱を表明する中で、脱炭素化に動き出した世界の潮流を止めたくないという思いが、先進国と途上国との歩み寄りを生んだと言えよう。

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2018年12月17日 (月)

羽子板

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 今日17日は浅草浅草寺の羽子板市。娘のため買ってから何十年たつか。羽子板市を迎えるとようやく暮れを感じ、間近に迫った新年に思いをいたす。

商家が買っていく十万単位の取引の中、1番か2番目に安いのを購入、売り手は高額のもの同様に手拍子で合いの手をいれてくれ気恥ずかしい思いをした。

実際に羽根をついたことは2回あるかないか。あとは鴨居にズーと鎮座まします。

 

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2018年12月15日 (土)

トランプをどうする

前々回、「首脳の賞味期限」という記事を書いたが、その中で米・トランプ大統領について現状は「大統領としては死に体」と表現した。「ちょっと先走り過ぎかな」とは思った。

なぜならば中間選挙で民主党が下院の過半数を取ったが、トランプの支持母体・上院は共和党が多数を維持している。大統領専権の外交問題についてチェックできるのは上院であり、大統領のツイッター発言などは右派共和党議員の代弁をしているのだと思っていたからだ。

そんな中、毎日新聞(12/15・東京)が次のように報じた。

【ワシントン会川晴之、カイロ篠田航一】米上院は13日、サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が殺害された事件で、サウジのムハンマド皇太子が個人的に責任を負うと非難する決議案を全会一致で採択した。また、米政府に対しイエメン内戦でのサウジへの支援停止を求める決議案も56対41の賛成多数で採択した。カショギ氏殺害事件を受け米議会にはサウジへの圧力強化を求める声が高まっており、今後も制裁法案などの審議が続く予定だ。(以下略)

下院の間違いではないかと読み返してみたが、やはり上院である。ただ決議には下院の承認が必要であり、大統領に拒否権もある。ここまで議会が無視されれば後は弾劾決議しかなくなるが、上の記事を見ると上院3分の2賛成もあり得るな、という気がした。

二つの決議はいずれもトランプが示してきた本音と相反する。その背景にあるのは米・サウジに共通するイランへの激しい敵意であり、イラクの戦火が落ち着き、イランが強くなることを最も警戒するのがイスラエルである。

イランには北朝鮮と同じような核兵器問題があり、西欧を含む6か国で監視体制をとる協定があったが、イスラエル寄りのトランプの意向があるのか、アメリカだけが抜け、経済制裁を再開させた。ミサイル開発を進めているというのが理由だが他の国は同調していない。

イエメンもアメリカからサウジへの武器支援もあってイラン支持勢力への猛攻が続き、世界は戦火拡大で犠牲者がふえていることを憂慮していた。

グーグルで idiot(イデイオット)を検索すると、トランプの写真が続々とヒットする。その意味は、白痴:知能指数0-25最低度(デイリーコンサイス英和辞典、三省堂)ということであり、騒ぎになっている。

最早、トランプ糾弾が社会現象化しているのである。次々に伝えられる不祥事も、「フェイクニュース」であると証明できるとはとても思えない。

「深みにはまちどり」が彼の状況にもっともふさわしい姿で、アメリカ・ファーストはもはやどこかへ消し飛んでいる。

 

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2018年12月14日 (金)

JAICAの功績

毎日新聞に「金言」というコラム欄がある。毎週金曜日に、西川恵客員編集委員が担当執筆する。今日はその中からの紹介。

インドシナ半島の内陸国・ラオスで日本が起草に関わった民法法案が同国の国会に上程され、今月56日に審議採択された。これは、最近あまり聞かれなくなったが、JAICKA(ジャイカ)の誇るべき成果である。

JAICA2003年に設けられた外務省所管の独立行政法人「国際協力機構」である。西川氏が来日中のブンサワット司法省副大臣に話を聞いてみた。

「大変うれしい。日本の支援が他国と違うのは、他の国は専門家を短期だけ派遣するが、日本は首都ビエンチャンに常駐させ、ラオスの事情を深く理解してアドバイスしてくれました。両国合作の民法です」

もともと貧しい農業王国だったが、戦前はフランス・英国の支配を受け、戦中は日本の占領、戦後は中国・ソ連の強い影響下で共産国になり今に続く。そういった中でれまでの法は、所有権法、家族法、契約内外債務法、相続法など個別法として一貫性に欠けていた。

これを束ね、630条の民法法典として完成させたのが今回の法案だ。現地駐在の専門家、伊藤淳氏(検事)はこう評価する。

「ラオス人にとって法律は普遍的基準というより、自分に都合のいい結論に当てはめる時に使うもの」との印象を持っている。歴史的経験から導入された仏、ソ連(当時)の法概念が実社会とかけ離れ、人々をして都合よく利用する態度を身につけさせたのかも知れない。その点でも社会の実情と人々に沿ったところで民法ができたのはいいことだ。

武器輸出や軍事援助、経済支援などが現地住民にもたらす結果とどれだけの差があるか。すぐには目立たないがこの民法が根付けば、日本と変わらぬ価値観のもとで平和と友好の関係が築けるに違いない。

まさか、日本(JAICA)に「押し付けられた」などとは言わないだろう。

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2018年12月13日 (木)

首脳の賞味期限

トランプ大統領の元顧問弁護士・コーエン被告の裁判結果がでた。容疑は脱税も含め9件にも達する。中心となるのは、トランプが2人の女性との不倫関係を口外しないよう口止め料払った金額が政治資金規制法の限度を超え、違反となることを知りながら隠したことと、選挙中にロシアと不動産売買で接触のあったいわゆるロシア疑惑にいて議会で偽証したとするものである。

禁固3年の実刑判決で罰金も払わなければならないが、まだ一審判決である。司法取引の結果が反映しているのかどうかはわからない。有力な証拠もあるようで、トランプに対する判決といってもよさそうだ。

しかし、トランプが捕まることはない。議会の弾劾決議が必要なのだ。下院の過半数、これはこの前の選挙で民主党が勝ったので通るだろう。ところが上院は3分の2の賛成が必要になる。

共和党が支持する大統領とはいえ、違法を承知で必死にかばってくれた仲間が3年も刑に服しているのに不問にするというわけにもいくまい。大統領としては死に体なのだがそこまで行くのにどれほど時間がかかるやら。

それより、不信任案をようやく乗り切ったイギリスのメイ首相だが、EU離脱に道を塞がれている。大荒れデモのフランス・マクロン大統領の引責辞職はどうなるか。トランプの先を越すことにもなりそうた。

サウジのムハマンド皇太子、わが安倍首相なども安閑とはしていられない。

 

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2018年12月12日 (水)

立民に必要な理念

今週日曜日のNHK世論調査によれば内閣支持率が先月より5ポイントさがり41%、不支持率はほぼ横ばいの1%増・38%だった。関心を持ったのは変化というほどではないが、調査によってはかつて2桁台だった立憲民主党の支持率が減り続けていたのを、1.4ポイント回復して7.6%としたことである。

もちろん、これは政権をとれる数字ではない。他の政策項目のアンケートを見ても内閣や自民党の政策が支持されているとはいえない。どうして野党第一党に1桁の支持しかないのか。

それは党の「理念」が見えないからである。自民党の理念は「保守」である。これに疑いを持つ人はいない。その極点の存在が安倍首相である。党名の「立憲民主」はりっぼな理念と言えなくもない。

しかし、枝野代表が言うように「リベラルだが保守」では何を言っているのかわからない。公明党も共産党もそれぞれ立党の理念がある。最初の民主党・鳩山首相の普天間基地移転で「すくなくとも県外」は理念であったが押しつぶされた。

菅・元首相の原発ゼロも支持団体連合を前に影が薄くなる。枝野代表の「純血主義」は貫くべくである。そのためには、憲法や外交・内政にわかりやすい政策を掲げ、理念を明確にさせなくてはならない。

政権を担当した時と矛盾した理念であっても、政党が変わったのだから当然だ、という開きなおりも必要だ。

 

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2018年12月11日 (火)

免許更新に酒帯で

警察署に免許更新手続きにきた男に酒のにおいがするのに気が付いた女性署員が別の署員にこっそり通報、帰りの車に乗り込んで出発したのを見てパトカーで約1キロ追跡し、職務質問の上逮捕した。勝浦での話である。

毎日新聞千葉県面(12/11)の記事だが、女性署員から「帰りに車を運転しないでくださいね」と厳しい顔で言われるのとっちが効果的だったか。公務員試験の問題に出たらどっちに〇がつくのだろう。

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2018年12月10日 (月)

明治の元勲

明治150年はあと残すところわずか。元勲とされる人のうち今年活躍したのはテレビドラマの「西郷どん」程度というのはちょっとさびしい。

◆京都出身[公卿]
  岩倉具視
  三条実美
  西園寺公望

◆薩摩(鹿児島)出身[武士]
西郷隆盛
大久保利通
小松清廉
松方正義
黒田清隆
大山巌
西郷従道
島津久光
島津忠義[大名]

◆長州(山口)出身[武士]
大村益次郎
木戸孝允
前原一誠
広沢真臣
井上馨
山縣有朋
伊藤博文
山田顕義
桂太郎
毛利元徳[大名]

◆土佐(高知)出身[武士]
佐々木高行
福岡孝弟
板垣退助
後藤象二郎
田中光顕

◆肥前(佐賀・長崎)出身[武士]
副島種臣
大木喬任
江藤新平
大隈重信

 ◆肥後(熊本)出身[武士]
横井小楠

◆紀州(和歌山)出身[武士]
 陸奥宗光

◆幕府出身[武士]
 勝海舟

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2018年12月 9日 (日)

ヒトラー政権の出現

「どうせ短期の政権」との推測から、右翼勢力と保守支配層が結集、連盟して成立したナチ政権(一九三三年一月三十日)は、宰相ヒトラーの巧みに術策により長期独裁を実現した。(中略)ナチ党幹部の大多数が三十台で占められていたということはまさに驚きという他はない。もちろん五十台、六十台の幹部もわずかにいたが、三十台と四十台が三分の二以上を占めていたのである。

しかもこれらの党幹部のほとんどがナチスの抬頭と同じように、急速に、政治の実権を握った人たち、つまり政治家としてはその大方が素人だったという事実に注目する必要がある。

以上は、大澤武男『ヒトラーとユダヤ人』の記述にあるが、政治家の年代は今から85年も前、平均寿命の伸びから見て10数年の差を考えてもよい。ヨーロッパの混乱、トランプの不見識、そしとて日本の政治の現状と照らし合わせると、同じとは言わないものの、政治の貧困に背筋の寒い思いがしないでもない。

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2018年12月 8日 (土)

割り切れないニュース

ニュースの量からすると、事件発覚以来途切れることなく続ているのが貴ノ岩をめぐる暴力事件とサウジのジャーナリスト・カショジ氏暗殺事件である。

その量や頻度の割にはもうひとつ、その真相なり真実に迫る要の部分について証拠や材料がないせいか、表に出てこない歯がゆさがを感じる。

相撲の方は「スポーツ界の暴力体質」の一元化で片付けようとする傾向がある。貴乃花部屋ができたばかりの頃、弟子が稽古する土俵のまわりを竹刀を持って回る貴乃花の姿を映像で見た覚えがある。

貴ノ岩は自分が受けた暴行は当初隠していたし、今回の付け人への暴行にも抵抗がなかった。相撲取りの間では上位の者の暴力は「愛のむち」という常識に揺るぎはなかったのだ。

それでは、日馬富士を引退に持ち込み貴乃花がどうして警察沙汰にしたり訴訟に持ち込もうとしたか、けがの深さはあっただろうが、けがを受けたのがモンゴル人力士の懇親会で、貴乃花に内緒の出席だったということに関係がありそうだ。

愛のむちは、同部屋の中で振るわれるもので、その権限を侵した日馬富士は絶対許せないということだろう。しかしそういった矛盾は、協会内部でしか解決できない。それが貴乃花部屋消滅に至った原因だと思う。

もう一つ、サウジの暗殺事件だが、本塾は最初に「皇太子の指示か」と書いた。マスコミでもなく、何一つ証拠がないが長年同国を観察しているものとして直感した。それが、疑惑がますます深まる中で、アメリカのトランプもロシアのプーチンも何事もなかったような付き合いを続ける。

まさか、この程度のことは両国でもやりかねない――だからではないだろうね。実行者の何人かを死刑に処すということにしているようだが、その中に指示者がいたことになるだろう。

無実の理由で殺されることになる犯人は処刑を前に叫ぶ。

「アッラーフ アクバル」

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2018年12月 7日 (金)

パリの騒動

明日12月8日は、日本では太平洋戦争突入の日である。日本が犯した歴史上最大の「失敗の日である」。もっともそれを否定する偏屈坊やも増えているが。

遠く離れたフランスでは8日、エマニュエル・マクロン大統領に対する先月17日以来の抗議運動がさらに輪をかけるような形で予定されている。

パリのエッフェル塔はこの日閉鎖され、警察も市内シャンゼリゼ通りにある店舗やレストランに店を閉めるよう呼び掛けている。美術館十数軒も同様だ。

国の200近くの高校では、さまざまな教育改革に対し生徒が学校を封鎖するなどの抗議運動も発生している。

以上AFPの伝えるところだが、渋谷でハロウィンでバカ騒ぎをする若者を取り締まるのとは次元が違う。「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)」運動と呼ばれる抗議デモは燃料税の引き上げに反対し始まったが、その後マクロン氏の企業寄りの政策や政権運営に対する反政府抗議運動に発展した。極右・極左両方の抗議者がたきつけているものだ。

もちろん戒厳令その他当局は、さまざまな実力でこれを阻止しようと懸命だが、政府は2019年中の燃料税引き上げを全て断念すると表明せざるを得なかった。

花の都パリで今何が起きようとしているのか。現地の雰囲気を知らないので何とも言えないが、フランス革命やギロチンなどの過激な歴史を思い出してしまう。

そんな事態でないと信じたいのだが――。

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2018年12月 6日 (木)

影響力ある女性

 【ニューヨーク時事】米経済誌フォーブスが4日発表した2018年版の「世界で最も影響力のある女性100人」ランキングで、ドイツのメルケル首相が8年連続で首位となった。2位も昨年に続き英国のメイ首相。3位には前年8位のラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事が入った。

 最年長は92歳のエリザベス英女王(23位)、最年少は28歳の米歌手テイラー・スウィフトさん(68位)。一昨年の2位から昨年65位に後退したヒラリー・クリントン元米国務長官は、04年の調査開始以来初めてランク外となった。アジア太平洋地域からは22人が選ばれたが、日本人は昨年と同じくゼロだった。

 何とも残念な結果ですね。日本人ゼロとは。無理やり考えてみたけど小池百合子都知事、安倍昭惠首相夫人、いずれも今年の人ではない。しかもどちらかというとマイナスイメージで終わった。

 メルケルさんは本塾でも何度か取り上げた。引退を表明されていてもなおトップ。ジャンヌダルク以来と言えば大げさだが、見渡しても世界にろくな男性指導者がいないので来年も頑張ってほしい。

 日本も「世界で――」は無理でも、政治でキラ星のような存在感のある女性の出現を期待する。

 

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2018年12月 5日 (水)

雑な師走国会

12月の国会はいつも忙しい。しかし、最近のこれは何だ。そんな法案どうして急ぐの、「そだねー」といえるものはひとつもない。しかも資料の数字はでまかせで野党の指摘に答えられない。

「今国会中に」といって暴走採決。与党内からも批判がでている。

たとえば、水道民営化や、妊婦診察料加算制度なんかだ。後者は体験することがないからおくが、水道などそれを望んでいる県は宮城県1県だけだという。

水道は、検針の人から「今月は多く出てますね。水漏れがないか後で調べましょう」と言われた。民営化されたら上から「売り上げを減らすようなサービスはするな」などと言われかねない。

原発事故の際、許容値内だったが水道水に放射能が検測されたことがあった。数値をごまかすようにことはしないか。営利産業と公共事業にはそれぞれ得失がある。その議論抜きで法案成立をいそぐ――裏には、という悪い癖をつけさせたのは誰でしょう。

 

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2018年12月 4日 (火)

沖縄人の心に土砂投入

 今朝の朝日新聞の書き出し部分

 安倍首相が繰り返し口にしてきた「沖縄の皆さんの心に寄り添う」とは、つまりはこういうことだったのか。

 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設をめぐり、岩屋毅防衛相は名護市辺野古の沿岸部に基地を造るため、今月14日から土砂の投入を始めると述べた。

 9月の知事選で県民は「辺野古ノー」の意思をはっきり示した。にもかかわらず工事を進める政府をただすため、県が国地方係争処理委員会に審査を申し出た矢先の表明である。

 土砂は、同じ名護市内だが東シナ海側にあるセメント会社の岸壁で積み込み、島の北端を大きく回って辺野古の海に投入される。

 それが、海ではなく「うちんちゅう」の「こころ」の中に投げ込まれることになることを、政府はどれほど気づいているだろうか。

 明治150年に当たり、幕末以来取ってきた薩摩藩の行動や西郷隆盛の征韓論などをしっかり復習し、さらに先の大戦に払った犠牲にまで思いをいたせば、とてもできることではない。

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2018年12月 3日 (月)

新聞のスポーツ依存症

 福岡国際マラソンで初出場の服部勇馬(25)選手が有力と思われたアフリカ勢を振り切って独走、優勝を果たした。これは何と14年ぶりだという。

 テレビで実況を見ていたが、沿道の声援を送る観衆は韓国民の嫌いな旭日印の小旗を振っていた。 朝日新聞の社旗、つまり朝日新聞グループの主催だ。

 スポーツ、囲碁・将棋、芸能イベントなどは新聞社の主催・後援になることが多い。読者確保の有力手段である。

  ところが驚いた。今日の毎日新聞・千葉県面は、天気予報を除いて同紙主催・後援の記事だけ、その他の記事は1行もないという徹底ぶりだ。

 写真は右上から、南房総、館山などの駅伝。隣が東総駅伝で九十九里浜に近く、その下は印旛郡市駅伝で佐倉を中心にしている。左下は、都内で行われたリズムダンス関東大会で富津市の中学2チームが全国大会出場切符を手にしたというもの。

  おめでとう、と言うしかないのだけど……

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2018年12月 2日 (日)

IKIGAI

TUNAMI(津波)KIMONO(着物)など世界にそのまま通用する言葉はいくつかある。ところがIKIGAI(生甲斐)がその仲間に入っていることをNHKの「おはよう日本」で今朝知った。

スペイン人のFrancesc Miralles氏とHéctor Garcia氏(2004年より日本在住)が共著し、2016年春に出版された「ikigai」という本がきっかけとなっている。

BBCが紹介したことなどで、欧州をはじめとし表紙に日本語表記まで入れた各国版の発行があって急速に普及した。今やWiki(英語版)にも載っている。

ということは、外国語の適訳がなかったということだ。日常何気なく使うこの言葉が外国人には珍しかったのか。品物や災害などでなく「哲学」「人生観」を含む日本文化の新語輸出は珍しい。

トランプでもまさか反対することはできないだろう。

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2018年12月 1日 (土)

秋篠宮発言

来年は皇太子即位の年だ。その次の皇嗣は順序からすると弟君の秋篠宮である。秋篠宮は誕生日を前にした記者会見で、天皇即位後に行われる皇室行事大嘗祭について憲法に定められた政教分離の観点から「国費で賄うことが適当かどうか」と述べられ、天皇家の私的生活費にあたる「内廷費」を使うべきだという考えを示した。

政府が国事行為とせず、平成の代替わり時と同様、皇室行事として行うことにし、公費である宮廷費を充てることを決めたのは、竹下内閣の時代である。秋篠宮発言に異を唱えるのは主に政府・内閣府筋に多い。皇室の「政治的発言」になるというのだ。

宮は幼い時から次期天皇としてではなく次男坊としてすごされ、国民目線で闊達なご意見をお持ちのようにように拝察する。「政治的発言」より保守政治家による皇室の「政治利用」の方がよほど気にかかる。

そこで思い出したのが仁徳天皇である。高台から見渡すと民家のかまどから煙が上がっていない。重税が民の貧困を招いているのではないか、と3年間それを停止し、再び煙が上がるようになったという説話で「聖帝」とあがめられるようになった。

秋篠宮を聖帝になぞらえる気は毛頭ないが、秋篠宮発言を批判する向きと、仁徳天皇の「聖帝」を絶対視し、最大規模に造られた仁徳陵を、考古学知見と称して教科書が勝手に被葬者不明の大仙古墳と名を変えた、と憤る右翼陣営とは、同一線上にあるような気がする。

どっちがつじつまが合って常識的であるかは、聡明な国民が判断する。

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