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2018年6月 7日 (木)

組合大量脱退の危険

 「東日本旅客鉄道労働組合」(JR東労組)、前身は「国労」(国有鉄道労働組合)と呼ばれ、日本の労働組合を代表する最大・最強の労働組合であった。毎日新聞夕刊(6/7)によると、4万6870人の組合員のうち、この3か月で約1万5140人が脱退し約3分の1に減ったという。

塾頭には想像できない大変化である。やめた人は、ベア春闘に関連して「ストライキで電車が止まればお客様に迷惑をかける。組合にはついていないけない」というような理由だという。

これが昨今の世情なのかと、愕然とする。国鉄時代は公務員並みにスト権がなかった。それでも、公務員並である前に現場で働く労働者で、憲法に保障された権利があるという意識が強った。そのため、実力行使にはいろんな手を使った。もちろんお客には迷惑がかかる。

しかし、客の方にも弾圧を受けて憲法で保障された労働者の権利が否定されるようなことになれば、もっと困るという考えがあった。

  憲法第28条[勤労者の団結権・団体交渉権その他団体行動権]

勤労者の団結する権利及び手団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

ここには、スト(争議)という文言は入っていない。しかし「その他の団体行動」に含まれるというのが多数意見となっていた。ストの日本語は「同盟罷業」である。つまり団結して仕事をしないということだ。

この権利は、西欧やアメリカの労働者が長年かけて雇用者から闘い取った権利で、民主主義の根幹をなすものである。近代化を取り入れた日本も、戦時体制の弾圧を受けない明治・大正の時代の方が権利意識として普及していた。

現在この権利を封じているのは、北朝鮮や中国などで、ストは西欧の方が活発である。労組を脱退するのは自由意志で勝手である。過重労働で自殺者まで出る日本の環境でその歯止めとなるのは労働組合しかない。わが身を守るのは基準監督署ではない。自分自身である。

それを下支えしているのが憲法28条である。9条同様、日本国憲法は有難さ満載なのである。JRの組合離れは、やがて改憲論者の手にかかり、災難がわが身に降りかかる危険に手を貸す愚行を犯すことになる。このことを知っておいてほしい。

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コメント

労働組合と言ったらやはり先進のアメリカです。
ところが、私が毎週見ている外国の生の話しが効ける番組で、アメリカ人が面白いことを言っていました。

来日アメリカ人曰く「アメリカのホテルを利用するときは、労働組合が無いところがサービスや接待が良いの利用すべきです。
組合に入っている従業員のホテルは、とても接客が悪いのでアメリカ人も敬遠する」

アメリカも地域によって労働組合離れが起きている模様です。

投稿: 玉井人ひろた | 2018年6月 8日 (金) 20時56分

世界的風潮なのかも知れませんね。大量脱退される組合の方も、それを防ぐ手だてをしないのは怠慢です。
日本海員組合など右派系でも有力な職能別組合(企業組合でない)がありました。そこを通じないと優秀な会員を採用できないとしう仕掛けです。
人手不足の昨今、今後はやるかも?

投稿: ましま | 2018年6月 9日 (土) 08時18分

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