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2018年4月28日 (土)

南北首脳会談雑感

「歴史的」、まあそういえばそうだ。世界のメディアを占領した格好に持っていったのは成功だった。日本の新聞を見ると、1面トップも他の特集面の大活字見出しから社説に到るまで「非核化」だ。

ところが、発表された声明文を読むと、非核化などなかなか出てこない。最後の項まで行ってちょっと触れただけなのだ。その大部分は、70年も分断されていた民族の融和・統合という悲願を、この会談を機に大きく踏みだそうという決意である。当塾は最初から北のねらいはこれだ、と踏んでいたので歓迎する。

戦争状態終結のために、これから米韓北の3国または中国を加えた4国で協議をしようともいっている。つまり6カ国協議を否定し、日本と、入れるとややこしくなるロシアは排除しようということだ。

日本政府の反応は制裁で屈服させるの一本槍だったので、苦し紛れの歓迎をしているように見える。中には、この先拉致問題も進展するのではないかなどという寝ぼけた観測をする向きもある。

今回の声明で拉致に触れていないのは当然で、両首脳の頭の片隅にもないことだ。韓国でこの会談の結果に疑念を抱いているのは、30台以下の若年層と右派に多く、過去をよく知る高年層ほど大歓迎だという。

そうか。小学校の学友だった朴君、金君、李君も塾頭と考えは同じなんだ。懐疑派の諸君はいう。「どうせ約束は反故にされる。だまされるな」と。

金正恩は、世襲の独裁者に違いない。両首脳は、文大統領、金労働党委員長と敬称が違う。これにどれだけの人が気をつけているだろうか。体制の違いだが北の年度施政方針は党による人民大会で決定する。緊急を要する方針の変更や細部については、中央委員会がこれに変わるが、国民はこの方針に沿って行動し一致団結する。

従って金正恩が勝手にこれを変えることはできない。今回の行動の大筋は、機関決定を受けたものだ。それを裏切ったら国が成り立たなくなる。規律と統制は北の売り物である。日本やアメリカが信頼できない人を、どうして文大統領が信頼するのだろうか。

安倍首相の東アジア外交感覚は、出だしから大きな踏み違いがある。トランプでさえ金正恩を評価している(当てにはならないが)。信頼のないところには外交はない。あたりまえのことではないか。

どうして、日本と半島を含めた「東アジア非各地帯宣言」をし、どこからも核ミサイル攻撃を受けないような働きかけができなかったか、日本の政治の貧困さを改めて痛感する。

 

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