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2018年3月 6日 (火)

隣を知らなすぎる外相

[ソウル 6日 ロイター]北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、韓国からの特使団に対し、韓国との「国家再統一を積極的に進め、新たな歴史を刻む断固とした意志」を伝えた。国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が6日、報じた。

KCNAは、5日に行われた会合について「韓国特使団から首脳会談に関する文在寅(ムン・ジェイン)大統領の意向を聞き、金委員長は意見を交わし、満足のいく合意に至った」としている。合意の詳細には言及しなかった。

KCNAによると、金委員長は、そのための具体的な措置を早急に取るよう関連分野に重要な指示を与えたという。また、朝鮮半島を巡る深刻な軍事的緊張の緩和や多面的な対話、接触、協力、交流の活性化に関する問題について踏み込んだ意見交換を行った。

これに対して河野外務大臣のコメントは「微笑外交にまどわされるな」のオウム返しである。菅官房長官の常套句も同じだが、外務大臣ならもっと大戦後の朝鮮独立、そして南北の戦争の経緯や統一の悲願など、歴史的経緯を勉強してほしい。隣国なのにトランプ以下である。

大戦後、アメリカとソ連軍がそれぞれ南北に分けて占領したのだがその時の両軍司令官布告を掲げておこう(出典:金達寿『朝鮮』岩波新書)。

[アメリカ・ホッジ中将]
 ――三八度線以南の行政権は余の管轄下にある。住民は余の署名のもとに発せられたるすべての命令に絶対服従しなければならない。占領軍に反抗し、もしくは命令を破り治安を乱すものは、容赦なく厳罰に処するであろう。軍事的占領の期間中は、英語をもって公用語とする。

「ソヴェト・チッチャコフ大将」
 ――朝鮮人民よ、朝鮮は自由の国となった。しかしこれは、新しい朝鮮の第一歩にすぎない。美しい果樹園が人間の勤労と丹精とのたまものであるように、朝鮮人民の幸福も朝鮮人民自らの英雄的なたたかいと不断の努力とによってのみ達成することができるであろう。幸福は諸君の手中にあるのだ。諸君の前には自由と解放とがあたえられた。

ソ連の布告は共産主義の理想論として割引いて考えてもいい。しかし、朝鮮では南北を問わず共感・共鳴をもって迎えられたことはたしかだ。終戦直後から、南北の境界を越えた朝鮮人による自主政権設立の動きがあったが、米占領軍がそれを否認、南には李承晩を傀儡の大統領に立てたことは、本塾別稿ですでに触れてきたところである。

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