トランプ流脅迫
【中央日報日本語版3/16】
ドナルド・トランプ米大統領が韓国との貿易交渉が思い通りにならなければ在韓米軍撤収のカードを出す可能性もあるという趣旨の発言をしたと米国ワシントンポスト(WP)が14日(現地時間)に報じた。
WPは同日、トランプ大統領がミズーリ州で開かれた募金の晩餐で30分間行った演説の音声録音を入手してこのように伝えた。報道によるとトランプ大統領は韓国について言及し、「我々は彼らとの貿易で非常に大きな赤字を出しながら我々は彼らを保護している」としつつ、「我々は貿易でお金を失い、軍隊(在韓米軍)でもお金を失う」と話した。
続けて「今、韓国、北朝鮮の間に我が軍人3万2000人がいる」とし、「どんなことが起きるか一度見てみよう」と付け加えた。WPはトランプ大統領が韓国との貿易交渉で自身が望むものが得られなければ在韓米軍を撤収すると威嚇したものと解釈した。(後略)
同じことを日本にはなぜ言わないのだろう。「おもいやり予算」で反論されるのを警戒しているのだろうか、韓国でも駐留費用の半額近くを負担させられている。それに、国民の反米軍感情は日本の沖縄以上のものがあるようだ。
平昌冬季オリンピックの北朝鮮参加で開けた緊張緩和で、当塾は早くから文政権が駐韓米軍の撤退を条件に北朝鮮の核凍結、または非核化への道筋を示すのではないかという予測を書いた。
韓国人の多くは、北朝鮮が同民族の韓国の頭の上に原爆を落とすなどとは考えていない。仮に北朝鮮のペースで南北統一ができたとしても、原爆使用は民族にとってぬぐい去ることのできない亀裂を後世に残すことになるし、北にも直接間接の被害が及ぶ。
日本人一般やトランプが考えるような北朝鮮敵視が、韓国にあふれている訳ではない。人権や自由が守られ、現体制のまま南北が仲良くなれれば、民族としてこれほどいいことはない。米軍が撤退しても、米韓同盟を破棄しない限り韓国の安全は守られるはずだ。
これまでも書いてきたように、北朝鮮が朝鮮戦争で戦った相手は、韓国人でなく米軍という意識が強い。その米軍が韓国に残ったままでは、北朝鮮にとって平和条約締結に瑕疵をきたすことになる。
上記引用文の、韓国に対する「威嚇」と解釈したのは、ワシントンポストであり、韓国民の感情とするには疑問がある。駐韓米軍3万2000人がいなくなっても、韓国兵でそれを埋めるのは、徴兵制度のある同国にとってそれほど困難なことではないだろう。
実は同一民族でない日本にとっても、同様なことがいえるのだ。在日米軍が在韓米軍の代わりをするようなことがなければ、北朝鮮は憲法9条を堅持する日本に核やミサイルを仕向ける理由がないし利益にもならない。
冒頭に書いたようにトランプが日本に同じような威嚇をしたらどうなるか。安倍政権は縮み上がって、「なんでもいたします。どうかそれだけは……」と懇願するはずだ。トランプが言わないのは、あまりにも刺激が強すぎて政治的大混乱を招く恐れがあるからだろう。
韓国の場合想定の範囲以内、レールを敷いておくほどの意味しかないようだ。
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コメント
>韓国の場合想定の範囲以内、レールを敷いておくほどの意味しかないようだ。
そういう事でしょうね。
投稿: 和久希世 | 2018年3月17日 (土) 15時10分
和久希世 さま
専門家と称する人達もあまりこういう見方をしません。珠玉の賛成コメントはありがたいです。
投稿: ましま | 2018年3月17日 (土) 16時18分