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2018年2月

2018年2月28日 (水)

マキアヴェリ

世界の政治、日本の政治が大きな転機にさしかかっている――、こんな風潮に、なんとなく「マキアヴェリ」の名が頭を去来していた。そんなおり、25日に池田廉訳『君主論・新版』が中央公論新社から発売された。早速ゲット。

マキアヴェリとかルターは、西洋史でもルネッサンスの重要人物として習うので、名前だけは知っている。そもそも、神権論争とか王制・貴族の複雑な絡みがわからないので、この時代は苦手だ。『君主論』も始めて目を通す。

だが、直訳本は、至る所に注が施されているが、やはり難解だ。そこで巻末の「解説」から先に読むことにした。

ありました。筆者は別名・ラスプーチンの佐藤優氏。以下やや長い引用をご勘弁。(誤植修正、行変え変更等は塾頭)

さて、現下の国際社会では、米国のトランプ大統領、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領、イランのハメネイ最高指導者のような独裁型の指導者が存在感を増している。

とりあえず、独裁に対する善悪、好悪を括弧の中に入れて、独裁者が国際社会で影響力を持つ内在的論理を明かさなくてはならない。それは国際社会が危機に直面していることと密接に関係している。

そもそも意志決定に時間がかかる議会制民主主義は危機対応と相性の良くない制度だ。日本を含む先進諸国の民主主義は民主的選挙によって形成された議会を重視する。そのためにコンセンサスを得るために時間とエネルギーがかかる。

特に武力行使を伴う問題について、議会でコンセンサスを得ることが不可能な場合がある。しかし、武力行使を含む危機対策は迅速に行わなければならない。「決められない政治」という状況下で、民主主義国においても行政権の優位によって危機を切り抜けようとする動きが起きる。このことを国民も容認する。

現在の危機は構造的かつ長期的なので、このような状況で国家と国民の生き残りのためという形で徐々に独裁が忍びよってくる。その場合、独裁者は自分こそが民意を体現した真の民主主義者であると強調するだろう。

民主主義には独裁と相性の良いところがある。国民の意思が100人の国会議員によって代表されているとする。議員数を99人に減らしても、特に大きな変化はない。それでは98人に減らしたらどうだろうか。民意によって代表が選出されるならばこれでも構わないはずだ。この操作を繰り返していくと、最後は一人が民意を代表できるということになる。

民主主義原理から独裁を導くことは可能なのだ。朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)も独裁型の民主主義国家ということになる。

それに対して、他者に危害を加えない限り、他人が行う愚かな行為を認めるという「愚行為」を中核に据えた自由主義は独裁と相容れない。「愚行権」というと聞こえがよくないならば、各人の幸福追求権と言い換えてもいい。

幸福追求権の主体は国家でなく個人だ。(中略)私は、現下日本の状況では、自由主義原理を強調することが重要と考えている。それは「決められない政治の克服」、「リーダーシップの強化」などに異論を唱える人がいないために、政治の独裁化の危険があるからだ。

自由社会を守るためには「愚行権」の尊重がこれから一層重要になると私は考える。その意味で、日本の指導者によって「君主論」でマキアヴェリが説いたノウハウが悪用されないように監視することが重要と考えている。

この引用の最初にある各国首領に安倍首相は入っていない。それは、解説者と出版社の「忖度」であることは誰が見てもわかる。ただし、「君主論」の中で禁じ手としている追従者(お友達)の重用があるようでは、独裁者の資格に欠ける。(゚▽゚*)

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2018年2月27日 (火)

銃規制とアメリカのゆらぎ

CNN.CO.JPによると、アメリカの大手テレビ会社CNNと調査機関ORCが行った世論調査で米国民の55%が銃規制の強化を支持していることが21日までに分かった。この数字は2012年12月のコネティカット州ニュータウンのサンディフック小学校で銃乱射事件が発生した1カ月後の調査結果以来の高い水準となっている。

また、一部の銃規制強化策については、より多くの人々から支持が集まっている。銃器販売時の身元調査の拡大については92%が賛成している。

支持政党別で銃規制への姿勢が分かれた。民主党支持者の78%が銃規制の強化に賛成したが、共和党支持者では29%にとどまった。無党派層では53%が銃規制の強化を支持した。

ところが、特定の人や特定の銃への販売規制となると、共和党の方が圧倒的(100%近く)に賛成者が多くなる。やはり「事件は防ぎたいが銃規制はしないでほしい」という本音は隠せないようだ。

今回の調査は16日から19日に1001人の成人を対象に行ったもの。

その同じ時期19日に本塾は「銃規制と北朝鮮」という記事を書いた。その書き出し部分は、アメリカ国内で発生している重大ニュースをめぐってアメリカ人の心情のゆらぎが見えれば、それが国際問題に反映することもあるのではないか、という類の素人観察」という、自信のないものだった。

今日、この記事を取り上げたのは「アメリカ人の心情にゆらぎ」というのは、やはり当たっているな、ということを自慢したかったからである。

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2018年2月26日 (月)

2.26&温暖化

 今日は2.26。82年前、東京の朝は雪だった。今朝も寒く、いつ降り出してもおかしくない雲行き。「13年2月のサイエンティフック・アメリカン誌によると、気温が上昇すると、人間の文章校正と複雑な意志決定の能力が低下することが複数の実験からわかった」とニューズウイークに書いてあった。

それならば今のうち、と思ってPCに向かったが、続けて「人間は環境への順応性が極めて高い」から今世紀末の82年後に平均気温か3°C上がるとされる地球温暖化にも耐えられそう、とある。 

ブログのテーマを何にするかは「複雑な意志決定能力」に当たりそうだ。気温が上昇する前に、2.26が、無謀な太平洋戦争突入に影響している、という結論だけ書いておくことにした。

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2018年2月25日 (日)

完全になめられている

またしても合意違反だ。米軍普天間飛行場を離陸した米海軍ヘリコプターMH60が23日、隣接する普天間第二小学校の上空を飛行した。

 昨年12月に防衛省と在日米軍は宜野湾市内の学校施設上空の飛行を「最大限可能な限り避ける」ことで合意したはずだ。

しかし1月18日に普天間所属の海兵隊ヘリ3機が同校上空を飛行し、今回さらに飛行した。合意など「あってなきがごとし」ではないか。

日米合意は昨年12月13日に同校で起きた普天間所属のCH53E大型輸送ヘリによる重さ7・7キロの窓落下事故を受けて取り決められた。その6日前には同型機のプラスチックの円筒部品が保育園の屋上で見つかっている。

ヘリが学校上空を飛ぶようでは、児童が安心して校内で過ごすことができない。だからこそ日米での合意が結ばれたのではないか。

在日米軍は1月の飛行については航跡データなどを根拠に学校上空の飛行を否定している。しかし今回は飛行の事実を認め、日本側に遺憾の意を伝えている。

2件とも防衛省が監視員とカメラで学校上空の飛行を確認しており、飛行の事実は揺るがない。

今回のヘリは嘉手納基地に暫定配備されている外来機の可能性がある。暫定配備の部隊に日米合意の指示が伝わっていないとすれば、米軍の指揮系統が機能しなかったということである。合意が形骸化しており、組織の劣化は明らかだ。言語道断だ。(琉球新報2/25社説より)

今回の飛来は前回と違って米軍も認めている。上空飛来は、他基地所属のヘリで禁止を知らなかったせい、と言い訳をしている。軽く見られているというか、言葉は悪いが完全になめられているのである。

その理由は、ネットウヨなどが同校に対して、そんな場所に建てるから悪いとか非国民といった中傷を殺到させたり、政府自民党内に琉球新報・沖縄タイムスを偏向紙と決めつける動きがあることも関係なしとはいえない。

普天間は米海兵隊所属である。他国に敵前上陸などをして、その地域を制圧させることが目的の部隊である。平和憲法を持つ日本に基地を置く理由はない。仮にそのような行動をするとすれば日本に対し事前協議が必要だが、中東への派遣は「インド洋部隊への所属変更」ということでスルーさせた。

尖閣列島が中国に占領されたら、それを奪回するためなどとする者もいるが、それは一義的に自衛隊の任務となる。アメリカに日本国土防衛の義務はあるが、無人島に海兵隊を出すかどうかはアメリカが決めること、断られればそれまでである。強いて言えば抑止力的存在だ。

朝鮮半島でドンバチ始まり海兵隊が日本から出撃すれば、北朝鮮にとって日本は敵国になり、ミサイル・核攻撃の対象になってしまう。また、米軍にとっても近すぎて危険という考え方がある。

昔に比べ、大幅に機動性を増した米軍にとって日本に大量の海兵隊を置いておく理由はない。そのためハワイとか米本土に移動させる計画があったが、日本の経費負担や「おもいやり予算」がついて、本土に置くより経費削減ができ、日本政府もそれを望んでいない、と言われてきた。

中国や北朝鮮の動きの中で、日米韓の連携が強化されることが重要課題であることは言うまでもない。その中で東アジアの安定に最大の責任を持たなければならないのは、日本であるが、日本政府は沖縄をはじめ占領下の態勢から一歩でも抜け出そうという気概を持たない。

日本がなめられているのは、そんなところにある。

ネットウヨさんに奮起を促したい(笑)

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2018年2月24日 (土)

トランプとアメリカの病根

前回「トランプ、歴代最低大統領」を書いた。その最高のお友達を任ずる安倍首相、日本のブログだから、これまでは安倍首相いびりをしていればよかったが、トランプの異常さは、アメリカだからといって見過ごせない段階に達した。

報道によると、学校内の銃乱射事件を受けて銃規制を求めて抗議する高校生に、大統領が解決策として校内に先生をはじめ20人程度に銃を持たせると言い、加えてあらかじめ訓練をして、ボーナスまで払うという。まさに狂気の沙汰だ。

学校を戦場とし、雇い兵を置くという世界に例を見ない発想が通るのだろうか。アメリカは、ウイルソン大統領が第一次大戦後、戦争の惨禍をなくしようと国際連盟を作ったのをはじめ、オバマは反核を訴えてノーベル賞を受けた。

ところが、国際連盟には議会の3分の2の賛成が得られずアメリカは非加盟。オバマの時代のTPP同様、主に共和党の抵抗で実現を妨げられている。銃規制でもトランプは同じことを見越しているのだろうが、アメリカ人がどこまでトランプのフライングを許すのか、見極めなくてはならない。

アメリカの歴史は、孤立主義と国際主義の間を時計の振り子のように大きく振れてきた。どちらに立つにしても、政治が「好戦」指向になる。これがアメリカの病弊で、第2次大戦後、地域紛争を含めアメリカが関与していない戦争はないと言っていい。

「武器貸与法」がある国である。自分が戦争に参加しなくても、武器を使う国があればそれで武器製造業が発展する。したがって紛争大賛成なのだ。紛争や戦争がなくてもそれをあおるだけで最新兵器を買ってくれる国がある。

そんなことを考えると、銃規制が進まないのもなんとなく理解ができる。

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2018年2月22日 (木)

トランプ、歴代最低大統領

  毎日新聞(2/22東京朝刊)が伝える共同電によると、アメリカのボイシ州立大が、政治学者ら170人の評価に基づく米大統領経験者44人の格付けを行ったところ、現職のトランプ大統領は44番目の最下位。また「米国を最も分断する大統領」のランキングは首位であった。

格付けは、大統領や行政機関などを研究対象とする専門家が、外交、内政を含む総合的な「偉大さ」を100点満点で採点するもので、前回調査は4年前に行っている。

上位7人は前回と変わらず、リンカーンに始まり、ワシントン、フランクリン・ルーズベルトなどが入るが、前大統領オバマは18位から今回は8位に躍り出た。

日本ではなぜかこういった調査はない。ちょっと想像してみたものの、最低は日本を敗戦に導いた東条首相だろうか。しかし、塾頭は東京裁判で、他の被告が競って弁解に走った中、責任を一身に受けて天皇を法廷に出すような危険を防いだ点は買っている。

最下位がもしかして安倍首相だったりすると大変だ。日本の大学はそんなはしたない調査はしない。それが原因で助成金や寄付、志願者に圧力かかるかも、という「忖度」が働く。それであれば、アメリカのさらに下を行く国ということなになりかねない。

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2018年2月21日 (水)

自殺に見る「志」

東電福島第1原発事故による強制避難の対象となった福島県飯舘村で強制措置直前に自殺した大久保文雄さん(当時102歳)の遺族が、東電に計6050万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。

福島地裁(金沢秀樹裁判長)は20日、「原発事故による耐え難い精神的負担が自殺の決断に大きく影響を及ぼした」と原発事故と自殺の因果関係を認め、東電に計1520万円を支払うよう命ずる判決をした。

そのニュースで、思い出したのがちょうど1ヶ月前に入水自殺した西部邁氏のことである。これは記事にしたが覚悟の自殺という点では同じだ。西部氏は前から、自殺をほのめかすような言動があった。自著の序文に「ある私的な振る舞い」を予定していたが、「予定日に衆議院選挙が行われると判明」「まずは社会にかける迷惑はできるだけ少なくせねばならぬ」と公言している。

そして塾頭は、「どうも凡俗には理解しきれない行動だ」を記事の結語とした。彼なりの主張があるものと推察されるが、それならば紀元前3世紀、楚の時代の屈原が汨羅(べきら)に身を投じた際残した『楚辞』を見習ってほしかった。

屈原はその時、郭沫若の推定によると62歳だったとしている。古典では100歳を越えるような伝記が珍しくない時代だが、今なら80歳を下るまい。大久保さんは享年102歳である。そして西部氏が78歳、親と子ほども年が離れている。

何も語らない大久保氏、美しい詩と伝説を残した屈原、何か思わせぶりな西部氏。大久保氏が東電に抱いていた気持ちはわからない。その無言の中に、明治時代残っていた武士道の影がうかがえる。

『楚辞』「九章」(一部)

私はひたすら君に仕えて身を顧みなかったが
ああ、それは衆人に仇とされるところだった
ひたすら君を思うて余念なかったが
それはまた衆人に敵とされるところだった

心をいちずにしてためらわなかったが
ああ、それは身を危うくすることだった
つとめて君に親しんで余念なかったが
心に禍を招く道があったのだ

(目加田 誠『屈原』岩波新書)

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2018年2月20日 (火)

杞憂×機憂

広辞苑(抜粋)

き・ゆう【杞憂】[列子](中国の杞の国の人が天地が崩れてくるのを憂えたという故事に基づく)杞人の憂い。取り越し苦労。――に過ぎない。

毎日新聞電子版より

20日午前8時40分ごろ、米軍三沢基地(青森県三沢市)を離陸した同基地所属のF16戦闘機のエンジンから出火するトラブルがあった。米軍から防衛省に入った連絡によると、同機は外付け式の補助燃料タンク2個を基地の北側にある小川原湖に投棄し、約3分後に基地に引き返して着陸した。けが人や被害が出たとの情報は入っておらず、同省が詳しい状況を調べている。県警は有害物質が含まれている恐れがあるとして、付近の市道を通行止めにした。【北山夏帆、前谷宏、隅俊之】

このところ連日のように自衛隊機の墜落、米軍機の不時着、部品の落下といったニュースが続く。これを「機憂」といおう。この方は取り残し苦労でなく、いつ災難に遭ってもおかしくない。くれぐれも空にご用心。

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2018年2月19日 (月)

銃規制と北朝鮮

前回は「中朝関係の複雑さ」についてであったが、今回は北朝鮮が核使用を凍結すればアメリカが北との対話に応ずるのではないかという、憶測を書きたい。

これには、しかるべき要人のコメントとか裏付けのとれる根拠はない。アメリカ国内で発生している重大ニュースをめぐってアメリカ人の心情にゆらぎが見えれば、それが国際問題に反映することもあるのではないか、という類の素人観察である。

外務省であろうがマスコミであろうがそういった直感だけで仕事をすることはできない。しかし政治のトップにいる人は、心情のゆらぎを機敏に捕らえて外交の流れから取り残されないようにしなければならない。その点、日本の外交はいかにも硬直的で心許ない。

そんなことを感じたのは、フロリダ州における銃乱射事件で大量の死傷者を出したことである。想定されてはいたが、トランプ大統領は見舞いの挨拶だけで、銃規制には全く触れなかった。

この類のニュースは何度繰り返されてきたことだろう。食傷気味とはいえ、今回はやや違うようだ。規制促進派の声が勢いを増し、NRA(全米ライフル協会)のロビー活動により、数千万ドル(数十億円)に上るという寄付金の恩恵を受ける政治家は、「恥を知れ!」とばかり集中攻撃にさらされようになった。オバマ前大統領も政策転換に向けた策動を始めたという。

それでも、個人の身を守るために武器を持つ権利が憲法で保証されており、建国以来続いてきたアメリカの伝統を破壊するという、共和党を中心とした保守派の根強い意見は、簡単に崩せない。

議論が高まってくれば、戦場で使われるような殺傷能力の高い自動小銃などに目が向けられる。個人が武装する権利、州が武装する権利で、どこまでの武器なら許されるのか。国のレベルに置き直すと、北朝鮮の主張とアメリカの規制反対派の主張が重なってくる。

アメリカ人には権利があるが、北朝鮮人にはないといえば、アメリカが批判の的とする「人権」の否定につながる。核の開発や行使を凍結させても、所持禁止という理屈はどう見ても成り立たない。

これを機に、核拡散防止法の限界が改めて議論されることになれば、北朝鮮との話し合い解決もあり得るということになる。トランプや幕僚の発言が大きく揺れるのは、そのあたりの機微をすでに読んでいるということではないか。

 

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2018年2月17日 (土)

中朝関係の複雑さ

平昌オリンピックは、北朝鮮に占領されたかの感があったが、レースが進むにつれて影が薄くなった。これから、文大統領の訪朝があるかどうか、オリンピック後の動きに注目が集まる。

「対話のための対話はしない」と目くじらを立てているのは、わが安倍首相ぐらいで、金正恩のもくろみが試されるのはこれからである。相次ぐ国連安保理決議などで制裁を強化することは当然ながら、話し合いを一切禁止しているわけではない。孤立するのは北朝鮮でなく日本になってしまうのではないか、とこのところ書いてきた。

アメリカも、条件が整えば話し合うという立場だ。トランプは体制転覆などを期待してない。日本が大きな誤解から解き放されていないことがひとつある。中国は最も効果的な制裁手段を持ちながら、血の盟約を持つ社会主義国同士なので手加減している、という思いこみである。    

安倍首相は北朝鮮を全く信用していないが、北朝鮮が核保有国になることを恐れ、その言動を信用しないのはアメリカや日本でなく、実は中国なのである。核実験場は中国との国境に近く、放射線漏れなどがあればたちどころに中国が被災する。また北朝鮮が中国を攻撃するにはICBMなどを必要としない。

もちろん、北朝鮮がレッドラインを越え、アメリカがミサイル基地を叩くようなことになれば、中国に直接危機が迫る。中国軍が国境を越え何らかの行動を起こす可能性なきにしもあらずなのである。

金正恩の父、正日が、「中国だけは絶対に信用するな」と遺訓を残したという話は前にも書いた。このところ北では「アメリカ・日本100年の敵。中国は1000年の敵」とう格言すらあるようだ。

聖徳太子が中国と国交を結んだ随の国は、今の北朝鮮、高句麗と戦乱に明け暮れして国境線もあってないような状態が続いていた。業を煮やした随が大軍を差し向けたものの、その負担が農民に降りかかって反乱を招き、滅亡するに至ったことさえある。

その反面、日韓併合直前は清の朝貢国として、その清が日本に破れると南進攻勢に熱心なロシアに頼るなど李王朝は自主性をなくしていた。そこで中国やロシア、もちろんアメリカにも頼らない金日成の「主体性理論」が生まれてきたのだ。

遼東半島から鴨緑江に沿った中国側、沿海州のあたりまで、現在も朝鮮族が多く住む。チベット族、ウイグル族などと同様、少数民族として中国の安定に欠かせない内政問題の一角をなしている。中国の主人公を任ずる一般の漢民族は、それをどう見るか。塾頭の体験談からひとつ。

万里の長城に向かう観光バスのガイド席の近くに座った。途中会話の中で……

「バスガイドの競争相手は、東北出身の朝鮮人が多いんですよ。彼らは頭がいいし、前は日本人として育ったこともあるので日本語がうまい。しかし彼らのいうことをそのまま信じてはいけないようです」

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2018年2月15日 (木)

今、国家主義全盛

トランプ大統領の「アメリカン・ファースト」。日本のメディアは、「外国から見た日本」企画が氾濫。西欧の難民増加にともなう国家アイデンティティー追求。そして英国のEU脱退の動きなど、戦後長く続いてきた「国際化時代」の反動ともとれる「国粋主義」の時代になった。

今朝、新聞の投書欄に、憲法9条維持の署名簿が回ってきた家庭の主婦が、20歳になった息子に協力を求めたら「僕、戦争に行くもん」と拒否され、愕然としたという内容があった。

安倍首相の内閣支持率が不支持を上回り、自民党が最高位を占める世論調査も固定化しつつある。その傾向は若者に顕著だとされる。なぜそうなのか、日本の場合、北朝鮮・中国関連報道で日本が敵視されているという印象ができあがったのだろう。安倍周辺がことさらそれをあおっているせいもある。

日本の戦争参加や敗戦は、国家主義または国粋主義がもたらしたというのが、かつての常識だった。それが今、完全に忘れ去られたようだ。その典型が明治時代に作詞された戦時歌謡である。これは過去4回取り上げたがも一度見てほしい。

敵は幾万ありとても
すべて烏合(うごう)の勢なるぞ
烏合の勢にあらずとも
味方に正しき道理あり

(じゃ)はそれ正に勝ちがたく
直(ちょく)は曲(きょく)にぞ勝栗の
堅き心の一徹は

石に矢の立つためしあり

石に立つ矢のためしあり
などて恐るる事やある
などてたゆとう事やある

 まず、敵はカラスのように声が大きいが弱い、そうでなくとも、味方には「正しき道理」つまり「正義」がある。邪道は誠心誠意の正義には勝てないし、奇跡が味方してくれることもある。だから疑いを持たず突っこめ!という趣旨だ。

「敵は弱い」、太平洋戦争はこれを見誤った。「正義」、これは敵にもそれに劣らぬ「正義」がある。北朝鮮の「正義」は、日本人拉致や人権問題なども、完全に覆い隠す。ISの自爆テロも正義の行為だ。彼らの「堅き心の一徹」はいうまでもない。

この際「国」単位でものを考えるのはやめよう。国家はいつでも正しいことをいうとは限らない。むしろ、党利党略や権力維持のためならあえてうそをつく。それを、若い人はしっかりと身につけておかなければならない。

【追記】そういえば、10年以上前の07年12月1日付けで「希望は戦争」という文章を雑誌に発表した赤木智弘さんについて記事を書いたことを思い出した。

安倍首相が「何もかもうまくいかなくなっていやになっので辞めい」といって内閣を投げ出した年である。

若い赤木さんは、若者の内でも日の当たる人、そうでない人の格差は歴然としており、それを劇的に変えてくれるのは戦争しかないといった論旨だったように思う。

今日書いた塾頭の観測とは、大きな開きがある。しかし、10年間に顕著な時代の変化があったことも否定しがたい。いずれにしても、健全な社会からかけ離れていることだけは確かだ。

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2018年2月14日 (水)

 式子内親王

はかなくて過ぎにしかたを数ふれば
花に物思ふ春ぞ経にける

          新古今和歌集


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2018年2月13日 (火)

心的外傷後ストレス障害

戦争に参加して精神病にかかる患者がふえ、アメリカで今問題になっている。心的外傷後ストレス障害、略号ではPTSDという。どちらにしても覚えにくい言葉だ。

PTSは、ポスト・トラウマ・ストレス・障害の略とある。トラウマは、精神的ショックによる「病みつき」のような意味で日本語化しかかっているので、これを覚えておけばいい。

その中で、戦争に関するものを砲弾神経症(シェル=砲弾ショック)と区別することもある。この研究は、第一次世界大戦当時の塹壕戦の影響から始まったようだ。日本では塾頭の地元にあった国府台陸軍病院が専門に受け入れていたが、「痴愚」などの病名で治療と言うより拘禁永続のような扱いが戦後も続いていた。

アメリカでは、ベトナム戦争後、その戦争自体への懐疑からもストレス症状が起きた。戦闘ストレス反応は、戦争において精神的に崩壊する兵士が驚くべき多数に上ったことから認知されはじめた。

敵兵に限らず女子や子供、さらに友兵たちの手足が一瞬にして吹き千切れるのを見たり、捕虜となって孤立無援状態におかれた恐怖が精神に異常をきたすことになる。兵士たちがヒステリー患者と同じ行動をし始めたり、身体的には金縛りで動けなくなる、震えが止まらないとか健忘症に陥る病状が現れる。

日本では、このような臆病者は皇軍にいないと結論づけ、外部と隔離する必要があった。処罰と脅迫が唯一の対処だったのである。アメリカなどでは、これを士気の高い兵士にも起こりうるれっきとした精神障害であるとして、人道的治療が始まりPTSDという名称がつけられた。

近年は、兵士を戦場に出すケースが減り、無人機爆撃ばやりである。ところがこの操縦者にPTSDを発症する率が高いことが分かってきた。衛星経由でアメリカから遠隔操作が可能であるため、操縦員は戦地に派遣されることもない。

任務を終えればそのまま自宅に帰り子供と遊ぶこともできる。このような無人機の運用は操縦者が人間を殺傷したという実感を持ちにくいという意見があるが、敵を殺傷する瞬間をカラーTVカメラや赤外線カメラで鮮明に見ることが無人機の操縦員に大きな精神的ストレスを与える。PTSDを発症するのは現地に派遣される兵より高い割合になるとも言われ、社会問題化は避けられない。

 

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2018年2月11日 (日)

こんどは日本が孤立?

 前回の「金・文架空会談」が、まんざら架空でもないような雲行きになってきた。金は韓国に訪れた金正恩の妹・与正、或いは北朝鮮ナンバー2の金永南、金正恩のいずれでもいい、文は当然韓国大統領だ。やや長いが、本日付け毎日新聞・東京朝刊から引用する。

(前略)
 「いつの日か、かつてのように北南関係が発展する日が来るでしょう。文大統領が統一の新しいステージを開く主役となり、後の世代のために道筋を付けてくれることを期待しています」。金与正(キムヨジョン)氏は、会談後の昼食の際、こう文氏を持ち上げた。(中略)

 妹である金与正氏を特使として派遣した金正恩氏の狙いは、歴代韓国大統領が抱いている「朝鮮半島の統一に関して歴史に名前を残したい」との気持ちをくすぐり、核問題は放置したまま、対北経済協力をなし崩し的に進めさせることにあるとみられる。

 青瓦台(韓国大統領府)関係者によると、会談と昼食を通じて、発言そのものは金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長の方が多かったが、重みのある発言の大半は金与正氏が行った。金与正氏はA4判用紙1枚の金正恩氏の親書を文氏に手渡した。

 文氏は訪朝提案に「条件を整えて実現しよう」と前向きな姿勢を示したが、訪朝条件は明確に示さなかった。核・ミサイル開発や五輪・パラリンピック後の4月にも実施されるとみられる米韓合同軍事演習など国際的な懸案事項は議題にしていない。1月の南北閣僚級会談で韓国が非核化を要求したことに北朝鮮は強く反発した経緯があり、文政権発足後初の南北首脳級会談となった今回は信頼構築を優先させた形だ。

 文氏は昨年5月の就任直後の演説で「条件が整えば平壌にも行く」と言及するなど南北首脳会談への意欲を繰り返し示していたが、「核問題解決のためにプラスになるなら」と条件を付けていた。ただ、今回の発言については、青瓦台高官が「訪朝要請を受け入れた」と説明した直後、別の高官が条件付きであることを強調するなど、韓国政府内にも温度差がある。青瓦台関係者は、「南北間だけですべて解決するわけではない。米朝対話や核問題の進展があるべきだとの考えをにじませた」と文氏の思いを解説する。

 文大統領は公約でもあるし、虎穴に入らずんば虎児を得ずの意気込みで訪朝するだろう。また、金正恩は文大統領を手ぶらで帰らせて、自分が仕掛けた平和攻勢の腰を折るようなことはしまい。

 これまでの強硬孤立姿勢と核凍結・南北融和を天秤に掛ける、さらに在韓米軍撤退の筋道がつけられれば、金正恩の権威が増しても失墜することはない。アメリカも米韓同盟が維持されれば韓国から撤退するのにそう抵抗はないだろう。

 今の安倍政権なら、その分日本が肩代わりせよと言われれば断れない。米韓が緊密な連携のもとで南北対話が進行するのなら、トランプに反対する理由はない。北朝鮮に変わって日本が孤立するだけになる。

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2018年2月 9日 (金)

金・文架空会談

  平昌オリンピックではありえないことだが、空想ぐらいはいいだろう。

金 南北統一できたらいいね。
文 同感。
金 核は凍結、非核地帯にするということで韓国から米軍の撤退を実現させる。
文 できない話ではない。ただ、日本政府と韓国右派が猛反対してくる。
金 当面、政権はそのままにしておいて、いずれ南北併せた大統領選挙をすれば。

文 それだけは絶対反対。あんたと俺たちじゃあこっちが負けるに決まっている。

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2018年2月 7日 (水)

カストリ雑誌

 「敗戦」の空気が残っている頃、『リーダースダイジェスト』とか『知性』という雑誌で啓蒙された、といったことを近頃書いた。あまり反知性が横行する世の中になったので、思い出した誌名だ。

 もちろん、そんな雑誌だけではない。エロ、グロ、ナンセンス専門の「カストリ雑誌」と呼ぶものもあった。電車の中で公然と読めるような雑誌ではない。

 「カストリ」とは戦後はやった密造焼酎のことだ。その系譜を引く雑誌は今でもあるが、文春、講談社、新潮といった大手出版社は、その歴史的権威を損ねるような編集はしなかった。

 ところが、今や週刊誌を中心に、総カストリ化した。政治記事、相撲記事、宮中記事に至るまで、「ジャーナリズム」というには、あまりにも縁遠い「カストリ」的内容である。

 特に、相撲で文春・新潮の貴乃花タニマチぶりが目に余る。とてもバランスがとれているとはいいがたい。

 かつてのカストリ焼酎は、配給だけでは不足する酒を補うため、メチルアルコールなどを含めて密造され、すくなからぬ害毒をもたらした。もちろん違法だが厳しく取り締まれない点では似ている。読者の志向でリテラシー(選別)するしかない。

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2018年2月 6日 (火)

改憲は「文民」規定で

安倍首相の憲法9条改正理由の説明は、子供だまし、いや子供さえだまされないほど幼稚なものである。

「命をかけて国民の安全、生命を命がけで守る自衛隊が憲法に書いてないのは気の毒である。また、憲法学者のほとんどが自衛隊を違憲というがそれでは自衛隊が違憲の存在ということになる」。

前半については、前にも書いたが命がけで仕事をしてくれるのは、警察・消防、海上保安庁も変わりない。自衛隊だけ特別扱いするならその説明がなくてはならない。

後半も学者の多くがそんなことを言っていない。首相が法制局長官の首をすげ替え、長年続いてきた「集団的自衛権」の解釈を変え、さらに安保法制を強行採決に持ち込んで、違憲の仕事をさせかねない状態にしてしまったから、そういうのだ。

首相の意見を汲むのなら、こうすればいい。

第六十六条
②内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。

昨日「ヘリという日本語」を題にしたが「文民」も「シビリアン」を日本語として造語したものだ。本来は軍人や聖職者以外の一般市民をいうらしいが、シビリアンコントロールを成文化するためにできた。

安倍首相が嫌う翻訳憲法で、軍人がいない日本では定義しようのないのが「文民」だ。ここはぜひ改憲する必要がある。同条に付け加えるなら

 文民とは、自衛隊、警察、消防、海上保安庁等、現役で職階を有する者以外をいう

とでもすれば……。

これで自衛隊が憲法に入る。(*^-^)

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2018年2月 5日 (月)

「ヘリ」という日本語

昔、日本では「オートジャイロ」と言っていた。占領米軍が入ってきてから、構造はやや違うが「ヘリコプター」という。それは「ヘリ」という日本語でおなじみになった。相次いだ米軍機ならぬ、今度は自衛隊機が佐賀県で墜落。民家が火災に巻き込まれ、操縦員は死亡した。

ヘリに事故はつきものという記事を前に書いたが、今回の事故は「人災だぞ」と直感的に思った。そしたらテレビで「ヒューマンエラーの恐れ」と解説している。なるほど、英語で言うとかっこよく聞こえる。

戦中に、枚方(大阪府)の火薬庫大爆発というのを音だけで体験している。こういう施設が近くにあると地価が下がる。危険物を何と呼ぼうが、庶民は、国防のために我慢するのが今も昔も変わらぬ運命なのだろうか。

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辺野古移転反対市長落選

ニュースウオッチマニアの塾頭。今朝早くTVのスイッチを入れたが、沖縄・名護市市長選の結果がテロップを含めどこにも出てこない。仕方なくPCから各社社説があるかどうか探した。

今日は新聞休刊日である。社説を電子版に載せているのは沖縄地元2紙だけ。なんともお寂しい限りだ。本土の関心の薄さといっていいか。

建設を推進する政府が推す無所属新人の渡具知武豊氏が、辺野古阻止を訴える無所属現職の稲嶺進氏を破り初当選したという結果だけは分かった。何とも残念である。

渡具知武豊氏が移転の是非には、県政の行方を見守るという姿勢をとり、正面から移転賛成を言わなかったことは前から知っていた。

今回の選挙結果も、沖縄タイムズなどの出口調査によると、辺野古移設反対が64・6%に上っており、市民の意向には変わりなさそうだ。

選挙結果が以前と違ったことは、朝日新聞が前回自主投票だった公明党が選挙戦に本格的に参入したことをあげている。前回は期日前、当日とも出口調査回答者のうち公明支持層の割合はわずか2%にとどまっていたが、今回は期日前で6%、当日で4%と、存在感を高めたと分析している。

これは、中央の改憲に前のめりの安倍政権に対する抑止勢力に与党として存在感を維持しようという同党の姿勢と同じ構図である。

前市長が全国注目のもとで、地元の反対意向を鮮明にし、県全体の米軍基地依存反対を鮮明にしてきただけに、政府をはじめ移転賛成派を勢いづけることは、想像に難くない。

しかし、反対運動を推進する行動や、本土からの声援はより高めていく方針は何ら変更を加える必要がないこということも示している。

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2018年2月 3日 (土)

核兵器関連年表

2018_02030001_22/8夕刊トップである。これは、冷戦解消後米大統領が取った初の変節といっていい。専門語ではNPR=核態勢見直しである。核問題は絶えず緊張にさらされながらも、年を追って抑制の方向を取ってきた。

そこで大ざっぱな年表を作ってみた。トランプが方向転換を試みようとしていることが分かる。(色字は文末に解説)

1945.7 米国がアラモゴルジで世界初の核実験
    8 広島・長崎に原爆投下
 1949.8 ソ連が最初の核実験
 1952.10 英国が最初の核実験
    11米国が最初の水爆実験

1954.3 ビキニ環礁水爆実験で第五福竜丸被爆
1960.2
 フランスが最初の核実験
1962.10
 キューバー危機
1963.8
 部分的核実験禁止条約(PTBT)採
    択

1964.10 中国が最初の核実験
1967.2
 ラテンアメリカ非核地帯条約
    (SALTⅠ)署名
1968.
7 核不拡散条約(NPT
)署名
1972.5
 米ソ、第一次戦略兵器制限条約、
    弾道ミサイル迎撃システム制限条約
    (ABM)条約署名

1974.5 インドか地下核実験
1979.6
 米ソ、SALTⅡ署名
1985.8
 南太平洋非核地帯条約署名
1987.12
 米ソ、中距離核戦力(INF)全廃
     条約署名

1992.1 朝鮮半島非核化共同宣言署名
1995.5
 NPT無期限延長決定
1985.12
 東南アジア非核地帯条約署名
1996.4
 アフリカ非核地帯条約署名

1996.9 包括的核実験禁止条約(CTBT)署
    名開始
1998.5
 インド・パキスタン続いて地下核実験
1998.6
 新アジェンダ連合(核兵器廃絶の実現
    をめざして共同行動をとっていスウェ
    ーデン、アイルランド、ブラジル、メ
    キシコ、ニュージーランド、エジプト
    南アフリカの非核保有国七カ国
)発足
1999.10
 米上院、CTBT批准拒否

2001.12 米国、ABM条約脱退通告
2002.1
 米国防省、核態勢見直し(NPR)公
    表。米大統領、北朝鮮、イラン、イラ
    クを「悪の枢軸」と批判

2002.9 日朝平城宣言
2003.1
 北朝鮮、NPT脱退宣言
2003.8
 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議
2006.10
 北朝鮮核実験。以後2009.5、
    
2013.2、2016.12016.92017.9
    
と続く。
    国連安保理の非難決議、制裁決議等も 
    その都度内容を強化しながら繰り返さ
    れる

1993.5 北朝鮮ミサイル発射実験。
 以後
1998.8、2006.72009.4
 2012.42012.122013.5
 2016.22017.8など。国連決
 議などは上に同じ
 

2011.10 核兵器禁止条約

2015.7 イランは米英仏独中露6か国協議
P5プラス1(核保有5大国とドイツ)
との間で、核開発施設の縮小 や条件付き
軍事施設査察などの履行を含む最終合意
を締結

 【解説】

NPT

条約では、全加盟国を196711日の時点で(=196612月までに)既に核兵器を保有している国(保持を許された核兵器国)であると定められたアメリカ、ロシア、イギリス、1992年批准のフランスと中国の5か国と、それ以外の加盟国(保持しておらず、また許されない非核兵器国)とに分けられる(第9条第3項)。

旧ソビエト社会主義共和国連邦(核兵器国)の構成共和国であったベラルーシ、ウクライナ、カザフスタンは核兵器をロシアに移転し、非核兵器国として加盟。核兵器国ではなかったが核兵器を保有していた南アフリカ共和国は条約加盟前に核兵器を放棄し、1991年に非核兵器国として加盟。

核兵器国については、核兵器の他国への譲渡を禁止し(第1条)、核軍縮のために「誠実に核軍縮交渉を行う義務」が規定されている(第6条)。しかしアメリカ、ソ連は核開発競争により「誠実に核軍縮交渉を行う義務」の実行どころか核兵器保有数を大幅に増加させた。

非核兵器国については、核兵器の製造、取得を禁止し(第2条)、国際原子力機関(IAEA)による保障措置を受け入れることが義務付けられ、平和のための原子力については条約締結国の権利として認めること(第4条)、などを定めている。 

また5年毎に会議を開き条約の運営状況を検討すること(第8条第3項)を定めている。

IAEA

国際原子力機関は、国際連合傘下の自治機関である。

本部はオーストリアのウィーンにある。またトロントと東京の2ヶ所に地域事所と、ニューヨークとジュネーヴに連絡室がある。

 核兵器禁止条約

20111026日〜31日、国連総会で軍縮・国際安全保障問題を扱う第一委員会が52の決議を採択した。このうちマレーシアなどが提出した核兵器禁止条約の交渉開始を求めた決議が127ヵ国(昨年より6ヵ国多い)の賛成で採択された。

20161028日(日本時間)、国連総会第一委員会(軍縮)において、多国間の核武装撤廃交渉を来年から開始する決議案が、賛成123、反対38、棄権16で可決された。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、日本は反対票を投じ、北朝鮮は賛成、中国は棄権した。

201777日に122か国・地域の賛成多数により採択されたが、全核保有国は不参加、アメリカの核の傘の下にあるカナダやドイツなどNATO加盟国や日本、オーストラリア、韓国なども不参加となった。また、当初は条約に賛成だった北朝鮮も核兵器の開発に成功後、不参加に転じた。

なお、核兵器禁止条約の国連総会への採択を含め、条約の推進には2007年に核戦争防止国際医師会議から独立して結成された核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の貢献が大きいとされ、同団体は2017106日にノーベル平和賞を受賞した。

この条約は、50ヵ国が批准して90日後に発効する。2017920日にガイアナ、タイ王国、バチカン市国の3か国が[13]2018116日にはメキシコがこの条約に批准した

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2018年2月 1日 (木)

ヒスイ原産地

新潟県糸魚川から贈ってもらったヒスイの原石なるものがあるが、中味は割ってみないとわからない。原石は姫川近辺や海岸で発見されるという。古事記や万葉集にも越の国ヌナカワという名で記載があるし、日本古来の常識かと思っていたらそうではなかった。

わずか19年前に初版が出た森浩一『日本神話の考古学』には、こうある。

日本の遺跡からは実に多くの硬玉ヒスイの玉類が出土する。縄文時代の前期にあらわれ、中期を中心に鰹節型玉器とも呼ばれる、穴をあけた大珠がさかんに使われている(中略)。

私が子供のころ、考古学の書物では、これらの硬玉ヒスイの製品は「ビルマ(ミャンマー)からもたらされた原石を使っている」という説明が一般的であったし、ごく最近でもそのような説明の残る書物を見かける。

引用の最後が「ごく最近」であるが、ごく最近はなんでもかんでも「日本発祥」としたがる傾向があり、一時の韓国をまねた風潮が目に付く。何でもかんでも外来にしてしまう過去の日本風よりはいいか。

変なナショナリズムに結びつけないかぎり、学問は日進月歩で発展してほしい。

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