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2017年12月 6日 (水)

敵基地攻撃能力と9条

  政府は2018年度予算案に、日本がミサイル攻撃を受ける前に、敵基地を破壊することを可能とする関連装備自衛隊が持てるようにする検討を始めた、と各紙が伝える。どういうことか、その中味を知っておこう。

まず、二つのミサイルの名から始まる。ノルウェーなどが開発したJSMと米国製のJASSMである。仮にジスムとジャズムとしておく。ジスムの射程は短く数百キロ、ジャズムは900キロ以上ある。

いずれも空対地ミサイルで、今、自衛隊の主力戦闘機であるF15は、航続距離が4600キロあり、大陸近くまでの往復は簡単である。攻撃ミサイルはジスムでいい。しかし、大陸近くまで行くと相手のレーダーに捕捉される。

そこで、最新鋭でレーダーをくぐり抜けられる最新鋭のF35Aステルス戦闘機を本年度中に配備することになっているが、これは航続距離2200キロしかないのでジャズムがいいということになる。

そういったことを来年度予算で検討しよう、ということなのである。どう理屈をつけようが、敵がミサイルを発射する前、弾道計算もできないうちに発射基地を破壊すれば、先制攻撃の以外のなにものでもなくなる。

その基地要員に死者を出す可能性も高く、相手に戦争突入の口実を与えることになって憲法9条は全く役に立たたず、空念仏になってしまう。また、日米安保による集団的自衛権の前提も怪しくなり、アメリカが守ってくれる保証もない。

ミサイル攻撃に対する自衛は必要であるが、相手国領土内の基地先制攻撃はできない。あくまでも日本領土・領海を守るためのミサイル防衛システム(MD)の精度を高めることが主眼となる。

相手の攻撃を受けて撃ち漏らし、被害がでても報復攻撃はできない。戦争の歴史は、いつでも自衛、邦人保護、報復攻撃が名目になっていることを知らなければならない。

報復攻撃にかわって何ができるかの検討は必要だが、日本は外国と海を隔てていることにより、9条を有効に働かせやすい。この優位性を保つことで、もっとも確実な安全保障が得られているのである。

敵基地攻撃能力保持は、どう解釈してもはっきり憲法違反である。

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