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2017年11月 6日 (月)

トランプ・安倍、どっちが賢い

アメリカの大統領トランプ氏が初来日、横田基地から霞ヶ関カントリーにヘリで直行。「国難」をよそに、まずお遊びだ。安倍首相が一番アピールしたいのは、北朝鮮への圧力強化だろうが、訪問5か国のうち、話し合い抜きで圧力強化を言うのは、多分日本だけになりそう。

アメリカの新聞に載った政治漫画だろう。トランプが車の後部座席から身を乗り出して、必死で運転する安倍首相の耳もとにハンディ・スピーカーを向け、指示する絵柄をテレビが映し出した。

ASEANでは、加盟各国の話に耳を貸さず、アメリカの言いなり、または子分のような動きしかしない日本に批判があった。どうやら、今はこれが国際的評価として定着したようだ。

ただ、ここで不思議なのは、韓国の首都ソウルは38度線から80キロほどの至近距離にある。原爆を使わなくても北がいうように「火の海」にすることは容易だろう。ところが日本のように大騒ぎしている様子は見えない。

文大統領は、北との緊張緩和を唱えて選挙に勝った。国連で決めた制裁決議には賛成するが、北の核開発が韓国攻撃のためとは思っていない。同じ民族に核兵器を使用し、未来永劫に恨みを残すようなことはしないはずだ、という一種の安心感と、口には出せないが、朝鮮民族として核保有国となるのは悪くない、という潜在意識もあるのではないか。

文政権は、日米韓の軍事協力を否定はしないが、安倍首相と違って明らかに乗り気ではない。一時、米国と共同でTHAAD(週末高々度ミサイル防衛システム)を配備することに、中国が防衛を脅かすという理由で韓国に猛反発し、その影響で中国人の観光客が激減するといった現象もあった。

それが、アジア太平洋経済協力会議(APEC)が10日、11日にベトナムで開かれるのを機会に韓・中首脳会談をすることになり、両国間の関係改善合意を目指すことになった。その協議の内容が中・韓両政府の発表文で明らかなっている(11/1毎日新聞)。

中国側が自ら示した立場、米国のミサイル防衛(MD)体系構築②THAADの追加配備日米韓軍事協力についての懸念に対し、10月30日の韓国国会で康外相が次のように明言した。

は米国のMD体系に参加しない。は追加配備の計画がない。については「北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する抑止力強化の範囲で進め、軍事同盟には発展させない」というもので、集団的自衛権に前のめりの安倍首相の考えとは相当違う。

ここまで書いたところへ、別のニュースも入ってきた。

「日本は同盟国ではない」韓国大統領

【ソウル共同】韓国の連合ニュースは5日、9月の米ニューヨークでの日米首脳会談の際、韓国の文在寅大統領が「米国と韓国は(軍事)同盟を結んでいるが、日本は同盟相手国ではない」と発言したと報じた。韓国大統領高官の話として伝えた。トランプ大統領は「理解する」と応じたという。(以下略「毎日新聞」11/6)

なぜ、トランプが東京到着当日になってこの話が突然リークされたか。その意義まで新聞は語っていない。またこれからも解析しない可能性がある。韓国が「反日だから」という単眼視が日本では有力だろう。

文大統領がそうである理由も必然性もない。韓国・北朝鮮・中国の内情や意図に対する安倍内閣のあまりにも無頓着で、米国の意を迎えることしか考えていないことに異議をさしておきたいという一心だろう。

このあと、関係各国を歴訪するトランプ大統領はどのようなレスポンスを見せるだろうか。トランプ大統領は、今米国内で騒ぎが大きくなっているロシアとの内通問題や、国内テロ事件などで、アジア問題はそっちのけという状態のようだ。

北とアメリカの確執より、北と中国の間の方が緊迫しているということは先月「ここまで来た北朝鮮問題」で書いたが、先回の水爆地下実験で起きた山崩れは、放射性物質漏れの恐れがある、と中国の研究者が警告している。

北と中国の関係も、日本では深層を突く報道がすくなく、政治家も単細胞思考から抜けきれない。今回のトランプのアジア歴訪結果は、大きな関心をもって見守るべきだろう。

北朝鮮はすでに核・ミサイルの開発は完成に近いと考えている。トランプとの幼稚さを競う言葉のゲームをいつ収束し、どういう形でより優位な交渉に持っていくかをさぐっている時期だ。

依然として、冷戦思考しか浮かばない安倍首相基調の周回遅れ外交は、世界の目から見てどう写るのだろうか。

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コメント

韓国外務省は「同盟国までには至らない・・・」と言う発表したようですね。

“(日本も)韓国は属国(従属国)だから(同等の立場の)同盟国にはなれない”とも見えてしょうがないです。

投稿: 玉井人ひろた | 2017年11月 9日 (木) 17時13分

韓国のいうのは全く正しい。普通「同盟」というと軍事同類とか攻守同盟を指します。安保闘争華やかな頃、「日米同盟破棄」などと反対派が言ったのに対し、政府は「同盟」ではない、経済条項もある安全保障「条約」だ、と反論したものです。
それを逆に政府の方から「日米同盟」と言い始めたのは小泉さんの頃からだと思います。米韓同盟は全くの「同盟」で、ベトナム戦争には、同盟国として参加・派兵し多くの戦死者を出しました。
韓国と同盟関係になれば、第2次朝鮮戦争が始まれば自動的に日本も同盟国として参戦することになります。
日本はまっぴらごめんのことを韓国の方から言ってくれたわけです。

投稿: ましま | 2017年11月 9日 (木) 19時57分

報道によると、韓国は中国から激しい経済制裁(韓国製品や韓国人客ボイコットなど)を受けているらしく、それによって韓国経済は最悪の状態に瀕しているそうです。

朝鮮半島問題は複雑になるばかりです

投稿: 玉井人ひろた | 2017年11月 9日 (木) 20時48分

もとはTHAAD配備ですね。THAADはミサイル発射基地を衛星写真で偵察し、発射後落下寸前の高々度でとらえて爆破するミサイル防衛でアメリカが開発したものです。
衛星写真は、中国本土までカバーするもので、前のコメントで指摘したとおり、米韓は軍事同盟下にあり、アメリカが中国に向けた偵察ができる、ということで韓国に強く抗議したもので、中国は直接脅威と見たのでしょう。韓国の弁明がこんなに簡単に通ったとすれば、けっこう信頼関係があるんですね。

投稿: ましま | 2017年11月 9日 (木) 21時14分

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