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2017年11月10日 (金)

トランプ、習の手玉に

中国・習近平総書記がトランプ米大統領を皇帝扱いで歓待したというのは、シンゾーのそれとは違う。共産党大会で自らの思想をかかげ、不動の地位を固めた習と、支持率30%台で、未だに国務省のアジア担当官や韓国大使を任命できていないでいるトランプとの差だ。

日本のマスコミでは、北朝鮮に対する「圧力強化では合意したが危機管理については話し合わなかった」とか「貿易不均衡など目先の合意はあったが、長期的な関係構築に進展はなかった」などと評価されている。

習の驚くほどの過剰サービスは、両者の差に対する余裕のゼスチャーだ。問題解決にあたって、細部に渡る周到な計画や準備が必要で、数十年先のことまで見越さなければならないようなことを、うかうかトランプと約束できない。

たとえば、北朝鮮では国境を接する中国にとって、危機管理は差し迫った脅威だ。しかしその具体策となると、北の治安維持をどう確保するか、暴走阻止にどんな手があるか。金正恩体制保持だけでいいのか、といった問題がある。

核戦力をどう処理するのか、南北のバランスをどう取るのか、さらに韓国からの米軍撤退、将来の南北統一への展望に至るまで、米中合意が見通せる段階にはない。もちろん韓国の頭越しでは、韓国が承知しないだろう。

そんな難問を地位不安定のトランプと話しても無駄だ、というのが習の腹にあるのではないか。国内、そして国際世論の支持に自信を持つ習近平総書記の手玉に乗っている、これがトランプ大統領アジア歴訪の成果ということになりそうだ。

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