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2017年11月

2017年11月29日 (水)

ICBMと回虫

輪っぱが何十もついたトレーラーに積んでぞろぞろ列をなす北朝鮮のミサイル群。その最新型を日本の経済水域に打ち込んできた。

板門店の境界を突破して韓国に必死の亡命をした北朝鮮兵は、体内から無数の回虫が発見され、最大のものは27センチもあったという。気持ちの悪い点でこの二つは似通っている

回虫が日本で話題にならなくなったのは戦後まもなくである。戦中から小学校では「マクニン」と称する煎じ薬を定期的に飲まされた。だから大型のウジ虫のような形とは聞くが、実際には見たことはない。

人糞肥料が回虫伝染の元とだということとは分かっていたが、戦後の食糧難で絶滅はせず続いていた。GHQの新施策もあって化学肥料の輸入・開発が進み、DDT普及による毛シラミの駆逐同様、急速に改善が進んだ。

糞尿を柄杓で汲んで桶に入れ、天秤の前後に担いで、黒い荷車に集める。それを郊外の農家まで運んでいる。そんな風景は、テレビもない遠い過去の話だ。

大型ミサイルや水爆を開発し、サイバー攻撃をする技術を持つ国のエリート兵士が、体内に回虫を飼っていたとは、「本当だろうか」とにわかに信じられない。だけど韓国当局がウソの話をでっち上げるとも考えられない。

朝鮮半島の奇怪な話だ。アメリカの尻馬に乗ってさらなる「制裁強化」をオウム返しにいうだけではなく、こういった半島が抱える矛盾にどう対処するのか。隣国としてもうすこし親身に考えてもいいのではないか。

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2017年11月28日 (火)

日本語が無くなった政治

国会で委員会審議が始まった。期待はしていないものの「それでも何か飛び出すのではないか」と、一応はテレビをつけてみる。ただし、延々と続く与党質問は、時間の無駄だから別のことをする。

昨日、つくづく感じたのだが、審議は「委員会用語」で占領され、討論のための日本語になっていない。昔の代議士は、演説で磨いた寸鉄人を射る名言で政治に緊張をもたらした。

野党の質問にしても、相手の首相を意識してか日本語としてこなれていない敬語の使い過ぎである。主権者である国民が、公務員である為政者にただすという立場からの会話、議論になっていない。

森友学園問題で、国有地売り渡し価格算定で、会計検査院から合理性を欠くという報告書が出て、政府・首相のこれまでの「適正に処理」という答弁を繰り返したことについて「謝罪はないのか」という質問に、首相は「省庁の報告に従って答弁した」と言い逃れた。

一般庶民なら、役所の言うことならまちがいはないだろう、と思う。しかし、おかしいと思えば、納得のゆくように説明を求める。

首相は国民から付託を受けて官僚を管理監督する最高責任者だ。その不正報告をたださず、上記のようにいいのがれたことで矛を収める。首相の早口で的をそらした答弁と、野党の、通常人が交わすような日本語ではない質問、そして委員会用語によるセレモニー消化では、安倍一強を崩すことができない。

与野党を問わず、このままの政治が続けば、本当に日本はだめになる。

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2017年11月27日 (月)

市川市長選挙やりなおし

昨日26日に実施された市川市長選挙で、全国で6例目となる珍現象が起きた。選挙のやり直しである。その再選挙は年が明けてからになる。

政党推薦を受けているのは、村越氏の民進、共産、自由、社民、市民ネットからなる事実上の野党共闘候補と、自民推薦の坂下氏だけである。2人の差は384票。村越氏が当選するためにはあと1661票多ければよかったことになる。

東京都に隣接するだけに、仮に衆院選の「希望の党」がまともに成功していれば猛烈な小池旋風が吹いただろう。やりなおしは多分無かったに違いない。やり直し選挙でも多分今回と同じ候補がでてきそうだ。最下位を除いて得票数の差は多くない。

来年になると、村越氏の推薦が民進党から立憲民主党になるかどうかも関心がある。政党組織としては、野田元首相の地盤に近く民進党千葉も、野田氏と同じ会派の花斉会所属で、松下政経塾出身の長浜博行氏が握っている。その帰趨次第で再選挙結果に影響が及ぶかも知れない。

いずれにしても、中央政界の動向から目が離せないのである。

【千葉日報オンライン】

任期満了に伴う市川市長選の投開票が26日行われ、立候補した5候補が法定得票数である有効投票総数の4分の1に届かず、公選法に基づき再選挙が実施されることになった。

 同市長選はいずれも無所属新人で、元衆院議員の村越祐民氏(43)=民進、共産、自由、社民、市民ネット推薦、元市議の高橋亮平氏(41)、元県議の小泉文人氏(44)、前県議の坂下茂樹氏(43)=自民推薦、元衆院議員の田中甲氏(60)の5人が立候補。

 2期8年務めた大久保博市長(68)引退後の市政を巡り、待機児童対策をはじめとする子育て支援の強化やゴミ収集回数の見直しなどによる市民生活の利便性向上を掲げ、激しい舌戦を繰り広げていた。

 市長選の投票率は30・76%で、現新一騎討ちとなった前回市長選の21・71%を9・05ポイント上回った。当日有権者数は39万3815人(男19万9773人、女19万4042人)。

 再選挙は、2週間の異議申し出期間の後、50日以内に行われる。今回の5人以外も立候補できる。この規定での首長選再選挙は2003年の札幌市、07年の宮城県加美町、17年の鹿児島県西之表市など6例目。

 ◆市川市長選挙(選管確定)

1 村越 ひろたみ 28,109

2 高橋 りょうへい 20,338

3 小泉 文人 16,778

4 坂下 しげき 27,725

5 田中 甲 26,128

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中東情勢の様変わり

  今月下旬に入って21日そして前回と、中東で地殻変動が起きていることを書いた。イスラエルと中東諸国の間で、第一次中東戦争が始まってから来年で70年、アラブ対イスラエルそしてユダヤ対イスラムの対立の構図が、すっかり様相を変えたように見える。

イスラエルにとっての強敵は、パレスチナ解放同盟を支える隣の大国・エジプトであった。同じスンニ派の盟主・サウジアラビアは取り巻くイスラム国に石油資金で支えた。

4次にわたる中東戦争の結果は、エジプトがイスラエルに歯がたたないことを知って妥協の道をさぐり、変わって先頭に立ったのがイラクとシリアのバース党政権である。しかし、イラクはアメリカの侵攻で、シリアは反政府組織の武力反乱により牙を抜かれてしまった。

そしてISの勃興、世界を震撼させたテロリズムは、やがて世界を敵にまわした結果壊滅へ。ロシアのシリア介入と平定に向かった動きは、前述の通りだが、イスラエル建国に反抗するパレスチナ人に、イスラム・スンニ派の周辺諸国が加担して起きた当初の中東紛争の影は、も早見えにくくなった。

シリアの平定にロシアが成功すれば、シーア派・イランの立場が強くなる。塾頭は、ユダヤ対イスラム・スンニ派の戦いが、スンニ派対シーア派の対立激化に取って代わるのではないかという予想をしてみたのが前回である。

また、サウジでは皇太子への権力移行で、長年続いてきた王族路線が劇的に変化する兆しがあり、先が読めなくなったことも書いた。最大の経済的利害関係を持つのがアメリカである。トランプ政治の動きも不透明さに輪を掛けている。

エジプトの近況については、触れてこなかった、というより複雑過ぎて書けなかったのだ。そこに起きたのが24日のシナイ半島北部に起きた死傷者400数十人という同国最大のテロ事件である。

イスラム神秘主義信者の多いモスクが標的となり、犯人は武装軍団でISの旗を持っていたという。シナイ半島にはISに忠誠を誓った分派が存在するとされ、これまでも度々テロ実行宣言をしていた。

シリア・イラクから逃れてきたIS残党、或いはシナイ半島で元々勢力を持っていたムスリム同胞団が変貌したものとする見解があるが、塾頭はいずれも的はずれではないかと思う。そういう分子がいたとしてもテロ犯の主流とは思えない。

ISが本拠としていたシリア・イラクからは、いくつかの国を経由しないと入り込めない。また、IS残党がわざわざシナイ半島に来てテロを起こす理由にもとぼしい。

ムスリム同胞団も、スンニ派でイスラム原理主義をかざすが、もともとエジプトに基盤をおく「穏健派」とされていた。シナイ半島から隣接するガザ地区のムスリムを救援するため、地下道を通して食料や医療品の人道支援を続けたといわれ、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人からも厚く信頼されている。

エジプトでは、ジャスミン革命からの連鎖により独裁を続けたムバラク大統領が失脚した。そのあと行われた選挙で、ムスリム同胞団の広い支援を受けたムルシー政権が誕生した。ところが1年後には軍部のクーデターにより早くも倒壊、ムスリム同胞団も非合法化された。

その同胞団は、シナイ半島に逃げ込んだとされている。この度の組織的なテロを起こしたのは誰か、報道からは正体が分からない。エジプトのクーデターを起こしたのは、軍部とともに「世俗派」が加わったともされる。

テロ実行犯は、イスラム過激派ではなく、現在の権力を力で倒そうとする軍内部の反対派がそれを利用して引き起こしているのではないかとにらんでいる。

なぜならば、発生した地域が現軍事政権の強い地盤であることに加え、同国の収入を大きく支えているピラミッドなどへの外国人観光客が治安悪化のため激減、政権基盤を揺るがしかねない実情が生じている。いずれにしても情報が少ないので分からないことだらけだ。

こうして見ると、イスラム教最大勢力のスンニ派を率いる大国、エジプト、サウジともにまとまらない勢力となった。中東のイスラエル対アラブの対立が、イスラムの中のスンニ派対シーア派の衝突になるという見方もあるが、このままロシアのペースが効を奏し、長い紛争疲れからゆるい共存関係を探る時代になるのではないか――

これが塾頭の希望的楽観論である。

 

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2017年11月25日 (土)

ISに勝ったのはロシア

「対話会議」ソチで、露提案 トルコ、イラン了承

(毎日新聞20171124日 東京朝刊)

 【モスクワ杉尾直哉】ロシアのプーチン大統領は22日、露南部ソチにトルコのエルドアン大統領とイランのロウハニ大統領を招いて会談し、シリア情勢について協議した。過激派組織「イスラム国」(IS)が壊滅間近であることを念頭に、政治プロセスへの移行に向けた「国民対話会議」をソチで開催するというロシアの提案を了承した。タス通信などが伝えた。

 

「国民対話会議」は、アサド政権や反体制派の代表を集め、憲法改正や大統領・議会選など今後の正常化に必要な手続きを決める狙い。プーチン大統領は20日以降、アサド大統領との直接会談や、トランプ米大統領やサウジアラビアのサルマン国王ら中東の主要国首脳との電話協議で「国民対話会議」開催について事前に説明していた。米国が敵視する中東の大国イランと、中東でただ一つの北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコから賛意を得たことで、ロシアは自国主導のシリア和平プロセスに弾みを付けたい考えだ。プーチン氏はこの日の会談で、ロシアが2015年9月から実施してきたシリア空爆などの大規模な軍事作戦が「終わろうとしている」と改めて表明。「政治プロセス」に移行する必要性を訴えた。さらに「シリアの運命はシリア人が決める。現政権支持者と反体制派のどちらも含む」と述べ、アサド大統領を今後の政治プロセスの正当な当事者として位置づける考えを示した。

 

上の記事はイラクに触れていない。シリアの反アサド武装グループをアメリカやサウジなどが支援していたが、ロシアはそれにも勝ったということになる。シリアであろうとイラクであろうと空爆だけでは平和を回復できない。

それには、直接軍を送り込み治安回復する必要がある。この主要な役割をイラン革命軍が果たしたものと見られる。イラクは政府軍をアメリカがバックアップしているが、当初ISに立ち向かうだけの威力が感じられなかった。イラクは人口の面でもシーア派が多いのでイラン軍は入りやすいが、反イランのアメリカやサウジにとっては我慢できないところである。

「国民対話会議」には、クルド族が入っていないが、トルコ、イラン域内にも多く存在する民族のため、独立反対の立場からメンバーから除外していると見られる。イラクは取り残されたままになるが、ロシアが会議に成功すれば、イラクでも少なからぬ影響を受けることになるだろう。

こうしてイランは、シーア派勢力としてペルシャ湾から地中海に面するシリア・レバノンをつなぐことになり、イスラエルは海からの圧力に直面する。対抗するスンニ派は、盟主であるサウジとホメイニ革命以来宿敵とするアメリカが頼りだが、21日付の「王子独裁に世界混乱」で書いたように先が見えなくなった。

トランプの無原則なアメリカ・ファーストが、それに輪を掛けているということも考えていい。日本が相撲取りの喧嘩に気を取られているうちに、歴史の車輪が大きく動いていることを、マスコミはもっと指摘すべきだ。

 

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2017年11月23日 (木)

ブルーリボンバッジが泣く

日刊ゲンダイなどによると、北朝鮮拉致被害者家族の横田早紀江さんなどの間で、政府は北朝鮮への圧力強化で、対話の糸口が閉ざされていることに対し、公然と批判の発言がではじめたらしい。

何時かはそうなると思っていた。安倍首相は小泉首相時代から、北朝鮮を信頼できる相手ではないという姿勢で一貫している。外交は信頼できる相手やお友達国との間だけ行うものではない。

窓口を閉ざして圧力を加えるだけで物事が解決すると思っているのだろうか。トランプ大統領と面会させるというような政治利用に、家族を使う程度のことしか考えない。それでも横田さんたちは、政府に信頼するしか方法がないのだ。

横田さん老夫妻と年齢が近い塾頭は、家族の心労が痛いほどわかる。ブルーリボンバッジをつけている政治家は、直ちに目に見える行動を起こさなければならない時期だ。

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2017年11月22日 (水)

昭和の歌

民放の素人参加番組で、昭和の歌特集というのをやっていた。恐らく昭和末期の歌だろう。塾頭の知らない歌ばかりである。昭和は64年間もあり長い。その中で戦前、戦中、戦後、高度成長期と四つの顔を持つ。

その転換点として2・26事件があった昭和11年が考えられる。阿部定事件もこの年である。彼氏を殺害、下腹部を切り取って逃亡するという、前代未聞の猟奇事件が、この年に起きた。何となく昨今と似ている点がある。

昭和10年には、美濃部達吉教授の天皇機関説が右翼の猛攻を受けて政治問題化し、政府は国体明徴声明を発するなど軍部に沿った国論誘導に向かっていた。そして12年、日中戦争が始まった。

一般国民はどれほどの危機感を持っていたかというと、至って「ノンポリ」だったような気がする。過酷だった日露戦争の体験からすでに30余年を経ている。昭和10年と11年の流行歌をそれぞれあげてみよう。

♪あなたと呼べば あなたと答える
  山のこだまの うれしさよ
  あなた なんだい 空は青空
  ふたりは 若い

♪空にゃ今日も アドバルン
  さぞかし会社で今頃は お忙しいと思ったに
  ああ それなのに それなのに ねえ
  怒るのは 怒るのは あったり前でしょう

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政党隠し横行

東京都に隣接する千葉県市川市では、4日後の26日に市長選と市議補欠戦挙が行われる。いずれも1人だけを選ぶ選挙である。衆院選でも選挙区で当選するのは1人だけで、これが、自民党から国民の支持以上の当選者を出してしまうからくりである。

同市の市長立候補者は5人。市議が6人であるが、いずれも無所属とする中、政党推薦を掲げているのは、市長・市議それぞれに自民推薦が1人いるだけである。

あとは公報の経歴などで調べると、市長候補では自民党所属とする人が1人いて推薦候補と相打ちになる。ほかに、かつて民主党議員だった人1人。それ以外は明記がない。それでも5人のうち1人をのぞけば、どうやら名は聞いたことがある。

元民主党議員は、共産党の支援を受けていることがわかっているが、全く表に出さない。民進・立憲も、体制が整わないせいか隠れたまま。同じようなことは自民推薦に公明が付いているかも知れないが、それも表に出てこない。

表に出すと、自民以外では票が増えるより逃げることの方を心配しているように見える。市議選では自民推薦とする人を含め、全員知らない人ばかりだ。似たような公約だけでは選びようがない。

何人かが当選する選挙なら、所属政党を判断基準としたがそれもできない。中央政界の病弊がここにも及んでいる。自民がこけるのを待っているようではだめだ。学生・労働者などを含めた市民運動の復活を夢見るしかない。

 

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2017年11月21日 (火)

王子独裁に世界混乱

北朝鮮とサウジアラビアである。共通点は不思議なほど多い。絶対権力者の子孫が30台で独裁的権力をふるい、世界戦争に発展しかねない状況を作り出している。その危険度はサウジアラビアの方が大きい。

共通するのは、権力を脅かす恐れがある親族の暗殺・逮捕・拷問や不正摘発を理由とする粛正などによる恐怖政治。敵国を作り緊張をぎりぎり高めること。東西対立や大国依存とは無関係のことである。

20日付毎日新聞は伝える。

拘束中の王子らを虐待か 拷問や自殺未遂情報も

 【カイロ篠田航一】現職閣僚や王族ら200人以上が汚職容疑で拘束されたサウジアラビアで、拘束中の王子らが虐待を受けている疑惑が浮上している。米紙ニューヨーク・タイムズや中東のニュースサイトなどが伝えた。虐待が事実とすれば、「次期国王」と目され、政敵の粛清を強行するムハンマド皇太子(32)の手法に批判が高まる可能性がある。

 報道によると、拘束者のうち17人が虐待されて治療を受け、このうち王子は6人。故アブドラ前国王の息子で、一時は次期国王候補に挙げられた王子のムトイブ前国家警備相も拷問を受けたという。また、自殺を図った王子もいる模様だ。

 サウジでは高齢のサルマン国王(81)から実子のムハンマド皇太子への権力移譲が進み、皇太子は国防相、経済開発評議会議長も兼任する。国家警備相だったムトイブ王子の拘束・解任により、国軍と並ぶ軍事組織の国家警備隊を長年率いてきたアブドラ家の「利権」も崩れ、サルマン家への権力集中が進んでいる。

 サウジ司法当局は9日、高官らの数十年にわたる収賄や横領で1000億ドル(約11兆2000億円)が流用されたと発表。拘束者は銀行口座を凍結され、首都リヤドの高級ホテルに監禁されている。政府は拘束者の氏名や容疑の詳細を公表していない。だが、中東メディアによると、世界的大富豪の投資家アルワリード・ビンタラール王子、2001年の米同時多発テロの首謀者である国際テロ組織アルカイダの故ウサマ・ビンラディン容疑者の兄で、サウジ建設大手ビンラディン・グループの実業家バクル・ビンラディン氏も拘束されたという。

 王族が統治するサウジで、王族利権にメスを入れる大規模な捜査は異例。産油国サウジは近年の原油価格低迷で経済的な打撃を受けており、拘束劇の背景には、大富豪の多額の資産を没収する目的があるとの観測も広がっている。

また、北朝鮮については次のようだ。

[中央日報/中央日報日本語版11/21]

 北朝鮮の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)総政治局長と金元弘(キム・ウォンホン)第1副局長が処罰されたという諜報を入手したと、国家情報院が20日明らかにした。

 国家情報院はこの日、国会情報委員会業務報告で「崔竜海(チェ・ヨンヘ)労働党副委員長の主導の下、党組織指導部が総政治局の党に対する態度を問題視して総政治局を制裁した。過去20年間で初めてのこと」と述べ、このように明らかにした。

 20年前の1997年、金正日(キム・ジョンイル)総書記が金日成(キム・イルソン)主席(94年)死去後に権力基盤を抑えるため、徐寛熙(ソ・グァンヒ)労働党農業担当書記を公開銃殺するなど3年間に2万5000人を除去し、総政治局も巻き込まれた。しかしその後、軍総政治局は無風地帯だった。

 さらに黄炳瑞局長は北朝鮮軍内序列1位であり一時は権力序列2位と評価されてきた。金元弘副局長は昨年末、韓国の国家情報院長に該当する国家安全保衛相に任命されたが降格した後、総政治局第1副局長を務めてきた。

北朝鮮の方は、中国からの接触もあって、ICBMなど次の国際的エスカレーションを控えているように見えるがサウジの方は不透明なことが多い。その最大のものは、サウジを宗教上で差配してきたワッハーブ派の動きだ。

スンニ派の盟主に位置づけられていたサウジは、ワッハーブ派のイスラム原理主義に近い厳格な協議が王家の支えとなっていた一方、シーア派に対しても国内の聖地巡礼に便宜をはかるなどイスラム全体への配慮があった。

王制は社会の近代化とは縁のない、イスラムの理想郷のような平和を維持することができた。これは「ムスリムに対する神の恩恵である石油」に支えられていた。多数の王族は、石油利権を配当され、イスラムの教義に従って、それの多くを貧しい人、イスラムを守る戦いに喜捨する義務があった。

アメリカの同時多発テロ、9・11の張本人とされるウサマ・ビンラディンは、湾岸戦争の際、サウジ本土に米兵が駐留し、女性兵士がイスラムの掟を無視した服装で車を町に走らせたことに憤慨して起こしたとされている。

そのサウジか、考えられないような変貌を遂げようとしているのだ。イラクとシリアがISとかクルド族反政府勢力ズタズタになったため、アラブの中ではエジプトとサウジに大国としての影響力があった。

中東紛争の発端は、イスラエルとパレスチナの抗争であり、ユダヤ教とイスラムの対立であった。エジプトはムスリムの代表格でイスラエルと戦ったが勝利できず和解の道を歩んだ。サウジも当然ムスリムの立場に立ち、OPECを中心に原油輸出規制を武器に石油危機でイスラエル支援を牽制した。

その後も、サウジ・王族やカタールなどは、相手を問わず反イスラム勢力への資金供給を続けていた。サウジの場合、ISは、王族や国家を認めない立場なので、空爆など有志連合に加わっていたが、個人的な喜捨が無かったとは言い切れないような気がする。

一方にシーア派のイランがありイラク・シリアのIS追放に力を発揮している。サウジとしては、ペルシア湾を隔てて、異なる教義を信奉する妥協の余地のない宿敵だ。そのシーア派は、イスラエルと国境を接するレバノンで「ヒズボラ」という反・イスラエル武装勢力を支援しており、イスラエルにとって今や最も警戒しなければ相手だ。

アメリカは、イスラエルとユダヤ教徒を通じて親密な関係にある。従ってイランがイスラエルに対抗上核開発をすることに猛反発し、これを阻止することに懸命である。イランは北朝鮮のようにアメリカを攻撃するなどとは言っていない。

石油価格が低迷しているといっても、アメリカは石油メジャーズを通じてサウジに最大の利権基盤があり、手放すことはできないだろう。冒頭のサウジ内部の権力基盤の激動は、複雑な中東情勢にどう影響を与えるか予測もつかない。

北朝鮮もサウジも、粛正の対象になることをおそれたクーデターが何時起きてもいい状態だ。仮に独裁が暴走し始めるとナチスのように世界を戦乱に陥れる危険もある。日本政府にどこまでそれに備える準備があるか、心許ない。

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2017年11月18日 (土)

鉄拳制裁

総選挙後の臨時国会に世間は関心薄。それに引き替え力士のけんかが大ニュースだ。当事者は、横綱日馬富士と貴乃花部屋の東前頭8枚目の貴ノ岩だが、けんか当日の現場目撃証言や被害届の遅滞や診断書をめぐる疑問の続出に、マスコミの関心もモリ・カケ疑惑を押しのける勢い。

謎の張本人は、どうやら貴乃花親方。塾頭はそんな気がしてきた。部屋を持った当時、稽古場で竹刀を手にした親方の鋭い目つきをテレビの映像で見た。その前から兄弟の不仲が噂され、いい印象を持たなかったが、体罰本位の彼を見てすっかり嫌いになった。

その前に「戸塚ヨットスクール事件」というのがあって社会問題になったが、塾頭の体験は、中学生当時の戦中・戦後までさかのぼる。

同じ方向から通学する上級生が、下級生を集め、鉄拳制裁をする。整列させて、「1年生何某。一歩前」「前傾姿勢で歯を食いしばれ」「貴様はどこどこで敬礼をしなかった」。「バン、バン」。

話に聞く軍隊のしきたりとそっくりだ。先生の中にも鉄拳制裁常習者がいて恐れられた。戦後には自然消滅するはずだったが、新手が現れた。予科練などからの軍隊復学組である。

彼らは、すでに練習する飛行機もなかったはずだが、生きて復学することなど夢にも思わなかった。死を背負って帰ってきたのだ。そして彼らが鉄拳制裁の表にたつようになった。

搭乗訓練はできなかったが、こういったことならプロ仕込みだ。「にらまれない」よう、下級生は逃げて回った。そして、彼らを「ヨガラ」と呼んだ。「予科練ガエリ」と「ガラの悪い」の両方の意味が込められていたのだろう。

貴乃花親方は、自らの権限?を他人(日馬富士)に行使されて怒っているのだ

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2017年11月17日 (金)

今シーズン最低

Dscf3188 今シーズン最低気温、今朝の東京は5.5度。

桜の名所は多いものの、紅葉の名所が数少ないこのあたりです。昭和初頭の頃まではよく聞きましたが、やはり大気汚染が関係しているのかな?

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2017年11月16日 (木)

「日米同盟」というお化け

14日付で「押しつけ憲法&押しつけ兵器」という記事を書いた。GHQの押しつけだから自前の憲法に変えるという執念を持つ安倍首相が、「北朝鮮が脅威ならアメリカかの兵器をもっと買え」とトランプ大統領に押しつけられたことには、まんざらでもない顔、と皮肉った。

15日の毎日夕刊に「熱血!与良政談」という与良正男専門編集委員のコラムがある。この中で「防衛装備品」の購入は、「実際には武器、兵器なのに装備品と言い換えるのはごまかし」という意見を紹介している。

トランプが英語でなんと言ったか知らないが、塾頭はそんなことを意識せずに最初から「兵器」と書いた。もう一つの言い換えの例として「日米同盟」を紹介している。かつて、同盟といえば、通常、日独伊三国同盟のように軍事同盟を指していた。

だから、安保反対闘争で攻撃する方が「日米同盟」といったのに対し、政府側は「同盟」ではなく経済条項も含む平和条約だと抗弁したものだ。それがいつの間にか政府側が好んで日米同盟というようになり、逆転してしまった。つまり軍事同盟的性格を強調し始めたということだ。

そのあたりを、同じコラムで与良氏はくわしく解説している。以下引用させていただく。

今、当たり前のように使われている言葉に「日米同盟」がある。

だが、これが始めて公式文書で用いられたのは1981年、当時の鈴木善幸首相とレーガン米大統領との会談後、発表された共同声明だった。野党は「軍事同盟の意味ではないか」「集団的自衛権の行使につながる」等々と反発して国会は紛糾した。

やっと「同盟」の言葉を使うチャンスが来たと周到に準備していた外務省は軍事面も含まれると認めたが、鈴木首相はこれを否定したことから、余計話はこじれた。

「何て無意味な論戦をしていたものか」と思う人も多いだろうが、こうした論議の歴史を重ねて今の「日米同盟」という言葉があることは知っておく必要がある。

いつしか「装備品」が堂々と「武器」に変わる。(安倍首相が口を滑らした・塾頭注)「わが軍」になる。それを誰も疑問に感じない。そんな時が来るかも知れない。忘れてはいけないのはそこだ。

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2017年11月15日 (水)

小池劇場は悲劇の幕引

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあると信じた前原誠二前・民進党代表だが、小池都知事の「排除します」発言で仲間の多くを失い、希望の党の谷底でようやく一議員として拾われた。

 

 

都知事選で小池側につき、自民を捨てた若狭勝前議員は、国政への展開を目論んだ希望の星だと思ったら、今度の選挙で知事からリセットされ、希望の党・立候補は想定外の下位落選の憂き目。

 

希望の党は衆院の半数を超える候補者を立てたが、希望から排除された立憲民主党を下回る大敗北で終わった。小池代表は、いま頃になって「国政から身を引き都政に専念する」と宣言、小池の人気を当てにしていた同党議員も分裂の危機にある。

 

小池国政進出の野望は潰え去り、死屍累々の光景が広がっている。都会議員からはすでに複数の離党者を出し、直近の葛飾区議戦では5人中4人が落選した。もはや、小池劇場が再開することはないだろう。

 

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2017年11月14日 (火)

押しつけ憲法&押しつけ兵器

安倍流の改憲意欲は、現憲法がGHQから押しつけられたものという一点からきている。敗戦後憲法改正が急がれていた。GHQは起案を近衛文麿に一任する。しかしその後、近衛が戦犯指名され自殺したこともあって、あとを特務大臣の松本烝治が受けた。

その試案を、終戦の年明け早々毎日新聞がスクープした。天皇の大権が明治憲法そのもののような案だったため、占領政策に支障をきたし、国民も到底受け入れないだろう見たGHQが案を示してきたことは事実だ。

それを日本の法制に合うよう、法制局長官が手を入れて翻訳調から補正した。さらに日本の政治家・学者・民間有志の意見を採用し国会に提出されたものだ。当時、NHKラジオが塾頭の住む田舎の町までやってきて、天皇制の是非など街頭録音を収録していたことを思い出す。

占領下とはいえ、東京裁判を含めアメリカ流民主主義による手続きで行われたことを安倍さんたちは知らない。戦争指導者階層をのぞく一般国民は、戦時下の圧政よりどんなにいいかを体感していた。

その安倍さんが、北朝鮮の脅威を盛んにトランプ大統領に吹聴したため、それなら「アメリカ製兵器を買え」と押しつけられたことには抗議ができなかった。本来、武器は可能な限り輸入に頼ってはいけない。

新鋭兵器なら共同開発である。武器輸入は輸出国の都合でいつでもストップできるし、不具合な点が発見されても改良型供給をしないという意地悪もできる。つまり、国防の選択肢まで握られてしまうかも知れないのだ。

憲法と兵器のダブルスタンダード。安倍さんなら平気らしい。

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2017年11月13日 (月)

怖い弁護士

タクシーの運転席を何回も蹴って破損、暴言、料金を払わずに乗り逃げ。テレビで何回も放映された監視カメラの映像から、札幌市在住の弁護士の仕業とわかった。

こんな怖い事件は、弁護士でなく暴力団に相談しよう。近くに弁護士事務所があれば、住民は立ち退きを要求をしよう。

有名大学卒で司法試験に合格し、役人から代議士になった泣きべそ落選女性議員が後部座席にいる場合も、運転手は気をつけよう。

【追補】

 金正恩くんとはそのうち仲良くなれるかも知れない。そう努力しょう――
                         トランプつぶやき

そーら、言わんこっちゃない。――安倍総理大臣どの

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2017年11月12日 (日)

11月のひかり

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2017年11月11日 (土)

今日は何の日

11月11日。中国では独身者の日で、独身者への街中割引セールに沸いているそうだ。1111。2や3でなく1並びで単身者の日というわけか。テレビ取材に姑娘、「シアワセ」――。

日本は何の日?(高齢者)介護の日だとさ。まさか1並びは「単身者世帯」介護の意ではないだろうな。安売りもなく、この先年金目減りの厚生行政。

高齢者独言、「不幸」。

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2017年11月10日 (金)

トランプ、習の手玉に

中国・習近平総書記がトランプ米大統領を皇帝扱いで歓待したというのは、シンゾーのそれとは違う。共産党大会で自らの思想をかかげ、不動の地位を固めた習と、支持率30%台で、未だに国務省のアジア担当官や韓国大使を任命できていないでいるトランプとの差だ。

日本のマスコミでは、北朝鮮に対する「圧力強化では合意したが危機管理については話し合わなかった」とか「貿易不均衡など目先の合意はあったが、長期的な関係構築に進展はなかった」などと評価されている。

習の驚くほどの過剰サービスは、両者の差に対する余裕のゼスチャーだ。問題解決にあたって、細部に渡る周到な計画や準備が必要で、数十年先のことまで見越さなければならないようなことを、うかうかトランプと約束できない。

たとえば、北朝鮮では国境を接する中国にとって、危機管理は差し迫った脅威だ。しかしその具体策となると、北の治安維持をどう確保するか、暴走阻止にどんな手があるか。金正恩体制保持だけでいいのか、といった問題がある。

核戦力をどう処理するのか、南北のバランスをどう取るのか、さらに韓国からの米軍撤退、将来の南北統一への展望に至るまで、米中合意が見通せる段階にはない。もちろん韓国の頭越しでは、韓国が承知しないだろう。

そんな難問を地位不安定のトランプと話しても無駄だ、というのが習の腹にあるのではないか。国内、そして国際世論の支持に自信を持つ習近平総書記の手玉に乗っている、これがトランプ大統領アジア歴訪の成果ということになりそうだ。

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2017年11月 9日 (木)

芥川龍之介&スマホ

芥川龍之介といえば、我々にとっても伝説中の大文豪だが、彼は12歳の頃から図書館で馬琴・三馬・一九などの江戸文学、紅葉や鏡花や蘆花などの明治文学にふれ、18歳のときには、一葉、露伴、緑雨、樗牛、桂月などに接したという。

また、同じ頃、独歩、漱石、鴎外などを愛読し、外国文学では英訳本でイプセン、フランス、メリメ、ドーデ、ツルゲネーフなども読んだ。ほかにゴーチェ、バルザック、ゴンクール兄弟、フローベル、モーパッサン、スタンダール、ベルレース、ボージレール、ハウプトマン、ストリンドベリ。

ロシア文学ではトルストイ、ドストエフスキー、英米作家にはショー、ワイルド、ポー。また思想家としてはショーペンハウアー、ニーチェ、オイケンなど。以上の書名は『人物日本の歴史』読売新聞社があげているものだ。

小さいときから漢文が得意とされており、四書五経の類だけでなく、和漢の小説にも親しんでいた。これが後の「羅生門」などの作品に生かされている。

なんとすさまじい読書欲、この旺盛さはどこからきているのだろう。若い人の活字離れが言われる今では想像できない。そのどん欲さが後年の自殺につながったのだろうか。

社会主義が勢いを増し、ロシア革命の頃だ。思想と文学、好奇心・あこがれ、或いは美への探求、または知識欲……。想像の範囲を超える。

彼のツールはもっぱら図書館だ。本屋から「蔵書を減らせ」などと言われている今の時代、若者の情報・知識の源泉は、総スマホ時代に変わった。SNSからは、第二の芥川龍之介は生まれそうにもない。(嘆)

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2017年11月 8日 (水)

「軍法会議」を知ろう

  アメリカ大統領トランプは今日中国に渡った。首脳会談で何が話されるか注目される。しかし、その内容の肝心な部分は公表されないだろう。その留守中、アメリカ国内の不安定さは依然として続いている。

アメリカ南部テキサス州で5日、男が教会で銃を乱射し、1歳半の幼児を含む26人が死亡した事件で、容疑者の男はアメリカ空軍に在籍していた時に妻子への暴行容疑で除隊処分を受けましたが、空軍は犯罪情報を司法当局に伝達していなかったことがわかりました。伝達されていた場合、男は銃を購入することができず、空軍は経緯について調査を始める意向を示しました。(中略)

ケリー容疑者はアメリカ空軍に在籍していた2012年に妻子に暴力を振るったとして軍法会議で有罪となり除隊処分を受けましたが、その後の調べで、空軍はケリー容疑者の犯罪情報を司法当局に伝達していなかったことがわかりました。(NHK11/7)

この中に「軍法会議」という言葉が出てくる。日本にはない制度で知識のない人もすくなくないと思う。さきの総選挙が改憲も争点の一つと言われながら、具体的な案文がないまま自民党を圧勝させてしまった。

安倍首相は憲法9条をそのままにして、自衛隊を書き込む加憲論を突然持ち出した。集団的自衛権を拡大解釈し、ほとんどの憲法学者が違憲と見なす安保法案を強行可決した安倍内閣が、自衛隊を9条に明記することで合法を装うとするずるい手だ。

その前からあった自民党の改憲案は、戦争放棄はするが自衛のための「防衛軍」を持つと明記している。「自衛隊」と「防衛軍」、事実上たいした違いでもないと見えるだろう。装備の面や、最近盛んに行われる米国軍などとの共同訓練や装備の点で、外国からもそう見られても仕方ない。

だがはっきり違う点もある。「軍」と「隊」の違い、英語にすれば同じという人もいるが、消防隊を軍隊という人はいない。早く言えば人殺しを職業とするのが軍隊だ。そのため一般国民と違う法制度を設けた方がいい、その代表例が前述した「軍法会議」である。

軍法会議は裁判であるが、軍内部専用で普通の裁判所とは違う。裁判官も軍人で法律専門家ではなく、判決も一般から見るとおかしなことが多い。旧日本軍人も、一般社会を「娑婆」といつて別世界扱いしてきた。【参考】「ゴーストップ事件

軍法会議の問題点について、ウイキペディア(11/8)にはこう書いてある。

軍という狭い組織の中で行われるため、どうしても「身内同士かばい合い」や「組織防衛」が起こりがちで、外部からの不信を招きやすい(ソンミ村虐殺事件、えひめ丸事故)。果ては占領中の沖縄で1945年、軍法会議の有罪評決をワシントンの本省が破棄し無罪とした事例があった事も確認された。

下士官兵などは厳格に裁かれることが多い一方、将校、特に高級将校に対する判決は寛大であることが多く、軍内部で上層部への反感が生まれること多い(富永恭次など)。

政治的な理由などにより、法や量刑相場にそぐわない恣意的な判決が出ることがある(チャールズ・ジェンキンス)。このような問題点があるため、現在のドイツ連邦共和国のように「軍刑法」のみ定め、「軍法会議」自体は廃止している国もある。

たとえば、戦闘中に怖いからといって逃げ出す兵は、撃ち殺してもいいということがある。仲間を殺しても無罪になるのだ。敵に加わるかも知れないという理由である。民間人でも、敵陣にいれば、便衣兵かも知れない。殺さなければ逆に殺されると判断すれば、殺しても責められることはない。

この、軍独特の制度を手放すことは、志気に関わるといって死守する。そして、軍の横暴さを助長させるもとにもなる。

沖縄の米軍基地では、基地外で米兵が犯罪を起こしても基地に逃げ込めば日本の警察に捜査権が及ばない、というようなことが度々あった。今でも米軍ヘリコプターが民間地に不時着し、火災を起こしても日本側は原因究明することができない。取り調べることも罰することもできないのだ。

これは、安保条約地位協定がそうさせているのだが、一般人にはない権限が「軍」なるが故に付与されているのである。自衛隊ではそうはいかない。一般国民と同じ目線で仕事をしなければならないのだ。国民は、この点をしっかり認識しておかなければならない。

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2017年11月 7日 (火)

どっちもどっち(前回の続き)

117 AFP】来日中のドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が東京・元赤坂の迎賓館でコイに餌やりをした際、木箱を逆さまにして一度に大量の餌をやっている写真が、ソーシャルメディア上で怒りの声を呼んでいる。

 トランプ大統領と安倍晋三(Shinzo Abe)首相は、付添人が手をたたいて集めた池のコイに向かって、最初は木箱の餌を上品に少しずつスプーンですくって与えていた。

  トランプ氏はその後、この方法に我慢できなくなったかのように、木箱をひっくり返して全ての餌を池に落とした。

  ツイッター(Twitter)上の魚愛好家はこれに怒りをあらわにし、魚は一度に大量の餌を食べられないとの指摘も多く見られた。

  だが後に、これは安倍首相のやり方を真似たものだったことが判明。安倍氏はその前、木箱に残った餌を逆さにして池に落としていた。

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2017年11月 6日 (月)

トランプ・安倍、どっちが賢い

アメリカの大統領トランプ氏が初来日、横田基地から霞ヶ関カントリーにヘリで直行。「国難」をよそに、まずお遊びだ。安倍首相が一番アピールしたいのは、北朝鮮への圧力強化だろうが、訪問5か国のうち、話し合い抜きで圧力強化を言うのは、多分日本だけになりそう。

アメリカの新聞に載った政治漫画だろう。トランプが車の後部座席から身を乗り出して、必死で運転する安倍首相の耳もとにハンディ・スピーカーを向け、指示する絵柄をテレビが映し出した。

ASEANでは、加盟各国の話に耳を貸さず、アメリカの言いなり、または子分のような動きしかしない日本に批判があった。どうやら、今はこれが国際的評価として定着したようだ。

ただ、ここで不思議なのは、韓国の首都ソウルは38度線から80キロほどの至近距離にある。原爆を使わなくても北がいうように「火の海」にすることは容易だろう。ところが日本のように大騒ぎしている様子は見えない。

文大統領は、北との緊張緩和を唱えて選挙に勝った。国連で決めた制裁決議には賛成するが、北の核開発が韓国攻撃のためとは思っていない。同じ民族に核兵器を使用し、未来永劫に恨みを残すようなことはしないはずだ、という一種の安心感と、口には出せないが、朝鮮民族として核保有国となるのは悪くない、という潜在意識もあるのではないか。

文政権は、日米韓の軍事協力を否定はしないが、安倍首相と違って明らかに乗り気ではない。一時、米国と共同でTHAAD(週末高々度ミサイル防衛システム)を配備することに、中国が防衛を脅かすという理由で韓国に猛反発し、その影響で中国人の観光客が激減するといった現象もあった。

それが、アジア太平洋経済協力会議(APEC)が10日、11日にベトナムで開かれるのを機会に韓・中首脳会談をすることになり、両国間の関係改善合意を目指すことになった。その協議の内容が中・韓両政府の発表文で明らかなっている(11/1毎日新聞)。

中国側が自ら示した立場、米国のミサイル防衛(MD)体系構築②THAADの追加配備日米韓軍事協力についての懸念に対し、10月30日の韓国国会で康外相が次のように明言した。

は米国のMD体系に参加しない。は追加配備の計画がない。については「北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する抑止力強化の範囲で進め、軍事同盟には発展させない」というもので、集団的自衛権に前のめりの安倍首相の考えとは相当違う。

ここまで書いたところへ、別のニュースも入ってきた。

「日本は同盟国ではない」韓国大統領

【ソウル共同】韓国の連合ニュースは5日、9月の米ニューヨークでの日米首脳会談の際、韓国の文在寅大統領が「米国と韓国は(軍事)同盟を結んでいるが、日本は同盟相手国ではない」と発言したと報じた。韓国大統領高官の話として伝えた。トランプ大統領は「理解する」と応じたという。(以下略「毎日新聞」11/6)

なぜ、トランプが東京到着当日になってこの話が突然リークされたか。その意義まで新聞は語っていない。またこれからも解析しない可能性がある。韓国が「反日だから」という単眼視が日本では有力だろう。

文大統領がそうである理由も必然性もない。韓国・北朝鮮・中国の内情や意図に対する安倍内閣のあまりにも無頓着で、米国の意を迎えることしか考えていないことに異議をさしておきたいという一心だろう。

このあと、関係各国を歴訪するトランプ大統領はどのようなレスポンスを見せるだろうか。トランプ大統領は、今米国内で騒ぎが大きくなっているロシアとの内通問題や、国内テロ事件などで、アジア問題はそっちのけという状態のようだ。

北とアメリカの確執より、北と中国の間の方が緊迫しているということは先月「ここまで来た北朝鮮問題」で書いたが、先回の水爆地下実験で起きた山崩れは、放射性物質漏れの恐れがある、と中国の研究者が警告している。

北と中国の関係も、日本では深層を突く報道がすくなく、政治家も単細胞思考から抜けきれない。今回のトランプのアジア歴訪結果は、大きな関心をもって見守るべきだろう。

北朝鮮はすでに核・ミサイルの開発は完成に近いと考えている。トランプとの幼稚さを競う言葉のゲームをいつ収束し、どういう形でより優位な交渉に持っていくかをさぐっている時期だ。

依然として、冷戦思考しか浮かばない安倍首相基調の周回遅れ外交は、世界の目から見てどう写るのだろうか。

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2017年11月 3日 (金)

明治節&文化の日

文化の日に当たり、毎日新聞は「文化の日の改称運動 復古主義と重なる危うさ」と題した社説を掲げている。

昔の国民の休日は、四方拝、紀元節、天長節、明治節の四大節だけであった。休日といっても、学校では、四方拝の元日以外は朝に式典だけあって、それに出なくてはならなかった。だけど、日曜以外の休みはうれしかった。かつては紅白のまんじゅうが配られたというが、それは知らない。

今日が明治天皇誕生日に当たる明治節で、今上(昭和)天皇誕生日は4月29日の天長節だった。式典は、その意義をたたえる唱歌を歌って終わるので、子供の頃から「今日は何の日?」という“ふざけた”ことにはならなかった。

今、国民の休日は16ある。それぞれもっともらしい理屈はついているが、特別その日でなくてはならないということはない。連休を多くしたいから土日の前後に決めたというのもいくつかある。

それ以外に決まっている日が土日に当たれば、振替休日があり、今年は12もあることを知らなかった。これでは「今日は何の日?」になるのが当たり前。そこで毎日新聞の主張を見てみよう。

(前略)数年前から11月3日を「明治の日」に改称させるための政治活動が目立ち始めた。2011年に結成された明治の日推進協議会には、右派団体「日本会議」系の人びとが数多く名を連ねている。 

 見過ごせないのは、安倍晋三首相と思想・信条が近い政治家が積極的に運動を後押ししていることだ。 

 稲田朋美元防衛相は先週末に開かれた関連のシンポジウムに対し「私も明治の日創設の法律化に向け、同志の皆様と手を携えて全力を尽くします」とのメッセージを寄せた。 

 古屋圭司衆院議運委員長(自民)も主要な応援メンバーだ。昨年は代表して明治の日実現を求める60万筆余りの署名簿を受け取っている。 

 なぜ彼らはこれほどまで明治の日の制定にこだわるのか。 

 推進協議会は、祝日法が文化の日の意義として示している「自由・平和・文化」について「特定の一日とあえて結びつける必要があるのか」と疑問を投げかけている。 

 ただ、それ以上に活動を支えるのは現行憲法に対する拒絶感だ。すなわち憲法は占領軍による「押しつけ」だから、憲法と密接な文化の日も葬り去りたいのではないか。 

 憲法改正による戦後レジームからの脱却を訴えてきた安倍首相らの考え方と根っこは同じであろう。明治時代への漠としたノスタルジーや戦前回帰の感覚がそこに連なる。 

 衆院選で勝利した首相の最終目標が改憲であることは間違いない。しかも、来年は明治維新から150年の節目であるため、首相は「明治の精神」に学ぶ機運と改憲を絡めて盛り上げようとする可能性がある。(後略) 

言わんとしていることは、安倍嫌いの塾頭と同じだが、結論は違う。まず、名称は昔の明治節、紀元節、天長節(=昭和節)のままでいい。それぞれの時代について、「まっとうな」歴史認識を新たする日にすればいい。むしろ、そうすべきだ。

まず、紀元節だ。国家のない時代、国境もない時代について「建国記念の日」はナンセンス。日本語の「くに」の概念であれば、ローカルな話で、まだ「紀元節」の方があたっている。

そんな議論をこの日に大いに戦わすべきだ。それが、偏執右翼のまちがいを正すことになり、歴史研究を正道に乗せることになる。明治節も同じだ。江戸末期、尊王攘夷論が起きてから維新への過程、幕府賊軍説や薩長土肥の志士伝説、さらに四期ほどに分けられる明治時代の分析、それが大正・昭和にどう転化してきたかを、賛成・反対両派が大いに議論すればいい。

明治天皇への研究もタブー視や神格視せず、こういった機会に議論することが大切ではないか。「昭和節」についても同様だ。今の祝祭日制度は、全くその意義・根拠を失った。本旨から乖離した虚偽の制度といってもいい。

そういった「戦後レジュームの脱却」なら、昭和節を含め歴史認識を深化させることになるので賛成だ。

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2017年11月 2日 (木)

公明・共産はどこへ

投票日から10日が過ぎ、昨日から国会が始まったのに、希望の怪と無所属の怪は、人事や政策もあいまいのまま決められないでいる。いずれ他党に事実上吸収されるしかないだろう。

その混迷ぶりをマスコミは相変わらず追い続けているが、注目の外に置かれているのが公明党と共産党である。他党と違って、歴史と固い団結が売り物で、数がすくなくとも、それぞれ与党、野党の立場から政治を動かしてきた。

公明党は、功罪は別として安倍自民の独走をある程度セイブしてきたことが見逃せない。この先、自民党憲法改正案が意のままに進まない可能性もある。まさか自民党単独、あるいはまとまりのない「希望」などを取り込んで、というのはあり得ないだろう。

そうすると、公明党がどう動くか注目されなければならないが、報道面ではあまり出てこない。今回の選挙では9小選挙のうち神奈川6区を落とし、比例区では26議席から21議席となって、圧勝の自民を足しても3分の2の310ぎりぎりになった。3人欠席すれば国民投票提議が不可能になる。

この公明党敗因は、どこかの報道で、公明支持者の投票率激減にあると観測していた。出口調査か投票後の世論調査によるものだろうが、「公明支持者の高齢化」を一因にあげている。

これは、にわかに信じられない。当日台風の影響で天候の悪いことはわかっていたが、期日前投票が充実しているので、創価学会発展の担い手だった高齢者がそのため棄権をするとも思えない。

そうすると、抗議の意味で白票を投じたか、故意に棄権したということになる。安倍改憲に対する学会員の抵抗や、安保法制成立に対する批判が表面化すれば、今後の公明党の方針策定に大きく影響することになるだろう。

共産党も比例で20議席からほぼ半減の11議席に後退した。この理由もわからない。立憲民主党の候補のいる小選挙区で候補をおろし協力したものの、並立した選挙区もあって徹底したものではなかった。

もしかすると、これまで、与党に対抗する受け皿が見あたらず、やむを得ず?共産党に投じていた票が、立憲民主に流れたということか。自民・公明のように「比例は共産党へ」というような明確な協力関係はなかった。

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2017年11月 1日 (水)

慰安婦問題、黙殺が一番

「黙殺」に「殺」が入るので穏やかでない感じだが、世宗大・朴裕河教授の書「帝国の慰安婦」を巡り、名誉毀損罪に問われた裁判で、ソウル高裁は同氏を無罪とした1審判決を破棄して、罰金刑を言い渡した。これについて、読売・朝日の両紙が今日付の社説に取り上げている。

塾頭は、これまで韓国での取り上げ方が不当で「間違っている」と固く信じていた。それは戦時中に接していた韓国人の友達や、差別を禁じた先生、また戦後は韓国から引き揚げてきた官吏の息子の話、それから慰安所や慰安婦に関連した小説・劇、などから受けた印象をもとにしている。

したがって、元・慰安婦の物理的強制連行は、法規制上もあり得ないと思うが、本人がだまされたかどうか、そこまではわからない。また、性奴隷云々も、最前線の無秩序の中では「ない」とは断言できない。

両紙の論調は、高裁判決を批判する点では一致するが微妙に対立する点もある。その中で読売の肩をもちたい部分もある。朝日新聞の「日本政府はつらい体験をした女性たちの存在情報を不断に公開」、というのは何を明らかにせよ、というのだろうか。

具体的に何を指し、どの女性をいうのかわからないが、そんな情報はマスコミが扱う分野である。韓国も実体が徐々にあきらかになる過程で、騒げば騒ぐほど「恥」を上塗りすることになる。政府は基本的姿勢を示しておけば、少女像などにいちいち反応する必要はなく、「黙殺」するのが一番だ。

一部引用

朝日新聞

社会に浸透した「記憶」であっても、学問上の「正しさ」とは必ずしも一致しない。あえて事実の多様さに光を当てることで、植民地支配のゆがみを追及しようとしたのである。

朝鮮半島では暴力的な連行は一般的ではなかったという見方は、最近の韓国側の研究成果にも出ている。そうした事実にも考慮を加えず、虚偽と断じた司法判断は理解に苦しむ。

(中略)

日韓の近年の歩みを振り返れば、歴史問題の政治利用は厳禁だ。和解のための交流と理解の深化をすすめ、自由な研究や調査活動による史実の探求を促すことが大切である。

その意味で日本政府は、旧軍の関与の下で、つらい体験を強いられた女性たちの存在を隠してはならず、情報を不断に公開していく必要がある。

読売新聞

検察側の主張に沿って、元慰安婦が「性奴隷として動員された」とも認定した。1996年に国連人権委員会で採択され、「性奴隷」の表現を使ったクマラスワミ報告が根拠とされた。

報告には、客観性に乏しい記述が多く、吉田清治氏のでっち上げの証言も引用されている。問題のある資料に基づいて、裁判所が判断を出すのは不適切だろう。

93年の河野官房長官談話が判決の論拠に使われていることも看過できない。

 河野談話は、慰安婦の募集や移送などが「総じて本人たちの意思に反して行われた」としたが、安倍政権による検証で、日韓両政府の政治的妥協の産物だったことが明らかにされている。

 

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