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2017年8月10日 (木)

トランプと金正恩

今朝のソウル発ロイター電によると、北朝鮮は、中距離弾道ミサイル4発を米領グアムに向けて発射する計画を8月中旬までにまとめ、金正恩朝鮮労働党委員長に提示する方針を、国営の朝鮮中央通信(KCNA)が伝えたという。

さらに、朝鮮人民軍の金絡謙戦略軍司令官は、朝鮮人民軍が発射する『火星12』は日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過するという、コースにまで言及した。

その通り実行に移すとすると、これまでとは違う流れだ。ICBM(大陸間弾道ミサイル)ではなく中距離弾道弾である。この目的は何だろう。もちろんこれまで通り、日米向け恫喝と国連制裁決議への反発には違いない。

ICBMは「実験」であり、このたびの中距離弾道弾は「演習」と見ることもできる。しかし、核実験、ICBM発射のレッドラインは超えていないという解釈もできる。一方、これまでと違う点として、遠距離飛翔は衛星ではなく、攻撃目標を特定した4発同時発射の軍事目的であること。さらに、そのコースまであらかじめ予告をすることも異例と言えよう。

日米はこれに対して何もしないのか、または演習とはいえ、日本の領土を横断しアメリカ領土の近くに着弾するとなれば、自衛措置としてミサイル防衛システムで撃破することもできそうだが、北朝鮮には、その偵察をするという目的があるのかも知れない。

まず、迎撃するかしないか。迎撃するとすればSM3をどこから発射するか、地上配備かイージス艦か、または日米同盟や集団的自衛権を機能させるかどうか。4発全部を捕らえることできるかどうかなどであろう。

 全部打ち落とされたにしても、北朝鮮にとってその反応と性能を見ることができたということで、マイナスにはならない。その次の出方はすでに用意されているはずだ。アメリカが先制攻撃をしてこないということも計算済みだろう。

トランプと金正恩のどっちが危険かといえば、金正恩の方だ。トランプ人気が残っていて、対北朝鮮への軍事行動支持が50%を超えていたにしても、彼自身の支持率は30%台にすぎず、安保関係は現役経験のある実務型が押さえているため、暴発することはできない。

 これに反して、金正恩は実の兄の暗殺をいとわぬ冷酷さがある一方、大酒を飲むなど周囲の牽制が利かず健康管理にも疑問があるという。内部崩壊をもっともおそれているのは中国と韓国である。そのバランスのうえで安逸をむさぶるのが彼の流儀かも知れない。不確定要素は金正恩の方に多いのはたしかだ。

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コメント

北朝鮮でクーデターが起こらない仕組みこそが、金一族の国家運営の基本なんでしょうし、それが民主化のネックなんでしょうね。

投稿: 玉井人ひろた | 2017年8月10日 (木) 19時25分

昔から「事大主義」(大=強に事=つかえる)ことをもって最善とする伝統があり、それが金日成の「主体性理論」に妙な形でドッキングしたんでしょうね。

投稿: ましま | 2017年8月10日 (木) 19時56分

自己中心的で傲慢高圧的な政治という意味ではドナルドランプも金正恩も似ているけれど、無意味で高慢なプライドで戦争を起こすことだけはやめてほしいです。

グアムに住んでいる罪のない住民に対する迷惑を考えたことはないのでしょうか。

もしかしたらドナルドランプはグアムはアメリカとは思っていないのかもしれない。西海岸のカリフォルニア近辺にミサイルの照準を合わせられたら、平和的解決を探ってくれるかもしれないけれど。

投稿: 香菜子傲慢政治反対主義者 | 2017年8月14日 (月) 19時28分

<自己中心的で傲慢高圧的な政治
欧州でも中国でも王制盛んに頃はよくありました。しかし議会制民主主義時代にはなくなったはずが、今の時代になってまた流行する。
暴走車は、早く止めた方が勝ちです。

投稿: ましま | 2017年8月14日 (月) 20時29分

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