« 安倍内閣凋落のはじまり② | トップページ | 「お尻」 »

2017年6月20日 (火)

「テロ防止法」的はずれ

ISがすごいな、と思ったのはイスラム全盛時代に存在した、絶対神権の守護者「カリフ」を復活させ、国境を無視してスンニ派全体のまとまりを目指したことである。ムハンマドは、ユダヤ教、キリスト教など一神教の中でもっともあとに現れ、しかも最終の予言者・伝道者であるとしている。

神の教えに背くものとは戦い(ジハード)、同信者は助け合うことで平和と救いに導かれる。神の権威と併存する権威の王制や国家は認めないということになり、サウジもエジプトも同じスンニ派ではあるが、ISとは敵対関係にある。

門外漢の説明はいい加減にしておくが、5月28日にシリアのラッカ近郊でIS幹部の会合が行われたのを狙ってロシア軍が空爆を行い、その結果カリフであるバグダーディーが死亡した可能性があるというニュースが流れた。

これまで同様な噂が流れたことがあり、真偽の断定はできない。ラッカは目下有志国やイラク・シリア正規軍の猛攻にさらされておりISの全面的敗走寸前にあるという。仮に次期カリフがあらかじめ決めてあったとしても、簡単に取って代わるということは困難だろう。

こうみると、ISが組織的に世界に向けてテロ攻撃を仕掛けたり、意を受けたもの、すなわち兵士を各地に派遣・指導する余裕はなくなったと見てよさそうだ。ところが昨日今日、世界をまたにかけたテロのニュースが追いかけきれないほど続く。

【カイロ篠田航一】エジプトの首都カイロで18日未明、道路脇の爆弾で警察官1人が死亡した事件で新興のイスラム武装組織「ハスム運動」を名乗るグループが同日、犯行声明を出した。シシ政権下でテロ組織に指定されているイスラム組織「ムスリム同胞団」の関連組織とみられている。

【ヨハネスブルク小泉大士】ナイジェリア北東部ボルノ州の村で18日夜、女5人による自爆攻撃があり、12人が死亡、11人が負傷した。ロイター通信が19日、地元警察の話として伝えた。イスラム過激派ボコ・ハラムによるテロとみられる。(以上毎日新聞)

イギリスの首都ロンドンのイスラム教の礼拝施設、(日本時間19日午前8時半ごろ)モスクの近くで車両が歩行者に突っ込み、1人が死亡、10人がけがをし、警察はテロ事件の可能性もあると見て捜査していて、地元のメディアは、イスラム教徒に対する敵意をもった人物による犯行だったという見方を伝えています。(NHK)

[パリ 19日 ロイター] - パリ中心部のシャンゼリゼ通りで19日、爆発物を搭載した乗用車が警察の車両に突っ込む事件が発生した。乗用車を運転していた男は死亡したが、他のけが人は出ていない。

どうやら、いずれもそれぞれのお国の事情、まはは同一地域内部の問題として起きており、国際的情報の共有はあまり意味をなさない。共謀罪法が、「それがないとオリンピックが開けない」などの口実で「テロ防止法」などと名を変えてみたりしたが、テロに悩んでいる国からすれば、「もっとまじめにやれ」と怒られるだろう。

|

« 安倍内閣凋落のはじまり② | トップページ | 「お尻」 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

要するに“看板”が欲しいのでしょう。

震災の時もそうでしたし、殺人事件が起きた時もそうですが、「OOO対策本部」という看板をいの一番に制作するのが日本独特のやりかたです。

日本ではこれによって組織の統率を測る‘国民性’が有ります。
海外から見たら滑稽でしょうね

テロ等準備罪法もほとんど中身は決められなかった、つまり「看板」(先導旗)であることがそれを表していると思います。

その看板で、戦前のように一般人が拘束されるようにならないことを祈るだけです

投稿: 玉井人ひろた | 2017年6月21日 (水) 08時25分

治安維持法制定の時も今と同じような議論が起き、当局側は「一般人は対象にしない」というような弁明までそっくりだったようです。
それが「天皇の暗殺計画をするような……」でピタッと収まってしまった。実際に乱用されてのは戦中が多かったようですがね。

投稿: ましま | 2017年6月22日 (木) 08時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/70915604

この記事へのトラックバック一覧です: 「テロ防止法」的はずれ:

« 安倍内閣凋落のはじまり② | トップページ | 「お尻」 »