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2017年5月11日 (木)

「おばけ」改憲

安倍首相のこのところの政治行動は、支離滅裂、常識や秩序の無視、独断専行が目に余るようになった。改憲問題の国会答弁で、総理の立場、総裁の立場と使い分けてこれまで公表も検討もされてこなかった「9条おばけ改憲」論を展開、党内からも批判がまきおこっている。

これまでなら、「国民を愚弄するもの」として、国会が空転し辞任に追い込まれてもしかたない暴挙だが、野党もマスコミもいやにおとなしい。本塾でさえ4年も前に、(首相の案と形は似ているが趣旨は多分ま反対の)案を提示している。

どこからも、議論をいただいていない(笑)が、首相よりは真剣に考えていることだけはたしかだ。過去何回か出しているがもう一度出しておこう。

【本塾改憲案】現行9条の2項を改め、3項を追加する。

②前項の目的を達するため、外国の領土・領域における武力行使を目的とする軍隊は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。

③自衛隊・海上保安隊・警察隊・消防隊その他名称の如何を問わず、公務員が外国の領土・領域内で平和維持その他の国際協力を行う場合の手続きならびに装備等は、法律によりこれを定める。

付言しておくと、2項を改めたのは、現行の「陸海空軍その他の戦力」という部分に問題がある。

日本は、かつて軍隊は陸軍・海軍の二つに分かれ、空軍はそれに属していた、したがって「陸海軍」とはいうが「陸空海軍」という言い方はなかった。この表現は明らかにGHQの起案したもの、または国連憲章を直訳したのだろう。押しつけ憲法と主張する人が見過ごしているのはおかしい。

陸海空軍と並列に置かれた「その他の戦力」の意味がはっきりしない。条文作成当時はなかったミサイル防衛システムを含むものとすれば、ここは変えなくてはならない。

つまり、専守防衛に徹し、人員を派遣して他国の領域を占拠したり、内戦に荷担するようなことはしない、ということだ。③は国連決議にもとづくPKO活動については、別の法律にゆだねることになる。

ただし、この案は、安倍内閣が強行採決に持ち込んだ安保法制以前のもので、それを廃棄して全く別の法律にしなければならない。安保法制は多くの憲法学者が「憲法違反」と断じたことを首相も承知している。国民は「おばけ」に惑わされないよう、細心の注意と警戒が必要だ。

また、軍隊ではない「自衛隊」を警察や海上保安庁などと区別して特記する理由が成り立たないのでこのようにしたが、法律表現しては、やや自信がない。その点はどうかご勘弁のほど。

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憲法」カテゴリの記事

コメント

アメリカ空軍が正式に発足したのは日本国憲法が施行された昭和22年5月から4か月後の9月、世界各国はそのころから空軍が正式独立組織化していったそうで、軍人としては世界的流れとして‘空軍’と言う名称は入れておきたかったのでしょうね。

それはともかく、2~3日前にNHKだかで放送された古い映像をご覧になったでしょうか?

「憲法9条はアメリカによって押し付けられたものか?」という調査を日本政府が行いその調査結果を発表した映像です。

調査結果
「憲法9条はGHQなどによって押し付けられたのではなく、当時の幣原内閣らの提案によるものでありました」

この調査を担当し、発表したのは「岸信介氏」でした。

そうなんです。安倍総理の祖父だったんです。安倍総理は知っていたのでしょうかね?

投稿: 玉井人ひろた | 2017年5月11日 (木) 16時40分

米空軍のスタートとはタイミングがずれていたのですね。知らなかった。

1945年(昭和20)6月署名の国連憲章は空軍を明記しています。GHQ担当者はそれを知っていたのでしょう。

憲法の国会審議の模様はラジオ、新聞で逐一報道されましたから、国民の関心はすくなくとも今以上だったことはたしかです。

投稿: ましま | 2017年5月11日 (木) 18時24分

みずきさんという女性の秀逸な意見
憲法改正、とくに9条改正は、安保の向上のため、つまり戦争の危険に巻き込まれる危険性を軽減するためにするものであって、それ以上でも以下でもないと思ってます。
今の憲法は泥棒に対して警備をつけないのと同じです。「泥棒に盗まれるままにしよう!強盗殺人なら殺されるままにしよう!」みたいな憲法。
集団的自衛権は認められてるとか個別的自衛権は認められてるとかいう解釈は完全に無理やりねじこんだ後付けの解釈で、そもそもまっすぐに読めば自衛権すら否定してるのがあの憲法です。
だってそうでしょう。当時、日本を占領した米国は、間違いなくそういう意図で憲法を作ったんですから。もちろん自衛隊も違憲です。
ごくごくふつうレベルの日本語能力で解釈すればそうなるし、「こういう条文にした米国の意図を当時の歴史的背景をふまえて回答せよ」みたいな設問を作って考えても当然そうなる。
憲法学者で合憲だと主張してる人もいますが、自衛隊を守るため、日本の安保のため、必死で知恵を絞ってそう解釈できるようにひねくりまわしただけであって、憲法に詳しい人だからそういう解釈をしたわけじゃない。
現憲法は拡大解釈拡大解釈でズタボロで意味をなしてない状態です。
私には9条を守ろうという人の主張が、「警備をつけたら泥棒に入られる危険が高まる!だからダメだ!」に聞こえるんです。
大事なのは「正当防衛を明記しないでいいの?」という疑問です。
個人においても国においても、正当防衛そのものを認めないのは、見方によっては美しくて高尚ですが、見方によってはあまりにも情け容赦のない考え方だと思います。
もちろん正当防衛は拡大解釈されるものだから注意が必要ですが、だからといって正当防衛そのものを最初から絶対に認めないというのはありえないと私は思います。個人においても国においてもです。
もちろん正当防衛は動物的論理なのかもしれません。殺されてもやりかえさず死んでいくのが高尚で美しい姿なのかもしれません。でも私はそんなのイヤです。襲われて殺されそうになったとき、手に包丁持ってたら私は刺します。美しく高尚に死にたくない。

私は拡大解釈しなくていい憲法にしてほしい。
小学生が読んでも現実とつじつまがあってないアホアホな憲法じゃなくて、
きちんと現実にあわせてほしい。
子供たちの国語力と遵法精神のためにもそうしてほしい。
そう思います。
http://oboega-01.blog.jp/archives/1065821969.html

投稿: MAX | 2017年5月11日 (木) 21時29分

MAX さま
お返事が長文になるので12日付本文を見てください。

投稿: ましま | 2017年5月12日 (金) 18時36分

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