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2017年5月13日 (土)

『日本之禍機』4

 新聞の切り抜きを入れた箱がぱんぱんになったので、少し整理しようと中身をあたったところ、国会図書館所蔵の朝河貫一著『日本之禍機』をコピーしたものが出てきた。

 

 明治40年代初頭に書かれたものだが、日露戦争が終わって数年、そのさき日本や世界がどうかわるのか、誰にも分からない。帝国主義の植民地争奪競争が続く中、韓国李朝は自立性が疑われて崩壊寸前となり、同43年には、今の共謀罪によく擬せられる大逆事件検挙が始まる。

 

朝河は、世界の激動を予感し、次に来る危機を警告した。その部分を鉛筆でマークしてある。一読すると、安倍政権下の現状とそっくりなのだ。

 

もしかしてブログに掲載したものではないかと思って調べたらやはりあった。2008年1月10日付けで福田首相時代に書いている。ゴミ箱に捨てるのはちょっと惜しい。手抜きの最たるものであるが、そのまま再掲する。

『日本之禍機』で検索を入れると、「国会図書館……」「朝河貫一」に続いて当塾記事が日本之禍機2、3と続く。それならばこれは、これを4と言うことにしておこう。

 

 (前略)今や世人が日本国運の隆盛を謳歌せるに当たり、余竊におもへらく、日本は一の危機を通過して他の危機に迫りたりと。只今日は日本国民が殆ど前身全力を振ひ驚くべき伎倆を以て戦役の危機を通過して後日浅きが故に、既に早く別種の危機の眼前に来たりたることを未だ意識せざるも無理ならず。

 且つ第二の危機は第一の危機と性質甚だ相異れり。戦争は壮烈にして一国の人心を鼓舞振作する力ありしも、今日の問題は頗る抽象的なり、甚だ複雑なり、一見する所平凡にして人を衝動するの力を欠く。之が解決に要する所は超然たる高明の先見と、未曾有の堅硬なる自制力とにありて、かの単純直接の戦闘及び犠牲のみの能く処理し得べき所にあらず。

 

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