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2017年3月10日 (金)

千葉県知事選の争点に

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市川市国府台はかつて軍都であった。現在は写真の赤れんが造の武器庫の跡と、あとを引き継いで建て直された近代的な国立病院ぐらいで、その他はほとんど痕跡をとどめない。

 

現存する建物および周辺は、県の所有で今は全く利用されていない。建設された時期は明治初頭にさかのぼり、陸軍教導団時代のものとされる。れんがは明治はじめに盛行したフランス積み工法で、その後の発展段階と比較できる貴重なレガシーである。その価値は、まさに富岡の製糸工場跡に匹敵する。

 

武士に限られていた仕事を、明治維新によって国民皆兵の名のもと、農・工・商も加えることにした。そのため、下級士官の養成が急務となり、教導団がまず設けられることになったのだ。

 

後に士官学校が新設され廃止されるが、その出身者が日清・日露などの戦役で中心的役割を担ったことは、想像にかたくない。その後この一帯は、砲兵連隊などとともに広大な練兵場が設けられた。

 

病院は、教導団時代すでにできていたが、塾頭の知る限り、精神科のある唯一の陸軍病院で、今アメリカのイラク帰還兵などで問題になっている深刻なPTSD(心的外傷後ストレス障害)患者や、思想犯的兵士の「入ったら出られない」代用監獄的存在としておそれられていた。

 

軍都だった唯一の史跡を残そういう市民運動が起きたが、本年1月、県や国の支援が受けられず、市川市長が赤レンガ保存のための「用地取得を断念した」と表明、運動の後退により放置か破壊が懸念される。

 

県知事は、タレント出身の森田健作で右より政治家としても知られる。これを戦争遺跡と見たのだろう。最初からあまり乗り気ではなかったようだ。そうではなく、明治に始まった帝国陸軍遺跡なのだ。

 

近所にある禅寺には、教導団時代の名を刻んだ墓石が残る。出身地は、長門・美作・薩摩などが目立つ。安倍首相なら真っ先に歴史遺産に指定すべき存在だと思うのだが、なぜかこういうことにはにぶい。

 

市民団体は、今月25日に《「赤レンガ保存」をめぐる緊急リレー・トーク》

を下記により開く。折しも翌26日には県知事選が行われる。候補者はすべて無所属で、3期目をねらう森田が自公の支援を受け、市民団体や民進をのぞく各野党が支援する元・教員、それに元・浦安市長、元・不動産・建設業の4人が争う。

 

この保存問題を提起しているのは、元教員だけで、塾頭の投票先はもう決まったようなものだ。

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《「赤レンガ保存」をめぐる緊急リレー・トーク》

日時:325() 1630193

1630~ 中高生ワークショップの映像記録の鑑賞
 
 1700~ 成果発表会
 
 1800~ 緊急リレートーク
 
 1900~ 閉会

会場:山崎製パン総合クリエイションセミナールーム
 
 (市川市市川3-23-27 京成国府台駅より徒歩10分 JR市川駅・松戸駅間にクリエイションセンター前バス停あり)

資料代:500

主催:赤レンガをいかす会 Tel・FAx=047-369-7522

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