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2017年3月

2017年3月26日 (日)

「忖度」は医学用語?

 森友学園問題で飛び交う「忖度(そんたく)」。ネットでは検索の上位を独占、今年の流行語大賞は、これで決まり、と評判だ。記者会見で、英語通訳が翻訳できず立ち往生したそうだが、中国人記者ならどう伝えただろう。

 

気になったが検索では見あたらなかった。そこで、我が家の唯一の漢和辞典を見ることにした。以下はそこから得た知識の紹介である。

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【忖】おしはかる。他人の心をおしはかる。推測。寸(スン)の転音が音。一説、心(りっしんべん)と寸(手首の脈どころ)との合字、指を当てて脈を知るように、他人の心を推しはかる意。

 

単語は[忖度]のひとつだけ。[度]は「はかる」で前記の意と同じ。

さらに中国古典『毛詩・詩経』からの出典を示す。

「他人有心、予忖度之」

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「親中派」と言われるが、立派な中国語であった。

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2017年3月25日 (土)

痛み分け国会

森友学園関連の国会推移を見極めるため投稿を中断していた。

 

 何が飛び出すかわからないと思っていたが新事実というほどのものはなかった。籠池氏は、偽証罪の危険に挑むように、これまでの主張を補強・断言した。その明白な証拠といえるほどのものはない。

 

反面、籠池氏を偽証罪に提訴できるような材料もない。参院・予算委員会の官僚参考人の証言も予想の範囲を出るものはない。各会議では、真偽を明らかにするため首相夫人などを、籠池氏と同条件の「証人喚問」するよう野党から要求が出たが、少数否決で実現は無理。

 

前に書いていた、右翼同士の「宣戦布告」にはなった。しかし、国会ではここで撃ち止め、幕引きとなることは当初から想定していた。それで、舞台を関西に移し、大阪府の百条委員会として真相解明を解明するよう、これも以前からの主張である。

 

今回の証人喚問で、ほとんど取り上げられなかった籠池発言がある。「幼児教育方針に行き過ぎた点があり、これを反省しお詫びする」というくだりである。多分、教育勅語斉唱や安倍首相礼賛唱和などのことだろう。

 

首相周辺や森友学園支持者からは、こういったことに感動したとか教育方針に全面的共感したということは表明されているものの、反省とかお詫びということは聞いたことがない。

 

事実の究明だけで、問題のもっとも本質的な部分が抜け落ちているのだ。証人喚問の後、籠池氏は外国人記者クラブから呼ばれて取材を受けたが、外国人記者の関心はことのほか高かったという。

 

中国でも、この件は外電トップクラスの扱いになっているようだが、日本の右傾化がこの先どう推移するのか、欧米などの先を占う上でやはり関心事なのであろう。森友学園問題は大げさのようだが、日本や世界の将来に関係があるのだ。

 

右翼同士の戦闘は格好な世論喚起のきっかけになる。籠池さんは、偽証罪に問われなくても申告の詐欺とか、債務不履行など、民事・刑事の訴訟を受けるだろう。一方、同氏にも、「はしごをはずされた」など、真相を究明するため司法手段で戦う権利がある。

 

幕引きではなく、保守陣営の実体を明らかにするための努力は続けてほしい。

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2017年3月22日 (水)

議会証言②

重要なことなので毎日新聞(電子版)から全文引用する。

学校法人「森友学園」の小学校開設の認可を巡り、大阪府の松井一郎知事は21日、府私立学校審議会(私学審)が2015年1月に「認可適当」の答申を出す前、財務省近畿財務局から「口頭で森友側に売却するとの見通しが(担当課に)伝えられた」と述べた。府庁で記者団に明らかにした。財務省は毎日新聞の取材に対し「府に契約の見通しを伝えたことはない」と否定している。私立小の認可に関する府の審査基準は、学校用地は原則「自己所有」と定め、借地の上には校舎は建てられないと規定する。財務局と森友側が買い受け特約付きの定期借地契約を締結する前に、府が私学審での審議を始めたことについて、松井氏は「規則に書かれている以外のことをやっているのは事実」と認めた。その上で「国から売却の見通しを得ていたため、所有権が(森友側に)移るとみなした。完全に規則違反なのかは検証が必要だ」と述べ、私学課職員らから当時の経緯を聴くなど調査を始めたことを明らかにした。

私学審は14年12月に審議を始め、翌月に条件付き「認可適当」の答申を出した。財務局は15年5月、森友側と定期借地契約を締結した。【武内彩、青木純】

 

「言った、言わない」論争がまた起きた。この問題は明日の国会委員会の籠池証人喚問で、出るか出ないかわからない。時間もないし、当事者もいない。むしろ出すべきではないだろう。

 

大阪府と財務省近畿財務局の間のやりとりで、直接影響を被るローカルの問題だ。これとは別に、学校用地の取得が決定する前に、学校側で11日間444円の賃借料(後に金額は訂正)を払い、用地のボーリング調査をしたとされている。

 

いずれにしても、奇妙な話満載は大阪が舞台だ。国有財産ではあるが、直接影響を被る大阪府とか府民の手で真相を明らかにする必要がある。舞台を国会から府議会の百条委員会に移し、中央の役人も呼んで大阪の意地を見せる必要がある。元関西人である塾頭の意見である。

 

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2017年3月21日 (火)

議会証言

石原慎太郎元都知事の百条委員会証言が昨日あった。慎太郎は戦中、海軍兵学校進学予備校といわれる中学に進学、江藤淳とともに敗戦で挫折を味わったせいか、世代は同じでも、終戦で自由・民主の開放感を味わった塾頭となどとは対極にいる人物だ。

  

彼の築地移転に関する証言は、こんなものだろう。答弁は百点満点ではないが、特段の齟齬は感じなかった。肝心なところは、「忘れた」で逃げているとする評者もいるが、脳梗塞の後遺症でなくても「まだらぼけ」という現象はあり得る。知事の責任追求をすれば、何期にもわたって知事に選んだ都民、そして都議に跳ね返ってくる道理だ。

 

これに比べると23日に予定されている森友学園・籠池氏の国会証人喚問の方が、興味津々である。右翼同士の大喧嘩になりそうだからである。

 

そもそも、籠池氏を参考人として国会に招致しようという野党の考えに、「民間人を呼ぶのは適当でない」という前例無視の奇妙な理屈で反対していた与党が、急転直下「証人喚問」という強制力のある場に、懲罰の意をこめて引き出すことに変えたのだ。

 

 理由は、首相夫人が講演会に呼ばれた日に森友学園に100万円の寄付を申し出て、現金で受け取ったとする籠池氏の暴露を、首相が「あり得ないこと」と強く否定したことに始まる。

 

寄付自体は選挙区に関係がなく、違法ではない。教育方針がすばらしく首相の考えにマッチしているとして、新設予定の小学校に夫人の名誉校長まで引き受けさせられるという際だ。寄付集めに苦労している学校なら、寄付をしましょうというのが自然の成り行きだ。

  

 籠池氏にしてみれば、その後急速に中央・地方を問わず官公庁の協力を得て許認可が進み、校舎まで建ててしまった。それなのに、土地代金の8億円値引きなどに批判が集まると手のひらを返すように籠池氏だけを悪者扱いし、大阪府が開校認可を取り消すなど、ひどい目に遭っている。

 

あれだけ、協力します、といってくれた人たちが雪崩をうつように先を争って逃げた。その人たちに先行投資した校舎などの弁償金を払ってほしい、というのが籠池氏の本音だろう。その協力者の代表にあえて首相の名をあげたに違いない。

 

したがって証人喚問は、ごく単純に首相の寄付があったのかなかったのかがまず焦点となる。お互いに主張を取り下げるということがなければ、どちらかが嘘をついていることになるが、あらたな物証がないかぎり、籠池氏を偽証で告発することは難しい。

 

当時、寄付金として郵便局に学園名義で100万円が振り込まれたという証拠がある。これを、安倍夫人に講演料を支払おうとして辞退され、それを寄付金という名目で、「安倍首相からの支援金」にしたのではないか、という説もある。

 

当初、小学校を「安倍晋三記念小学校」と命名しようとして首相がわから断られたという経緯がある。そのかわり籠池氏のポケットマネーで寄付があったことにし、寄付金集めや生徒募集にそれを利用しようという魂胆だったというのである。

 

それにしては、今になって籠池氏がそれを明らかにするという理由が立たない。やはり、籠池氏の、裏切り協力者への宣戦布告に違いない。寄付があったかなかったかは水掛け論で決着がつかないだろう。

 

野党の中には、首相の寄付の有無を問題にするのではなく、森本学園に有利になるようことを運んだ政界・官界の不自然な動きをただすための証人喚問をすべきだという意見が大きい。正論である。

 

23日の証人喚問で、籠池氏がその方向に向けた証言をするかも知れない。それが引き金となって全容解明に向かう――、是非そうなってほしい。

 

そもそも、森本学園支援は、安倍首相のブレーンが運営する超保守系の教育団体「日本教育再生機構」が核になって、大阪府の松井知事なども巻き込んで発展したという観測もある。

 それを振り回して商売にしたのは、籠池氏の方かも知れないが、教育勅語や愛国行進曲で育った塾頭の目で見ると、こんな安易なことにひっかかる単細胞右翼の存在は、国を滅ぼす。早く駆逐してほしい。

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2017年3月18日 (土)

「原発裁判」司法の限界

福島第1原子力発電所事故後に福島県から群馬県に避難した住民らによる国と東京電力に損害賠償を求めた集団訴訟の判決が17日、前橋地裁であった。判決では訴訟の一部を認め、国と東電に賠償を命じた。

 

判決理由で2002年に政府の地震調査研究推進本部が発表した巨大地震の想定に基づき、国と東京電力は、その数か月後には巨大な津波が来ることを予測できたと指摘、また、東京電力が予想される津波の高さを試算した結果、原発の地盤を越える高さになったことを挙げている。

 

判決は当然で早く言えば、国も東電も信用できない、ということである。今進んでいる「森友学園騒動」なども、国民はいったい何を信じればいいのか、ということになる。国といい東電といい、信用の点では右に出るものはない存在であるはずである。

 

事故当時、東電の小森常務などは、盛んに「想定外の」という発言をしている。つまり虚偽発言を繰りかえしていたことになるが、それが許されていいのだろうか。

 

事故前にも、原発運転差し止め訴訟など、司法の手を煩わす事案は少なくなかった。そんな時、技術や安全についての証言に、原子力委員会を構成する原子力専門の著名大学教授などが証言台に立った。

 

知識を持たない裁判官は、その証言を信用するしかない。原告敗訴になっても、司法の怠慢とするわけにはいかない。「核はこわい」という庶民の皮膚感覚や素朴な疑念を司法判断に取り込むことは困難だ。

 

しかし、場合によってはそれもあっていいのではないか。つまり現代版「大岡裁き」である。

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2017年3月17日 (金)

欧州は右傾化しない

今年の「ブログはじめ」1月1日付は、年の初めにあたり、世界の右傾化に歯止めがかかるという、超楽観論を書いた。それは、12月24日にあったオーストリアの大統領選で、EUを堅持し、従来続けてきた安定への努力を訴えたファン・デア・ベレン氏が、難民の排斥を訴えていた極右政党の候補を、僅差ながら破ったからだ。

 

続く注目の選挙は、この15日に行われたオランダの下院選である。世論調査では一時首位を占めた極右・自由党は与党に遠く及ばず、ルッテ首相は「今夜オランダは誤ったポピュリズム(大衆迎合主義)にノーを突きつけた」と宣言した。

 

これから、フランスとドイツの国政選挙が続く。イギリスは去年の国民投票でEU脱退を決め近く実行する。アメリカでは、トランプがグローバリズムを排除し自国第一主義に転じた。

 

難民流入に悩むヨーロッパ諸国がこの潮流を受け、EUが崩壊するのではないかという観測が当然のように広がった。だけど塾頭は、欧州統合のきっかけの地でもあるオーストリア選挙結果が、右翼跳梁に水をかけ、ヨーロッパ魂の存在が証明されるのではないかと期待していた。

 

EUの父とされているのが、オーストリアの元貴族R..ド・クーデンホーフ・カレルギーである。第一次大戦後の1923年、早くも主著『パン・ヨーロッパ』の中で欧州民族の結合、とくに仏独両国の和解によって、戦争の根元を絶つこと欧州統合により、ソ連の欧州征服を阻止すること共同市場を創設し、経済的競争力において、米国に対抗できる欧州を建設すること、を呼びかけた。

 

しかし、第二次大戦はこの夢を砕いた。戦後政界を退いたイギリス首相チャーチルの呼びかけにより「パン・ヨーロッパ運動」が復活、そのひな形としてベネルックス三国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ)の関税同盟が誕生した。続いて1950年にフランスの有力な外相、R・シューマンの尽力で「欧州石炭鉄鋼共同体」に発展した。ここからEUの歴史は始まる。

 

冒頭に「ヨーロッパ魂」という言葉を使ったが、こういた欧州統合議論が生まれたのは、哲学者カントの弟子F.ゲンツの著書『欧州における勢力均衡:1801年』に見られ、1847年には、文豪ヴィクトル・ユーゴーが欧州合衆国の創設を提言するなど、有史以来戦争に明け暮れした欧州だからこそ生まれたもので、年季が入っている。

 

右傾化と言っても、底の浅いはしかのような右傾化は、ヨーロッパに限って定着しないと信じていた。日本・アメリカにしても、最近はどうやらこの手合いの落ち目が目につき始めている。

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2017年3月16日 (木)

教育勅語

 下手な解説はしない。

 

 朝、登校すると鉄筋コンクリート造の奉安殿(文部省を通じて下賜された教育勅語とご真影=天皇と皇后の写真を収納)の前に立ち止まり、最敬礼をする。下校の時も同じ。これを怠ったりするのを見つかると「鉄拳制裁」になる。

 

 四大節(四方拝1/1、紀元節2/11、天長節4/29、明治節11/3)には校庭にテントを張り、ご真影を奥に飾るが、勅語朗読が始まるまで覆いがかかっている。テーブルを置いた演台の前に白い手袋をした校長が立つ。そこへ教頭が三方に乗せた巻物の勅語を頭より高く掲げて運んでくる。

 

校長は巻物を一礼して取り上げ、ひもをほどく。この際、ひもの先についている爪(ツメ)が巻物にぶつからないようツメを高く持ち上げて慎重に開く。そこで「最敬礼」の号令。「直れ」は、御名御璽を読み上げた直後になる。したがって生徒はご真影を見たことがない。

 

火災で奉安殿を失った学校の校長が自決したこともあった。戦局が急を告げた頃、学校の地元にいる生徒は、警戒警報(空襲警報)発令と同時に、深夜、荒天にかかわらずゲートルを巻いて学校へ駆けつけた。

 

校舎ではなく奉安殿を守り、勅語・ご真影を持ち出すためである。勅語は今でも暗唱できるが、修身の宿題とされただけで、斉唱した記憶はない。「朕󠄁惟フニ」つまり、明治天皇の回想で始まる勅語を子供が斉唱するなど、不敬な行動ではないか。校長の朗読は、勅語を受け取った天皇の代弁者としてである。

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2017年3月14日 (火)

価値観外交

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  サウジアラビアのサルマン国王が来日、13日安倍首相と首脳会談を行った。写真(毎日新聞より)

 

 この場面はTVでも見たが、首相の握手の誘いに、一瞬ためらったような国王のぎこちない表情が印象的だった。

 

首相が盛んに言っていた「価値観外交」、最近はあまり聞かれなくなったが、アメリカを中心に自由・人権・法による支配などの価値観を共有する国と協同し、それに反する国とは距離を置くというふうに聞こえた。

 

首相の頭の隅には、価値観の違う国に中国などの旧共産圏がイメージされているようだった。しかし「価値観」からすれば、サウジアラビアなどがもっとも遠い存在である。

 

両首脳の背後には国旗がある。日の丸にある真っ赤な大きな太陽、これはサウジ(アラブ)人がもっとも忌み嫌うシンボルだ。遮るもののない砂漠の灼熱の太陽は、死を意味することもある。

 

だから、太陽は避けられ、暗緑色の地色とか新月や星などの図柄がこの地域の国旗に選ばれる。それから議会も国民の選挙権もない。女性の権利は、服装の自由や車の運転禁止など大幅に制限される。

 

法律はなく、コーランとその解釈だけがそのよりどころとなる。「国王」というけど、西欧の国王とはおかれている位置も役割もまるで違う。もちろん、東洋の王朝や天皇とも違い、首長、スルターン、土候、部族長の大規模化したものいう感じに近い。サウジの場合、メッカ・メジナの2大聖地の保護役とした位置づけもある。

 

同時にイスラム教スンニ派の盟主であり、シーア派のイランと激しく対立する。その一方、同じスンニ派原理主義のISとは戦火を交える。ISにとって巨大化した国王・サウド家は、衰滅させなくてはならない存在だ。すべての権威・権力は神に帰すものであって「国王」ではない。

 

共産主義は、ヨーロッパのキリスト教地帯で生まれたものだ。価値観という点では、日本とサウジより近いと言っていい。ターバンにガウン姿のイスラム指導者との挨拶は、背広同士の首脳外交間の自然な握手と勝手が違う。

   

もちろん友好親善も経済協力欠かせない国だ。しかし、イスラム圏との文化の差、キリスト・ユダヤなど宗教上の歴史的対立や、植民地処理上の複雑な関係をわきに置いて握手すればいいというものではない。

 

逆に言うと、そういったことにもっとも手を染めていない先進国である。漫然とした「握手」外交でことが足りるというものではない。安倍外交にどこまでその覚悟と決意があるのか不安を感じる。

 

 

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2017年3月12日 (日)

敵前逃亡

このところ、政府の政策の一貫性のなさ、どたばたぶりが目に付く。国会での首相の感情の起伏にもそれが現れている。なんやら、相当あせっているらしい。

森友学園問題は、日に日に全体像が明らかになり、盟友だと思っていた大阪府知事をはじめ、「日本会議派」議員も波及をおそれて真相究明に舵を切った。

 

都議選では自民凋落、公明の離反が、予想通り政権の足下を揺るがすことになりそうだ。「解散」、一強を保つ上でこの2文字が首相の頭を離れなくなったのだろう。突然飛び出したのが、南スーダンの自衛隊撤退だ。

 

南スーダンで国連平和維持活動(PKO)にあたる陸上自衛隊施設部隊の5月末までの撤収に向け、稲田朋美防衛相は早ければ週内にも部隊に撤収命令を出す調整に入った。政府は同時にPKO実施計画の変更を閣議決定し、撤収の準備を本格化させる。(12日毎日新聞)

稲田防衛相を派遣し、駆けつけ警護可能の自衛隊メンバーを華々しく送り出したばかりである。こういうのを「敵前逃亡」という。かつて、軍隊では前線で敵を前に脱走する兵は、背後から狙撃して銃殺してもいいことになっていた。捕まれば即、軍法会議で死刑が科せられる。

 

政府は、「危険があるから撤退するのではない」といいわけをする。現地での紛争激化を防ぐため政府軍への武器供与を禁止しようという国際決議に反対して、不介入を通すアメリカをがっかりさせたのは誰だったっけ。

 

つい最近のことだ。政府軍に武器供与しないと、危険が及ぶという口実だったはずだ。敵前逃亡のほかに二枚舌といううろたえぶり。他の国から見ると、自衛隊も軍隊に見えるし軍隊を派遣している国が多い。

 

敵前逃亡は他の国でも同じ見方をする。各国の観察者は、危険な状態が去っていないということで一致している。もちろん「これまでの協力ありがとう」という社交辞令はあるだろう・

 

しかし、この時期をわざわざ選んで突如引き上げるのは「敵前逃亡」とも言えそうで、紛争激化につながるという見方をする反応が各国間にも多いと伝える報道がある。

安倍人気維持のための煙幕としか考えられないが、下手すると死刑。まさか「積極的平和主義」の発露ではないでしょうね(*^-^)。

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2017年3月11日 (土)

憲法裁判所の威力

朴槿恵大統領は、憲法裁判所で弾劾裁判の結果失職することになった。結果だけ見ると、全会一致で反対意見がなく、具体的証拠より裁判に非協力的などの理由を挙げ、なにか世論におもねる政治的な判決のように見える。

 

 しかし、それは日本の憲法による三権分立とか司法制度で、最高裁の違憲判決と同じに見てしまうからだ。韓国の憲法裁判は憲法の解釈を審理し結論を出すことを目的としている。犯罪の立件は別で、これから別の裁判として始まる。

 

 日本で言えば内閣法制局の役割である。法制局は「行政」であり、「司法」ではない。安倍内閣が集団的自衛権の解釈を変えたければ法制局長官の首をすげ替えればいいということだ。

 

 これを、別の司法裁判所がやれば「安保法案は違憲」というような結論になるかも知れない。安倍首相流の発想は、選挙で多数を得た政党の内閣が解釈するからいいのだ、とする。

 

 ならば、日本も憲法裁判制度を設ければ違憲の疑いがある法律にストップをかけることが可能になり、三権分立の理想が実現すると考えるが、民意をくむ上でそう簡単にことは進まない。

 

 韓国の憲法裁判所で大統領弾劾の訴追をするためには、議会の3分の2以上の議決がなくてはならない。それだけで「そんなに支持されていないのなら、辞めた方がよさそう」という結論にもなる。政治的判断が加わることは、ある程度予想の範囲なのかも知れない。

 

 もちろん盧泰愚大統領のように、逆の結論が出されることもあるが、今回は情状の余地がすくないと判断されたのだろう。アメリカもそうだが、日本とは違う三権分立、民主主義、法の支配があることを心得ておかねばならない。

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2017年3月10日 (金)

千葉県知事選の争点に

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市川市国府台はかつて軍都であった。現在は写真の赤れんが造の武器庫の跡と、あとを引き継いで建て直された近代的な国立病院ぐらいで、その他はほとんど痕跡をとどめない。

 

現存する建物および周辺は、県の所有で今は全く利用されていない。建設された時期は明治初頭にさかのぼり、陸軍教導団時代のものとされる。れんがは明治はじめに盛行したフランス積み工法で、その後の発展段階と比較できる貴重なレガシーである。その価値は、まさに富岡の製糸工場跡に匹敵する。

 

武士に限られていた仕事を、明治維新によって国民皆兵の名のもと、農・工・商も加えることにした。そのため、下級士官の養成が急務となり、教導団がまず設けられることになったのだ。

 

後に士官学校が新設され廃止されるが、その出身者が日清・日露などの戦役で中心的役割を担ったことは、想像にかたくない。その後この一帯は、砲兵連隊などとともに広大な練兵場が設けられた。

 

病院は、教導団時代すでにできていたが、塾頭の知る限り、精神科のある唯一の陸軍病院で、今アメリカのイラク帰還兵などで問題になっている深刻なPTSD(心的外傷後ストレス障害)患者や、思想犯的兵士の「入ったら出られない」代用監獄的存在としておそれられていた。

 

軍都だった唯一の史跡を残そういう市民運動が起きたが、本年1月、県や国の支援が受けられず、市川市長が赤レンガ保存のための「用地取得を断念した」と表明、運動の後退により放置か破壊が懸念される。

 

県知事は、タレント出身の森田健作で右より政治家としても知られる。これを戦争遺跡と見たのだろう。最初からあまり乗り気ではなかったようだ。そうではなく、明治に始まった帝国陸軍遺跡なのだ。

 

近所にある禅寺には、教導団時代の名を刻んだ墓石が残る。出身地は、長門・美作・薩摩などが目立つ。安倍首相なら真っ先に歴史遺産に指定すべき存在だと思うのだが、なぜかこういうことにはにぶい。

 

市民団体は、今月25日に《「赤レンガ保存」をめぐる緊急リレー・トーク》

を下記により開く。折しも翌26日には県知事選が行われる。候補者はすべて無所属で、3期目をねらう森田が自公の支援を受け、市民団体や民進をのぞく各野党が支援する元・教員、それに元・浦安市長、元・不動産・建設業の4人が争う。

 

この保存問題を提起しているのは、元教員だけで、塾頭の投票先はもう決まったようなものだ。

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《「赤レンガ保存」をめぐる緊急リレー・トーク》

日時:325() 1630193

1630~ 中高生ワークショップの映像記録の鑑賞
 
 1700~ 成果発表会
 
 1800~ 緊急リレートーク
 
 1900~ 閉会

会場:山崎製パン総合クリエイションセミナールーム
 
 (市川市市川3-23-27 京成国府台駅より徒歩10分 JR市川駅・松戸駅間にクリエイションセンター前バス停あり)

資料代:500

主催:赤レンガをいかす会 Tel・FAx=047-369-7522

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2017年3月 8日 (水)

軍事研究とミサイル防衛

タイトルの二つはこれまでも当塾で何度か取り上げているが、本日付け毎日新聞は、軍事研究に対する学術会議の姿勢の推移をトップに掲げ、昨7日の北朝鮮間ミサイル4発発射に関連した対応などを、各面に展開している。

 

トップ記事は、学術会議が1950年と67年の2回、「絶対」という文言で軍事研究に「従わない」「行わない」という声明を出しいること。それを、今回もそれを継承するとともに、民生技術へのメリットなどを含め、各大学が判断すべきことだとし、そのためのガイドラインづくりが必要、という案を総会に提示する見込みだと報じた。

 

この結論と、北朝鮮などからの日本国向けの弾道ミサイル防衛は当然なされてしかるべきだというのは、塾頭の考えと一致する。ただし、集団的自衛権優先、9条改正を至上命令とする安倍首相下では危なくてしょうがない。

 

発射が見込まれる敵基地への攻撃もそうだ。これが可能かどうかについて、「自衛の範囲」などとの見解が自民党筋に出回っているようだが、そんなことを触れて回るのは愚の骨頂。

 

「その能力がある」ということを、敵方に知られているだけで十分なのだ。日本自ら国土防衛に強い決意があることを知ってもらえば、それが最大の抑止力になる。核でも日米同盟でもない。憲法9条である。

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2017年3月 6日 (月)

40、50は……

 「40、50は鼻垂れ小僧」と言ったのは、渋沢栄一である。天保11年(1840)武蔵国(埼玉県)の豪農の子として生まれた。

 実業家として名をなしているが、幕臣となり渡欧、維新後は大蔵省の役人、30台で退官。その後は財界で銀行、鉄道、海運、紡績、電気など主要業種を総なめ。70台半ばで引退したがその後も社会事業に従事した

 

40、50は……と言ったのは80台の頃らしいが、91で天寿を全うした。現在なら超高齢とも言えないが1931年(昭和6)没、昭和10年の平均寿命が男46.9歳だから、まさに怪物と言っていいほどの年だ。

 

そこから見れば、塾頭も洟垂れ小僧……にはならないか(*^-^)

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2017年3月 5日 (日)

米国版「人権報告書」

 「よく言うよ!」。昔はなかった表現だが、これがぴったり。下記新聞記事の見出しは、「安倍政権が報道圧力」「電波停止」「秘密保護法」米国務省指摘、である。それに違いないのだが、米国務省(外務省にあたる)からは言われたくないね。

 

 3本前の「マスコミとマスメディア」に、国際NGO「国境なき記者団」が発表した2016年の「報道の自由度ランキング」を書いている。日本は、安倍内閣のもとで対象180カ国・地域のうち10年の11位から、去年は72位に惨落。先進国の面目丸つぶれとなった。アメリカは41位で、まだ上位にある。

 

特定国民の入国を禁止したり、大統領が特定記者を会見から閉め出しマスコミを嘘つき呼ばわりする国について、米国務省は本年版にどう書くのだろうか、昨年版の報告書は、多分オバマ政権時代にできていたものなのだろう。

 

国境なき記者団のランキングとともに興味津々だ。日本の役所が米国務省に教えてあげればいい。

 

「一昨年の記録は保管期限が過ぎたので破棄、確認ができません」、「国内問題については所管事項でありません」とね。

 【ワシントン共同】米国務省は3日、2016年版の人権報告書を発表した。高市早苗総務相が昨年2月、放送法の定める「政治的公平」への違反を重ねる放送局に電波停止を命じる可能性に言及した点に触れ、安倍政権によるメディアへの圧力強化に懸念が強まったと指摘した。報告書は、特定秘密保護法の成立も報道機関への圧力を高めたと例示し、日本の記者クラブ制度が排他的で「自己検閲を助長している」と批判する声も紹介した。

 広告大手、電通の新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)が長時間労働の末に自殺した問題に触れ「karoshi(過労死)がもたらす深刻な結果に改めて関心を集めることになった」と指摘した。報告書の対象は米国を除く199カ国・地域。(後略・毎日新聞3/5東京朝刊

 


 

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2017年3月 3日 (金)

正男暗殺の行方

「すごいことが起きた。この先どうなるのだろう」という驚天動地の大事件が去年から今年にかけていくつも起きた。テレビ番組も、人気ドラマそこのけで続報を追いかける。

 

 小池都知事→豊洲、トランプ→暴言、韓国→朴大統領、最近ではマレーシア→金正男暗殺、政界→森友学園などが相次いだ。次々と明るみに出る「真相」につい目を奪われてしまう。

 

 しかし、「人のうわさも75日」。これくらい経つとだんだん先が読めるようになってくる。上の各事件でも、新事実が出てきて、全体の見直しを迫られるようなことがないとは言えないものの、サプライズドも終わりに近づいていることはたしかだろう。

 

 中でも金正男暗殺事件は、外交問題や諜報機関が絡むので隠されている部分が多く、真相は最後まで決着がつかないに違いない。前にも触れたが北側の公式態度は、「死んだのは、北朝鮮の外交官ビザを持つキム・チョルという男であり、死因は心臓麻痺だ」という見解である。

 

 たしかにマレーシア当局の北朝鮮大使館への第一報は、そのようなものだったようだ。そこで、金正日の長男・正男が北の工作員に暗殺されたというのは、韓国の情報機関がでっち上げたニセ情報で、VXガスを使ったはずの女性が生きているというのは科学的根拠に欠ける、と主張している。

 

 北は、金正男なる人物の存在すら公式に認めていないのだ。韓国の情報機関でなくても、正男が被害者であるとの認識は当初から一般的だった。マレーシア当局もその前提で捜査に当たっており、骨格・体型だけでも確認は可能だ。

 

 その正男がなぜ北の外交官ビザを所持していたか、そして北の暗殺を警戒しなかったのかについて、彼は中国サイドにいるものの、北にとってもメリットになる存在になっていたという、二重スパイではないかということを塾頭は考えていた。

 

 現に、彼が貿易などで多額の収入を得、その上納金納付について北の要求に応え得なかった金銭トラブルが暗殺の理由という説もある。しかし、北にとってはあくまでも死体はキム・チョルである。北の公民を国外で、しかも手の込んだ方法で暗殺する理由はない。

 

 だから、死因が高度な国レベルの技術がないと扱えないVXによるものという理由を否定しなければならない。

 

 当初、死体は同じDNAを持つ遺族に引き渡すという切り札があったように見えたが、いつのまにか消えた。正男の長男がマカオからやってきて、明日にでも決まり、という雰囲気だった。

 

 だけど、北は正男の存在を認めていないのだから賛成するわけがない。キム・チョルの遺族のDNAは、あくまでも大使館を通じて北が提供するものでなくてはならず、しかも誰から採取したかは別として、事実上提供可能である。

 

 仮に両方とも正しい、とする結論がでたらマレーシアは、外交上決着を見ない限り、いずれにも引き渡せないとするしかない。国際的に大失態をさらすことになる。

 

 中国の態度が不鮮明なのは相変わらずだが、彼らを保護しているものの居留者であり、国民ではない。韓国への脱北者が正男を亡命政権首領に担ぎ上げるなどの動きがあれば、絶対反対である。本人にその気はなかったらしいが、韓国の初代大統領李承晩が戦中上海で実体の乏しい亡命政権を建て、戦後アメリカの要請を受けて建国した史実がある。

 

 中国としては、韓国の支える北の政権ができることは決して歓迎できない。そんなことなら、むしろ今暗殺された方がいいかも知れない。金正日の遺訓「中国を信用してはならない」というのは、中国から見た北も同じだが、半島全体が米韓同盟に染まってしまうことは、どうしても避けなくてはならないという至上命令がある。

 

 最近、金正男事件は、迷宮入りにという解説が多くなってきた。平和維持のためにはこれしかないかもしれない。それも、人類が選択できる知恵の一つである。

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2017年3月 2日 (木)

森友学園雑感

森友学園の議論を聞いて、安倍首相に贈る歌。

 

 物好きや 匂はぬ草に とまる蝶

 

                 芭蕉

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