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2017年2月 1日 (水)

軽視される労働三法

  マスコミ各社は、東京労働局の過重労働撲滅特別対策班が労働基準法違反の疑いで、法人としての旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)と同社の関係者を書類送検する方針を固めたこと報じる。

 

  電通で自殺者を出した事件以来、名だたる大手が芋づる式に引っかかっている。昨今は、キャンペーン期間中で「特別対策班」の仕事なのだろうか。労基法は労働時間を1日8時間、週40時間までと規定。これを超えて労働者を働かせるためには、残業の上限時間を定めた労使協定(三六協定→通称サブロク協定・労働基準法第36条準拠)を結ぶ必要がある。
 

 協定を結ばずに残業させたり、協定した時間を超えて残業させたりした場合は違法となり、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となる。刑量とすれば車検なしで車を運転した場合と同じ。

 

 大企業にとっての30万円は安いもの、新卒社員初任給の1ヶ月半分程度だ。それですむのなら懲役はごめんだろう。しかし経営者の社会的責任は免れず、辞職は覚悟しなければならない。

 

 企業がいかに過重労働を軽く見ていたかに、塾頭は驚くしかない。労働基準監督署は警察と同じ「署」のつく官庁だ。告発も家宅捜査もできる。かつては労組が機能する大企業にそういう例がなく、税務監査と同様、中小企業が突然の査察を受けて摘発されるという例が多い恐ろしい役所だった。

 

 ここで言いたいのは、以前は労働組合という社会的存在が機能していたということだ。昨今はそれがないのだろうか。目に余るような職場環境があれば労働組合が駆け込み寺の役割を果たし、定期交渉などで会社に改善を求めた。

 

 会社もこれに気づいていない場合があり、組合の持つ機能をそれなりに利用していたということもある。御用組合と言われようと、持ちつ持たれつの関係が存在していたとも言えそうだ。

 

 報道では、それらの事情が一切説明されず、実情を全く知らない。塾頭の専攻は「産業経営学科」だったが、憲法の条項を受けて制定された労働三法は、必修科目として特に重視されていたことを思い出す。

 

 防衛庁が防衛省に昇格し、労働省は、厚生労働省として合併、そんな世情が影響しているのだろうか……と、ぼんやり考えている。

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コメント

労働三法ほど‘例外項目’の多い法律は無いと思っている私です。
その例外項目は、たぶん厚生労働省と名称が変わった辺りから追加追加となったんだろうと想像しています。

投稿: 玉井人ひろた | 2017年2月 2日 (木) 13時45分

不勉強で最近のは見ていませんが、たしかそんなに例外はなかったように思います。

憲法同様、格調高い法文で、単位をクリヤーしないと卒業できませんでした。

投稿: ましま | 2017年2月 2日 (木) 21時15分

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