都議選の震度は?
産経新聞によると、自民党の二階俊博幹事長と日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)が6日夜、東京都内のホテルで初めて会談した。もともと維新の党是であった都構想や、2025年万博の大阪誘致などに関して話し合ったものと見られる。
二階氏は、これまで維新について特段の関心を持っていなかったようだ。一方、橋下氏が去ってからの維新は、政策、指導者ともに求心力を欠き、自民党にすり寄って存在感を保つしかなくなったと見られる。公明党が自民党の思うままに動かせなくなったということも、にらんでいるのだろう。
維新の現状はどうやら、かつての「みんなの党」の衰退と二重写しになってきた。渡辺喜美が旗揚げしたころは、与党と第一野党の間に立つ第三極としての役割を果たそうとした。もっと古いことをいうと、のちに自民党を脱退した新党さきがけや日本新党など新党ブームが続き、非自民の細川内閣にまで発展したことがあるが、そんな勢いは今やない。
新党を構成する議員は大きく分けて2通りある。特に保守系議員に多いが、議員になりたいが世襲議員のような地盤がなく、自民党の公認も得られない。タレント、弁護士、学者などの経歴さえあれば、新党の看板を背負うことで当選の可能性があるということが動機なのだ。
もう一つは、大所帯の政党に属していながら波に乗れず、執行部とケンカ別れして新党に鞍替えするケースだ。このような政治権力目当ての寄り合い所帯では、政権が遠ざかるにつれて衰退の一途をたどるしかない。
そんな中で新党創設の新型が現れそうだ。小池都政方式である。政治家希望者が整理しきれないほど集まり、7月の都議選では 厳正な試験を通り抜けたメンバーの中から60人ほどを「都民ファーストの会」の名で都議候補に立てるようだ。維新は、いまや有力な候補者の不足に悩むなど落ちぶれてしまった。
小池新党と同数前後の候補を予定している自民党とは、正面衝突になる。公明党は、伝統的に都議選に党の命運をかけ、全員当選を目指す。その公明党は自民都連と決別し、小池新党の与党としてのぞむことを決めている。自民党は都政への支配力を失い、民進党も共産党に及ばない状態のままだろう。
これが、地殻変動を起こし国政に少なからず影響してくることはさけられない。自信をつけた公明党は、より安倍路線に批判を強め末端の意向に沿わない法案には自主投票という手で抵抗する。
また、4野党連携は目途が立たず失敗し、共産党をのぞく3党が新党を結成する。自民党内も激動する世界の政治情勢に定見を持っていない外交姿勢や、陳腐なアベノミクスに批判が出て動揺が表面化するだろう。新年度に向けた塾頭の密かな期待である。
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