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2017年1月 7日 (土)

超楽観年頭所感

 活字離れというが、塾頭は毎朝新聞を見るのを楽しみにしている。正月休み中は、今年の予測、抱負とか希望的観測といった「おめでたい」記事が通例となる。ところが今年は違う。まず「トランプ」の名が大津波のように紙面を覆う。

 同時にヨーロッパ、アジアでも何十年来経験したことの無い「大変化」がありそうだと不安をあおり、お屠蘇気分もすっ飛んでしまう勢いだ。

 その原因は、世界を覆う「反・グローバリズム=孤立主義」「ポピュリズム=衆愚政治、大衆迎合主義」「右傾化」などであり、それを動かしているのはマスコミを凌駕したSNSなど、無責任な過激情報だとする。

 これは、マスコミ媒体の「敗北宣言」である。そういった意味で、当初ブログに殺到した匿名、無責任、過激発言を旨とする「ネット・ウヨ」は、同じネット論陣でもブログから離れてしまったようだ。それを嘆くべきか喜ぶべきかは別として、一条の希望の光がないわけではない。

 戦後、民主主義・議会主義・自由主義、言論・討議の在り方を勉強する中で、中庸とコモン・センスが重要な位置を占めることを知った。「コモン・センス」は和製英語っぽいが、「コモン・ディーセンシー(市民の良識)の勝利」と呼ばれている状況が去年の暮れにあったのだ。

 それは、オーストリアの大統領選である。難民の排斥を訴えた極右政党の候補が46%、EUを堅持し、従来続けてきた安定への努力を訴えたファン・デア・ベレン氏の得票率は53%(いずれも出口調査)で、ヨーロッパにおける右翼大躍進の流れを僅差で破ったのだ。

 これから、フランスの大統領選があるが、極右である国民戦線のマリーヌ・ル・ペンが女性候補として浮上してきた。仮に彼女が当選すればEU瓦解に拍車をかけることになる。大戦後、ヨーロッパに恒久平和をもたらすため、叡智を集めてスタートしたのが欧州共同体だ。

 これが、国家本位のトランプ流に傾けば、これまでの努力が水泡に帰すことになる。オーストリアは小国ながら、欧州での戦争と平和に大きく影響してきた国だ。同国のコモン・ディーセンシーは、共同体の発起人であるフランスはもとより、その他の国々に波及するはずだ。安倍首相のいう「戦後レジームの脱却」などとは比較にならない重みがある。

 もちろん、トランプのように大方の予想が覆るということはあり得る。しかし、トランプ自身、大統領就任後は、コモン・ディーセンシーから大きく離れた政策はとり得ないだろう。それがなければ、与党や議会の混乱はもとより、暴動を警戒しなければならなくなる。

 そうすると、混迷を極める東アジア情勢も、ナショナリズム依存体質から脱却し、軌道修正を迫られるのではないか。塾頭の超楽観年頭所感である。

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