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2016年12月12日 (月)

トランプの打算

 米次期大統領・トランプが、日米安保にどういう政策を持ってくるか、皆目わからない。選挙中に広言していた、日本の米軍駐留が日本防衛のためなら全額支払わせる、とか、日韓も核を持てばいいなどの乱暴な発言は、地球規模で外交を仕切らなければならないアメリカにとってできるわけがない。

 米軍駐留費を全額持てば、日本の雇い兵と同じになる。そうでなければ、やらずぶったくりの居直り強盗と同じだ。政府や防衛省では、いろいろなケースを予想してシュミレーションは始めているだろうが、こんなことになるのを願っているのではないか。

 トランプ次期米大統領は、新政権の国防長官に、アフガニスタンやイラクなどで米軍を指揮し米中央軍司令官も務めたジェームズ・マティス元海兵隊大将(66)を指名すると発表した。彼は「狂犬」とニックネームのついている強硬派だ。

 これまでの方針を変更して、海兵隊を増強し強いアメリカを世界に印象づけるようなことは、トランプも賛成だ。宝の持ち腐れ核抑止力は、これ以上ふやせないし効果もない。それより、海兵隊増強の方が抑止力になり雇用にも貢献する。

 これを日本の沖縄でやる。辺野古と、この前大阪の機動隊員が反対する人を「土人」と呼んで問題になった東村ヘリパット、そして東シナ海がわの伊江島・既存滑走路を結べば恰好な訓練場になる。

 アメリカとしては、海兵隊駐留費の3分の2ほどは日本に持ってもらえるし、新設工事費や地元補償金も日本政府が払う。もちろん日本政府はこれで、尖閣諸島などを狙う中国をけん制できるし、日本国民もそれを願っているにちがいないと読む。さらにこれから日本がオスプレーを買ってくれるようになれば申し分がない。

 しかし、アメリカは中国に向けて海兵隊を使う気は毛頭ない。岩だけの小島のために海兵隊を出動させるなど、議会の承認が得られるわけがない。かりに小島をめぐって戦闘が開始されれば、最も近い沖縄の米軍基地が敵のミサイルの標的になり、大損害を被る。

 だから、オバマの時代から米海兵隊をグァムやオーストラリアなどに移転させる計画があったのだ。トランプは不動産屋だ。日中をくらべ、これから高値のつきそうな方に投資する。沖縄は日本の方でそれを希望しており、彼の政策にすべてマッチすると見るだろう。

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コメント

CNNが報じたところによると、ロシアがサイバー攻撃をしてトランプが勝つように大統領選に干渉したと、CIAが断定したと。

結果が覆ることはない、とは言いますが、でも?
と思ってしまいます。
まったく見通しのつかない昨今ですね。

投稿: 金木犀 | 2016年12月12日 (月) 22時10分

プーチンは個人的に嫌いではありませんが、昔からロシアはやることが汚い。

敗戦が決まってから北方領土を占領、いわれのない奪取を70年も続けている。アメリカの沖縄返還とどうしても比較してしまいます。

ドーピングもイメージを悪くしています。それで国益を損じていますね。ひとりひとりは善人なんでしょうが。 

投稿: ましま | 2016年12月13日 (火) 09時10分

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