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2016年12月

2016年12月31日 (土)

テロの年

 明日から2017年。統計上どうなるのかはわからないが今年は、毎日のように世界各地からテロ発生、のニュースが飛び込んでくる不安定な年だった。直近のものはこれだ。

[北京 29日 ロイター]  国営メディアの29日の報道によると、中国の新疆ウイグル自治区で、3人が乗った車が政府施設に突っ込み、爆破装置を起爆させた。警備員1人と政府関係者1人が死亡、車に乗っていた3人全員が射殺された。

自治区政府はニュースサイトで、事件は墨玉県で28日午後5時(0900GMT)ごろ発生した、と発表した。新華社は事件を「テロリストによる攻撃」と報道、他に3人の負傷者が出た、と報じている。

 新疆はイスラム教徒が多く、自治区になっている。今や、世界は「テロ」→「イスラム」→「悪」という概念が定着しかかっている。アメリカのトランプの発想や西欧政治の右傾化は、イスラム差別に対する抵抗をなくしてしまう寸前にさしかかっている。

 イスラム教徒がからんでいれば、すべて「テロ」でくくり、「悪」としてしまうのは、はなはだ危険であるばかりではなく、これからの世界平和構築にとって、取り返しのつかない事態を招くことにもなりかねない。

 上の中国の場合は、中国共産党独裁に対する自治区の抵抗運動である。アルカイダやISと直接の関係は考えられず、その指示で動いているものではない。その前は、トルコでロシアの大使が背後からピストルで撃たれ死亡した。シリア空爆への抗議と見られるが、イスラム教徒の「グローバル・ジハード」、つまり、一般に恐れられている無差別「テロ」とは全く違う。

 これらは、言葉の上ではテロリズムである。韓国人による3・1独立運動や、安重根による伊藤博文暗殺は、韓国から見れば英雄的行為だが、これを「テロ」と呼んだら韓国はきっと怒るだろう。

 今年起きた事件で、多くの人の念頭にあるのは、ヨーロッパのフランス・ベルギー・ドイツなどで、相次いで発生した市街地における一般市民の大量殺傷事件である。

 ISが関与しているとされるが、犯人はアラブ人でない。チュニジアなどアフリカ出身者が多く中東に縁の無い者もいる。ISの指示を受けた形跡がなく、ISが関与しているような犯行声明がでるが、内容が報道に沿ったもので、加害者の誤認をそのまま使用するなど、本当は関係がない。

 ISには旧バース党軍人などが参加しており、組織的統治がややみられるものの、国際法上の国家のような仕組みが機能しているわけではない。あるのは、ムスリム共有の戒律コーランとカリフ(宗教指導者)という個人中心の世界である。

 したがって、声明とか宣言などと言っても、はっきり言っていい加減なものだ。ISに先行したアルカイダは、ウサマビンラディンが創設したものだが、ジハードの対象としているのは、アメリカ、イギリス、イスラエルなどを十字軍と称して限定していた。

 ここには、フランス・ドイツなど、イラク戦争で多国籍軍に加わらなかった国は含まれず、十字軍とは縁の無い日本が入っている。イラクPKO参加が関係しているかもしれない。なお、「十字軍」や「戦争」など、文明や宗教の衝突を思わせる発言は、9・11テロを受けたブッシュ大統領が最初である。

「(イスラム世界に対して)十字軍戦争を宣言し、国際社会に対テロ戦争の同盟を呼びかけ、明白な戦争をしなければならなくなった」(川上泰徳『「イスラム国」はテロの元凶ではない』所載)

 以上見てきたように、イスラムといっても多様・複雑で、シーア派・スンニ派間のテロの応酬が激化しているほか、スンニ派の中でも強硬派、世俗派、原理主義過激派、同穏健派や国をもたないクルド族との対立、各国に散在する少数民族の反抗など、個別に見て行かなければならない。さらに強調しておきたいことは、ほとんどのイスラム教徒は、平穏に暮らしていることである。

 その中でISが国境を越え世界的規模の聖戦、つまりグローバル・ジハードを唱え、世界の若い兵士を糾合して世界制覇のウンマ(イスラム共同体)を目指そうとする指針を示した。彼らも一般市民の殺傷は、いいこととしていない。しかし、空爆などで受けるイスラム教徒市民の被害とくらべれば、「目には目を」のイスラム法上決して行き過ぎだとは考えていないのだ。

 過激派組織として恐れられていたアルカイダも当初は、ユダヤを支援するアメリカと戦うという目標がはっきりしていた。しかし、エジプトやサウジなどの国家権力は乗ってくる気配がなく、アラブの春もあってイスラムはばらばらになった。アメリカの中東介入は見事に失敗し、オバマはイスラエルの横暴をけん制、イランとも妥協の道をさぐる事態になった。

 そこへ、複雑で戦火がたえなかったシリアで、ロシアがアサド政権立て直しのため介入し、トルコと組んでISやアルカイダ系をのぞく反政府組織との停戦を実現させて、ISの分断や後退にめどが立ちそうである。反アサドだったアメリカが、方針転換してロシアと歩調を合わせられれば、中東に平和をもたらすかすかな手がかりが期待できるかもしれない。

 まあ、実現しそうもない楽観論だが、塾頭の初夢としておこう。

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2016年12月28日 (水)

安倍の珍妙なハワイ詣

 何のためにハワイへ行くのだろう。なにか子供じみていてほとんど底が割れているのに、マスコミをはじめ、大人げない論評は避けられている現実が解せない。

 「慰霊」?、本来慰霊とはあくまでも個人の心の中にあるものを発露する自然の行為である。あらかじめ米大統領に予告したり、外相・防衛相などにぎにぎしくお供に連れ、「首相として」などとおおげさにひけらかすものではない。

 日本の総理は、過去吉田、岸、野田などがこの国立墓地を訪れているが、こんな鳴物入りの慰霊は聞いたことがない。天皇・皇后の慰霊の旅とはあまりにも違う。

 「開戦75年にあたり改めて不戦の誓いを新たにする」?、ということは、これまでしてこなかった、つまり新憲法は頭から無視していたということになる。「任期中に改憲」したいという人が言っても、白々しいばかりだ。

 しかもその「不戦」は、日米間限定で他の国は含まれない。中国が「こっちへ来るのが先じゃないの?」というのはもっともだ。70年敵対したことのなく、アメリカのポチと言われる国が、もったいつけて「不戦」を誓い、「歴史的」などと言えば、世界中の人は最初は首をかしげ、そして笑っちゃうだろう。

 「和解」?、誰と誰が和解するのだろう。個人対個人なら和解するしないは個人の自由だ。国と国なら講和条約締結でとっくに済んでいる。済んでいないというのは、「あの戦争は正しかった」とか、「東京裁判は勝者の裁判であり戦犯処刑は不当」と考えるのならわかる。

 両国間の長年のトゲ、わだかまりを――、などという表現もある。そんなものは一向に感じないが何を言うのだろう。朝鮮・中国ならわかる気もするが、そうなったのは戦後相当たってからである。奇襲攻撃を受けたアメリカ人がそう思っているかは知らない。

 また、原爆犠牲者などの日本の遺族がその「トゲ」を抱いているだろうか。塾頭の親族に悲惨な死を遂げた戦死者もいるがトゲなど持っていない。前にも書いているが 原爆は日本が先に発明していたら早速使っただろう。

 広島の慰霊碑に「過ちは繰り返しませぬ」とあって、主語がないとよく言われるが、日本人でもアメリカ人でもなく「人類として」し解釈している。無差別の大量破壊兵器、宣戦布告なしの奇襲攻撃、いずれも国際法違反だ。

 戦争は、武士や騎士がたたかうものでなくなったのが近現代戦だ。総力戦という概念は第一次大戦から始まった。生産力を破壊し兵力の供給を閉ざし、そして恐怖心をあおって戦意喪失させるためには、非戦闘員の大量殺戮がどうしても必要だ。

 日本も国家総動員法や国民皆兵で、女性や子供まで竹槍で戦うよう訓練を受けた。「非戦闘員」という意識はない。従って敵に殺されたからといって、それを根に持つようなことはない。それが戦争である、こういった常識がこのところ薄れているように思う。

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2016年12月26日 (月)

校正

 仕事として「校正」をしたのは60年以上前にさかのぼる。発行部数1000部程の新聞だが、いくつかの寄稿以外の執筆、編集、活版印刷の割り付け・整理、そして校正までを一人でやっていた。当然校正は3稿までやる。

 「校正(後世)恐るべし」という格言は、この頃知ったと思うが、若かったせいかあまり大きなミスは覚えがない。その後、単行本、会社・団体史なども手掛けたが、校正漏れが一つもなかったという例はなさそうだ。

 単行本などは、出版社で校正の専門家がいてこれに当たるが、そこでさえすり抜けてしまう。重要な校正漏れを発見するのは、校正作業中ではなく、なぜか発行後リラックスしながら読み下しているような時の方が多い。

 ブログも同様である。原稿段階で読み返すものの、印刷物と違い、アップした後でも簡単に訂正できるということから、どうしても安直になる。その反面、印刷でいう「誤植」はワープロ作業のため比較にならないほど多い。

 最近のワープロソフトは、単語で変換するより熟語で入力・変換する方が正しい文字になることが多いようだが、それでも信用は禁物だ。前段に使った「校正洩れ」は、何度やっても「公正漏れ」しかでてこない。

 相当後になって気が付いた例として、昨日、「最後」が「最期」になっていたのを発見した。なにか見かけは似ているようで意味する所は全く違う。

 「校正(後世)恐るべし」である。

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2016年12月25日 (日)

国連決議、米○○、日××

 日本国憲法前文の平和主義は、何度も取り上げているので書かないが、タイトルの○×はそれに合っているか反しているかの判定である。まず、昨日(現地23日)の国連決議から見よう。

 アメリカが、イスラエルによるヨルダン川西岸の占領地への入植を禁止するという安保理決議である。これまで何度もアメリカの拒否権で葬られてきたが、今回それを行使しなかったため賛成14(日本を含む)棄権1で採択された。
 
 国際法違反とされるイスラエルの行為に、アメリカは撤退を説得してきたものの、抵抗するユダヤ・ロビーには勝てなかったということだ。それを今回オバマが最後の切り札として示したことになる。つまり、世界の警察官が切った違反切符である。

 トランプはイスラエル支持派で、今後どう変わるかわからない。中東混乱の根源はパレスチナ問題からきている。遅きに失したものの、まずは○であろう。

 次の○は、21日付の記事で触れたが、南スーダンへの、武器禁輸を含む制裁決議案である。アメリカが主導したが、これまで中東やアフガンなどの紛争に介入、支持勢力に武器支援などを行い、その武器を反米勢力が手に入って米軍人に向けられるという苦渋を何度も体験している。

 武力紛争をなくするためには、武器禁輸をまっ先にとり上げなければならないということ、これもオバマ政権の遅きに失した決断だったが、当然の○であろう。

 ところがなんと、日本は同じ日の安保理決議で棄権、賛成7、棄権8で、日本の棄権で決議が葬られる形となった。オバマ離れが進み、平和憲法が泣く日本の×である。

 もうひとつの×は、国連総会の核廃絶に向けた決議である。核兵器を非合法化して廃絶することを目指し、来年3月から「核兵器禁止条約」の制定交渉を始めると定めた決議案を113か国の賛成多数で採択した。

 唯一の被爆国・日本は、例によって世界の大勢に背を向けて棄権、いつまで平和憲法に疑念を持たせる政治を続けるのだろう。日本が安保理入りをしたり世界で外交の主導権とまでは言わないが、せめてドイツ程度になる日は遠い。

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2016年12月23日 (金)

糸魚川大火&天皇誕生日

【大火】
 昨日は、新潟県糸魚川の大火が報じられた。被災された方々にお見舞い申し上げます。

 塾頭は終戦の年の4月、大火を身近に経験している。同じ新潟県・五泉である。西高東低の気圧配置が逆になる春先には、フェーン現象で日本海側は大火の記録が多いが、降雪季のこの時期は珍しい。

 五泉大火の原因は汽車のばい煙の火の子だった。塾頭の住家の一軒置いた隣まで被災している。この頃は全国的に空襲による火災が多いが、学校では早速焼跡整理隊が組織された。

 思い出すのは、こげた味噌の独特なにおいである。土蔵のある家は、火事が迫ると、味噌ダルを持ちだし、土蔵の開口部に火が入らないようたっぷりと味噌で目張りをする。

 はた屋の多い五泉、焼跡から白い羽二重の断片を拾ってきて、自分の名前を墨書、学生服の名札にした。木綿よりよほどかっこよかった。

【天皇誕生日】
 天皇と安倍が「決定的に対立する日――、今日だろう、と19日付で書いた。は・ず・れ。

 記者会見のコメントは

8月には、天皇としての自らの歩みを振り返り、この先の在り方、務めについて、ここ数年考えてきたことを内閣とも相談しながら表明しました。多くの人々が耳を傾け、各々の立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています。

 さすがは天皇。すきがない。参賀の人には早速大火の見舞いを入れた。また、「多くの人々」には塾頭も入っていることにした。退位の件は、問題先送りか、決定的対立を避けることを願っているように読める。

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2016年12月22日 (木)

日の丸のない万国旗

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 売出し中の分譲住宅。万国旗で飾りたてたが、日の丸が見当たらない。もしかして外国人向けかな?。

 そういえばこのあたり、昔は見かけなかった金髪碧眼の乳幼児、ジョギングのお年寄りなど、特に珍しくはなくなった。日本の若者は都心の高層マンション志向かも知れないが、旗ぐらいは日の丸がないとさびしい。

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2016年12月21日 (水)

安倍安保ついにここまで⇒内戦歓迎

【ニューヨーク共同】米国が国連安全保障理事会に配布した対南スーダン制裁決議案に日本が慎重な姿勢を示していることについて、パワー米国連大使は19日の記者会見で「非常に不自然な考え方だ。理解できない」と述べ、批判した。米国が同盟国の日本の対応を公に批判するのは異例。

 パワー氏は南スーダンの事態を放置すれば「民族浄化」や「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を招くとの危機感を抱いており、武器禁輸を含む制裁決議案の早期採択を目指している。

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「ね、アメリカべったりではないでしょう……」

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2016年12月19日 (月)

天皇と安倍が「決定的に対立する日」

Dscf2922 タイトルは週刊現代の広告にごく小さく載ったものである。塾頭は、前からその日は23日の天皇誕生日にやってくるのではないかと思っていた。

 恒例の誕生日のお言葉があるのかないのか。この前の退位希望をほのめかした「お言葉」があったばかりである。それに触れるのか触れないのか。

 政府が目論んでいる「一代限りの特別立法で検討いただいていることを感謝します」などのご発言が出てくることは、前回のお言葉全体から類推してまず考えにくい。

 全く言及されなければされないで、政府の対応に不信感を持っておられることになり、いずれにしても、「決定的」かどうかは別として政府の思惑との違いが白日の下にさらされるのではないか。

 政府が設けた有識者会議(12/1付投稿で新聞が「退位専門家」によると表現しているのをからかったが)は、わずか2回の会合で現在の陛下に限って特別立法による退位を容認する方針を決めた。

 そうそうたる「有識者」を揃えながら素人を納得させる説明はない。現陛下のみの退位容認は天皇の政治的権能を否定した憲法に抵触するとの指摘もある。つまり、法律で決められたこと以外の政治に口出ししたり決めたりする能力を持てないという、憲法4条の規定に反する結果を招くということだ。

 その一方で「退位を制度化するための普遍的な要件を定める法整備が困難だ」という意見に配慮したという。一代限りでも、退位後の地位、呼称、権能、退位の手続きその他、恒久的な場合と同様な検討が必要になってくる。同じことではないか。

 また、恣意(しい)的な退位をどう防ぐかという基準づくりは難しいとの意見があるが、一代限りでも前例ができれば同じことになり、かえって混乱する。要は政府が、一代限りに固執するのは、「女性天皇」を持ち出されたらかなわん、という一点だけではないか。

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2016年12月18日 (日)

反戦塾乗16/12/18

 今日はお休みにしておこうかと思ったが、先週起きたことについてやはり書いておく。

 まず、日露首脳会談。中味については何も書くことがない。安倍首相のへつらい笑いとプーチン大統領の苦笑いだけが目に残る。やらないほうがよっぽどよかった。

 大統領が2時間半も遅刻したのは、シリアの件があったからとの弁明があったとかなかったとか。そのシリアはアレッポをアサド政権側が反政府勢力から取り戻したようだ。

 日本のマスコミは、アメリカやEUサイドに立った報道で、アラブの春で独裁政権打倒を旗印にした反政府勢力が善、それを武力弾圧するアサド政権を悪とする見方が多いが、反政府組織を作るのに外部の扇動や工作はなかったか。組織ができたら「弾圧から守る」という口実で武器供与の支援をした国はないか、そんな疑問がわいてくる。

 シリアもイラクもバース党を名乗り、社会主義に近い政権で独裁色は強かったが、中東では比較的落ち着いた国家運営をしていた。独裁的であればこそ、宗教や人種の違いをこえて統治していたとも言える。

 イラクは御存知の通り、独裁者・フセインを殺しアメリカの手で現在のシーア派政権を多数決で選んだが、シリアの方は国連に議席を持つのは現政権だけだ。ロシアの参戦は、政権側に化学兵器使用の疑惑があったものの、アメリカがイラク現政権を支援するのと同様、現有政府の要請を受けて介入したものである。

 塾頭は「内戦介入はすべて悪」の立場で「内部は内部で問題解決すべきだ」と思っている。だからそのための秩序回復に、国連とか外部の関与が必要だ。まず武装解除、その前に一切の武器供与禁止が徹底されなくてはならないが、それを言い出せるのは日本ぐらいしかないだろう。

 ISは、他の文明社会を敵視し、無辜の人をテロで殺害するなど許せないものがあるが、それでもその方針を放棄し、話し合い解決に徹すれば、参加の資格がないとはいえない。この際、イスラエルも共存・共栄を望むなら加わるべきだ。米次期大統領トランプはどう考えているのだろう。

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2016年12月17日 (土)

軍事研究是か否か

 新聞の投書欄で「関西大学軍事研究を禁止」という見出しを見た。将来ある学生にそのような研究はさせてはならない、学校当局の措置は「当然」、という内容である。

 塾頭は『軍事研究』という雑誌を年に1、2回、中身に関心があると買う。平和国家・日本は他国にくらべて、軍事問題に関する知識が、その歴史にしろ技術にしろ一般的に貧弱と言わざるを得ないし、専門家もすくない。

 そこで、もう少し詳しい事情を調べてみた。これは、軍事技術に応用可能な研究を助成する防衛省の公募制度「安全保障技術研究推進制度」に応募してはならない、という趣旨である。制度は、軍事への応用ができる基礎研究を行う機関に、最大で年約4000万円の研究費を3年間助成するという内容になっている。

 この制度の利用を禁止する大学は、他にも新潟大学、広島大学などと増えてきているようだ。そこで、防衛省の当該ホームページを見てみると、「この研究のどこが軍事と結びつくのだろう」という、素人には難解な基礎研究が多い。

 「産軍共同体」「学軍共同体」いずれもあってはならない不明朗さがつきまとう。大量破壊兵器や、化学兵器、クラスター爆弾などの研究では許すわけにはいかないが、今のネットや宇宙開発など、そもそも軍事研究から発達した技術で、そのようなケースは数知れない。

 「軍事」に関わるものはすべて悪いと言えるだろうか。例えば核利用についてである。日本は福島第1の後始末、廃炉や、放射能汚染物質、増え続けるプルトニュームの処理などに、先進的な技術で対処しなれればならない。

 その技術に精通していればこそ、日本の将来に希望が持てるし、核軍縮、核廃絶で、この先世界の先頭に立つことができる。専守防衛についても、その目的に合致する機器類の開発ならあってもいいし、あるのが当然だ。

 問題は、防衛軍創設をめざし、集団的自衛権に依存しようとする安倍内閣のもとで、防衛省予算として計上されているということである。こういった、助成金は、文科省のもとで、憲法にすこしでも抵触する所がないかどうかチェックし、外部組織によるガラス張りの機関が選定するか、その趣旨をたいした学術団体に一括交付するかなど、合理的な検討が必要だろう。

 はじめて取り組んだ問題なので、すき間だらけの内容かも知れない。そのあたりを、教えてもらえれば幸いだ。

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2016年12月15日 (木)

公明党・自民党離れ

 当塾は、南スーダンに派遣される自衛隊の「駆けつけ警護」について、PKO参加そのものにも違憲の互いがあり、公明党が閣議決定でそのための派遣を認めるようでは、同党・創価学会凋落の始まりとなるなとした。これは、10月30日の「安倍から逃げるなら、今」をはじめ、その前後に数編書いているが警鐘ではなく予感としてである。

 さて、そういった兆しになるのかどうか、ここへきて注目すべき現象が出てきている。ひとつは、カジノ法案について、公明党が国会を自主投票にしたことである。与党の自主投票というのは珍しいが、与野党が厳しく対立している法案について、公明党、しかも山口党首が反対投票をした。このような事態がかつてあっただろうか。

 もうひとつが、都議会の自民党と公明党の協力関係が崩壊し、公明党は小池知事と組んで自民を追い詰める与党的立場に立ったことである。

毎日新聞 12/15(木) 10:20配信
 都議会第2会派の公明党が14日、議会改革をめぐり、最大会派の自民党に対し「信義は完全に崩れた」として協力関係の見直しを宣言した。公明の東村邦浩幹事長は議会運営委員会理事会で、主要会派が議会改革を話し合う「議会のあり方検討会」からの離脱も表明した。来夏の都議選もにらみ、自民都連と小池百合子知事との対立が続くなか、自公間に生じた亀裂の行方が注目される。

 これが政界中央に波及しないという保証はない。都議選をきっかけに安倍独裁も流動化の波を避けて通れないだろう。だけど、これが内閣支持率低下につながるかといえば、事は簡単に進まない。安倍政権にとって替わる勢力が今のところ見当たらないからだ。

 毎日新聞引用ついでに、これもお借りしておこう。

【近時辺々】
 政権取りなど夢のまた夢。
蓮舫民進、党内ホウレンソウ(報告、連絡、相談)もままならずチグハグ、民心遠く。(12/15夕刊)

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2016年12月14日 (水)

墜落か不時着か

 沖縄・辺野古に近いキャンプ・シュワブの沖合に、米軍のオスプレイが墜落した。オット、テレビでは「不時着した」と言っている。だけど画面を見ると、岸から遠く離れた海面上で波に揺られている機体の天井はギザギザに破壊されおり、その他もバラバラになっているようだ。

 不時着というのは、滑走路でなくても然るべきところに着陸し、機体がこわれても乗員らが脱出できることを言うのではないか。念のためネットで各社の報道を見たら「墜落」「不時着」「着水」の3通りあった。

 昨日のエントリーではないが、チョットした報道姿勢の違いで読者の印象操作ができてしまう。前述のあとの二つは、多分当局の発表によるものだろう。しかし、映像画面は正直だ。言葉がいかに不自然か、すぐわかるのになあ……。

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2016年12月13日 (火)

世間の目

大阪市浪速区のJR新今宮駅のホームで11日に女性2人が突き飛ばされ、1人が線路に転落した事件で、大阪府警は13日、大津市の無職の男(28)を殺人未遂容疑で逮捕し、発表した。「女性の背中か腕を力を込めて触ったらホームに落ちた。殺そうなんて気持ちはない。逮捕されると思い、必死で逃げた」と供述しているという。(朝日新聞デジタル)

 何とも奇怪な事件である。かつて同じようなことがあったかどうか、新聞では報じていないが塾頭は聞いたことがない。動機もなければ説明もできない。「誰でもよかった」「むしゃくしゃして」などという殺人あるいは未遂の理由、塾頭が子供の頃は聞いたことがなかった。

 天下を震撼させるような猟奇事件は確かにあった。しかし無差別殺人といったことは戦争以外にはないと思う。なぜだろう?。

 「世間の目」が機能していたのではないか。向三軒両隣にはじまり、部落・町内でプライバシーより安寧秩序が優先されていたからのように思う。精神疾患のあるような人もそれなりに保護され、注意もゆきとどいていて孤立するようなことはなかった。

 特高刑事などというのも、アカ摘発でそれを巧みに利用していた。その頃と今とでは、どっちがいいだろう。二者択一なら塾頭は迷わず今をとる。

 ただし、テレビ画面で何でもかんでも顔に網をかけたり塗りつぶした○で覆って隠す。この人権侵害の方が気になってしょうがない。

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 ★続報で、容疑者は朝鮮籍とのこと。記事は削除しないものの前提が崩れたので全文撤回します。なお、NHKTV・読売新聞等はこの事実を明白にしていますが毎日新聞では日本名のみを発表しており、それだけならこの記事で通ることになります。ただし、報道の在り方として不正確のそしりはさけられず、このような誤解のもとになります。 塾頭 \(*`∧´)/
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2016年12月12日 (月)

トランプの打算

 米次期大統領・トランプが、日米安保にどういう政策を持ってくるか、皆目わからない。選挙中に広言していた、日本の米軍駐留が日本防衛のためなら全額支払わせる、とか、日韓も核を持てばいいなどの乱暴な発言は、地球規模で外交を仕切らなければならないアメリカにとってできるわけがない。

 米軍駐留費を全額持てば、日本の雇い兵と同じになる。そうでなければ、やらずぶったくりの居直り強盗と同じだ。政府や防衛省では、いろいろなケースを予想してシュミレーションは始めているだろうが、こんなことになるのを願っているのではないか。

 トランプ次期米大統領は、新政権の国防長官に、アフガニスタンやイラクなどで米軍を指揮し米中央軍司令官も務めたジェームズ・マティス元海兵隊大将(66)を指名すると発表した。彼は「狂犬」とニックネームのついている強硬派だ。

 これまでの方針を変更して、海兵隊を増強し強いアメリカを世界に印象づけるようなことは、トランプも賛成だ。宝の持ち腐れ核抑止力は、これ以上ふやせないし効果もない。それより、海兵隊増強の方が抑止力になり雇用にも貢献する。

 これを日本の沖縄でやる。辺野古と、この前大阪の機動隊員が反対する人を「土人」と呼んで問題になった東村ヘリパット、そして東シナ海がわの伊江島・既存滑走路を結べば恰好な訓練場になる。

 アメリカとしては、海兵隊駐留費の3分の2ほどは日本に持ってもらえるし、新設工事費や地元補償金も日本政府が払う。もちろん日本政府はこれで、尖閣諸島などを狙う中国をけん制できるし、日本国民もそれを願っているにちがいないと読む。さらにこれから日本がオスプレーを買ってくれるようになれば申し分がない。

 しかし、アメリカは中国に向けて海兵隊を使う気は毛頭ない。岩だけの小島のために海兵隊を出動させるなど、議会の承認が得られるわけがない。かりに小島をめぐって戦闘が開始されれば、最も近い沖縄の米軍基地が敵のミサイルの標的になり、大損害を被る。

 だから、オバマの時代から米海兵隊をグァムやオーストラリアなどに移転させる計画があったのだ。トランプは不動産屋だ。日中をくらべ、これから高値のつきそうな方に投資する。沖縄は日本の方でそれを希望しており、彼の政策にすべてマッチすると見るだろう。

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2016年12月10日 (土)

師走色

 紅葉の季節は終わりました。Dscf2918


残った落葉樹の枯れた渋い色と、青空・常盤木のコンビネーション。これが師走色です。雪国とはまた違った風情です。

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2016年12月 9日 (金)

韓国の不思議②

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友による国政介入事件を巡り、韓国国会は9日午後、朴氏の弾劾訴追案を審議し、賛成多数で可決した。当塾では先月から、27日の「朴槿恵追及デモ」、12月3日の「北・抜き6か国協議の時期」、そして、5日の「韓国の不思議」など数回にわたって韓国の動乱、といっていい事態についてエントリーを重ねてきた(リンクは文末参照)。

 前回も書いたように、韓国の政治、司法そして韓国の社会がこの決議でどう推移するのか、日本のマスコミやテレビのワイドショウの解説では、さっぱりその先が読めない。現在の韓国の近代化、経済発展の基礎を築いたのは、朴槿恵大統領の父親・朴正煕大統領である、がそれと今回の槿恵大統領糾弾とどう関連するのか、しないのか、そのあたりもよくわからない。

 そこで、日本在留が長く国際的な学才・韓国人学者から見るとどうなるか、鄭大均著『韓国のナショナリズム』岩波現代文庫で、その片りんをうかがうことにした。

 朝鮮におけるナショナリズムの動きは、日本統治によって挫折を余儀なくされる。したがってナショナリズムが本当に実現したのは解放後ということになるが、国家への帰属意識がエリート層のみならず庶民層にまで共有されるようになった時期ということになると、それはさらに下って六〇年代といこうということになるだろう。六〇年代とは、朴正煕(1917~79年)が軍事クーデターを通して政権を奪取し、そのリフォーム・ナショナリズムが国のかたちを変えた時期である。

(中略)リフォーム・ナショナリズムは日本の明治維新やトルコのケマル・パシャ革命がそうであったように、名目的には独立国家であっても、実質的には国内的な混乱や国際的な脅威にさらされている「半独立国家」を舞台とする「上からの革命」(エレン・ケイ・トリムバーガー)であり、その担い手となったのは軍部や官僚出身者たちであった。

 ところが、今日の韓国人、とりわけ知識人たちの朴正煕に対する評判は芳しいものではない。朴正煕やその時代には「軍事政権」や「独裁政治」という烙印が押され、それは否定的な過去として語られることが多いのである。だが朴正煕やその政権によって提示された「民族」や「近代化」のビジョンは、韓国のかたちや韓国人の集団アイデンティティのかたちをかなり根本的に変革する力となったのであり、それは今日の韓国人の自尊心の源泉となるものである。

 韓国のジャーナリスト・趙甲済の言葉を借りるなら、朴正煕とは「今もも生きている現在の歴史」であり、その功罪の両面を含めて、今日生きているすべての韓国人は朴正煕の時代に韓国にもたらされた革命の産物であるといってよい。

 不幸なことに、解放後の韓国においては、執権者がかわるたびに前任者の業績や価値観が否定されるという反動の連鎖が見て取れる。朴正煕自身が前任者のそれを「李朝社会の悪遺産」とか「民族愛の欠如」として否定したように、その後にあらわれる新しい主人公たちも親世代の否定をその出発点としているのである、

 以上、長い引用となってしまったが、これが父・朴正煕以来の伝統になってしまったのだろうか。歴史の積み重ねにより、このような「伝統?」がいずれ克服されるだろうことを、隣国国民のひとりとして願っている。

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2016年12月 8日 (木)

オバマ、トランプ、真珠湾

 75年前の今日、日本は宣戦布告通知が米側に届かないままハワイ真珠湾の海軍基地を急襲した。これに関し、オバマ大統領と次期大統領になるトランプ氏は、それぞれ声明を発表した。(12/8毎日新聞・東京・夕刊)

 オバマ氏は「攻撃で2400人を超える米国の愛国者が命を失った」とし、犠牲者を追憶し、遺族らをたたえると表明した。

 そのうえで「(当時の)敵国が最も緊密な同盟国に変わった証左として、今月下旬に安倍晋三首相と戦艦アリゾナ記念館を訪れるのを楽しみにしている」と言及。「この歴史的な訪問は、和解の力と、75年前には想像できなかった同盟関係で結ばれた日米両国が、より安定した世界のために手を携えて働いていくことの証しとなる」と強調した。

 一方、トランプ氏は「(犠牲となった人たちが)分かち合った犠牲は、我々が享受している自由を守るために先人たちが支払った大きな代償を思い出させる」と指摘。「米国にとっての敵国は過去75年間で変わってきたが、レーガン大統領がかつて言った『平和を追求するには、勝利に代わるものはない』という事実は変わらない」と述べた。

 最後のトランプ氏の、レーガン大統領発言を引用した部分、戦争はいつも自国が正義で必ず勝つと思い込んでいるアメリカ――。塾頭の最も嫌いな面である。戦時中の日本そのまま、低レベルの俗論が支配して反省するところがない。

 今なお絶えることない戦火。アメリカがかかわっていないケースがどれだけあるだろうか。世界の警察官気取りはやめたのではなかったのか?。danger

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2016年12月 7日 (水)

生めよ増やせよ

 フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏が毎日新聞のインタビューに応じた。トッド氏は、日本の社会保障制度について、「家族に要求することが多すぎる」と指摘。それが低い出生率につながっているとの見方を示した上で、「日本が直面している最大の課題は人口減少。このままでは30~40年後に突然、災いが訪れる」と警告する。 (毎日新聞12/7)

 タイトルの「生めよ増やせよ」は、戦中、政府が唱導したモットーである。戦線が拡がって兵士が不足し、徴兵対象から外れていた大学生や一家をささえる中年世帯主まで徴兵された。職場の事務員はほとんど女子社員が肩代わりした。

 工場や炭鉱などの労働者は、中国など周辺国に求めた。これが「強制連行」と誤解されているもとである。女だけでどうやって「生めよ増やせよ」を実現させるのだろう。小学校高学年では「……も国のため」というハヤシ言葉がはやった。

 少子高齢化はたしかに問題が山積している。上の引用は主に経済問題を言っているのだろう。しかし、人口問題は昭和になってから二転三転しており、単純な方向付けだけでは片付かない。

 昭和恐慌で人口の殆どを占めていた農民は、余剰人口を吸収する働き口がなくなった。日本は人口密度が東洋ではジャワに次いで高い(今よりずっと低かったが)とされ、大陸に目が向けられた。満州事変後、満蒙の生産技術を高めるという名目で満蒙開拓団が大挙して海を渡った。
 
 それが数年後には「生めよ増やせよ」に早変わり。戦争直後には大勢の復員兵士を迎え、団塊の世代を生む結果となった。

 現在、自民党の政策では、女性は育児に専念できるようにするのか、職場を増やすようにするのよくわからない。移民受け入れに対しても同様で、基本政策を持たない。

 TTPなどを巡って、食糧自給率が云々されている。自給率を高めるためには、人口が増えない方がいいことになる。戦時中は標語に「一億一心」など一億近い人口を称したが、朝鮮・台湾を除いた内地だけなら7000万人台だった。それでも自給ができず、「貧乏人は麦を食え」など、池田首相の暴言を生む土台があった。

 人口問題もインフレターゲットと同じ、ただ増えればいいと言うものではなく、国土面積や生産力などから見てどのレベルが適正かを、しっかり見極めることが大切なのではないか。

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2016年12月 6日 (火)

新電力

 塾頭宅では、半年前に東電から新電力に契約を切り替えた。新電力から、新規顧客紹介依頼と共に、半年の実績と、この先半年のシュミレーションをしたレボートが郵便で届いた。

 それによると、実績では40A契約で東電より半年で2376円安くなり、今後の半年のシュミレーションを加えると5926円になるという。月にして500円程度、市立図書館に一度往復すると消えてしまう。

 新電力切り替え率は3%に過ぎないというが、塾頭が切り替えたきっかけは昔の勤め先のOB会から案内状が来たことによる。勤め先の工場では、当時から大規模な自家発電所を持っていた。

 万一停電すれば、復旧に時間と費用がかさむ。その被害を防ぐバックアップと、公害源となる排ガスを大気中に放出せず、熱源として利用する目的もあった。いずれにしても日常の保守管理や運転が必要で、余る電力は近くの大口消費先に売電していたという実績もある。

 そういった信頼度と、このさき、海洋エネルギー開発や水素利用など脱原発に期待が持てること、さらに、我が家では原発の電気を使っていない、という気休めにもなった。

 ところが、政府は、東電などの赤字対策として廃炉費用を新電力にも負担させろ、とか、原発事故による経費を除いた原発の低コスト電力を新電力に買わせることを義務付けようなどという意見が出ているようだ。

 そんな約束がないから切り替えたのだ。政府のいう新自由主義が、まやかしであると思われても仕方がない一例だ。

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2016年12月 5日 (月)

韓国の不思議

 題名は「韓国」だが「朝鮮」に置き換えてもいい。ヨーロッパでは、イタリアの国民投票で現首相が敗北しオーストリアは極右政党が敗北した。まだこの先いろいろな動きがあるだろうが、EUの根幹を揺るがすようなことはないだろうと見る。

 韓国は朴槿恵大統領の先の展望が読めないが、今までの所、塾頭の古びた知識では、解きほぐせないことが次々におこる。

 前に書いたことがあるが、小学生時代、塾頭には同級生に金・李・朴の3人の朝鮮人級友がいた。その3つの姓は韓国でのベストスリーである。それに今回悪名を高めた大統領のお友達崔氏を加えるとほぼ半数がこの4姓で占められる。

 こういった姓(本貫)の記録は朝鮮では命より大切なもので、最近まで同じ本貫同士の結婚は認められなかった。最も多い金氏は、さらにいくつかの本貫に分かれる。元・大統領の金大中氏や、有名な作家・金達寿氏は、その中でも最大の「金海・金氏」である。

 金海は釜山空港の近くで金氏の先祖・首露王が亀旨の峰に天下った金の卵から生まれたとされる。そして、倭人が根拠を置いた場所もここである。また、新羅の伝説上の初代王・赫居世が慶州で勢力を持つ朴姓の創始者であり、司馬遼太郎は、『韓のくに紀行』で倭人だったという説を紹介している。

 両氏とも慶尚南・北道が拠点で古代の駕洛国から出ている。洛東江に沿って釜山から大邱のあたりまで、倭人が多く住んでいた地帯である。これを言うと、日韓併合を正当化しようとする「日韓同祖論」だと非難され、長い間タブー扱いだった。

 しかし、韓国の地元における伝承、日韓や中国の古文献・埋蔵物その他から見て、倭人が住んでいたことは疑いようがない。そして、日韓双方の交流・往来には特段の障壁がなかった。同祖論を言うなら弥生時代の担い手として大陸から多くの文化を招来し、有史の時代に入ってからもさまざまな技術を持った人がやってきて、大阪・京都周辺に住みつき、そして混血した。

 その人数は韓国の倭人をはるかに超えるものがあったはずだ。しかし、本貫の制度は日本に根付かなかった。韓国では、一族のうち誰かが出世したり金持ちになったりすると親兄弟はもとより、親戚縁者・友人など、普段は疎遠にしているものでも一斉にその成功者のおこぼれに与ろうとする。

 また、それに冷たくするようでは、成功者は強い非難を受ける。本貫制度からきているのかどうかわからないが、身内意識が非常に強いのだ。日本以外でも韓国コロニーのあるところでは、それが強く表れる。時には戦闘的でさえある。

 選挙でも、同じ本貫の候補者がいればそこに票を集めるという。朴氏は漢国で8.5%いるのに、大統領支持率は4%とか5%しかないという。これは、おこぼれも出せなくなった同族には用がないということなのだろうか。

 韓国を旅行で回ったことは1度しかないが、その程度ではどうもよくわからないことが多い。

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2016年12月 3日 (土)

「北・抜き6か国協議」の時期

 北朝鮮に対するより徹底した国連安保理の制裁決議がまとまり、北朝鮮経済の後ろ盾である中国を含め、全会一致で採択された。これに関連して、朝日・毎日の2紙が社説を掲げている。朝日の記事でその内容を示すと次のようだ。

 北朝鮮の最大の外貨収入源とみられる石炭の輸出を約6割減らすよう、上限を設けたことが最大の特徴だ。

 銅やニッケル、銀などの輸出は全面的に禁じられるほか、北朝鮮が労働者を派遣してアフリカ諸国などで作らせている銅像を建立する取引も認めない。

 この制裁が実行されれば、北朝鮮の総外貨収入は4割近く減り、核・ミサイル開発のペースは抑えられるとされる。

 これを見て思い出すのは、大東亜戦争開始前のABCD(アメリカ・イギリス・中国・オランダ)包囲網による鉱物資源を主にした対日経済封鎖である。これで日本は干上がり、戦争遂行能力がなくなるが、短期戦なら神国・日本に勝機もある、といって突っ込んだのがさきの戦争である。

 両紙の論調に多少のニューワンスの差はあるが、中国による「抜け道」を許さないこと、日米韓の連携を強化することなどで、制裁効果で金正恩を追い詰めるという点では一致している。国連と日本外交の基本姿勢をなぞっただけで、マスコミの洞察がこんなことでいいのかという気がする。

 韓国は今、大統領弾劾で空前の混乱に陥っている。韓国民は、この決議にどういう思いを持つだろうか。制裁強化で同じ民族が飢えたり、争ったり、正恩の独裁強化による内乱やクーデターが起きたりすることを望んでいるだろうか。

 北が、核開発やミサイル発射にこだわるのは、一にも二にも南北統一に優位、少なくとも対等以上の地位を占めたいからだ。北に混乱が起きてプラスになる国はどこにもない。難民の大量発生や内乱状態発生は、中・韓にとって直接的なクライシスになる。

 治安維持出動は、即内政干渉となり、中・韓の対立を生む。そして中東で見るような果てしない抗争にならない保証はない。本塾では、10月22日に「北・抜き陰謀論」を書き、同様な趣旨からこの際、北抜きでも6か国協議をすべきだと書いた。

 しかし、この素人考えは誰からも支持されていない。(;ω;)

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2016年12月 1日 (木)

天皇退位、迷路へ

 12月1日付毎日新聞の1面トップ見出しは、「退位専門家の賛否拮抗」である。新聞見出しだから字数を減らさなければならないのはわかるが、安倍首相好みの人選を「退位専門家」と表現したのは滑稽だ。

 天皇退位に関する安倍首相の私的諮問機関に意見陳述した16人を言っているのだが、10月28にエントリーした「追悼・三笠宮殿下」に書いたように、「結論が出せないか、出たとすれば到底歴史の批判に耐え得ない奇怪なものになるだろう」という予測が早くも当たりそうだ。

 新聞記事の内容では、退位の賛否で反対が6人、賛成が8人、今上天皇に限って適用する特別立法の可否については、反対が3人賛成が6人とされている。右派論客は、天皇の意向があっても退位反対が鮮明だ。皇室典範について、女性天皇の議論にならないよう、本体をいじりたくないのだ。

 有識者会議は12月7日の会合から「専門家」の意見を踏まえ、年明けにも論点を整理して公表するとしている。そして、同紙は「会議は特別立法で意見集約する見通し」と予測しているが、この予測は、会議がスタートする前からささやかれている奇怪なものだ。

 ところが、今日午前の毎日新聞・電子版に突然こんなことが――

 天皇陛下が退位の意向がにじむおことばを公表する直前の7月21日、恒久的な制度による退位を望む考えを学友に打ち明けられていたことが分かった。

 これで、政府が天皇の希望に逆らうような動きをしていることがさらに鮮明になった。天皇とほぼ同じ時代を生きてきた塾頭には、「お言葉」の意味がよくわかる。このままでは、天皇の希望が空転してしまうことになる。自民党改憲案のような戦前指向は、すでに死んでいるのだ。

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