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2016年10月27日 (木)

誰のための労組

 最大手広告代理店「電通」の新入女子社員が苛酷な長時間残業から来たと思われる自殺を遂げ、労災と認められた。また過去、支社を含め複数回労働基準監督署から是正勧告を受けていたことなど、続々と報道された。

 15日のエントリー「新潟県知事選&労働組合」は、民進党が知事選について連合の反原発反対の意を受けて自主投票に逃げこんだことを含め、今どきの日本の「労働組合」に疑問を感じ、電通のような事態をふせぐため、同社には労働組合がなかったのか……と書いたものである。

 塾頭が現役の頃は、労働省の出先「労働基準監督署」が会社の担当部門から鬼のように恐れられていた。なにしろ警察署・消防署と同じ「署」でよばれる強制力を持った役所だからだ。税務所や登記所、あるいは公共職業安定所とはわけが違う。

 同じ労働組合でも、今回の事件について役所側の労働組合のコメントを発見した。毎日新聞10月21日・東京朝刊によるものである。

全国労働組合総連合(全労連)の井上久事務局長は「労働基準監督官の人数が足りない。監督官は相当のオーバーワークで、お昼ご飯を食べる時間もないのが実態だ」と指摘する。厚生労働省によると、企業が時間外・休日労働に関する労使協定を届け出たのは14年度137万7705件で3年前から約18万件増えた。ただ、今年度の全国の監督官は3241人で、3年前から43人しか増えていない。

 「お昼ご飯を食べる時間もない……」。エッ?!、これでは取り締まる警官がコソ泥をしているようなものではないか。中央省庁再編で労働省が厚生省と合体し、さぞかし行政効率が上がりスリム化しているのだと思ったら、逆に監督官は増えているようだ。

 電通がこれほど何度も指摘を受けながら、旧態然としてお上を恐れぬしたい放題。疑いたくないが「接待」という2文字がどうしても浮かんでくる。役所の労働組合も業務の簡素化より、仕事量と身内にしか目を向けない官僚意識が先に立っている発言だ。

 塾頭……、ただただ「長嘆息」が結論です。

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コメント

私の職暦ではかなり大手の企業(年商1兆円規模)にもいましたが、労働組合は存在していませんでした。
最終の職場で初めて組合が在る企業になったのですが、そこの実態は親睦会で形だけの労組でしたから、労組交渉も親睦会そのものでした。
ですから、入会も義務で、入らないと入社は認められません。こういう労組、少なくないと思います。

新聞によれば自殺した女性は10月だけで、100時間を超える残業で、労災認定時間の80時間を遥かに超えていたようですが、本当に申し訳ないですが、夕食抜きで200時間近かった私にとっては・・・

いずれにしても「男女雇用機会均等法」が昭和60年(1985)に施行されたから、女性も男性のように残業を強いられるようになったことの弊害だと思います。

投稿: 玉井人ひろた | 2016年10月28日 (金) 15時30分

コメントありがとうございました。
おおせのあとの方の制度は「ユニオンショップ」という方式ですが、かつては民間の大手企業内組織はほとんどこれでした。

組合を除名されると会社も首にせざるを得ないわけで、組合は、一種の駆け込み寺でもありました。会社が探知できないようなことも知ることができるという点でで、労務管理の一環を担っていたともいえます。

 問題化した会社は、その機能さえなく形骸化した看板だけの「御用組合」しかないのでしょう。なお、表に出る申告時間とそれがない闇残業があるはずで、欧米などの実態とは違い、事態は深刻です。

投稿: ましま | 2016年10月28日 (金) 17時20分

仰る通りです。私も200時間はタイムカード上の話しで、「サービス残業」を足すとさらに50時間以上に跳ね上がります。

投稿: 玉井人ひろた | 2016年10月28日 (金) 19時03分

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