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2016年10月28日 (金)

追悼・三笠宮殿下

♪昭和 昭和 昭和の子どもだ 僕たちは 

 だから、昭和天皇に続く秩父宮、高松宮、三笠宮の3兄弟は、平成の子供と違って近くに感ずる。その最後の弟三笠宮が100歳の長寿を全うし、27日朝薨去された。昭和は28年を経てですでに遠くなった。

 次代の今上天皇も生前譲位を言いだされている。塾頭はこの20日に「退位に慎重だった皇后」を書いたばかりである。そこで、退位に理解を示す国民の多数は、自らの生き方を決められないことは、基本的人権に反することにならないか、という素朴な発想からきているのではないか、と書いた。

 ところが、三笠宮は70年前の皇室典範制定時に、皇族の立場から天皇の生前退位を容認する意見を発表され、「必要最小限の基本的人権としての譲位を考えた方がよいと思っている」と異議を唱えていた(表記は原文通り)ということがわかった。

 また、オリエント歴史学者として、紀元節復活に反対意見を持ち、さらに戦中には、陸軍参謀の名で中国各地を視察、その見聞にもとずく支那派遣軍総司令部で行った講話原稿が残されている。そこには、日本人の「侵略搾取思想」や「侮華思想」、さらに「日本軍の暴虐行為」などの表現があった。

 ひるがえって、今朝の新聞には、天皇の生前退位に関する安倍首相の指摘諮問機関が、ヒヤリング対象とする専門家?16人を選定したことが書かれている。それを見ると、週刊新潮も顔負けするような極右雑誌の常連筆者、渡部昇一・八木秀次・桜井よしこなど、安倍首相のお気に入りがずらっと勢ぞろいしている。

 これら歴史修正主義者や戦前回帰論者は、100歳にわたる貴重な現代史目撃者の見聞・意見とと真っ向から対立する。メンバー選定者は、意見がはっきりしている人から選んだというが、その結論はどうなるのだろう。結論が出せないか、出たとすれば到底歴史の批判に耐え得ない奇怪なものになるだろう。

 塾頭は、日本随一のナショナリストは、昭和天皇をはじめ、こういった皇族方にほかならないという考え方だ。生を受けると同時に五穀豊穣と民(おおみたから)の安寧を祈る神事の中で育ち、徹底した帝王学を学び、利害を超越した純粋性を持つ。

 そのテキストは日本書紀・古事記で始まるのであろう。それらの文献は、決して美辞麗句の聖典ではない。先祖の各天皇の事績を原典で知る必要があり、そこからさまざまな文化や教訓・批判力を身に付ける。決して「天皇中心の神の国」や「万世一系」などという安直なものではないはずだ。

 天皇、そして皇族は、明治維新以降はびこり始めたエセ・ナショナリストや戦中に猖獗を極めた皇国史観を超越した、日本民族の「象徴」的存在であることを改めて強く感ずるのである。ここに更めて殿下の冥福をお祈りする。

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コメント

忘れてならないのは、歴代天皇が浄土真宗の高祖「法然上人」へ大師号を加謚するという、仏教の長としてのお仕事も継いでいるということでしょう。

今上天皇も平成23年にに「法爾大師」という諡号を法然上人に加謚されています。

そいったことの生き証人皇族であった三笠宮様は、私たちに知らさⓡていないいろいろなお言葉を残しているんでしょうね

投稿: 玉井人ひろた | 2016年10月28日 (金) 15時43分

廃仏毀釈が吹き荒れた明治初頭をかいくぐってこういうことが続いているのですね。

なお、法然は浄土宗の始祖で、浄土真宗は親鸞のはずです。浄土宗は徳川家が檀家となり勢力を得ました。

権力に毅然とした態度を示したのが日蓮ですが、今は与党支持の信者も多いです。

投稿: ましま | 2016年10月28日 (金) 16時49分

そうそう「浄土宗」でした。失礼いたしました

投稿: 玉井人ひろた | 2016年10月28日 (金) 18時57分

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