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2016年10月25日 (火)

海賊、人質かかえて5年

 地中海からスエズ運河を通り、抜けたところが紅海で、アラビア半島とアフリカの間にある。アフリカ側は、北からエジプト、スーダン、そしてつい最近稲田防衛大臣が行った南スーダン、エチオピア、シブチと続き最後のインド洋の出口がソマリアで、内戦状態のイエメンが対岸にあり、世界で最も危ない地域に上げられる。

 そのソマリアがひさびさのニュースになっているが、ホルムズ海峡と違って日本ではあまり取り上げられない。

(CNN) アフリカ東部のセイシェル沖で海賊に船を乗っ取られ、人質にされていた船員26人が約5年ぶりに解放されたことが24日までに分かった。解放交渉を仲介した海賊問題対策の非営利組織(NPO)OBPの関係者が明らかにした。

OBPによると、オマーン船籍の漁船は2012年3月に乗っ取られ、乗員29人のうち1人は襲撃を受けた際に死亡、2人は拘束されている間に病死した。

人質は全員が男性で、カンボジア、中国、インドネシア、フィリピン、台湾、ベトナムの国籍だった。

解放されたのは22日で、国連機を使って出身国に帰国させる。OBPは身代金が支払われたのかどうかなど、人質解放の詳しい条件を明らかにしていない。

 ソマリア沖の海賊が話題になり始めてほぼ10年近くになる。各国商船の往来の激しいところである。武装海賊に襲われ、拿捕されるという事件が次々に起きた。そのため、アメリカをはじめ近海の警戒を厳重にし、商船に軍艦を付き添わせるなどした。

 この流れを受けて日本政府も海上自衛隊のソマリア沖への派遣を検討し始め、2009年3月13日、ソマリア沖・アデン湾における海賊行為対処のための海上警備行動を発令した。翌3月14日、海上自衛隊の護衛艦2隻をソマリアに向けて出航させた。

 そういった海賊の犠牲者が、5年も経て解放されたというのだから驚きである。もっとも、このあたりの海賊は、大昔から生活手段を得る為の商売であった。それは、陸上で隊商を襲う盗賊も同じで、商人にとっては通行税をとられるのと同じである。

 それは、ここに限ったことではない。日本にも瀬戸内海専門の村上水軍や、五島列島に根拠を置く、倭寇と呼ばれた存在もあった。その特徴は、いずれも国家の支配・統制下になく、政治的コントロールが利かないということである。

 この地帯は、西欧が植民地支配するまでは、長い間国家も国境も存在せず、部族単位で必要な行動をとっていただけで、特殊とはいえない現象だ。

 したがって、海賊が拉致した人員は商品として売られるとか身代金と交換するとか、然るべき利用方法で処置されなければ意味がない。戦争捕虜ではないし犯罪人でもない。5年間どのような境遇にあり待遇されていたか知りたいところだが、多分明らかにはされないだろう。

 アラブやアフリカに発生するさまざまな内紛やISなどの行動も、こういった前近代性を加味して動きを見ていかなければ、わからないことが多いのだ。

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コメント

以前、「海賊は産業が無いから、漁業で儲からないからだ」として、ある一人の日本人が渡航し現地で漁のしかたや、販売ルートの確保などに奮闘して現地の人に喜ばれているという喜徳な人物のことを紹介していましたが、今あの人はどうなっているのか、少し気になりました。

投稿: 玉井人ひろた | 2016年10月26日 (水) 15時27分

教えた人も教わった人もどこかへ消えた?。そういえばこのあたり、行方不明のマレーシア機の残骸が発見されたという噂があるけど真相は闇。

とにかく謎には不自由しない海域です

投稿: ましま | 2016年10月26日 (水) 18時05分

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