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2016年9月 8日 (木)

秋サバは中国に食わすな?

 2日付の題は「秋サバと原発」で、若狭湾から京都に向けて名産サバを届ける「鯖街道」としてにぎわったことを書いた。

 ところが今朝のテレビ朝日系のモーニングショーを見ていたら、そんなのんきなことを言っていられない。目下「サバ戦争」のさ中にある、という報道だ。中国が外国の警戒をものともせず、海洋進出に血道を上げる原因の一端を見たような気がした。

 このところ、海洋資源の乱獲で海産物の供給量が減り価格が上昇しているということは、一般論として知っていたが、それを象徴的に表しているのが、サバの激減だという。

 まず、中国人の胃袋だ。いまや世界的になった日本食ブームは中国も例外でない。中でもサバは瞬く間に美味が知られ、需要が増えた。しかも、かつて魚介類を生で味わう習慣のなかった内陸部も、冷凍の技術が一般化して、需要の伸びはとどまることを知らない有様だ。

 こうして漁船の乱獲が始まり、サバは中国近海では絶滅、次第に外海に向かうことになる。一本釣りに始まる日本の伝統的漁法を経ていない中国漁業は、いきなり灯火による集魚、底引き、はえ縄、遂に大型ポンプで海水と共に魚群を吸い取ることまではじめた。

 当然、魚を求めて尖閣諸島に近づく。中国公船も警戒に当たる。漁になれた日本漁船が見つかると、その近所には魚がいるはずということで、中国公船が近くへやってくる。日本船が不安を感じて立ち去るのを見計らって中国漁船がやってくる。

 法には触れていない。法に触れなければ何をやってもいいという流儀なのだろうか?。漁民と言っても日本のような古来の素朴なプロ、という感じはしない。軍など官僚の利害と重なり、手厚い保護があるようだ。北太平洋の漁場にも似た現象がある。

 少子化対策にもかかわらずこれからも人口が増え、所得が増え、内陸部の食生活も変化する。その中国に、「サバは資源保護のため中国人は食うな」とは言えない。これは、地球温暖化防止の排ガス規制と相通ずる。

 人類の生き残りを目指して、双方に相当厳しい規制を課す方向で話し合いを開始しなければならない。軍事的対立にすぐ結びつけたくなるだけでは何も解決しない。「鯖街道」の行き着く先はそこだった。

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東アジア共同体」カテゴリの記事

コメント

中国にとって、国内的には海底資源より、食料確保の方が先決になってきているんでしょう。
食べ物の怨みは怖いと言いますから、国内不満の第一は食料確保だと考えているのかもしれません

ただ、獲り方がえげつない。
まるで昔の日本のようでもありますがね。

投稿: 玉井人ひろた | 2016年9月 8日 (木) 15時20分

今東シナ海の中国ガス田があるあたり、何十年か前、日本との共同開発の話し合いがありました。

中国は日本の開発技術と開発資金に狙いがあったのです。もし、成功すれば生産物は山分けにするはずだった。

開発は、日本は民間会社、中国は国営で、日本の会社は探査の段階で、投資に見合う産油を掘り当てる確率が低いと見て手を引きました。

中国は、国営だからそんな採算は二の次、海洋進出の実績づくりが優先しました。それで、「日本が勝手に協議を打ち切った」ことになっています。

官僚独裁と無秩序資本主義が混在する奇妙な国です。

 

投稿: ましま | 2016年9月 8日 (木) 15時57分

後から思いついたのですが、わが家近くのスーパーのどの店舗でも、鯖は殆どがノルウェー産になっています。

ですからわが家でも、国内のは高い性もありますが、ノルウェー産以外のは買っていないのが現状です。

投稿: 玉井人ひろた | 2016年9月 9日 (金) 08時17分

「アジ街道がついにノルウェーまで行ってしまった!!」(絶句)

中国は太平洋だけでなく西に向けて海・陸の回廊づくりに熱心なわけがわかりした。

投稿: ましま | 2016年9月 9日 (金) 08時56分

日本の漁師は20万人で絶滅危惧種ですがn対して中国は公称でも800万人、闇では1400万人以上だとも言われている。多勢に無勢、何とも致し方ない成り行きなのです。

不愉快な印象操作を繰り返していた玉井人ひろた氏ですが、わざと騒動を煽る、
時々トンデモナク大事なこと本人が気が付かないうちに無意識にサラッと書いている。
今回も同じで、
北大西洋にもサバがとれるのでカナダやノルウェーから大量に輸入している。
スーパーの店頭に並んでも不思議ではないが、国産との比率は10分の1ですよ。店頭にノルウェー産だけだったなどど、明らかに異常事態。
関西など西日本では起きていないのです。
そもそもノルウェーを含む欧州圏ではトルコのイスタンブールのサバサンドが有名だが基本的に肉が主で魚は従。
日本でも厚労省が妊婦に対してマグロとか金目鯛は週に2回以下にするように言っているが、
食品汚染の監視が厳しいノルウェーでは、自国のサーモンなどは週1回を限度にするように指導しているのです。

投稿: 宗純 | 2016年9月 9日 (金) 14時33分

統計は分かりませんが近所のスーパーは、妻証言によるとほとんどがノルウェー産なので生協で選ぶと言ってました

投稿: ましま | 2016年9月 9日 (金) 20時29分

2011年3月11に日フクシマの核事故以来韓国は東北や北関東の8県の水産物を全面輸入禁止にしている。中国は農産物も含めて全部を禁止しているのです。もちろんそれ以外の多くの国も禁止しているのです。
チェルノブイリでは事故が起きた1986年中に石棺化して封じ込めたがフクシマは今でも野ざらし状態で外部環境に放射能を垂れ流している。
トモダチ作戦の原子力空母原子力空母ロナルド・レーガン乗員が福島第一原発沖で被曝したと400人が一人当たり11億円を請求しているのです。
ところがアメリカ兵は、230キロ離れた海域で5時『放射性プルームに包まれた』だけだった。
東京の方が米空母よりも近いのですから、小泉純一郎が男泣きしたのは当然だったのです。
福島県の子供を持つ主婦では、出来る限り福島県産を買わず高くても他県産の食品を買うとの記事を見たことがあるが、
関東圏の店頭に国内産が並ばない原因ですが、たぶん、売れないからですよ。

投稿: 宗純 | 2016年9月10日 (土) 09時20分

解説ありがとうございました。

了解

投稿: ましま | 2016年9月10日 (土) 10時26分

マグロの解体の包丁も使えないと、仲買人が大反対している築地市場の豊洲移転ですが、
土壌汚染を理由に小池都知事が延期を発表しているが、
調べると確かに築地市場よりも、豊洲の方が狭いので使い難い。
ところがですね。実は用地面積は築地が二十数ヘクタールに対して豊洲は倍の40ヘクタール以上なのです。しかも平屋の築地に比べ豊洲の方はビル構造なので敷地面積以上に建坪では広くなっている。
狭くなるなど、到底有り得ない話なのですが、
実は豊洲は中央市場ではなくて、似ているが根本的に目的が違っている『冷蔵倉庫』だったらしいのですよ。
東京にある魚河岸としての中央市場を解体して無くして後で、使い難い『冷蔵倉庫』だけを造る目的ですが、
今回話題になった東北とか関東でのスーバーでは国産のサバではなくて輸入ものだけを扱っていたとの驚愕的なニュースとピッタリ一致しています。

投稿: 宗純 | 2016年9月10日 (土) 14時54分

拙宅は千葉県といっても銚子へは築地の3,4倍の距離があります。そこの魚屋さんが週一、軽トラでやってきて路地で店開きします。品物は毎回同じではありませんが、本物の”魚屋さん”が味わえます。

投稿: ましま | 2016年9月10日 (土) 18時03分

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